Love to you
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黒尾鉄朗(25)
俺は毎朝蒼の作った朝食を食べ、
仕事へ行き、昼は蒼の作った弁当を食べ、
また仕事に戻り、帰れば 蒼とジャスミンが玄関まで迎えに来てくれる。蒼もジャスミンも2人して飛びかかってくるので、一生懸命両腕でホールドし、リビングのソファに座らせる。同じくジャスミンも。
「キミたちは普通のお出迎えができないのかい?」
そういうと蒼はにこにこしながら「愛情が伝わるでしょう」と言う。
そんな事しなくても毎日飯を作ってくれて会話して、いってらっしゃいとおかえりのキスとたまのセックスだけで充分愛情を感じているのだが、彼女にとっては自分の愛情表現ではまだまだ物足りないらしい。もっと俺を愛したいし、愛されてるって感じて欲しいと言う。
「だからといって、毎日飛びかかるのは違うでしょう、危ないし」
そう諭すも、彼女にとってこれも大事な愛情表現とのこと。
「サプライズ・ハグだよ」
と、訳の分からないことを言いつつも、部屋は綺麗に掃除され、夕飯も準備してあり、あとは俺が帰ってくるのがたまらなく待ち遠しいのが本音らしい。それで帰ってきたら嬉しくて嬉しくて仕方がないからと蒼は言う。
22歳の彼女は頭もいいし、綺麗な顔立ちをしているし、いいところのお嬢様だがそれを自慢することも無く自分の将来のためにひたむきに勉強し、ごく普通の女性と何ら変わりない…と言いたいところだが、投資はするし競馬にハマってるしで女学生としてどうなのかと思うところはあるが、まぁ貯金もしっかりしてるのを見受けられるに、根は真面目ではあるのだろう。
俺の周りにはバレー関係の人とモノで溢れていて、唯一全くの無関係から知り合った仲。俺にとってとても新鮮なことだった。
この俺が、こんなに愛したいと思う人ができるとも思ってもみなかった。
「なぁ、蒼。俺は蒼にとってどんな存在でいて欲しい?」
なんの脈絡もなく聞いたが、蒼はハッキリと俺の目を見て答えてくれた。
「健康でいて、家族を大事にして、長生きしてくれればそれでいい」
なんの捻りもない言葉だが、その一つ一つの言葉に"私がいなくても"という思いが込められているのがすぐにわかった。
「俺はもう蒼ナシじゃ生きられないよ」
自分の思いを汲み取ったのが知られたからか、蒼はそれはダメ!と俺を叱責した。
「人間何が起こるかわからない。いつ死ぬか、死に際にたつか、いなくなるか、会えなくなるか、そんなのいちいち気にしてたら仕方ないけど、だからこそさっきの3つは大切に受け取って欲しい」
彼女とは電車でお互い認識していて、偶然でもあるが俺からアクションを起こし、お近付きになれた。
婚約し、一緒に暮らすなんて思ってもなかった。
出会って11ヶ月ほどが経つが、蒼は変わらず俺を愛してくれていると自負できる。
「わかった。その3つは絶対に忘れないよ」
時より真面目に話す彼女の言葉には重みがある。人やモノに色がついて見えるという共感覚も関係するのだろう。一言一言に言霊が宿っているかのように聞こえる。あの日、あの時、何を発したか、何を感じたか。忘れることが出来ない。
「逆に私にどんな存在であってほしい?」
と彼女が問う。
俺もまっすぐ彼女の目を見て答えた。
「ありのままの蒼でいてほしい。我慢や無理はして欲しくない。思ったことははっきり言ってくれていい」
そう答えると、じゃあはっきり言うけど、と蒼が口を開く。
「黒尾さん…鉄は毎日頑張りすぎ!残業もあるし、人付き合いでどうでもいい人と飲みに行くこともあるだろうし、それでいて私に構ってくれる。たまには『疲れてるから先に寝るわ』くらい言ってくれてもいいんだよ!」
なんということか。彼女は常に俺ファーストで、俺のために、俺が俺らしくあるために動いてくれている、というのは薄々気づいていたがまさかそこまでとは。
「そんな冷たい態度とりたくないよ。蒼の飯食わずに、蒼と会話もなく寝るとかありえない」
「私は学生!鉄は社会人!これだけでも"大変さ"に違いがでるのに鉄は無理しすぎ!」
