なんでもない、ただの愛
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ついに龍神と闘う日がやってきた。
蒼が龍神を呼び起こし、人の姿になった龍神が現れた。
「わざわざ負けに来たのか」
「それはやってみないとわからないでしょ」
「フン……5分で終わらせてやる」
「……開始!」
蒼が開始の合図を出すとともに俺は一気に龍神に詰めた。
「紫電……!」
当たった!が、なんだこの感触のなさは……!
龍神が溶けていく……分身か……!
「雷遁・影分身!」
龍神はいつのまにか10m離れたところにいた。
「廻天之力」
やはり使ってきたか!が、
バチチチチ
雷遁・影分身は触れられれば電気を流すことができる。三人のうち一体は俺本人だが、両の腕で俺達に触れてくるだろう。
狙い通り龍神に電撃を与えられた。
「フン……少しは頭を使えるようだな」
俺の記憶はここで途絶えてしまった。
「………カカシ様!」
俺はいつの間にか自分の家のベッドで寝ていた。
「蒼……一体何がどうなって……」
「お父様の術で気を失ったんです。ここまではお父様が運んでくださいました」
「龍神が……?俺、何時間寝てたの?」
「5時間です……お父様はそれをわかった上でカカシ様を運んだんだと思います」
「とりあえず今日は俺の負け、だな……」
それにしても、気を失った時の術がなんなのかわからないと、また同じことの繰り返しになるぞ……。
「蒼から見て、最後の術はどんな術だった?」
「天から龍が舞い降りてきました。それはそれは神々しく。今思えば、その時お父様の姿はありませんでした。なので舞い降りてきた龍はお父様だと思います。そして龍は覇気をまとい……カカシ様は龍に見蕩れるように顔を、目線を動かすことなく…そのままパタリと倒れました」
「見蕩れるように……?」
「恐らく、信仰心の術なのだと思います。」
「信仰心……?」
「龍を崇め、讃え、己が龍の一部になります。と、身も心も捧げたくなる、そんな術です」
「それと気絶とはどう関係するんだ?」
「カカシ様は、読んで字のごとく龍に身を捧げたのです」
「つまり龍に喰われたのか?じゃあなんで俺の身は無事なんだ?」
「私の憶測ですが……これらは全て幻術ではないかと思います」
「幻術……言われれば納得いくな」
「はい。カカシ様、お父様が術を使う瞬間を覚えていませんか?」
その瞬間、幻術を解けばいいのです。と蒼は言うが、俺は全く覚えていなかった。
まぁ、まだ闘いは始まったばかりだ。徐々に蒼の術や龍神の術に慣れていけばいい。
蒼に信仰心を持たせる術は使えないのか?と聞くと、自分は龍じゃないのでそれはできないと返された。
ん……?待てよ……。
「蒼ってさ、龍神と人間の間にできた子供じゃん」
「そうですね」
「もしかしたら、龍の姿になれるんじゃない?」
蒼はそんなこと考えたこともなかったと言う。
「ちょっと明日お父様に聞いてみます……」
「何かわかるといいね」
……
……
ーーー翌日。
コンコン
「カカシ様……」
「蒼か、どうした?」
「その……昨日の私が龍になれるかって件ですが……」
「そういえば……龍神に聞けたのか?」
「はい……結論から言うと、無理、です」
やっぱり難しいか……。
「ただ、無理というのは完全体であること、であって……」
「うん?どういうこと?」
「半獣のようにならなれる、そうです」
半獣……半分人間で半分龍ってことだよな……。
「蒼はその姿なら今なれるのか?」
「はい……あの、恥ずかしいので笑わないでくださいね」
「わかったよ」
「集まりし光の粒よ、我が化身となれ!」
蒼の姿はヒトをベースに触覚と鋭い牙、角が生えていた。加えて顔や腕周りに少し鱗ができている。尖った目つきも全然違う。
「……あの……あんまり見ないでください……」
「なんで?」
「見た目怖いじゃないですか……恥ずかしいし……」
