Love to you
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私の名前は矢野あやの。日本バ○ーボール協会に入社して一年目だ。そんな私には憧れの人がいる。
「矢野ちゃーん」
黒尾先輩だ。まず惚れたのは身長。背が高くてカッコイイ。
「この資料矢野ちゃんが作ったの?」
二つ目は声。艶やかな声をしていてカッコイイ。
「スゲわかりやすかったよ、ありがとね」
そして三つ目。気軽に話しかけてくれるところ。
こんなにカッコイイ人初めて見た。
「は、はい!ありがとうございます!」
「矢野ちゃんは期待のルーキーだからね」
期待されてる……!!もしかして黒尾先輩って私のこと……??
どうしよう。そんなことになったら私、黒尾先輩の顔まじまじと見れないよ。今も恥ずかしくて鼻の先を見ながら話してるくらいなのに。
「あの!黒尾先輩…!」
「ん?何?」
「今日、予定ありますか?!」
「今日は特にないけど……どした?」
「そのっ……し、仕事で悩んでることがあって…相談乗っていただけないでしょうか?!」
「そうだったの?俺気づかなくてごめんね。じゃ仕事終わったら飲みにでも行くか」
「!!……は、はい!!」
黒尾先輩から誘ってくれた!!やっぱり私のこと……??
……
……
「矢野ちゃーん、仕事終わった?」
「はい!今終わりました!」
「じゃ、行こか」
ドキドキ
「浅田!お待たせ」
え?
「おー、俺も今来たところ」
浅田先輩がどうしてここに?
「浅田も呼んだ。良かった?」
ダメですなんて言える訳もなく。
「だ、大丈夫ですよ!」
「ほんと?ありがとね」
きっと悩みがあるって言ったから助言してくれそうな浅田先輩も呼んだのね!黒尾先輩の優しさを感じる……!
「ーーー……でさ、ーーーが」
一歩先を行く二人の会話が上手く聞き取れない。
「ーーだからさ、二人はさすがにやばいっしょってーーー……」
?!黒尾先輩が二人きりだとやばいって?!……恥ずかしいとか?!そういうこと?!
「あ、着いたよ。入ろ〜」
そこは落ち着いた雰囲気の半個室の居酒屋だった。
「とりあえず生でいいや。二人は?なんかツマミになるやつ適当に頼むけど」
黒尾先輩がメニュー表を見せてくれる。
「俺も生で」
「私も生で!」
黒尾先輩が店員さんに注文している。それだけでカッコイイ。仕事してない黒尾先輩初めて見た。
「で、矢野ちゃんは何に悩んでるの?」
「あっえーと……」
どうしよう。適当に言ったからあまり考えてなかった。
「き……企画のプレゼンがなかなか通らなくて……」
「あーあれね。なかなか難しいよね」
「とか言って、黒尾スゲーいい企画通してたじゃん」
「あれは人脈のおかげなのよ。矢野ちゃんどんな企画上げてたの?」
「プロによる男女混合の試合とか……」
「うーん、発想はいいんだけど現実味がちょっとなぁ……」
黒尾先輩を見つめていたら、浅田先輩が私を見ていたことに気づいた。もしかして黒尾先輩が好きだってことバレた?!
「キャー……ハハ……」
「……ゆりか、すごいじゃん」
「隣り、うるせぇなぁ……」
「ちょっと待って……この声って…」
黒尾先輩が隣りののれんをめくる。
「蒼?!」
「鉄?!なんでここに?!」
どうやら黒尾先輩の知り合いみたいだ。
「後輩の悩み事聞いてたの。蒼はなんでここに?」
「由利香の惚気話を聞いてたの」
「紹介するよ。こっちが俺と同期の浅田。その隣が後輩の矢野ちゃん」
「初めまして。"黒尾先輩の"後輩の矢野です」
「こっち、俺の婚約者の一ノ瀬蒼。となりがその友人の由利香ちゃん」
え?
「初めまして。鉄の婚約者の一ノ瀬です」
こ、こんやくしゃ?
婚約者って、結婚する前の人達のこと……?
「浅田さん、矢野さん、"うちの"鉄朗くんがお世話になってます」
「は、はぁ……」
「バレーではしゃげ!のポスターの人ですよね?!俺初めて会えて光栄です!」
どうしよう……頭がついていかない……黒尾先輩には婚約者がいて、今目の前にいる人が婚約者で……。
浮かれてたのは私だけってこと?!二人だとまずいのは婚約者がいるからってこと?!
