なんでもない、ただの愛 /カカシ落ち
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早朝の演習場にて。
龍神様の封印を解き、龍神様は人の姿になった。
1500年生きているのに、すごく若いなぁ……。
「蒼、この術はワシと、契りを交わしているお前にしか使えない秘伝の術だ」
「はい!お父様!」
「廻天之力は龍のチャクラで他人に見えない龍を生み出し約10mの範囲まで腕で自在に操ることが出来る。ワシがおこなったように敵を掴む、移動させる以外にも攻撃や、自らに近づければ守りも可能だ」
「チャクラで龍をイメージしなければいけませんね……」
「そうだ。いつも口寄せの龍と戯れているお前には造作もないだろう」
「やってみます!…廻天之力!」
が、龍というより蛇や狐のような姿になってしまう。
「もっと良く考えろ。お前の頭にはワシら龍がどう映っているのやら……」
「…はい……」
その後もイメージを繰り返すが、何度やっても形にはならない。
「私には創造力の才がありません……絵も下手だし……」
「ではワシが姿を元に戻す。ワシの姿をそのまま写すように脳に焼き付けろ」
「は、はい!!……廻天之力!」
龍神様が龍の姿に戻った。鼻の先から尾の先まで細部にわたり"目でコピー"する。
「ほう……」
巨大な龍神様を元にしたため、同じく巨大な龍をイメージしてしまった。
「お父様には見えていますか…?」
「ワシのチャクラだからな。見えておる。それにしても……」
「はい……」
「かかっ!流石は我が娘よ。お前の龍ならば10mと言わず100m先の敵にも術が届くだろう」
「本当ですか?!」
「ただし、脳内から龍を消してしまえば写し出した龍も消えてしまう。忘れるでないぞ」
「なるほど…気をつけます」
「その龍を操ってみろ」
「操る……ですか…」
「脳に写したままその腕で動かして、あの丸太を掴んだり、攻撃してみろ」
「やってみます…!」
……うまくいかない。距離感を掴んだり、脳と腕の連携がうまくできない。
「こんなにも調整が難しいんですね……」
「そうだ。龍を生み出すことよりも、どう操作するかの方が困難だろう。何度も繰り返しやるしかない」
「頑張ります!」
……
……
……
結局、今日はうまくチャクラの龍を操ることができなかった。
任務の時間になったので、龍神様には元に戻ってもらった。
廻天之力……難しい術だな……。思えば龍遁や雷遁の術はスムーズに覚えられた。雷遁はカカシ様の教える術をすぐにマスターした。見たとおり……見たとおりにやれば……。
「そうか……」
「蒼」
「あ、はい!カカシ様!」
「ぼーっとして、どうしたの」
「龍神様との訓練が上手くいかなかったので…ちょっと考え事をしていました」
「秘術だろ?簡単にいくものではないだろうね」
「そうなんです!…あ、そういえばシカマルからカカシ様も一緒に訓練を見たいという要望を聞きました…」
「あー、うん。龍神が許せばね。お願いしたいな」
「ちょっと聞いてみます!……一ノ瀬蒼の名のもとに、龍神との封印を50%解除する!」
私の体半分が、龍の姿になる。
「今私と龍神様は繋がって会話が可能な状態です。……お父様!何度も呼び起こしてすみません」
「何用だ」
「お父様との訓練を、ここにいる火影様と私の友に見ていただきたいのです」
「フン……好きにするが良い。…が、どうせなら蒼の相手をしてもらおうか」
「あの秘術を受けてもらうのですか?」
「そうだ。丸太相手ではためにならんだろう。人間がいた方が都合が良い」
「……だ、そうです。カカシ様」
「もちろんそのつもりだったよ。俺もシカマルも。練習相手になるよ」
「!!ありがとうございます!では明日早朝、演習場でお相手お願いします!」
……
……
……
翌早朝。
俺とシカマルは演習場にやってきた。
「蒼、もう来てますね」
「あの子律儀に時間は守る子だからね…起きた時には家にいなかったよ」
「見習ってください。蒼!」
「シカマル!と、カカシ様!!おはようございます!」
今日はよろしくお願いします!と深々とお辞儀する蒼。
「よろしくするのは俺らの方だよ」
「先に龍神様に用があったので早めにきていました。で、龍神様ですが……」
「蒼、戻ったぞ」
「お父様!」
……これが人の姿になった龍神か…髪色、目の色だけでなく目元や口元も蒼そっくりだ。蒼が似たのか。
いずれにせよ、傍から見たら充分親子に見える。
「蒼そっくりっすね」
「ああ…驚いたよ……まぁ、流石は親子って感じだね。龍神はどこに行ってたんだ?」
「人の姿になると空腹になるらしいので食事に行ってました!」
「食事って……まさか……」
「あっ、いえいえ、さすがにそれは…鹿や兎ですよ!」
ああ……ほっとした。人間でも食ってるのかと思った。
「ヌシはワシを人喰らいだとでも思っていたのか」
「だって蒼が死んだら喰うとか言ってたくらいだし……」
「それは契りの話じゃ。龍の血を受け継ぐ者は死後ワシの元へ還る契りを交わしておる」
「なるほどな……」
ん?でも待てよ。俺との間に子供が出来たらどうなるんだ…?
