なんでもない、ただの愛
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里の門で蒼と待ち合わせた。
「すまん、遅くなった」
「遅刻癖があるらしいですね」
「誰がそんなことを…」
「暗部のみなさんですよ」
あいつら…今度覚えておけよ。
「氷隠れの里までけっこうあるので、龍を口寄せして向かいましょう」
龍を口寄せ?あのときの龍神とはまた別の龍がいるのか…。
「忍法!口寄せの術!」
自分の指を噛んで辰の印を結び、地面に手を置くと昨日の龍神より小さく、俺より一回りデカイくらいの龍がでてきた。
「この子はタツ朗です。移動する時はこの子が他の口寄せの龍よりスピードが速くて使えます」
「こら、蒼!使えるとはなんだ!このやろー!」
まるで子供のような龍だ。
「口寄せの龍は龍神と関わりがあるのか?」
「はい。龍達は龍神様を神として崇め、称えています」
だから蒼にも懐くのか…。
「口寄せの龍は攻撃にも使えるのか?」
「龍は神聖な生き物なので、争いを好みません。しかし、主が命令すれば雷が得意な子は落雷を、氷が得意な子は氷結を、と言ったように各々の得意な技で戦います」
その主が蒼ってわけか。龍神を宿し、口寄せの龍達を調伏し、使役する。何故今までこの子に気づかなかったのだろう。
「蒼は出身はどこなんだ?」
「…実は私、知らない山奥で龍神様に育てられたんです」
「龍神に育てられた?!」
「はい。16歳の頃、暗部に見つけられ保護されました」
「今いくつなんだ?」
「25歳です。保護された時、龍神様と離れたくないと懇願したら、私が死んだ時の契約をむすび、龍神様が自ら私の中に宿ってくれました」
「そうだったのか…いや、どうして今まで気づかなかったのかなと思って…」
「私の生態が謎だったので、表には出さなかったのでしょう。暗部の極秘任務として保護されたので」
「忍術はどうやって覚えたんだ?」
「龍神様に印の存在を教えられ、覚えました」
「君の得意とする忍術は演習場でのあれか?」
「はい。相手を結界で閉じ込め、結界内で天候を操り攻撃します。結界は枠内に収まれば何人でも」
なるほど…龍神を秘めてるだけあって、ここまで大それたことができるのか。
「俺を雨ざらしにして落雷させたのも、通電しやすくするためか?」
「はい。そうなりますね。でもこの術で一番危険なのは、太陽の日です。気温を100℃まで上げられるので、相手を簡単に死へと追いやれます」
さすが暗部…といったところか。こんな曲者を隠していたとは。にしても、どうして今回は簡単に正体を現したんだ?
「なぜ私が突然暗部として呼び出されたのかって顔をしていますね」
「まぁ、そりゃ、ね」
「暗部として様々な試練を乗り越えてきました。単独行動が可能なまでに。しかし私は最後の砦として基本的に里に残されていました。それが今回、カカシ様の依頼ということで、異常事態だろうと読んで私を使わせたのです」
「なるほどね。まぁ、暗部も自分たちの仲間が行方不明なのは知っているだろうし、探していたんだろう。俺の耳にも入ったから、救出しにいくってわけ」
「常にお傍でお守りします。では、龍に乗ってください」
「はいよ」
「タツ朗、お願いね」
「うぉりゃ!行くぞー!」
なんて速さだ。鳥よりも速い。これなら半日あれば氷隠れの里に辿り着ける。
「蒼、くれぐれもバレないようにな」
「私は暗部ですよ。カカシ様もお気を付けて」
クスクスと笑いながら俺をちゃかす、ホントにこいつが暗部なのか?と言いたいところだが、演習場で戦闘したことを忘れやしない。こいつはかなり強い忍者だ。扱う術も珍しい。
「氷隠れの里は風の国の配下にあるんですよね。となると、風影様を陥れ、木の葉と衝突させようとしている可能性があります。まずは風影様に会いましょう」
「砂の里か…久しぶりだな」
「タツ朗、速度を上げて!」
「はいよう!」
あっという間に砂の里についた。
護衛に経緯を話し、風影に会いたいことを伝える。
「あ、あなたは、カカシ様!」
蒼の後ろに立つ俺を見て、ことの重要さに気づいたらしい。すぐに部屋へ案内された。
「風影様、木の葉の里よりお客様がいらっしゃいました」
「通せ」
「では、どうぞ」
「カカシ殿と…知らない顔だな」
「一ノ瀬蒼と申します。カカシ様の護衛で付き添っております」
「護衛が一人…?要件は」
ここで氷隠れの里に向かった暗部達が行方不明になっていること、風と火の断裂が目的ではないかと推測していることを伝えた。
「なるほど…うちの暗部からも数名輩出しても良いが…」
「いえ、私は暗部です。人を完全に殺すための忍術を使うため、迂闊に外部に見せる訳にはいけません」