「〜〜〜ッ!!」
「矢野ちゃん、どうかした?」
「黒尾先輩、浅田先輩、すみませんが体調悪くなったので私帰ります」
「え、大丈夫?!送っていこうか??」
と言ってくれるのは浅田先輩で。
黒尾先輩はただ心配そうに見ているだけだった。
やっぱり、私みたいなヘンテコメガネの女なんて、相手にされるわけないんだ。
「いや、俺が送っていくよ」
へ??黒尾先輩??
「蒼、送って行っても大丈夫?」
「全然大丈夫。行ってあげて」
「浅田、すぐ戻るから待ってて。飲み直そう」
「おう!一ノ瀬さんたちと待ってるわ!」
そう言って黒尾先輩は私をタクシーに乗せて家がどこにあるのか聞いてきた。答えたら、ここから10分くらいなのねと少し安堵した様子だった。
そりゃ婚約者と同期待たせてたら遠くなんてなったらヤダよね。
「あの……黒尾先輩……」
「どうした?」
「近いし、私は大丈夫なので、皆さんの所へ戻ってください……」
「矢野ちゃんさ、なんか俺に隠してることない?」
「え……?」
「いや、俺の勘違いならいいんだけど、もしかして……」
こんなところで、気持ちがバレてしまうのか……。
「もしかして、浅田のこと好きだったりする?」
「へぁ?!」
「いや、浅田も呼んでいいかって言ったとき少し嬉しそうだったしさ……」
それはあなたと飲みに行けるのが嬉しかったから!
「もし浅田のこと好きなら、俺応援するよ?」
この人は……。
「浅田先輩のことなんてこれっぽっちも好きじゃありません!私の好きな人はもっとカッコ良くて、もっと素敵な人なんです!」
「あれ、そうなの?会社の人?」
「内緒です!」
この気持ちは知られたくない。距離が出来てしまうのが怖いから。でもその変わり、"後輩"だという特権は使わせてもらおう。
「今度また、飲みに誘ってください!仕切り直しに!」
「そーね」
そう言って黒尾先輩は私のマンションの前まで送ってくれて、行ってしまった。
これが実ることはない恋だとしても、私はこの気持ちを大事にしていこう。
「黒尾先輩の彼女さん、可愛いかったなーーー……」
少しの涙も添えて。
「矢野ちゃーん」
黒尾先輩だ。まず惚れたのは身長。背が高くてカッコイイ。
「この資料矢野ちゃんが作ったの?」
二つ目は声。艶やかな声をしていてカッコイイ。
「スゲわかりやすかったよ、ありがとね」
そして三つ目。気軽に話しかけてくれるところ。
こんなにカッコイイ人初めて見た。
「は、はい!ありがとうございます!」
「矢野ちゃんは期待のルーキーだからね」
期待されてる……!!もしかして黒尾先輩って私のこと……??
どうしよう。そんなことになったら私、黒尾先輩の顔まじまじと見れないよ。今も恥ずかしくて鼻の先を見ながら話してるくらいなのに。
「あの!黒尾先輩…!」
「ん?何?」
「今日、予定ありますか?!」
「今日は特にないけど……どした?」
「そのっ……し、仕事で悩んでることがあって…相談乗っていただけないでしょうか?!」
「そうだったの?俺気づかなくてごめんね。じゃ仕事終わったら飲みにでも行くか」
「!!……は、はい!!」
黒尾先輩から誘ってくれた!!やっぱり私のこと……??
……
……
「矢野ちゃーん、仕事終わった?」
「はい!今終わりました!」
「じゃ、行こか」
ドキドキ
「浅田!お待たせ」
え?
「おー、俺も今来たところ」
浅田先輩がどうしてここに?
「浅田も呼んだ。良かった?」
ダメですなんて言える訳もなく。
「だ、大丈夫ですよ!」
「ほんと?ありがとね」
きっと悩みがあるって言ったから助言してくれそうな浅田先輩も呼んだのね!黒尾先輩の優しさを感じる……!
「ーーー……でさ、ーーーが」
一歩先を行く二人の会話が上手く聞き取れない。
「ーーだからさ、二人はさすがにやばいっしょってーーー……」
?!黒尾先輩が二人きりだとやばいって?!……恥ずかしいとか?!そういうこと?!