「さて!訓練ですよ!訓練!では、さっそく行きます!シカマル、カカシ様、距離をとってください!」
聞くタイミングを奪われ、10m程離れたところに位置を取る。
「…廻天之力!」
「?!」
何かに掴まれた。幻術か?
「何も見えないけど…何が起きてるの?」
「今カカシ様は龍に掴まれています。動かします!」
ぐっと蒼がいる方へ引き寄せられる。
「火影様!これは幻術じゃないっす!」
「そうみたいね……謎が多いじゅ…ぐ…」
今度は締め付けられる感覚だ。
「っ……はぁ…はぁ……」
蒼の術が解けた。術をかけたのは蒼の方なのに呼吸が整っていない。
「なんかよく分かんないけど、習得できてるんじゃない?」
「いえ…掴めたのは今回が初めてです。それに私の術は100m先まで発動可能だと言われました、が……」
「まだまだだ蒼。操作できても10mが限界か。お前の龍ならより遠くの敵相手でも発動させられる。龍の操作も不安定だな」
「だ、そうです……」
「厳しいパパだね……」
「パパって呼ぶのもいいですね……!」
「気色の悪い呼び方は辞めろ」
「気色悪いって言われました……」
「火影に言ったんじゃ。蒼は悪ぅない」
思ってた以上に娘を溺愛しているようだ。初めて会ったときとは大違いだな。素性を隠していたからだろうか。
「貴様らが来る前から蒼と鍛錬しておった。龍のチャクラは限界が来ているだろう。今日は終いじゃ」
そう言って龍神は姿を戻して消えていった。
「俺らが来る前からって……蒼何時間前に着いてたの?」
「ほんの2時間前ですよ」
「3時からって……何してたの」
「龍神様の術を見たまま、真似ていたんです。私は口や文章で説明されるよりも直接術を見た方が覚えが早いみたいなので」
それは俺も思っていたことだ。雷遁の術を教える時にまるでその場でコピーしているかのように蒼の術の上達は早かった。だから、今回の術もすぐに覚えたものだと思っていたが……。
「まぁ、蒼は普通の術覚えるのは早いから、この術を覚えるのもそう遠くはないと思うよ」
「カカシ様……!ありがとうございます!頑張ります!!」
「にしてもあの術、蒼にはどう見えてんだ?」
「シカマル…えとね、手の先から大きな龍が生えてきて、腕で動きを操作して、手で掴めば対象を掴めるし、そのまま引き寄せれば対象は近づいてくるし、くるくるーってしたら龍が対象に巻き付くから締め付けることもできるの。私は龍のコントロールがまだできてないから、過多にチャクラを出しすぎてあそこで力尽きたけど…」
「そーか……2時間も練習したあとのあれじゃ、チャクラも消耗してるし厳しかったんじゃねーの」
「そこがね、課題なんだよねー」
タメ口で話し合っているシカマルが羨ましい……。
蒼はいつになったら俺に対してタメ口になってくれるんだろう……。カカシ!おはよう!朝だよ(ちゅっ)ってのがしたい……すごくしたい……。
「いいなーシカマル」
「どこの話で俺が羨ましくなったんすか」
「別にー。あー腹減った。おにぎりでも食べに行こう」
「カカシ様の奢りなら!」
「火影様の奢りなら」
「キミタチ、仲がよろしいことで」
蒼の訓練には引き続き付き合うことになった。
完成が楽しみだ。
龍神様の封印を解き、龍神様は人の姿になった。
1500年生きているのに、すごく若いなぁ……。
「蒼、この術はワシと、契りを交わしているお前にしか使えない秘伝の術だ」
「はい!お父様!」
「廻天之力は龍のチャクラで他人に見えない龍を生み出し約10mの範囲まで腕で自在に操ることが出来る。ワシがおこなったように敵を掴む、移動させる以外にも攻撃や、自らに近づければ守りも可能だ」
「チャクラで龍をイメージしなければいけませんね……」
「そうだ。いつも口寄せの龍と戯れているお前には造作もないだろう」
「やってみます!…廻天之力!」
が、龍というより蛇や狐のような姿になってしまう。
「もっと良く考えろ。お前の頭にはワシら龍がどう映っているのやら……」
「…はい……」
その後もイメージを繰り返すが、何度やっても形にはならない。