「そんなことないよ。なんて言ったら正解かわからないけど、蒼が蒼であることに変わりないし……」
「……この状態でなら、お父様が仕掛けた昨日の最後の術が使えるかもしれないです」
「本当か!それは助かる!」
「でも、お父様はその術を覚えるには時期が早すぎると言ってすぐには指導してくれなさそうです。私ももっと、強くならねばいけません」
「お互い強くなる必要があるな。次はひと月後だし、時間はたくさんある。修行、頑張ろう」
「はい!よろしくお願いします!」
蒼と俺は毎日の修行を欠かさなかった。とくに半獣化した蒼の獣としての戦い方は目を見張るものがあった。
蒼はどんどん強くなる。
俺も負けじと強くなることに貪欲になっていた。
「もしかしたら、お父様は最終的に龍の形で闘われるかもしれません」
「人間の姿じゃなくて、か」
「はい、元の姿に戻った方が強いですからね」
「じゃあ、人間でいるうちはまだ本気じゃないってことか……」
「そうなります……私は半獣ですが、少しであればカカシ様の役に立てると思います」
「ホントありがとね」
ひと月後、俺はまた最初と同じ"信仰心による幻術"で倒れてしまった。いつくるかと身構えていたが、結局わからずじまいだった。
が、蒼はそれを見逃さなかった。
「またか……」
「カカシ様。お父様のあの術の発動条件がわかりました」
「本当か?!」
「はい。お父様が龍に戻るとき、眼が金色から白金になるんです」
「白金?」
「そうです。お父様の眼の色をよく見てください。色が変わった瞬間、目を合わさないようにしてください。龍は基本的に眼に術を宿すことが多いです。目が合えば、幻術にハマってしまいます」
なるほどな……些細なことに気づけなかった俺だが、それにしても遠距離にいた蒼はどうしてわかったのだろうか。龍の眼力というものだろうか。
でも……そうだな……目を合わせないで闘う、か……。だったらいっそのこと……。
「蒼、今日も頼む」
「はい!」
俺はある手段を使ってみることにした。
蒼が龍神を呼び起こし、人の姿になった龍神が現れた。
「わざわざ負けに来たのか」
「それはやってみないとわからないでしょ」
「フン……5分で終わらせてやる」
「……開始!」
蒼が開始の合図を出すとともに俺は一気に龍神に詰めた。
「紫電……!」
当たった!が、なんだこの感触のなさは……!
龍神が溶けていく……分身か……!
「雷遁・影分身!」
龍神はいつのまにか10m離れたところにいた。
「廻天之力」
やはり使ってきたか!が、
バチチチチ
雷遁・影分身は触れられれば電気を流すことができる。三人のうち一体は俺本人だが、両の腕で俺達に触れてくるだろう。
狙い通り龍神に電撃を与えられた。
「フン……少しは頭を使えるようだな」
俺の記憶はここで途絶えてしまった。
「………カカシ様!」
俺はいつの間にか自分の家のベッドで寝ていた。
「蒼……一体何がどうなって……」
「お父様の術で気を失ったんです。ここまではお父様が運んでくださいました」
「龍神が……?俺、何時間寝てたの?」
「5時間です……お父様はそれをわかった上でカカシ様を運んだんだと思います」
「とりあえず今日は俺の負け、だな……」
それにしても、気を失った時の術がなんなのかわからないと、また同じことの繰り返しになるぞ……。
「蒼から見て、最後の術はどんな術だった?」
「天から龍が舞い降りてきました。それはそれは神々しく。今思えば、その時お父様の姿はありませんでした。なので舞い降りてきた龍はお父様だと思います。そして龍は覇気をまとい……カカシ様は龍に見蕩れるように顔を、目線を動かすことなく…そのままパタリと倒れました」
「見蕩れるように……?」
「恐らく、信仰心の術なのだと思います。」
「信仰心……?」
「龍を崇め、讃え、己が龍の一部になります。と、身も心も捧げたくなる、そんな術です」
「それと気絶とはどう関係するんだ?」
「カカシ様は、読んで字のごとく龍に身を捧げたのです」