「あ、着いたよ。入ろ〜」
そこは落ち着いた雰囲気の半個室の居酒屋だった。
「とりあえず生でいいや。二人は?なんかツマミになるやつ適当に頼むけど」
黒尾先輩がメニュー表を見せてくれる。
「俺も生で」
「私も生で!」
黒尾先輩が店員さんに注文している。それだけでカッコイイ。仕事してない黒尾先輩初めて見た。
「で、矢野ちゃんは何に悩んでるの?」
「あっえーと……」
どうしよう。適当に言ったからあまり考えてなかった。
「き……企画のプレゼンがなかなか通らなくて……」
「あーあれね。なかなか難しいよね」
「とか言って、黒尾スゲーいい企画通してたじゃん」
「あれは人脈のおかげなのよ。矢野ちゃんどんな企画上げてたの?」
「プロによる男女混合の試合とか……」
「うーん、発想はいいんだけど現実味がちょっとなぁ……」
黒尾先輩を見つめていたら、浅田先輩が私を見ていたことに気づいた。もしかして黒尾先輩が好きだってことバレた?!
「キャー……ハハ……」
「……ゆりか、すごいじゃん」
「隣り、うるせぇなぁ……」
「ちょっと待って……この声って…」
黒尾先輩が隣りののれんをめくる。
「蒼?!」
「鉄?!なんでここに?!」
どうやら黒尾先輩の知り合いみたいだ。
「後輩の悩み事聞いてたの。蒼はなんでここに?」
「由利香の惚気話を聞いてたの」
「紹介するよ。こっちが俺と同期の浅田。その隣が後輩の矢野ちゃん」
「初めまして。"黒尾先輩の"後輩の矢野です」
「こっち、俺の婚約者の一ノ瀬蒼。となりがその友人の由利香ちゃん」
え?
「初めまして。鉄の婚約者の一ノ瀬です」
こ、こんやくしゃ?
婚約者って、結婚する前の人達のこと……?
「浅田さん、矢野さん、"うちの"鉄朗くんがお世話になってます」
「は、はぁ……」
「バレーではしゃげ!のポスターの人ですよね?!俺初めて会えて光栄です!」
どうしよう……頭がついていかない……黒尾先輩には婚約者がいて、今目の前にいる人が婚約者で……。
浮かれてたのは私だけってこと?!二人だとまずいのは婚約者がいるからってこと?!
「〜〜〜ッ!!」
「矢野ちゃん、どうかした?」
「黒尾先輩、浅田先輩、すみませんが体調悪くなったので私帰ります」
「え、大丈夫?!送っていこうか??」
と言ってくれるのは浅田先輩で。
黒尾先輩はただ心配そうに見ているだけだった。
やっぱり、私みたいなヘンテコメガネの女なんて、相手にされるわけないんだ。
「いや、俺が送っていくよ」
へ??黒尾先輩??
「蒼、送って行っても大丈夫?」
「全然大丈夫。行ってあげて」
「浅田、すぐ戻るから待ってて。飲み直そう」
「おう!一ノ瀬さんたちと待ってるわ!」
そう言って黒尾先輩は私をタクシーに乗せて家がどこにあるのか聞いてきた。答えたら、ここから10分くらいなのねと少し安堵した様子だった。
そりゃ婚約者と同期待たせてたら遠くなんてなったらヤダよね。
「あの……黒尾先輩……」
「どうした?」
「近いし、私は大丈夫なので、皆さんの所へ戻ってください……」
「矢野ちゃんさ、なんか俺に隠してることない?」
「え……?」
「いや、俺の勘違いならいいんだけど、もしかして……」
こんなところで、気持ちがバレてしまうのか……。
「もしかして、浅田のこと好きだったりする?」
「へぁ?!」
「いや、浅田も呼んでいいかって言ったとき少し嬉しそうだったしさ……」
それはあなたと飲みに行けるのが嬉しかったから!
「もし浅田のこと好きなら、俺応援するよ?」
この人は……。
「浅田先輩のことなんてこれっぽっちも好きじゃありません!私の好きな人はもっとカッコ良くて、もっと素敵な人なんです!」
「あれ、そうなの?会社の人?」
「内緒です!」
この気持ちは知られたくない。距離が出来てしまうのが怖いから。でもその変わり、"後輩"だという特権は使わせてもらおう。
「今度また、飲みに誘ってください!仕切り直しに!」
「そーね」
そう言って黒尾先輩は私のマンションの前まで送ってくれて、行ってしまった。
これが実ることはない恋だとしても、私はこの気持ちを大事にしていこう。
「黒尾先輩の彼女さん、可愛いかったなーーー……」
少しの涙も添えて。
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