「蒼…俺全然無理してないよ。マジで。素の俺だよ」
「そういう素敵な人だから私は好きになったの!でも、たまにはもっと甘えて欲しいというか、なんというか…」
「なるほどね。わかった」
そう言って俺は蒼の隣に座り力いっぱい抱きしめた。
「蒼が大切で離れたくない。仕事もサボりたい」
「く、くるし…」
「仕事したあと真っ先に蒼に会いたくなる」
「う、ん。それは嬉しい。私も仕事から帰ってくる鉄が待ち遠しい」
「他の男に蒼のこと見られたくない」
「物理的に難しいけど、善処するよ。人間関係が気になるのかな?」
「男もそうだけど…蒼以外の女と話したくもない」
「仕事でのトークは頑張らなきゃね。塩対応はダメだよ」
「蒼のことショーケースに飾って大事に大事にしたい」
「それくらい想ってくれてるんだね。鉄の愛が伝わるよ」
「蒼も俺だけしか見て欲しくない」
「安心して。鉄しか見てないよ。他はどうでもいい」
「……ほんと?」
「本音には本音で返すよ。鉄も可愛いところあるね」
「男に可愛いは褒め言葉じゃないよ」
「ふふ、いっぱい言ってくれてありがとう。忘れないよ」
「俺キモくなかった?」
「全然。本音が聞けて良かったよ」
この一ノ瀬蒼という人間はこちらの気持ちを察する能力に長けているようだ。共感覚でなんとなく性格もわかるらしいが、欲しいアンサーをピタッと当ててくる。俺の気持ちも軽くなった。産婦人科になるより、心理士の方が向いてるんじゃないか?と思うほどに聞き上手であり話し上手である。
また明日も仕事だ。朝起きて、飯食って、仕事して、飯食って、帰ってきたら蒼とジャスミンがいる。
この環境が心地いい。俺が俺でいられるのは蒼のお陰だと思う。蒼がいるから今の俺が保てていられる。もし蒼がいなかったら、好きな仕事のあとでも虚無感でいっぱいだっただろう。「なんで俺こんな生活してるんだ?」と言う自問に、今は「蒼がいるから」と自答する。
それくらい蒼のことを想っている。
俺の大好きな人、これからも傍に居させてください。
願わくば、50、60と歳をとっても手を繋いでいられる関係でありたい。
と、今の俺、黒尾鉄朗の心境はこんな感じ。
俺は毎朝蒼の作った朝食を食べ、
仕事へ行き、昼は蒼の作った弁当を食べ、
また仕事に戻り、帰れば 蒼とジャスミンが玄関まで迎えに来てくれる。蒼もジャスミンも2人して飛びかかってくるので、一生懸命両腕でホールドし、リビングのソファに座らせる。同じくジャスミンも。
「キミたちは普通のお出迎えができないのかい?」
そういうと蒼はにこにこしながら「愛情が伝わるでしょう」と言う。
そんな事しなくても毎日飯を作ってくれて会話して、いってらっしゃいとおかえりのキスとたまのセックスだけで充分愛情を感じているのだが、彼女にとっては自分の愛情表現ではまだまだ物足りないらしい。もっと俺を愛したいし、愛されてるって感じて欲しいと言う。
「だからといって、毎日飛びかかるのは違うでしょう、危ないし」
そう諭すも、彼女にとってこれも大事な愛情表現とのこと。
「サプライズ・ハグだよ」
と、訳の分からないことを言いつつも、部屋は綺麗に掃除され、夕飯も準備してあり、あとは俺が帰ってくるのがたまらなく待ち遠しいのが本音らしい。それで帰ってきたら嬉しくて嬉しくて仕方がないからと蒼は言う。
22歳の彼女は頭もいいし、綺麗な顔立ちをしているし、いいところのお嬢様だがそれを自慢することも無く自分の将来のためにひたむきに勉強し、ごく普通の女性と何ら変わりない…と言いたいところだが、投資はするし競馬にハマってるしで女学生としてどうなのかと思うところはあるが、まぁ貯金もしっかりしてるのを見受けられるに、根は真面目ではあるのだろう。
俺の周りにはバレー関係の人とモノで溢れていて、唯一全くの無関係から知り合った仲。俺にとってとても新鮮なことだった。
この俺が、こんなに愛したいと思う人ができるとも思ってもみなかった。
「なぁ、蒼。俺は蒼にとってどんな存在でいて欲しい?」
なんの脈絡もなく聞いたが、蒼はハッキリと俺の目を見て答えてくれた。
「健康でいて、家族を大事にして、長生きしてくれればそれでいい」