「つまり龍に喰われたのか?じゃあなんで俺の身は無事なんだ?」
「私の憶測ですが……これらは全て幻術ではないかと思います」
「幻術……言われれば納得いくな」
「はい。カカシ様、お父様が術を使う瞬間を覚えていませんか?」
その瞬間、幻術を解けばいいのです。と蒼は言うが、俺は全く覚えていなかった。
まぁ、まだ闘いは始まったばかりだ。徐々に蒼の術や龍神の術に慣れていけばいい。
蒼に信仰心を持たせる術は使えないのか?と聞くと、自分は龍じゃないのでそれはできないと返された。
ん……?待てよ……。
「蒼ってさ、龍神と人間の間にできた子供じゃん」
「そうですね」
「もしかしたら、龍の姿になれるんじゃない?」
蒼はそんなこと考えたこともなかったと言う。
「ちょっと明日お父様に聞いてみます……」
「何かわかるといいね」
……
……
ーーー翌日。
コンコン
「カカシ様……」
「蒼か、どうした?」
「その……昨日の私が龍になれるかって件ですが……」
「そういえば……龍神に聞けたのか?」
「はい……結論から言うと、無理、です」
やっぱり難しいか……。
「ただ、無理というのは完全体であること、であって……」
「うん?どういうこと?」
「半獣のようにならなれる、そうです」
半獣……半分人間で半分龍ってことだよな……。
「蒼はその姿なら今なれるのか?」
「はい……あの、恥ずかしいので笑わないでくださいね」
「わかったよ」
「集まりし光の粒よ、我が化身となれ!」
蒼の姿はヒトをベースに触覚と鋭い牙、角が生えていた。加えて顔や腕周りに少し鱗ができている。尖った目つきも全然違う。
「……あの……あんまり見ないでください……」
「なんで?」
「見た目怖いじゃないですか……恥ずかしいし……」
「そんなことないよ。なんて言ったら正解かわからないけど、蒼が蒼であることに変わりないし……」
「……この状態でなら、お父様が仕掛けた昨日の最後の術が使えるかもしれないです」
「本当か!それは助かる!」
「でも、お父様はその術を覚えるには時期が早すぎると言ってすぐには指導してくれなさそうです。私ももっと、強くならねばいけません」
「お互い強くなる必要があるな。次はひと月後だし、時間はたくさんある。修行、頑張ろう」
「はい!よろしくお願いします!」
蒼と俺は毎日の修行を欠かさなかった。とくに半獣化した蒼の獣としての戦い方は目を見張るものがあった。
蒼はどんどん強くなる。
俺も負けじと強くなることに貪欲になっていた。
「もしかしたら、お父様は最終的に龍の形で闘われるかもしれません」
「人間の姿じゃなくて、か」
「はい、元の姿に戻った方が強いですからね」
「じゃあ、人間でいるうちはまだ本気じゃないってことか……」
「そうなります……私は半獣ですが、少しであればカカシ様の役に立てると思います」
「ホントありがとね」
ひと月後、俺はまた最初と同じ"信仰心による幻術"で倒れてしまった。いつくるかと身構えていたが、結局わからずじまいだった。
が、蒼はそれを見逃さなかった。
「またか……」
「カカシ様。お父様のあの術の発動条件がわかりました」
「本当か?!」
「はい。お父様が龍に戻るとき、眼が金色から白金になるんです」
「白金?」
「そうです。お父様の眼の色をよく見てください。色が変わった瞬間、目を合わさないようにしてください。龍は基本的に眼に術を宿すことが多いです。目が合えば、幻術にハマってしまいます」
なるほどな……些細なことに気づけなかった俺だが、それにしても遠距離にいた蒼はどうしてわかったのだろうか。龍の眼力というものだろうか。
でも……そうだな……目を合わせないで闘う、か……。だったらいっそのこと……。
「蒼、今日も頼む」
「はい!」
俺はある手段を使ってみることにした。
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