Love to you

夢小説設定

本棚全体の夢小説設定
苗字
名前

鉄の運転で横浜中華街まで行くことになった。

「〜♪天気も良くていいねぇ」

「ドライブ日和だね」

季節は10月。天気は快晴。少し肌寒くなったけど、お出かけするのにちょうどいい気候だ。

「鉄、前のマンションに住んでた頃は駐車場代とか大変じゃなかった?」

「そうねぇ…都会だからねぇ…車は持っていたかったし、そこは仕方ないかなと割り切ってた」

「貯金もしっかりしてるし、よく貯めれたね」

「それで言ったらもだろ。まあー、家が金持ちだからってのもあるかもしれないけど、バイト代だけじゃそんなに…あ、チャン投資やってたか」

「そうだね、主に投資で得たお金だね…」

「尊敬はするけど、暴落することだってあるから慎重にね」

「その辺は大丈夫!レートは逐一チェックしてるしね!」

「よくスマホ見てる理由はそれか…もうすこし女の子らしい趣味はないの?」

「男女差別!ほかはピアノとかあるじゃない?」

「いや…普段全然弾かないでしょ」

「んー、じゃあ料理とか?」

「あー、なるほどねぇ…確かに色々作れるもんねぇ…」

「なんか納得いかない感じ?」

「いや、そういうわけじゃないけど。チャン運動部には興味なかったの?」

「バイトしてたし、サークルとかには入らなかったなぁ」

「偉い子だね…尊敬するよ」

「さっきからどうしたの」

「俺、の小さい頃とか、中学とか高校の頃のこと全然知らないしさ。なんだが気になっちゃって」

「じゃあ、ドライブのついでにいろいろ語ってさしあげましょう!」

「おー、よろしく」

「宮城にて、1人の女の子が爆誕!と名付けられる。は3歳からピアノ、ヴァイオリン、バレエの稽古を受けることになり、日々精進した成果もありコンクールなどで賞をもらうこともあった。音楽の楽しさに目覚め、小学生に入ると同時にバレエは辞めることに。代わりにピアノとヴァイオリンに励む毎日だった。が、中学3年になると、『親の仕事を継ぎたい』という夢ができ、ピアノもヴァイオリンも辞め、勉学に励むことになった。高校は大学にエスカレーター式で入学できる付属高等高校に入学。無事そのままA大に進学することができ、医学部の道へ進む。卒業後は院生になり、さらに医療について研究し続ける日々となる。こんな感じ?」


「ありがと。はヴァイオリンも弾けるんだね…女の子らしい趣味とか言っちゃったけど、いろいろやってたのは知らなかった。ごめんね」

「今はやってないからねー。実家には一応ヴァイオリンあるけど。今度取りに行こっか。何か弾いてあげるよ」

「それは楽しみ。ヴァイオリン生で聴いたことないしな」

「ヴァイオリン、めちゃ楽しいよ。鉄も習ってみたら?大人の音楽教室」

「俺にあんな繊細な演奏できると思う?」

「あははっ、でもヴァイオリンは男の人も多いよ。あ、でも鉄はバレーのクラブ入ってるか。私もまた行きたいな」

「おー、来なさいよ。大歓迎よ。女の子少ないし」

「バレーで出会いとかなかったの?」

「…うーん…言い寄られることはあったけど、全然好みじゃなかったから軽くあしらってたら来なくなっちゃったり…」

「やっぱり鉄、モテるんだよ。うちの大学に来た時も女子達がワーキャー言ってたもん」

「そうなの?全然気づかなかった…あ、そろそろ神奈川に入るよ」

「わーい。中華街〜」





そんなこんなで11時、鉄の運転で横浜中華街まできた。付近のパーキングに車を停め、一緒に手を繋いで歩く。

「「まずは小籠包でしょ!」」

「「…そのあと豚まん!」」

お互いピッタリとハモってしまい、笑いが止まらない。
鉄とはこういう場面がたまにあって、本当に通じあってることを改めて思い知る。

「小籠包有名な店、混んでるね。は待てる?」

「全然待てるよ。とりあえず並ぼうか」

並んでるあいだ、どんな店が人気か調べて食べ歩きすることにした。











「やっと順番きた!」

「やっとだね。疲れてない?」

「全然!この季節で良かった。夏ならバテてたかも」

「たしかに。猛暑だったらキツイな。とりあえず入るか」


お店に入ると、大繁盛しているようだ。英語や中国語、他国籍の声も聴こえる。

店員さんも中国人がメインのようだ。

「我可以下订单吗?」
(注文してもいいですか?)

「!。是的、我们会问你」
(!。はい、お聞きします)

「请来两份小笼包」
(小籠包を2人前ください)

「明白了」
(わかりました)