「私には創造力の才がありません……絵も下手だし……」
「ではワシが姿を元に戻す。ワシの姿をそのまま写すように脳に焼き付けろ」
「は、はい!!……廻天之力!」
龍神様が龍の姿に戻った。鼻の先から尾の先まで細部にわたり"目でコピー"する。
「ほう……」
巨大な龍神様を元にしたため、同じく巨大な龍をイメージしてしまった。
「お父様には見えていますか…?」
「ワシのチャクラだからな。見えておる。それにしても……」
「はい……」
「かかっ!流石は我が娘よ。お前の龍ならば10mと言わず100m先の敵にも術が届くだろう」
「本当ですか?!」
「ただし、脳内から龍を消してしまえば写し出した龍も消えてしまう。忘れるでないぞ」
「なるほど…気をつけます」
「その龍を操ってみろ」
「操る……ですか…」
「脳に写したままその腕で動かして、あの丸太を掴んだり、攻撃してみろ」
「やってみます…!」
……うまくいかない。距離感を掴んだり、脳と腕の連携がうまくできない。
「こんなにも調整が難しいんですね……」
「そうだ。龍を生み出すことよりも、どう操作するかの方が困難だろう。何度も繰り返しやるしかない」
「頑張ります!」
……
……
……
結局、今日はうまくチャクラの龍を操ることができなかった。
任務の時間になったので、龍神様には元に戻ってもらった。
廻天之力……難しい術だな……。思えば龍遁や雷遁の術はスムーズに覚えられた。雷遁はカカシ様の教える術をすぐにマスターした。見たとおり……見たとおりにやれば……。
「そうか……」
「蒼」
「あ、はい!カカシ様!」
「ぼーっとして、どうしたの」
「龍神様との訓練が上手くいかなかったので…ちょっと考え事をしていました」
「秘術だろ?簡単にいくものではないだろうね」
「そうなんです!…あ、そういえばシカマルからカカシ様も一緒に訓練を見たいという要望を聞きました…」
「あー、うん。龍神が許せばね。お願いしたいな」
「ちょっと聞いてみます!……一ノ瀬蒼の名のもとに、龍神との封印を50%解除する!」
私の体半分が、龍の姿になる。
「今私と龍神様は繋がって会話が可能な状態です。……お父様!何度も呼び起こしてすみません」
「何用だ」
「お父様との訓練を、ここにいる火影様と私の友に見ていただきたいのです」
「フン……好きにするが良い。…が、どうせなら蒼の相手をしてもらおうか」
「あの秘術を受けてもらうのですか?」
「そうだ。丸太相手ではためにならんだろう。人間がいた方が都合が良い」
「……だ、そうです。カカシ様」
「もちろんそのつもりだったよ。俺もシカマルも。練習相手になるよ」
「!!ありがとうございます!では明日早朝、演習場でお相手お願いします!」
……
……
……
翌早朝。
俺とシカマルは演習場にやってきた。
「蒼、もう来てますね」
「あの子律儀に時間は守る子だからね…起きた時には家にいなかったよ」
「見習ってください。蒼!」
「シカマル!と、カカシ様!!おはようございます!」
今日はよろしくお願いします!と深々とお辞儀する蒼。
「よろしくするのは俺らの方だよ」
「先に龍神様に用があったので早めにきていました。で、龍神様ですが……」
「蒼、戻ったぞ」
「お父様!」
……これが人の姿になった龍神か…髪色、目の色だけでなく目元や口元も蒼そっくりだ。蒼が似たのか。
いずれにせよ、傍から見たら充分親子に見える。
「蒼そっくりっすね」
「ああ…驚いたよ……まぁ、流石は親子って感じだね。龍神はどこに行ってたんだ?」
「人の姿になると空腹になるらしいので食事に行ってました!」
「食事って……まさか……」
「あっ、いえいえ、さすがにそれは…鹿や兎ですよ!」
ああ……ほっとした。人間でも食ってるのかと思った。
「ヌシはワシを人喰らいだとでも思っていたのか」
「だって蒼が死んだら喰うとか言ってたくらいだし……」
「それは契りの話じゃ。龍の血を受け継ぐ者は死後ワシの元へ還る契りを交わしておる」
「なるほどな……」
ん?でも待てよ。俺との間に子供が出来たらどうなるんだ…?
