Love to you
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秋はあっという間に過ぎ去り、寒さが増す12月に入った。12月25日は蒼の誕生日だ。誕生日まであと3日だというのに、未だプレゼントにとても悩んでいる俺。
婚約指輪を渡しているし、指輪はナシだ。
ピアスはこの間蒼が買ったばかりだし、サプライズにしてはインパクトがない。
香水はありきたりだし蒼の好みがわからない。
じゃあ、つまり、やっぱり「アレ」しかないな…。
俺は決心してプレゼントを買いに行った。
ーーークリスマス当日ーーー
「ただいまー蒼いるかー」
返事がない。けどリビングの電気はついている。
もしかして…
ガチャ
「ハッピークリスマスー!」
パーンとクラッカーを鳴らす蒼。
「だと思ったよ」
「あれ?バレてた?」
テーブルにはケーキやローストチキン、フライドポテトやパスタが並べられていた。
「クリスマスだから洋食にしました」
「蒼は毎日がクリスマスみたいな感じだな」
「それって褒めてるの?」
おう、褒めてるよと言うと照れながら喜んでいた。可愛い。
「さっそくだけどこれ、誕生日とクリスマスプレゼント」
サッと紙袋を取り出し、蒼に渡す。
なんでだ?蒼の表情が曇っている…?
「これ、開けていい?」
「もちろん」
恐る恐る袋から箱をとりだし2つの箱を開ける。
「ネックレスとブレスレットだ…ティファニー…!」
中身を開けてもなお蒼の表情は暗い。
「鉄…ちょっと待っててね…」
そう言って蒼は自室へ行き、またすぐに戻ってきた。
「私から、クリスマスプレゼントです」
「この外装…もしかして…」
「ティファニーでございます…」
「中身はもしかして…」
「開けてから、どうぞ」
俺までなんだか不安になりつつ、箱を開ける。
「ブレスレットだ」
「そう!そうなの!被っちゃったの!メンズの方がごついけど!」
こんなことってあるー?と蒼がケタケタ笑いだした。不安な感じはこのせいだったのか。
「このブレスレットは赤かったのか?」
「そう、もうメラメラだよ」
私にネックレス付けてー!と頼まれたので、後ろに立ってネックレスを付けた。
「今日肩が空いてる服着ててよかった。ネックレスがよく目立つ。似合う?」
「似合うと思って買ったんだ。ブレスレットも」
ありがとう、さっそく付けちゃおーと言って手首にブレスレットをつける。
「かわいいな〜」
「俺もつけよ」
「やっぱりメンズはよく目立つデザインだね。主張が強い」
「オーラ補正かかってるだろ」
「あはは、そうかも」
「プレゼントに料理、ありがとな。いただきます」
「こちらこそありがとう!たくさんお食べ!」
蒼のお陰でクリぼっちにならなくて済んだ。
ついでに夜久から由利香ちゃんと付き合って遠距離恋愛になるLINEが届いた。
蒼のほうにも由利香ちゃんから連絡があったらしい。
2人で続くといいねと話しながら、会社の話、院の話、色んな話をした。
「鉄、大事な話があるんだけどさ」
急に蒼がマジモードに入った。
「私、院を卒業したら産婦人科継ぐって言ったじゃん?」
「言ったねぇ」
「自分の子供をどのタイミングで産むのがベストなのか悩んでるの」
あまりにも突然過ぎてブフォッと吹き出してしまった。
「妊娠して2年休学して子育てするか、産婦人科に務めながら妊婦やるか。どっちがいいと思う?」
「俺は後者がいいと思う。一番大事なバックにプロの親がいるって凄い貴重なことだぞ」
「そうか…鉄も待てなかったらどうしようかなってちょっと不安もあったけど、そう答えてくれて良かった」
「おう、何でも相談してくれ」
「このプレゼント、いくらくらいしたのー?」
「うーん、20万くらい?」
「またそんなに高いもの買って!」
「蒼がくれたのも10万くらいするだろ」
「うっ…私はいいんだよ!バイトも投資もやってるし!」
「いやな、前住んでたマンションの家賃収入があるんだわ」
「えっ、そうなの?」
「だから俺にとってはささやかながらのプレゼントってわけ」
「家賃収入はいいねぇ!何もしなくてもお金入ってくるのはいいことだよ!」
「蒼ってもしかして…お金大好き人間か?」
「うん!大好き!働かなくても入ってくるお金は超超超大好き!」
「お前…産婦人科に務めなくても食っていけそーだな」
