なんでもない、ただの愛
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私の名前は一ノ瀬蒼。
木ノ葉隠れの里で暗部として働いている。
暗殺、捕獲、護衛、視察など任務は多岐に渡るが、
私は暗殺を得意とするので基本的に暗殺任務を任される。中遠距離戦を得意とするが、近距離戦も並以上には戦える。
先輩の日車ビュートさんは、私が暗部に入ってすぐからいろいろ教えてくれた。日車先輩は、言わば「第二の親」。
第一はもちろん、龍神様である。
父親のように思っていたけど、なんと私は龍神様とヒトの間にできた子供らしく、龍神様は本当の本物の父親だった。
それが嬉しくて、お話したくて、たまに龍神様の封印を解くことがある。
今日もまた然り。
「あのっ……お父様。お願いがあるのですが…」
「どうした」
「その……ま、街へ出ませんか……!」
「……何故だ」
「お、親子らしいことをしたいなぁと思いまして……」
「……良いだろう」
「本当ですか!じゃあ、今日の夕方また起こします!」
「わかった」
そう言って龍神様は消えていった。
……嬉しい!龍神様と街へ出かけられるなんて!
いやじゃないといいけど……。
……
……
ーーー夕刻
「龍の神よ、天の御加護を賜り大地に出てよ!!」
龍神様は人間の姿になって現れた。
「こんばんは、お父様!」
「街に行くと言っていたな」
「はい!美味しいお肉料理とかあるんで、お父様にも食べてもらいたくて!」
「フン…ワシは腹が満たされればなんでもよい」
「そう言わず!行きましょう!」
街は今日も賑やかだ。飲食店、露店、仕立屋、輸入雑貨店、玩具屋、色んな店や人がひしめいている。
「お父様!ここの牛串焼きはとても美味しいんですよ!食べましょう!」
そう言って店主に声をかける。
「いつもの嬢ちゃん!と、そっちは兄さんかい?」
「いえ!お父様です!」
「えっ!へぇ……えらく若いなぁ」
「見た目はそうですけど歳は結構いってるんですよ」
「その言い方はよせ」
「あ、お父様、すみません」
「その牛串焼き、食わせろ」
「はい!どうぞ!」
龍神様は動かない。
「お父様?」
「お前が食わせるんだ」
「わっ、わたしがですか?!…恥ずかしいですけど、どうぞ」
私が串焼きを龍神様の口元まで腕を伸ばすと、龍神様はパクリと串焼きを頬張った。
「ふむ……なかなか美味だな」
「…!!良かった!!他にも豚まんが美味しい店があるんですよ!」
豚まん屋についても、焼肉屋に行っても、甘味がおいしい店に行っても、龍神様は自分で食べようとせず私が食べさせるはめになった。
「いらっしゃい。二人とも顔がそっくりだけど兄妹かい?」
「いえ、お父様です!」
「まぁ……素敵なお父様ね」
「はい!!ありがとうございます!あの、あんみつください!」
「すぐもってくるわね」
ホントにすぐきた。
「はい、お父様。あんみつです、あーん」
パク
「…何してんの」
「!!……カカシ様!!」
「なんか浮気現場を見てる気分なんだけど」
「フン、心の小さいヤツじゃ」
「お父様!そういうこと言わない!カカシ様、今日は私が龍神様を誘って街へ下りていたんです。なんでか…龍神様は食べ物を自分で食べようとしないので私が食べさせてあげてたんです」
「ずいぶん甘えるようになったな」
「貴様、死ぬ覚悟はできているか」
「望むところだ」
「二人とも!やめてくださーーーい!!!」
どうもこの二人は馬が合わないらしい。会えば威嚇、話せば挑発、いずれお義父さんと呼ぶ呼ばれる立場なの、わかってますか?
「もっと仲良くしてください……じゃないと私…私…」
目頭が熱くなる。
「蒼、ごめんごめん。ちょっとした挨拶だよ」
「蒼、お前が泣くところは見たくない。泣くならワシの胸で泣け」
「いや、蒼は俺の胸で泣くといい」
「カカシの胸など借りなくてもよい。ワシら親子の問題じゃ」
「もう!二人とも!仲良くしてください!!」
「龍神が頼むなら…」
「カカシが頼むなら…」
「そういうところで息ピッタリにならないで!!」
この二人、もしかして超仲悪い?敵対視してるしまさに私のために争わないで状態だ。
「とにかくカカシ様、今は家族の時間なので邪魔しないでください!」
龍神様がカカシ様を見ながらニヤリと笑った。
「ふーん。でもさ、俺と蒼も夫婦になるわけだし、家族じゃん?」
「ふうっ……まだちゃんとプロポーズされてません!」
「待て、ワシはカカシとの結婚を許した覚えは無い」
「はいややこしくなった!もうこの話おしまい!カカシ様、今日は見逃してください!」
「うーん。わかったけど、今度は俺にも同じことしてね」
ニコッと笑って手をひらひらさせながらカカシ様は帰って行った。
「お父様…!相手の挑発にのるものじゃありません!」
「売られた喧嘩は買うものだろう」
「思考が私と同じ!!!そーじゃなくて、カカシ様は私の恋人なので仲良くなってほしいんです。お父様とカカシ様の仲が悪いと……」
うるっとした表情で龍神様を見つめる。
「……わかった。お前に免じて次にカカシと会う時は譲歩してやろう」
「お父様…!!ありがとうございます!!」
カカシ様にも龍神様と仲良くするようにお願いしなきゃ!