「さて!訓練ですよ!訓練!では、さっそく行きます!シカマル、カカシ様、距離をとってください!」
聞くタイミングを奪われ、10m程離れたところに位置を取る。
「…廻天之力!」
「?!」
何かに掴まれた。幻術か?
「何も見えないけど…何が起きてるの?」
「今カカシ様は龍に掴まれています。動かします!」
ぐっと蒼がいる方へ引き寄せられる。
「火影様!これは幻術じゃないっす!」
「そうみたいね……謎が多いじゅ…ぐ…」
今度は締め付けられる感覚だ。
「っ……はぁ…はぁ……」
蒼の術が解けた。術をかけたのは蒼の方なのに呼吸が整っていない。
「なんかよく分かんないけど、習得できてるんじゃない?」
「いえ…掴めたのは今回が初めてです。それに私の術は100m先まで発動可能だと言われました、が……」
「まだまだだ蒼。操作できても10mが限界か。お前の龍ならより遠くの敵相手でも発動させられる。龍の操作も不安定だな」
「だ、そうです……」
「厳しいパパだね……」
「パパって呼ぶのもいいですね……!」
「気色の悪い呼び方は辞めろ」
「気色悪いって言われました……」
「火影に言ったんじゃ。蒼は悪ぅない」
思ってた以上に娘を溺愛しているようだ。初めて会ったときとは大違いだな。素性を隠していたからだろうか。
「貴様らが来る前から蒼と鍛錬しておった。龍のチャクラは限界が来ているだろう。今日は終いじゃ」
そう言って龍神は姿を戻して消えていった。
「俺らが来る前からって……蒼何時間前に着いてたの?」
「ほんの2時間前ですよ」
「3時からって……何してたの」
「龍神様の術を見たまま、真似ていたんです。私は口や文章で説明されるよりも直接術を見た方が覚えが早いみたいなので」
それは俺も思っていたことだ。雷遁の術を教える時にまるでその場でコピーしているかのように蒼の術の上達は早かった。だから、今回の術もすぐに覚えたものだと思っていたが……。
「まぁ、蒼は普通の術覚えるのは早いから、この術を覚えるのもそう遠くはないと思うよ」
「カカシ様……!ありがとうございます!頑張ります!!」
「にしてもあの術、蒼にはどう見えてんだ?」
「シカマル…えとね、手の先から大きな龍が生えてきて、腕で動きを操作して、手で掴めば対象を掴めるし、そのまま引き寄せれば対象は近づいてくるし、くるくるーってしたら龍が対象に巻き付くから締め付けることもできるの。私は龍のコントロールがまだできてないから、過多にチャクラを出しすぎてあそこで力尽きたけど…」
「そーか……2時間も練習したあとのあれじゃ、チャクラも消耗してるし厳しかったんじゃねーの」
「そこがね、課題なんだよねー」
タメ口で話し合っているシカマルが羨ましい……。
蒼はいつになったら俺に対してタメ口になってくれるんだろう……。カカシ!おはよう!朝だよ(ちゅっ)ってのがしたい……すごくしたい……。
「いいなーシカマル」
「どこの話で俺が羨ましくなったんすか」
「別にー。あー腹減った。おにぎりでも食べに行こう」
「カカシ様の奢りなら!」
「火影様の奢りなら」
「キミタチ、仲がよろしいことで」
蒼の訓練には引き続き付き合うことになった。
完成が楽しみだ。