Love to you
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黒尾さんとつきあって8ヶ月が経った、残り2ヶ月で、11月は黒尾さんの誕生日だ。
サプライズしたいから、あまり話に触れないでおこう。
「ただいまー」
にゃーん
「?ジャスミン声変わりした?」
「私だよ!私!」
「なんだ、蒼か。どーしたの、物陰に隠れて」
「特に理由は無い」
「おっ今夜はうなぎ…か?」
「ぶぶー」
「何その顔膨らませるの、可愛いんだけど」
「んーっ」
「ははっ真っ赤顔」
「今夜は秋刀魚の蒲焼です!」
「え?やば、匂いからして最高なんだが?」
「召し上がれ」
「うまー!うなぎよりこっちの方が好き!」
「鉄、秋刀魚好きだもンね」
「蒼は好き嫌いあんの?」
「んー。強いて言うならパスタとかイタリアンだなぁ」
「明日会社休みだけど、そういう店行ってみるか?」
「いいの?予約しとくー」
「ペスカトーレがあるところがいいな」
「あったあった、ここにしよう」
翌日、私は白の半袖に黒のオーバーオールを着て準備した。
「俺も白のシャツに黒パンだ」
「あはは、お揃い見たいだね」
というわけで、念願のイタリアンに。
「こんにちはー、予約していた一ノ瀬です」
「お待ちしておりました。奥の席へどうぞ」
「雰囲気いいねぇ」
「ここは生パスタ使ってるからもっちりしてて美味しいらしい」
「ご注文決まりましたか?」
「はい。ペスカトーレと、ポルチーニ茸のクリームパスタお願いします」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「ポルチーニって何?…」
「きのこの種類だよ。ちょっとクセあるけど、めちゃ美味しいの」
「へー、蒼はなんでも知ってるなぁ」
「料理には目がないねぇ〜」
パスタを食べ終えたら、広い公園をゆっくり散歩することにした。
「私ねぇ、こうやって何気ない日常を鉄と過ごせることにすごく幸せに感じてる」
「どしたの蒼チャン」
「これからも一緒に幸せになってくれますか」
「当たり前だよ」
「じゃ、右手出して」
不思議そうに右手をさしだす黒尾さん。
薬指にスっと指輪にはめる。
「蒼…これって…」
「婚約指輪だよ。わたしばっかりもらっちゃってたから」
「蒼…」
「いつもありがとう」
ギュッと黒尾さんに抱きつかれる。
「そういう漢気ってのはねぇ!男がするもんなの!」
「あはは、なにそれ」
「ありがとうね」
ちゅっとほっぺたにキスされた。
黒尾さんは場所を選ばずにそういうことくるから少し照れる。
「ほっぺにチューしたばっかで、顔真っ赤」
ははっ!蒼オモシレー!と笑う黒尾さんはやっぱりSなんだなと思う。
外はまだ暑いな。
「そろそろ帰りますか」
「そうだね、夕飯の買い出しだけ行く?」
「それがいいね。今日は何作ってくれるの?」
「んー!餃子、作りますか」
「ほーう」
「餃子は私が作るから、鉄はチャーハンお願いします」
「責任重大だ…」
買い物を終え、
もくもくと作業をしてるけど、黒尾さんの方はどうだろう。
まだ具材を切ってるところだ。
おそるおそるで可愛いな。
「こっちのコンロで餃子焼くね」
「蒼…チャーハン、いきます」
油を注いで卵を炒め、直ぐに白米を入れて混ぜていく。具材を入れて塩コショウ、醤油を一周させて素早く炒める。
「鉄、ほんとに上達したね。美味しそう」
「おれは蒼の餃子が食いたい」
「はは、もう出来たよ」
フライパンを逆さにして皿に乗せる。
「じゃ!いただきマース」
「あふっ…ジューシーで美味いな、餃子」
「ちょっとラード入れてるからね、肉汁すごいでしょ」
「俺のチャーハンは…どう?」
「ん!美味しい!美味しいよ!鉄も食べな!」
「おぉ…もぐもぐ…お、我ながら上手くできた」
「料理大変だけど楽しいでしょ?特に人のために作る料理は別格だよ」
「ホントにな。美味いって言われると気分が良くなる」
「ふふっ、あ、そういえば夜久さん今日本に帰ってるみたいだね」
「え?俺何も聞いてないんだけど?」
「由利香が言ってた。あとから連絡来るんじゃ無い?」
「夜久はバレー以外適当だからなー」
「でも続いてるみたいだし、仲良くやってそうだよ」
「俺と蒼の方が仲良くやってるし」
「あっは、何その対抗心」
黒尾さんはたまに子供みたいなことを言う時がある。
「可愛いなぁ」
「え?俺?」
「うん」
「たまに子供みたいに見える」
「この巨体でそんなこと言われたの初めて…」
「でも、鉄は面倒見良さそうだよね」
「そりゃキャプテンだったもん、主将としての務めを果たしたまでよ」
ちゃんとバレーボールしてた頃の黒尾さん、見てみたかったなあ。
高校も一緒だったら良かったなぁ。
「って、口から漏れてるぞ」
「えっ、言っちゃってた?!」
「高校の頃の俺はもうスーパースターよ」
「へぇ!全国でたりしてたの?」
「出てたよ。大目立ちだったよ」
「へぇ〜すごーい」
黒尾さんはすごいプレーヤーだったんだ。
「よく研磨くんと一緒にゲームするんだけど、