「今日は楽しかったです!お父様はどうでしたか?」
「……いい暇つぶしになったな」
「良かったです!またこうやって外に出られるのを楽しみにしています!」
「……ワシは戻る」
「はい!お疲れ様でした!」
龍神様は目の前から消えていった。
……楽しんでくれたみたいでよかったな…。
次会うときは、龍神様の小さな頃の話を聞きたいな。
あとは何が好きで、何が嫌いで、何に興味があるのか。
龍神様のこと、知らないことだらけだな。
もっと早くにたくさんのことを聞いておけばよかった。
龍神様……お父様のことを考えながら、
帰路に着くーーー。
……
……
「ただいま戻りました」
家に着くと、シャワーから上がって上半身裸のカカシ様と鉢合わせた。相変わらずい、色気がすごい……。
「カカシさん、先程はうちのお父様が失礼しました」
「んーなんだかなぁ……」
カカシ様は何かを考えながら口を開く。
「ま、なんつーか。キミら二人恋人みたいなことしててちょっと嫉妬しちゃったかな」
カカシ様が嫉妬とかするんだ……。いや、嫉妬?相手は親なのに?!
「さすがにお父様をそんな目で見たりしないですよ……」
「わかっちゃあいるんだけどね、あいつ、若く見えるし、恋人と間違われないかなって」
「今日喋った人たちはみんな私たちを兄妹だと思ってました!それくらい瓜二つなんですよ、私たち親子は」
「そ?ならいいんだけど」
「それに、お父様は次にカカシさんと会った時は譲歩すると仰ってました。カカシ様もそれくらいしてください」
「まぁ…今回は俺が悪かったかなって思ってるよ。俺も気をつけるよ」
「!!ありがとうございます…!今度三人でご飯食べに行きましょう!」
三人はちょっとなぁ……とカカシ様にやんわり断られた。
まだまだ二人の間にはバキバキに割れた亀裂があるみたい。
いつになったら仲良くなるのやら。
木ノ葉隠れの里で暗部として働いている。
暗殺、捕獲、護衛、視察など任務は多岐に渡るが、
私は暗殺を得意とするので基本的に暗殺任務を任される。中遠距離戦を得意とするが、近距離戦も並以上には戦える。
先輩の日車ビュートさんは、私が暗部に入ってすぐからいろいろ教えてくれた。日車先輩は、言わば「第二の親」。
第一はもちろん、龍神様である。
父親のように思っていたけど、なんと私は龍神様とヒトの間にできた子供らしく、龍神様は本当の本物の父親だった。
それが嬉しくて、お話したくて、たまに龍神様の封印を解くことがある。
今日もまた然り。
「あのっ……お父様。お願いがあるのですが…」
「どうした」
「その……ま、街へ出ませんか……!」
「……何故だ」
「お、親子らしいことをしたいなぁと思いまして……」
「……良いだろう」
「本当ですか!じゃあ、今日の夕方また起こします!」
「わかった」
そう言って龍神様は消えていった。
……嬉しい!龍神様と街へ出かけられるなんて!
いやじゃないといいけど……。
……
……
ーーー夕刻
「龍の神よ、天の御加護を賜り大地に出てよ!!」
龍神様は人間の姿になって現れた。
「こんばんは、お父様!」
「街に行くと言っていたな」
「はい!美味しいお肉料理とかあるんで、お父様にも食べてもらいたくて!」
「フン…ワシは腹が満たされればなんでもよい」
「そう言わず!行きましょう!」
街は今日も賑やかだ。飲食店、露店、仕立屋、輸入雑貨店、玩具屋、色んな店や人がひしめいている。
「お父様!ここの牛串焼きはとても美味しいんですよ!食べましょう!」
そう言って店主に声をかける。
「いつもの嬢ちゃん!と、そっちは兄さんかい?」
「いえ!お父様です!」
「えっ!へぇ……えらく若いなぁ」
「見た目はそうですけど歳は結構いってるんですよ」
「その言い方はよせ」
「あ、お父様、すみません」
「その牛串焼き、食わせろ」
「はい!どうぞ!」
龍神様は動かない。
「お父様?」
「お前が食わせるんだ」
「わっ、わたしがですか?!…恥ずかしいですけど、どうぞ」
私が串焼きを龍神様の口元まで腕を伸ばすと、龍神様はパクリと串焼きを頬張った。
「ふむ……なかなか美味だな」
「…!!良かった!!他にも豚まんが美味しい店があるんですよ!」
豚まん屋についても、焼肉屋に行っても、甘味がおいしい店に行っても、龍神様は自分で食べようとせず私が食べさせるはめになった。
「いらっしゃい。二人とも顔がそっくりだけど兄妹かい?」
「いえ、お父様です!」
「まぁ……素敵なお父様ね」
「はい!!ありがとうございます!あの、あんみつください!」
「すぐもってくるわね」
ホントにすぐきた。
「はい、お父様。あんみつです、あーん」
パク
「…何してんの」
「!!……カカシ様!!」
「なんか浮気現場を見てる気分なんだけど」
「フン、心の小さいヤツじゃ」
「お父様!そういうこと言わない!カカシ様、今日は私が龍神様を誘って街へ下りていたんです。なんでか…龍神様は食べ物を自分で食べようとしないので私が食べさせてあげてたんです」
「ずいぶん甘えるようになったな」
「貴様、死ぬ覚悟はできているか」
「望むところだ」
「二人とも!やめてくださーーーい!!!」
どうもこの二人は馬が合わないらしい。会えば威嚇、話せば挑発、いずれお義父さんと呼ぶ呼ばれる立場なの、わかってますか?