そう言ったら、「それとこれとは別!」と返ってきた。産婦人科は叶えたい夢だから。お金稼ぎに考えてない、らしい。
「蒼は親のこと尊敬してるんだな」
「うん!超尊敬してる!今のお父さんとお母さんが育ててくれて嬉しい!」
そーいやこいつの実父は亡くなったんだった…深い話をするのはやめとこう。
「蒼はサプライズ好きだよなー。今度のイベントと言えばバレンタインか?」
「お正月でーす!」
「正月にまでイベント発生するのかよ…」
「楽しみにしててね!」
こういうときの蒼はすごく嬉しそうだ。祝い事?が好きなんだろう。活き活きしてる。
「蒼と付き合ってるとマジ楽しいわ」
「え〜なに〜急に!」
照れながら反応してると見受けられる。
「照れてる蒼も可愛いな」
あ、茹でダコになった。
「ははっ、いつまで経っても慣れないのな」
「そんなスラスラ言葉がでるほど経験ないので!」
今度はプンスカしている。
蒼を見ていると、喜怒哀楽の差が極端なことがよく分かる。でも、悲しんでる姿を俺は見たことがない。
もうすぐ付き合って1年が経つのに、蒼がテレビや動画でさえ泣いてるとこを見たことがない。
隠しているのか?それとも元々かなりサッパリしたやつなのか?
「蒼って、最後に泣いたのいつだ?」
「へ?どしたの急に」
「いや…蒼が泣いてるの見たことないなと思って…」
「あー…うーん、いつだろうねぇ。よくわかんないや」
曖昧な返事が返ってきた。きっと覚えてるけど言いたくないのだろう。思い出なのか、思い出したくないのか、どちらか分からないけど、いつか話してくれたらいいな。
「クリスマスに辛気臭い話してごめんな」
「別に大丈夫だよーん」
蒼は変わらずにこにこしている。
お前の隠してる恐怖や怒りや不安、いつか俺に吐露できるくらい頼られる存在になってみせる。
泣き言だってなんだって俺にぶつけてくれたらいい。
「そういえば明日、ちょっと宮城に帰るね」
唐突である。ちょっとって距離じゃないだろ。
「誰かに会うのか?」
「うん。お父さんの命日なの。だからお墓参りに行ってくる」
父親が亡くなったのが、自分の誕生日の翌日って…。
「気をつけて行ってこいよ」
これくらいしか言うことができなかった。
「鉄、大丈夫?私は大丈夫だよ」
俺のモヤモヤな気持ちを察したかのように顔を覗き込む蒼。
その瞳はとても綺麗なヘーゼルで、吸い込まれそうになる。
「蒼ってハーフなのか?」
「ううん、生粋の日本人だよ」
「なんか日本人離れしてるよなぁ」
「それはたまに言われるね。でもホントにじいちゃんばあちゃんも日本人だし、目の色はたまたまみたい」
「ふーん。遺伝でもねぇんだなぁ。俺は好きだよ、蒼の瞳」
茹でダコセカンド。
「もう!すぐそんなこと言う!鉄の人たらし!」
「俺は蒼にしか言わねぇよ。蒼たらしだよ」
「!!そういえばくぐり抜けられる?と思ってるでしょ!」
「何をだよ笑。お前は何と闘ってんだ。素直に受け止めていいんだぞ」
「…ありがとね!!!」
半分やけくそになってる蒼。でももう半分はなんだか嬉しそうだ。
今はこれでいい。
慣れてきたら茹でダコも治まるだろう。そんな顔もかわいいけど。
これは口に出せない本音。
それまで蒼、もっと俺の事頼ってくれよな。
何もかも全部受け止める準備はできている。
「明日の墓参り、俺も行こうかなぁ」
「えっ、ほんと?」
「有休取って行くわ」
「…心強いよ、ありがとう」
こうして明日、宮城に行くことになった。
婚約指輪を渡しているし、指輪はナシだ。
ピアスはこの間蒼が買ったばかりだし、サプライズにしてはインパクトがない。
香水はありきたりだし蒼の好みがわからない。
じゃあ、つまり、やっぱり「アレ」しかないな…。
俺は決心してプレゼントを買いに行った。
ーーークリスマス当日ーーー
「ただいまー蒼いるかー」
返事がない。けどリビングの電気はついている。
もしかして…
ガチャ
「ハッピークリスマスー!」
パーンとクラッカーを鳴らす蒼。
「だと思ったよ」
「あれ?バレてた?」
テーブルにはケーキやローストチキン、フライドポテトやパスタが並べられていた。
「クリスマスだから洋食にしました」
「蒼は毎日がクリスマスみたいな感じだな」
「それって褒めてるの?」
おう、褒めてるよと言うと照れながら喜んでいた。可愛い。
「さっそくだけどこれ、誕生日とクリスマスプレゼント」
サッと紙袋を取り出し、蒼に渡す。
なんでだ?蒼の表情が曇っている…?
