Love to you
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今日も残業を終え、いつも通りの電車に乗る。帰れば蒼が料理を作って待っててくれるから、疲れはしない、楽しみでしかない。
電車を降りると、外はもう真っ暗闇。街灯が少ないから、蒼には夜出歩くのはやめろよと言っておこう。
そんな事を考えていたら、後ろからドンっとぶつかる音がして、ぶつかった相手はそのまま走っていった。
なんだあいつ...。
ぶつかったところに痛みを感じ触ってみると、手のひらにはどろっと真っ赤な鮮血が。
あれ?俺、これ、刺されてーーーーー
そのまま意識を失って倒れてしまった。
ーーーさん、黒尾さん!
目を覚ますと、知らない天井がそこにはあった。
「...黒尾さん!意識が戻ったんですね!ナースコール押しますね!」
「どうされましたーーーあ、意識が戻られたんですね!」
そこには蒼と看護師がいて、俺は2日前に腰あたりの脇腹を刺されて倒れた状態で近くの住民に見つけられ、病院に運ばれたらしい。
「今から警察の人がくるので、黒尾さんには目覚めたばかりで申し訳ないけど取り調べにご協力願います」
「わかりました...」
「黒尾さん……ほんとに良かった...倒れてたって連絡が来た時は気が動転して何が何だかわからなくて...とにかく目を覚ましてくれて良かった...」
「……梨花だな」
「犯人、ですか?」
「うん。梨花の奴ならやりかねない。あいつは執念深いから、恨み辛みで俺を刺したんだと思う」
「そんな...黒尾さんは何も悪くないのに...」
「蒼...また黒尾さん呼びになってるぞ」
「あっ...て、鉄」
「おう」
「生きててくれてありがとう...!」
ボロボロ泣きながら俺の手を握りしめる蒼を見て、胸が痛くなった。迷惑をかけてしまった。
「刺された相手が蒼じゃなくて良かった...」
「すみません、失礼します」
警察の人が2人やってきた。
「体調崩されてる中申し訳ないのですが、犯人に心当たりはありますか?」
「はい...木島梨花という女性です。電話番号は変わってなければ知ってます」
「情報提供ありがとうございます。刃物が刺さったままだったので、指紋を確認させていただきました。その木島梨花さんの指紋と一致すれば、犯人で間違いないと思いますのでもうしばらくお待ちください」
状況などを聞かれ、警察の人は梨花の連絡先を聞いて、帰って行った。
「案外すんなり話が終わったな」
「ね…犯人、捕まるといいね」
「迷惑かけてごめんな」
「鉄は悪くないよ!迷惑でもない!」
「...いてっ」
「無理して起き上がらないで!傷口塞がるまで時間かかるって!」
「こりゃバレーもしばらくお預けだな...」
「もう、こんな時にまでバレーのこと考えちゃって...」
お互いにぷっと笑ってしまった。
「退院自体は今日からでも大丈夫だけど、しばらく絶対安静にだって、縫ったから、包帯とコルセットは絶対つけて下さいって先生が言ってた」
「はー。しばらく仕事はリモートでやるか。蒼悪いけど、俺のスマホから会社に伝えてくんね?院内だと電話できねーし」
「わかった!パスコードは?」
「ロックかけてない。競技普及事業部って名前のとこに電話して状況伝えて、しばらく家で仕事するからノートパソコンとか送ってくれって言っといて」
「OK!かけてくるね!」
外に出て黒尾さんのスマホを見ると、ジャスミンと3人で撮った写真が壁紙になってて微笑ましくなった。
「競技普及事業部、競技普及事業部っと...」
あった。
Prrrrrrr...