クロはお母さんみたいでうるさかったって言ってた」
「え?研磨とゲームしてんの?いつのまに?あと研磨くんって何?」
「家事終わってからとか、黒尾さんが残業決定してるときとか」
「いつのまにそんな仲に?」
「前初めて会った時もゲームの話してたじゃん」
「何語話してるのかわからんかった」
「ふふ、次は研磨くんと黒尾さんと一緒に遊びたいな」
黒尾さんはなんだか面白くなさそうな顔をしている。
「研磨くんに会いたくないの?」
黒尾さんはちょっと拗ねた感じで
「名前呼びしてるから…距離感近くない?」
と、また子供みたいなこと言うから笑ってしまった。
「あはは!鉄ヤキモチ妬いてるの?可愛い」
「その可愛いってのもヤダ!カッコイイの方がいい!」
その発言が子供でかわよなんだよなぁ…。
「はいはい、鉄の方がカッコイイよ。安心して」
「ほんと?絶対?」
可愛いがすぎる笑
「絶対だよ」
「よし!とりあえず研磨呼んで今度遊びに行くか!」
「研磨くん、混雑してるの苦手そうだからカフェでお茶とかでいいんじゃない?あとは静かな場所…プラネタリウムとか」
「いいね!プラネタリウム!さっそく研磨にLINEしよ」
ピコピコ
「返事はやっ」
人混みのとこはやだからね
「蒼の言う通りだったな」
「あの性格だもん。でも案外物怖じしないよね」
なんで研磨のことそんなに詳しいの?と不服そうな顔をする黒尾さん。
「あはは!鉄、顔にですぎ!自分の親友なんだから信じてあげなよ!それにゲームで話す以外何もないし!」
「そうだけどさ〜俺の知らないとこでどんな話してるか気になるじゃん」
ほんとに可愛い人だ。ちょっと嫉妬深い?執念深い?メンヘラ?とは違うと思うけど…
「鉄の小学生〜高校の頃の話を一通り聞いたよ」
「何それ!!羞恥心!!」
キャーと言いながら両手で顔を隠す。女子か。
「鉄は?仕事でプライベートの話とかするの?」
「す、するけど…恥ずかしいから言わないっ」
あ、これは絶対私に関する話を四方八方にしてるんだなと勘づいた。
「あんまり私の話題ださないでよね」
「えっ…蒼は俺の事学校の子に話したりしないの?」
ちょっとショックを受けてるみたい。
「いや、聞かれたら答えるけど、それ以外は別に…」
「あーーー!おれの羞恥心が!羞恥心が!」
一体どれだけの人に自慢話?をしていたのだろ。
そんなことされると私まで恥ずかしくなってくる。
「あんまり自慢話とかしないようにね」
ギクッとした顔で固まる黒尾さん。図星のようだ。
「な、仲良いお友達になら良いでしょ?」
うるうるした顔(うるさい)で見つめてくる187cmの大男。
「まぁ、それくらいならいいけど…」
ほっと胸をなでおろしたのか、ニコニコ顔になる黒尾さん。ほんとにこの人は…。
「私が鉄以外に心動かされるわけないじゃん」
「蒼ーーー!好きだーーーー!!!」
「ぎゃーーーーーー!!!!」
大熊のように覆いかぶさられて発狂してしまった。
「そこまで叫ぶほどだった?」
「鉄、でかいからびっくりするんだよ!」
「ごめん…」
今度は小熊のように小さくなる。
「ふふふ」
「どうしたの」
「こういうなんでもない話するのもいいなぁって」
「じゃ、飯も食ったし食器も洗ったし一緒にふ「お風呂先に入るね!」……え、はい…」
今日の黒尾さんは絶対悪さしたがってるに違いない。お風呂上がって速攻寝たフリしよう。
…
「上がったよー、次鉄入りな」
「うん…」
よほど寂しかったのだろうか、しょんぼりしていた。
とりあえずベッド入って寝たフリしよ…。
…
…
「蒼ー、蒼」
おそらく寝室に入ってきた黒尾さん。
ギシッとベッドに座って私の髪を撫でる。
「…好奇心で近づいた結果が、出逢えばこんなに魅力的な子とは思ってなかった。多分今、俺の方が好きの気持ちがでかい…気がする。これからも好きでいさせてください。蒼も俺の事好きでい続けるといいな、おやすみ、蒼」
ダメだ。寝たフリしてるから感涙してる場合じゃない。このまま寝てしまおう。多分今の話も聞かれたくなかっただろうし。寝よう。
羊の数を数えていたら、眠ってしまったし、いつもより早く目が覚めた。
黒尾さんの髪を撫でる。
「始まりは好奇心だってなんだってよかった。近づけるだけで嬉しかった。横から見る姿は凄くかっこよくて、話しかけられた時は夢のようだった。多分、黒尾さんが思ってる以上にわたしは黒尾さんに沼ってると思う。沼にハマって抜け出せない。でもそれも心地いい。黒尾さんの愛情はすごく感じてるよ。私ももっと愛情表現しないとね」
そう言ってベッドから離れようとすると、急に腕を引っ張られて黒尾さんに抱きしめられた。
「聞いてたの…」
「髪を撫でられた時目が覚めて寝たフリしてた」
「(自分も同じことしてたから何も言えない)」
「盗み聞きは泥棒の始まり」
「新しいことわざつくるのやめて」
「んーー!蒼に抱きつけたしいろいろいいとしよう!」
もしかして昨晩のことはバレてたのか。
まぁこっちから何も言わなければ済むことだ。
「おはよう、今日の朝食はハムエッグだよ」