「これ、開けていい?」
「もちろん」
恐る恐る袋から箱をとりだし2つの箱を開ける。
「ネックレスとブレスレットだ…ティファニー…!」
中身を開けてもなお蒼の表情は暗い。
「鉄…ちょっと待っててね…」
そう言って蒼は自室へ行き、またすぐに戻ってきた。
「私から、クリスマスプレゼントです」
「この外装…もしかして…」
「ティファニーでございます…」
「中身はもしかして…」
「開けてから、どうぞ」
俺までなんだか不安になりつつ、箱を開ける。
「ブレスレットだ」
「そう!そうなの!被っちゃったの!メンズの方がごついけど!」
こんなことってあるー?と蒼がケタケタ笑いだした。不安な感じはこのせいだったのか。
「このブレスレットは赤かったのか?」
「そう、もうメラメラだよ」
私にネックレス付けてー!と頼まれたので、後ろに立ってネックレスを付けた。
「今日肩が空いてる服着ててよかった。ネックレスがよく目立つ。似合う?」
「似合うと思って買ったんだ。ブレスレットも」
ありがとう、さっそく付けちゃおーと言って手首にブレスレットをつける。
「かわいいな〜」
「俺もつけよ」
「やっぱりメンズはよく目立つデザインだね。主張が強い」
「オーラ補正かかってるだろ」
「あはは、そうかも」
「プレゼントに料理、ありがとな。いただきます」
「こちらこそありがとう!たくさんお食べ!」
蒼のお陰でクリぼっちにならなくて済んだ。
ついでに夜久から由利香ちゃんと付き合って遠距離恋愛になるLINEが届いた。
蒼のほうにも由利香ちゃんから連絡があったらしい。
2人で続くといいねと話しながら、会社の話、院の話、色んな話をした。
「鉄、大事な話があるんだけどさ」
急に蒼がマジモードに入った。
「私、院を卒業したら産婦人科継ぐって言ったじゃん?」
「言ったねぇ」
「自分の子供をどのタイミングで産むのがベストなのか悩んでるの」
あまりにも突然過ぎてブフォッと吹き出してしまった。
「妊娠して2年休学して子育てするか、産婦人科に務めながら妊婦やるか。どっちがいいと思う?」
「俺は後者がいいと思う。一番大事なバックにプロの親がいるって凄い貴重なことだぞ」
「そうか…鉄も待てなかったらどうしようかなってちょっと不安もあったけど、そう答えてくれて良かった」
「おう、何でも相談してくれ」
「このプレゼント、いくらくらいしたのー?」
「うーん、20万くらい?」
「またそんなに高いもの買って!」
「蒼がくれたのも10万くらいするだろ」
「うっ…私はいいんだよ!バイトも投資もやってるし!」
「いやな、前住んでたマンションの家賃収入があるんだわ」
「えっ、そうなの?」
「だから俺にとってはささやかながらのプレゼントってわけ」
「家賃収入はいいねぇ!何もしなくてもお金入ってくるのはいいことだよ!」
「蒼ってもしかして…お金大好き人間か?」
「うん!大好き!働かなくても入ってくるお金は超超超大好き!」
「お前…産婦人科に務めなくても食っていけそーだな」
そう言ったら、「それとこれとは別!」と返ってきた。産婦人科は叶えたい夢だから。お金稼ぎに考えてない、らしい。
「蒼は親のこと尊敬してるんだな」
「うん!超尊敬してる!今のお父さんとお母さんが育ててくれて嬉しい!」