こいつ…演習場で俺を殺す気だったんじゃないだろうな…。
「そうか…暗部か。…何かあったらいつでも連絡をくれ」
「ありがとうございます!急いでるので、これで失礼します」
「カカシ様、氷隠れの里まで数時間ほどです!殺しの目処はついてますか?」
「殺しってあのね…まぁ、俺の口寄せで犬を連れるから、匂いを辿ってもらうよ」
「犬!!かわいいですね!!」
「そういうもんでもないけどね…みんなクセが強い」
「あはは!龍だって、なかなかの曲者揃いですよ!」
「だろうね…タツ朗だっけ。ありがとな」
「ホントは男なんて載せたくないけど、蒼からの頼みなら仕方ねぇ!」
「…ホントに懐かれてるんだな」
「龍ですか?まぁ、私の中に龍神様がいる限りはみんな良くしてくれてますよ」
死んだら私は居なくなりますからねー♪と軽々と言う蒼の背中は逞しかった。
この子は親の顔を知らない代わりに今の強さを得た。
龍神の意志で龍神を封印したということは、それなりに大切に育てられていたのだろう。
「蒼、帰ったら飯食いに行こう」
「はは!いいですね!昨日の今日ですが、私たちは今運命共同体ですからね!」
この子は本当に…。
空気が変わった。蒼の表情も変わった。
氷隠れの里についたのだ。
「口寄せの術!」
どろん、と出てきたのは一匹のパグ。
「きゃー!かわいい!パグ!かわいいー!」
テンションぶち上がりの蒼を他所に、行方不明となった3人の匂いを嗅ぎつけるよう命じた。
「蒼、タツ朗を帰していい。あと、額当ては隠しておこう。嗅ぎつかれちゃ困る」
「はい!顔も隠さない方が良さそうですね」
「そうね…慎重に行こう」
パックンが3人の匂いを察知したと言う。
「ここから近い、あの角を右だ」
言われた通り右に曲がると、そこは路地裏で、ゴミ箱や廃棄物が置かれていた。
「おかしい…ここから強い匂いがするんだが…」
「カカシ様!パックン!隠し扉がありますよ!」
「隠し扉?俺には見えないけど…」
「だから隠し扉なんです!私のこの龍神様の眼で見えないものはありません!」
蒼が壁を押すと、扉が開いて隠し通路が見つかった。
「3人はこの先だ、まだ生きてる」
「わかった。パックン、帰っていいぞ」
「じゃあの!」
「あぁ、私の可愛いパックン…」
「俺のだけどな」
冗談はさて置き、いざ、隠し通路へ!
「すまん、遅くなった」
「遅刻癖があるらしいですね」
「誰がそんなことを…」
「暗部のみなさんですよ」
あいつら…今度覚えておけよ。
「氷隠れの里までけっこうあるので、龍を口寄せして向かいましょう」
龍を口寄せ?あのときの龍神とはまた別の龍がいるのか…。
「忍法!口寄せの術!」
自分の指を噛んで辰の印を結び、地面に手を置くと昨日の龍神より小さく、俺より一回りデカイくらいの龍がでてきた。
「この子はタツ朗です。移動する時はこの子が他の口寄せの龍よりスピードが速くて使えます」
「こら、蒼!使えるとはなんだ!このやろー!」
まるで子供のような龍だ。
「口寄せの龍は龍神と関わりがあるのか?」
「はい。龍達は龍神様を神として崇め、称えています」
だから蒼にも懐くのか…。
「口寄せの龍は攻撃にも使えるのか?」
「龍は神聖な生き物なので、争いを好みません。しかし、主が命令すれば雷が得意な子は落雷を、氷が得意な子は氷結を、と言ったように各々の得意な技で戦います」
その主が蒼ってわけか。龍神を宿し、口寄せの龍達を調伏し、使役する。何故今までこの子に気づかなかったのだろう。
「蒼は出身はどこなんだ?」
「…実は私、知らない山奥で龍神様に育てられたんです」
「龍神に育てられた?!」
「はい。16歳の頃、暗部に見つけられ保護されました」
「今いくつなんだ?」
「25歳です。保護された時、龍神様と離れたくないと懇願したら、私が死んだ時の契約をむすび、龍神様が自ら私の中に宿ってくれました」
「そうだったのか…いや、どうして今まで気づかなかったのかなと思って…」
「私の生態が謎だったので、表には出さなかったのでしょう。暗部の極秘任務として保護されたので」
「忍術はどうやって覚えたんだ?」
「龍神様に印の存在を教えられ、覚えました」
「君の得意とする忍術は演習場でのあれか?」
「はい。相手を結界で閉じ込め、結界内で天候を操り攻撃します。結界は枠内に収まれば何人でも」
なるほど…龍神を秘めてるだけあって、ここまで大それたことができるのか。
「俺を雨ざらしにして落雷させたのも、通電しやすくするためか?」
「はい。そうなりますね。でもこの術で一番危険なのは、太陽の日です。気温を100℃まで上げられるので、相手を簡単に死へと追いやれます」
さすが暗部…といったところか。こんな曲者を隠していたとは。にしても、どうして今回は簡単に正体を現したんだ?
