なんでもない、ただの愛
夢小説設定
昨日はシカマルと訓練をした。影首縛りの術は必殺必中というわけでもなく、やはり弱点はあるとのこと。
でも体験出来てよかった。首を縛られて死ぬかと思ったけど、私の場合はチャクラを調節して首から影の手を離した。
…今日は、カカシ様との特訓だ。
「おまたせ」
「相変わらず遅刻魔ですね」
「これでも急いできた方だよ。仕事があってね」
「…の割に、片手に本を持って…まぁ、いいです」
「今日は試したいことがあるんだって?」
パタン、と本を閉じて片目だけ閉じていた額当てを上げ真剣な眼差しでこちらを見つめる。
カッコイイなあ…じゃない。真面目に、真面目に。
「今日は龍遁の秘伝の技を試したいんです。その…死にそうになったらすぐに応急処置するので安心してください」
「俺でも死ぬ可能性があるの?」
「必殺技…みたいなものです。仮死状態くらいにはなるかもしれません」
「…まぁ、受けてみるよ」
「あ、できるだけこちらの攻撃は避けて、攻撃してきてくださいね。実践に近い状態でやりたいので」
「じゃ、やるか。影分身の術!」
三人に分身したカカシ様は一人は私へ突撃し、もう二人はそれそれ印を結び始めた。
「口寄せ・土遁・追牙の術!」
地面から出てきた忍犬が私を襲う…が、冷静に忍犬の攻撃を避ける。
「心中斬首の術!」
分身したのは三人ではなく四人!四人目のカカシ様が土から手を出し私の足を土中へ引き降ろす。
「これは…!」
予想もしていなかった、突然現れた攻撃に避けることができなかった。
「さ、これでまずは俺の勝ち…」
クナイを私の首へ向けた瞬間、カカシ様の意識は遠のいていった。
…
…
…
「…?」
目が覚めると、蒼を見上げる形で視界がだんだん広まり、蒼の膝の上にいることが認識できた。
「俺…どうして蒼の膝の上に…?あの時確かにトドメまでさせる状態に…」
「カカシ様が、私に"認知された"からです」
「認知…?」
「龍心眼。目に見えなくても、聞こえなくても、そこにいると認知した瞬間、龍神様のチャクラを広範囲に、結界のように広げ、そのチャクラに触れると相手の酸素飽和度を下げ、酸素の取り込みを阻害することが出来ます。相手は呼吸不全になり、最悪死にます」
「チャクラの範囲は…?」
「直径200mまで可能です。口寄せした龍に敵を探知させて、この術を使うと効果的です。ただ…膨大な範囲=膨大なチャクラを使うので、一度使うとしばらく高等忍術は使えません…と言いたいところですが、これはあくまで龍神様のチャクラの話です。自分のチャクラを使い、治癒忍術で龍神様のチャクラを回復させれば戦い続けられます」
カカシ様は眉を八の字にさせ、「チートだな」と呟いた。
「この術が使えなかったら、カカシ様に殺られてましたね」
「どうして今まで使わなかったんだ?」
「龍神様から私のチャクラのみを切り離すコントロールが難しかったので、少しずつ練習していたんです。やっと完全に切り離すことができました」
「はぁ…蒼はどこまでも貪欲だなぁ…」
起き上がって隣に座るカカシ様の肩と自分の肩が触れる。
正直、本当にカカシ様が死にかけていたので必死で治癒忍術を使っていたことは言えない。修行とはいえ、相手は恋人だ。恋人を殺しかけるなんて頭が狂ってるとしか思わない、思われない。
「俺どのくらい寝てたの?」
「…2時間くらいですかね」
「そうなの?ごめんね、待たせて」
とんでもない。死にかけさせて謝りたいのはこちらの方だ。口が裂けても言えないけど。
「蒼はさ、色々術を特訓してるけど、最終的にどうしたいの?火影になりたいとか?」
「はぇ?!」
素っ頓狂な声を出してしまった。
「火影になりたいだなんてそんな…思ってませんよ!私はただ、暗部のために強くなりたいなと思ってるんです。私が強くならないと、下は強くなりません」
「指導者目線なのね…」
カカシ様は私の頭にポン、と手を置き、「あんまり根詰めすぎないようにね」と言い、そのまま頭を撫でてくれた。
人に頭を撫でられたことなんてなかったわたしは、きゅんとした気持ちになり、思わずカカシ様に抱きついた。
「…死ななくてよかった…」
思わず吐露してしまった言葉をカカシ様は聞き逃さない。
「俺死にかけてたの?」
顔を覗き込まれ、反射的によそ見する。
「蒼、俺の事ほんとに殺そうと…「あー!違いますよ!そんなことないです!カカシ様は死にかけてません!ちゃんと生きてました!」」
「…正直に話した方が楽になるよ?」
本当にこの人には勝てない…。
「………ちょっと死にかけてました」
「ちょっと?」
「はい。ちょっとだけです」
「まぁ…詮索はしないでおくよ…。無事今生きてるし。い、き、て、る、し」
「ほんとにすみませんでしたァ!!!」
土下座だ!ここは土下座でやり通すんだ!
土下座こそ最大の謝罪!最大の回避!最大の演技!