「もっと仲良くしてください……じゃないと私…私…」
目頭が熱くなる。
「蒼、ごめんごめん。ちょっとした挨拶だよ」
「蒼、お前が泣くところは見たくない。泣くならワシの胸で泣け」
「いや、蒼は俺の胸で泣くといい」
「カカシの胸など借りなくてもよい。ワシら親子の問題じゃ」
「もう!二人とも!仲良くしてください!!」
「龍神が頼むなら…」
「カカシが頼むなら…」
「そういうところで息ピッタリにならないで!!」
この二人、もしかして超仲悪い?敵対視してるしまさに私のために争わないで状態だ。
「とにかくカカシ様、今は家族の時間なので邪魔しないでください!」
龍神様がカカシ様を見ながらニヤリと笑った。
「ふーん。でもさ、俺と蒼も夫婦になるわけだし、家族じゃん?」
「ふうっ……まだちゃんとプロポーズされてません!」
「待て、ワシはカカシとの結婚を許した覚えは無い」
「はいややこしくなった!もうこの話おしまい!カカシ様、今日は見逃してください!」
「うーん。わかったけど、今度は俺にも同じことしてね」
ニコッと笑って手をひらひらさせながらカカシ様は帰って行った。
「お父様…!相手の挑発にのるものじゃありません!」
「売られた喧嘩は買うものだろう」
「思考が私と同じ!!!そーじゃなくて、カカシ様は私の恋人なので仲良くなってほしいんです。お父様とカカシ様の仲が悪いと……」
うるっとした表情で龍神様を見つめる。
「……わかった。お前に免じて次にカカシと会う時は譲歩してやろう」
「お父様…!!ありがとうございます!!」
カカシ様にも龍神様と仲良くするようにお願いしなきゃ!
「今日は楽しかったです!お父様はどうでしたか?」
「……いい暇つぶしになったな」
「良かったです!またこうやって外に出られるのを楽しみにしています!」
「……ワシは戻る」
「はい!お疲れ様でした!」
龍神様は目の前から消えていった。
……楽しんでくれたみたいでよかったな…。
次会うときは、龍神様の小さな頃の話を聞きたいな。
あとは何が好きで、何が嫌いで、何に興味があるのか。
龍神様のこと、知らないことだらけだな。
もっと早くにたくさんのことを聞いておけばよかった。
龍神様……お父様のことを考えながら、
帰路に着くーーー。
……
……
「ただいま戻りました」
家に着くと、シャワーから上がって上半身裸のカカシ様と鉢合わせた。相変わらずい、色気がすごい……。
「カカシさん、先程はうちのお父様が失礼しました」
「んーなんだかなぁ……」
カカシ様は何かを考えながら口を開く。
「ま、なんつーか。キミら二人恋人みたいなことしててちょっと嫉妬しちゃったかな」
カカシ様が嫉妬とかするんだ……。いや、嫉妬?相手は親なのに?!
「さすがにお父様をそんな目で見たりしないですよ……」
「わかっちゃあいるんだけどね、あいつ、若く見えるし、恋人と間違われないかなって」
「今日喋った人たちはみんな私たちを兄妹だと思ってました!それくらい瓜二つなんですよ、私たち親子は」
「そ?ならいいんだけど」
「それに、お父様は次にカカシさんと会った時は譲歩すると仰ってました。カカシ様もそれくらいしてください」
「まぁ…今回は俺が悪かったかなって思ってるよ。俺も気をつけるよ」
「!!ありがとうございます…!今度三人でご飯食べに行きましょう!」
三人はちょっとなぁ……とカカシ様にやんわり断られた。
まだまだ二人の間にはバキバキに割れた亀裂があるみたい。
いつになったら仲良くなるのやら。