そーいやこいつの実父は亡くなったんだった…深い話をするのはやめとこう。
「蒼はサプライズ好きだよなー。今度のイベントと言えばバレンタインか?」
「お正月でーす!」
「正月にまでイベント発生するのかよ…」
「楽しみにしててね!」
こういうときの蒼はすごく嬉しそうだ。祝い事?が好きなんだろう。活き活きしてる。
「蒼と付き合ってるとマジ楽しいわ」
「え〜なに〜急に!」
照れながら反応してると見受けられる。
「照れてる蒼も可愛いな」
あ、茹でダコになった。
「ははっ、いつまで経っても慣れないのな」
「そんなスラスラ言葉がでるほど経験ないので!」
今度はプンスカしている。
蒼を見ていると、喜怒哀楽の差が極端なことがよく分かる。でも、悲しんでる姿を俺は見たことがない。
もうすぐ付き合って1年が経つのに、蒼がテレビや動画でさえ泣いてるとこを見たことがない。
隠しているのか?それとも元々かなりサッパリしたやつなのか?
「蒼って、最後に泣いたのいつだ?」
「へ?どしたの急に」
「いや…蒼が泣いてるの見たことないなと思って…」
「あー…うーん、いつだろうねぇ。よくわかんないや」
曖昧な返事が返ってきた。きっと覚えてるけど言いたくないのだろう。思い出なのか、思い出したくないのか、どちらか分からないけど、いつか話してくれたらいいな。
「クリスマスに辛気臭い話してごめんな」
「別に大丈夫だよーん」
蒼は変わらずにこにこしている。
お前の隠してる恐怖や怒りや不安、いつか俺に吐露できるくらい頼られる存在になってみせる。
泣き言だってなんだって俺にぶつけてくれたらいい。
「そういえば明日、ちょっと宮城に帰るね」
唐突である。ちょっとって距離じゃないだろ。
「誰かに会うのか?」
「うん。お父さんの命日なの。だからお墓参りに行ってくる」
父親が亡くなったのが、自分の誕生日の翌日って…。
「気をつけて行ってこいよ」
これくらいしか言うことができなかった。
「鉄、大丈夫?私は大丈夫だよ」
俺のモヤモヤな気持ちを察したかのように顔を覗き込む蒼。
その瞳はとても綺麗なヘーゼルで、吸い込まれそうになる。
「蒼ってハーフなのか?」
「ううん、生粋の日本人だよ」
「なんか日本人離れしてるよなぁ」
「それはたまに言われるね。でもホントにじいちゃんばあちゃんも日本人だし、目の色はたまたまみたい」
「ふーん。遺伝でもねぇんだなぁ。俺は好きだよ、蒼の瞳」
茹でダコセカンド。
「もう!すぐそんなこと言う!鉄の人たらし!」
「俺は蒼にしか言わねぇよ。蒼たらしだよ」
「!!そういえばくぐり抜けられる?と思ってるでしょ!」
「何をだよ笑。お前は何と闘ってんだ。素直に受け止めていいんだぞ」
「…ありがとね!!!」
半分やけくそになってる蒼。でももう半分はなんだか嬉しそうだ。
今はこれでいい。
慣れてきたら茹でダコも治まるだろう。そんな顔もかわいいけど。
これは口に出せない本音。
それまで蒼、もっと俺の事頼ってくれよな。
何もかも全部受け止める準備はできている。
「明日の墓参り、俺も行こうかなぁ」
「えっ、ほんと?」
「有休取って行くわ」
「…心強いよ、ありがとう」
こうして明日、宮城に行くことになった。