「…蒼、わかったよ。許してあげるから顔上げて」
「カカシ様ァ…」
「今日の夜、覚悟しててね」
「…!そ、そんな…」
「俺を殺しかけたんだし、蒼にとって造作もないだろ?」
「だってカカシ様…回数が…」
「ん?」
「なんでもありません!仰せのままに!」
夜、4回やった。私が死にかけた。
でも体験出来てよかった。首を縛られて死ぬかと思ったけど、私の場合はチャクラを調節して首から影の手を離した。
…今日は、カカシ様との特訓だ。
「おまたせ」
「相変わらず遅刻魔ですね」
「これでも急いできた方だよ。仕事があってね」
「…の割に、片手に本を持って…まぁ、いいです」
「今日は試したいことがあるんだって?」
パタン、と本を閉じて片目だけ閉じていた額当てを上げ真剣な眼差しでこちらを見つめる。
カッコイイなあ…じゃない。真面目に、真面目に。
「今日は龍遁の秘伝の技を試したいんです。その…死にそうになったらすぐに応急処置するので安心してください」
「俺でも死ぬ可能性があるの?」
「必殺技…みたいなものです。仮死状態くらいにはなるかもしれません」
「…まぁ、受けてみるよ」
「あ、できるだけこちらの攻撃は避けて、攻撃してきてくださいね。実践に近い状態でやりたいので」
「じゃ、やるか。影分身の術!」
三人に分身したカカシ様は一人は私へ突撃し、もう二人はそれそれ印を結び始めた。
「口寄せ・土遁・追牙の術!」
地面から出てきた忍犬が私を襲う…が、冷静に忍犬の攻撃を避ける。
「心中斬首の術!」
分身したのは三人ではなく四人!四人目のカカシ様が土から手を出し私の足を土中へ引き降ろす。
「これは…!」
予想もしていなかった、突然現れた攻撃に避けることができなかった。
「さ、これでまずは俺の勝ち…」
クナイを私の首へ向けた瞬間、カカシ様の意識は遠のいていった。
…
…
…
「…?」
目が覚めると、蒼を見上げる形で視界がだんだん広まり、蒼の膝の上にいることが認識できた。
「俺…どうして蒼の膝の上に…?あの時確かにトドメまでさせる状態に…」
「カカシ様が、私に"認知された"からです」
「認知…?」
「龍心眼。目に見えなくても、聞こえなくても、そこにいると認知した瞬間、龍神様のチャクラを広範囲に、結界のように広げ、そのチャクラに触れると相手の酸素飽和度を下げ、酸素の取り込みを阻害することが出来ます。相手は呼吸不全になり、最悪死にます」
「チャクラの範囲は…?」
「直径200mまで可能です。口寄せした龍に敵を探知させて、この術を使うと効果的です。ただ…膨大な範囲=膨大なチャクラを使うので、一度使うとしばらく高等忍術は使えません…と言いたいところですが、これはあくまで龍神様のチャクラの話です。自分のチャクラを使い、治癒忍術で龍神様のチャクラを回復させれば戦い続けられます」
カカシ様は眉を八の字にさせ、「チートだな」と呟いた。
「この術が使えなかったら、カカシ様に殺られてましたね」
「どうして今まで使わなかったんだ?」
「龍神様から私のチャクラのみを切り離すコントロールが難しかったので、少しずつ練習していたんです。やっと完全に切り離すことができました」
「はぁ…蒼はどこまでも貪欲だなぁ…」
起き上がって隣に座るカカシ様の肩と自分の肩が触れる。
正直、本当にカカシ様が死にかけていたので必死で治癒忍術を使っていたことは言えない。修行とはいえ、相手は恋人だ。恋人を殺しかけるなんて頭が狂ってるとしか思わない、思われない。
「俺どのくらい寝てたの?」
「…2時間くらいですかね」
「そうなの?ごめんね、待たせて」
とんでもない。死にかけさせて謝りたいのはこちらの方だ。口が裂けても言えないけど。
「蒼はさ、色々術を特訓してるけど、最終的にどうしたいの?火影になりたいとか?」
「はぇ?!」
素っ頓狂な声を出してしまった。
「火影になりたいだなんてそんな…思ってませんよ!私はただ、暗部のために強くなりたいなと思ってるんです。私が強くならないと、下は強くなりません」
「指導者目線なのね…」
カカシ様は私の頭にポン、と手を置き、「あんまり根詰めすぎないようにね」と言い、そのまま頭を撫でてくれた。
人に頭を撫でられたことなんてなかったわたしは、きゅんとした気持ちになり、思わずカカシ様に抱きついた。
「…死ななくてよかった…」
思わず吐露してしまった言葉をカカシ様は聞き逃さない。
「俺死にかけてたの?」
顔を覗き込まれ、反射的によそ見する。
「蒼、俺の事ほんとに殺そうと…「あー!違いますよ!そんなことないです!カカシ様は死にかけてません!ちゃんと生きてました!」」
「…正直に話した方が楽になるよ?」
本当にこの人には勝てない…。
「………ちょっと死にかけてました」
「ちょっと?」
「はい。ちょっとだけです」
「まぁ…詮索はしないでおくよ…。無事今生きてるし。い、き、て、る、し」
「ほんとにすみませんでしたァ!!!」
土下座だ!ここは土下座でやり通すんだ!
土下座こそ最大の謝罪!最大の回避!最大の演技!
「…蒼、わかったよ。許してあげるから顔上げて」
「カカシ様ァ…」
「今日の夜、覚悟しててね」
「…!そ、そんな…」
「俺を殺しかけたんだし、蒼にとって造作もないだろ?」
「だってカカシ様…回数が…」
「ん?」
「なんでもありません!仰せのままに!」
夜、4回やった。私が死にかけた。