なんの捻りもない言葉だが、その一つ一つの言葉に"私がいなくても"という思いが込められているのがすぐにわかった。
「俺はもう蒼ナシじゃ生きられないよ」
自分の思いを汲み取ったのが知られたからか、蒼はそれはダメ!と俺を叱責した。
「人間何が起こるかわからない。いつ死ぬか、死に際にたつか、いなくなるか、会えなくなるか、そんなのいちいち気にしてたら仕方ないけど、だからこそさっきの3つは大切に受け取って欲しい」
彼女とは電車でお互い認識していて、偶然でもあるが俺からアクションを起こし、お近付きになれた。
婚約し、一緒に暮らすなんて思ってもなかった。
出会って11ヶ月ほどが経つが、蒼は変わらず俺を愛してくれていると自負できる。
「わかった。その3つは絶対に忘れないよ」
時より真面目に話す彼女の言葉には重みがある。人やモノに色がついて見えるという共感覚も関係するのだろう。一言一言に言霊が宿っているかのように聞こえる。あの日、あの時、何を発したか、何を感じたか。忘れることが出来ない。
「逆に私にどんな存在であってほしい?」
と彼女が問う。
俺もまっすぐ彼女の目を見て答えた。
「ありのままの蒼でいてほしい。我慢や無理はして欲しくない。思ったことははっきり言ってくれていい」
そう答えると、じゃあはっきり言うけど、と蒼が口を開く。
「黒尾さん…鉄は毎日頑張りすぎ!残業もあるし、人付き合いでどうでもいい人と飲みに行くこともあるだろうし、それでいて私に構ってくれる。たまには『疲れてるから先に寝るわ』くらい言ってくれてもいいんだよ!」
なんということか。彼女は常に俺ファーストで、俺のために、俺が俺らしくあるために動いてくれている、というのは薄々気づいていたがまさかそこまでとは。
「そんな冷たい態度とりたくないよ。蒼の飯食わずに、蒼と会話もなく寝るとかありえない」
「私は学生!鉄は社会人!これだけでも"大変さ"に違いがでるのに鉄は無理しすぎ!」
「蒼…俺全然無理してないよ。マジで。素の俺だよ」
「そういう素敵な人だから私は好きになったの!でも、たまにはもっと甘えて欲しいというか、なんというか…」
「なるほどね。わかった」
そう言って俺は蒼の隣に座り力いっぱい抱きしめた。
「蒼が大切で離れたくない。仕事もサボりたい」
「く、くるし…」
「仕事したあと真っ先に蒼に会いたくなる」
「う、ん。それは嬉しい。私も仕事から帰ってくる鉄が待ち遠しい」
「他の男に蒼のこと見られたくない」
「物理的に難しいけど、善処するよ。人間関係が気になるのかな?」
「男もそうだけど…蒼以外の女と話したくもない」
「仕事でのトークは頑張らなきゃね。塩対応はダメだよ」
「蒼のことショーケースに飾って大事に大事にしたい」
「それくらい想ってくれてるんだね。鉄の愛が伝わるよ」
「蒼も俺だけしか見て欲しくない」
「安心して。鉄しか見てないよ。他はどうでもいい」
「……ほんと?」
「本音には本音で返すよ。鉄も可愛いところあるね」
「男に可愛いは褒め言葉じゃないよ」
「ふふ、いっぱい言ってくれてありがとう。忘れないよ」
「俺キモくなかった?」
「全然。本音が聞けて良かったよ」
この一ノ瀬蒼という人間はこちらの気持ちを察する能力に長けているようだ。共感覚でなんとなく性格もわかるらしいが、欲しいアンサーをピタッと当ててくる。俺の気持ちも軽くなった。産婦人科になるより、心理士の方が向いてるんじゃないか?と思うほどに聞き上手であり話し上手である。
また明日も仕事だ。朝起きて、飯食って、仕事して、飯食って、帰ってきたら蒼とジャスミンがいる。
この環境が心地いい。俺が俺でいられるのは蒼のお陰だと思う。蒼がいるから今の俺が保てていられる。もし蒼がいなかったら、好きな仕事のあとでも虚無感でいっぱいだっただろう。「なんで俺こんな生活してるんだ?」と言う自問に、今は「蒼がいるから」と自答する。
それくらい蒼のことを想っている。
俺の大好きな人、これからも傍に居させてください。
願わくば、50、60と歳をとっても手を繋いでいられる関係でありたい。
と、今の俺、黒尾鉄朗の心境はこんな感じ。