店員さんが去ってゆく。

チャン、中国語もできるの?」

「日常会話レベルだよ」

「英語に中国語に、ほかは何語が話せるの?」

「必要だと思って、英語、中国語、韓国語くらいだよ」

「何に必要なの?学問?」

「ううん、旅行。いつか行ってみたいなぁって」

「じゃあ俺も勉強しよ…」

「あはは、どちらか1人が話せれば大丈夫だと思うよ」



「オマタセシマシター」

「谢谢」

「しぇしぇー」

「ありがとうはわかるんだ」

「発音とかわかんないけどな」

「アウトプット大事だよ。とりあえず食べようか」

「うし!いただきます!」

「いただきまーす」

レンゲに乗せた小籠包の生地を箸で割ると、たくさんの肉汁が。それをそのまま口へ運ぶ。

「あふっ(熱っ)、おいひー」

「美味いな。1人前で4つか。少なく感じるけど食べ歩きするならこんなもんか」

「そーだね。お腹は空けとかないと」




あっという間に食べ終えた。

「次は豚まんだな」

「いざ行かん!」

今度は豚まん屋さんへ。
あっちもこっちも中華料理店だらけで食べ比べとかしてみても楽しそうだと思った。

「どこ見ても中華屋だな。食べ比べとかしたら面白そうだな」

「…ふふ」

「何?どうした?」

「ううん、別に」

不思議そうな顔をする鉄をよそに、豚まん屋について豚まんを2個注文をする。

「でかいな、いただきます」

「いただきまーす」

もふっとがぶりつく。生地はモチモチで、豚肉の餡もたっぷりぎゅうぎゅうで食べ応え充分。さっき小籠包を1人前で終わらせといて良かった。

「次は麻婆豆腐だな」

「辛すぎると食べられないよ〜」

「事前にリサーチ済みだ。行こう」


今度は麻婆豆腐が美味しいと有名なお店。
また行列が出来ていた。


「また並ぶな、大丈夫か?」

「余裕!胃の空き具合も余裕!」

「このために朝飯抜いてたもんな」

「うん!やる気満々!」

「食う気満々だろ。麻婆豆腐ひと皿と、ライス2つ頼んで分けて食べよう」

「そうだね!お米は必須!」

「麻婆豆腐の次は東坡肉まんだな」

「炭水化物でたたみかける!」



「オ次ノ方ご案内シマス〜」

席に案内される。

「请给我一份麻婆豆腐和两份米饭」
(麻婆豆腐ひとつとライスふたつください)

「明白了」
(了解しました)

「ほんとに堪能なんだな〜どこでも通じてる」

「どの言語もそうだけど、早口で話されると聞き取りにくいけどね」

「尊敬するわ。改めては勉強熱心なんだな」

「純粋に勉強好きだからね。鉄は嫌い?」

「興味あることならいいけど、それ以外は並かな」

「高校の制服着た鉄、見てみたい」

「おー、写真ならいくらでもあるぞ。これとか」

そこには研磨くんと一緒に肩を並べる制服姿の鉄が。

「鉄が子供だ〜!!かわいい〜!」

「え、今の俺そんな老けた?」

「そーじゃなくて、格好だけでだいぶ違うよ〜!まだ制服持ってるの?今度着てみてよ!」

「いいけど…次は制服姿の見せてよ」

「私?ちょっとフォルダ漁ってみる〜」


「オマタセシマシター」

先に料理が来てしまった。

「とりあえず食べよか」

「そうだな。いただきます」

「いただきます!」

豚ひき肉と豆腐がたっぷりで辛さも程よくご飯が進む。

「やばい!ご飯オカワリしたい!」

「待つんだチャン。この後がまだあるんだから」

「そうだ…そうだね。我慢我慢」

ペロリと平らげ、店をあとにした。


次は東坡肉まん。店に着くとまた行列ができている。

「鉄、これ制服姿の私」

スマホを渡すと鉄のくいつきがすごかった。

「黒髪の…!これすっぴん?!幼い!かわいい!でもこの頃から既にちょっとエロさでてるよね」

「どーいう目線で見てんの!スマホ返して!」

、黒髪可愛かった。今も超可愛いけど、すごいイメチェンしたね」

「美容師さんに勧められたからこの色にしただけ。本当はピンクとかにもしたいけど」

「ピンク?!似合いそう!やってやって!」

「はいはい。次美容院いくときね」

のイメチェン、楽しみー!」


そうこうしてるうちに、順番がきた。

「请给我两个东坡包子」
(トンポーローまんをふたつください)

「明白了」
(了解しました)


話す間もなくできたてほかほかの東坡肉まんが。
並ぶからできたてをストックしているのだろう。

こちらも生地はもちもちで、東坡肉はトロトロで舌の上でとろける。豚まんとはまた違った食感だ。

「んー!おいしー!」

「美味いな。豚の角煮ってやつか」

「そーだねーそれに八角とか混ぜた感じだね」

、胃の調子はどう?」

「ちょっとお腹いっぱいになってきた…」

「俺も。最後はデザートで〆るか」

「杏仁豆腐だね!」

「そう言うと思ってそれもリサーチ済みだ、行こう」

「鉄、頼れる〜!」


奇跡的に並ばずにお店に入れて、杏仁豆腐をふたつ頼む。

一瞬で提供された。

「ん!もちっとしてるタイプの杏仁豆腐だね!」

「そうだな。俺はこっちの方が好きかも」

「私も!食べ応えあってよろしい!」



「「ごちそーさまでした!」」


これで弾丸中華街ツアーは終盤へ。
最後はお土産屋さんに寄ってたくさん買って帰宅した。


「ふいーー!疲れましたなぁ!鉄、運転ありがとうー!」

「いいよ。俺も楽しめた。いいプチ旅行だったな」

「うん!日本円で本格的な中華が食べられるって最高だね。中国まで行かなくていいもんね」

「でもいつかは行ってみたいんだろう?もしかしたら本場は全然違う味かもな」

「なんそれー!旅行いきたーい!」

、やけにはしゃいでるな」

「楽しかったからね!交感神経がガンギマリ」

「風呂沸かすから、一緒に入ろう」

「うん!お風呂入ってぐっすり寝て疲れを取る!」




ぐっすり寝る前に、鉄が求めてきたので2回戦までやって本当にぐっすり眠ることとなった。鉄のバカ。
52/77ページ
スキ