「なぜ私が突然暗部として呼び出されたのかって顔をしていますね」
「まぁ、そりゃ、ね」
「暗部として様々な試練を乗り越えてきました。単独行動が可能なまでに。しかし私は最後の砦として基本的に里に残されていました。それが今回、カカシ様の依頼ということで、異常事態だろうと読んで私を使わせたのです」
「なるほどね。まぁ、暗部も自分たちの仲間が行方不明なのは知っているだろうし、探していたんだろう。俺の耳にも入ったから、救出しにいくってわけ」
「常にお傍でお守りします。では、龍に乗ってください」
「はいよ」
「タツ朗、お願いね」
「うぉりゃ!行くぞー!」
なんて速さだ。鳥よりも速い。これなら半日あれば氷隠れの里に辿り着ける。
「蒼、くれぐれもバレないようにな」
「私は暗部ですよ。カカシ様もお気を付けて」
クスクスと笑いながら俺をちゃかす、ホントにこいつが暗部なのか?と言いたいところだが、演習場で戦闘したことを忘れやしない。こいつはかなり強い忍者だ。扱う術も珍しい。
「氷隠れの里は風の国の配下にあるんですよね。となると、風影様を陥れ、木の葉と衝突させようとしている可能性があります。まずは風影様に会いましょう」
「砂の里か…久しぶりだな」
「タツ朗、速度を上げて!」
「はいよう!」
あっという間に砂の里についた。
護衛に経緯を話し、風影に会いたいことを伝える。
「あ、あなたは、カカシ様!」
蒼の後ろに立つ俺を見て、ことの重要さに気づいたらしい。すぐに部屋へ案内された。
「風影様、木の葉の里よりお客様がいらっしゃいました」
「通せ」
「では、どうぞ」
「カカシ殿と…知らない顔だな」
「一ノ瀬蒼と申します。カカシ様の護衛で付き添っております」
「護衛が一人…?要件は」
ここで氷隠れの里に向かった暗部達が行方不明になっていること、風と火の断裂が目的ではないかと推測していることを伝えた。
「なるほど…うちの暗部からも数名輩出しても良いが…」
「いえ、私は暗部です。人を完全に殺すための忍術を使うため、迂闊に外部に見せる訳にはいけません」
こいつ…演習場で俺を殺す気だったんじゃないだろうな…。
「そうか…暗部か。…何かあったらいつでも連絡をくれ」
「ありがとうございます!急いでるので、これで失礼します」
「カカシ様、氷隠れの里まで数時間ほどです!殺しの目処はついてますか?」
「殺しってあのね…まぁ、俺の口寄せで犬を連れるから、匂いを辿ってもらうよ」
「犬!!かわいいですね!!」
「そういうもんでもないけどね…みんなクセが強い」
「あはは!龍だって、なかなかの曲者揃いですよ!」
「だろうね…タツ朗だっけ。ありがとな」
「ホントは男なんて載せたくないけど、蒼からの頼みなら仕方ねぇ!」
「…ホントに懐かれてるんだな」
「龍ですか?まぁ、私の中に龍神様がいる限りはみんな良くしてくれてますよ」
死んだら私は居なくなりますからねー♪と軽々と言う蒼の背中は逞しかった。
この子は親の顔を知らない代わりに今の強さを得た。
龍神の意志で龍神を封印したということは、それなりに大切に育てられていたのだろう。
「蒼、帰ったら飯食いに行こう」
「はは!いいですね!昨日の今日ですが、私たちは今運命共同体ですからね!」
この子は本当に…。
空気が変わった。蒼の表情も変わった。
氷隠れの里についたのだ。
「口寄せの術!」
どろん、と出てきたのは一匹のパグ。
「きゃー!かわいい!パグ!かわいいー!」
テンションぶち上がりの蒼を他所に、行方不明となった3人の匂いを嗅ぎつけるよう命じた。
「蒼、タツ朗を帰していい。あと、額当ては隠しておこう。嗅ぎつかれちゃ困る」
「はい!顔も隠さない方が良さそうですね」
「そうね…慎重に行こう」
パックンが3人の匂いを察知したと言う。
「ここから近い、あの角を右だ」
言われた通り右に曲がると、そこは路地裏で、ゴミ箱や廃棄物が置かれていた。
「おかしい…ここから強い匂いがするんだが…」
「カカシ様!パックン!隠し扉がありますよ!」
「隠し扉?俺には見えないけど…」
「だから隠し扉なんです!私のこの龍神様の眼で見えないものはありません!」
蒼が壁を押すと、扉が開いて隠し通路が見つかった。
「3人はこの先だ、まだ生きてる」
「わかった。パックン、帰っていいぞ」
「じゃあの!」
「あぁ、私の可愛いパックン…」
「俺のだけどな」
冗談はさて置き、いざ、隠し通路へ!