「はい、日本バレーボール協会競技普及事業部です」
「すみません、黒尾鉄朗の婚約者の一ノ瀬と申しますが...」
「鉄!言ってきたよ!」
名前がゼェハァ言いながらかけよってきた。
「何走ってきてんの」
「今から上司?さんが来るみたい!そのときにノートパソコンとか渡すだって!」
「マジかよ...。あんま大事にはしたくねぇんだけどなぁ」
「かなり心配してたよ!あと、車で送ってくれるって!」
「それは助かるな。意外と使えるな、上司」
「使うとか言わない!」
30分ほどして、上司がやってきた。
「黒尾くん、刺されたんだって?誰かに恨まれることでもしたの?」
「何笑ってんすか。こっちは一大事だっつのに」
「ははは。とにもかくにも生きてて良かったよ。これ、会社のノートパソコンね。暫くはリモートで大丈夫って言われてるから、無理せず頑張って」
「リモートでできる仕事ならずっとリモートがいいんすけどね!」
「まぁまぁ、細かいことは俺に言わないで。権力ないから!」
とりあえず送るから、準備しようか。と言って、看護師を呼んで、コルセットを巻いてゆっくり立ち上がって蒼と上司の肩を借りて歩くことになった。おりゃ年寄りか。
「一ノ瀬さんは黒尾くんの婚約者なんだね?黒尾くん、可愛い彼女ができたって自慢しまくってたよ」
「いや、マジでやめてくださいその話...」
「写真まで見せちゃったりして、みんな一ノ瀬さんに会ってみたいねーって話してたんだ。そしたら俺が会えた!」
「鉄...そんなことしてたんだ...」
引いていく蒼に違うんだ!弁明させてくれ!と願うも、上司がそれを許さなかった。
「写真で見た時よりも若いね。ほんとに可愛い彼女ゲットしたね、黒尾くん。婚約までしちゃって。一ノ瀬さんは何してるの?」
「A大の医学部で勉強してます」
「ってことは、医者目指してるんだ!じゃあ家でも黒尾くんのお世話には困らないね!」
「そうですね。包帯巻いたりとかは問題ありません。抜糸もできます」
「頼りになる子だねぇ。黒尾くん、彼女のこと大切にするんだよ」
「言われなくても大切に思ってますよ!」
シュボッと蒼の顔が赤くなる。久しぶりに見たな、茹でダコ。
「ははっ、一ノ瀬さんも黒尾くんのこと大切に思ってそうだし、円満に続くといいねぇ。俺は2人はお似合いだと思うよ」
「ありがとうございます...」
「上司に直接言われると照れくさいんですけど...」
「俺は嘘は言わないよ。ホントのこと。末永くお幸せにね。さ、家に着いたよ〜。大きなマンションに住んでるねぇ〜」
今度お茶しにくるね、と言って上司は帰って行った。
「マジでよく喋る上司だろ、ごめんな」
「ううん、仲良いなぁって思ったよ」
「あの人、モラルってもんを知らないからな。悪い人じゃないんだけど」
「鉄が私のこと自慢してるって聞いた時は嬉しかったよ?」
「〜〜〜っ!あーいうとこがなぁ、困るんだよなぁ。空気読めっての」
「はは、さ、部屋に入ろう。私の肩によりかかっていいからね」
「おー。しばらく何も出来なくて世話になるけど、ごめんな」
鉄が謝ることじゃない。悪いのは犯人!と言って蒼は俺の頭を撫でてくれた。
なんだか、泣きそうになった。
刺された事実と、この街の暗闇がリンクして、しばらく夜道を歩けなくなってしまった。まぁ、絶対安静で元々歩けないのは助かったけど。
蒼にも、夜道は暗いから出歩くなよ、と強く伝えておいた。
少なくとも犯人が捕まるまでは。
電車を降りると、外はもう真っ暗闇。街灯が少ないから、蒼には夜出歩くのはやめろよと言っておこう。
そんな事を考えていたら、後ろからドンっとぶつかる音がして、ぶつかった相手はそのまま走っていった。
なんだあいつ...。
ぶつかったところに痛みを感じ触ってみると、手のひらにはどろっと真っ赤な鮮血が。
あれ?俺、これ、刺されてーーーーー
そのまま意識を失って倒れてしまった。
ーーーさん、黒尾さん!
目を覚ますと、知らない天井がそこにはあった。
「...黒尾さん!意識が戻ったんですね!ナースコール押しますね!」
「どうされましたーーーあ、意識が戻られたんですね!」
そこには蒼と看護師がいて、俺は2日前に腰あたりの脇腹を刺されて倒れた状態で近くの住民に見つけられ、病院に運ばれたらしい。
「今から警察の人がくるので、黒尾さんには目覚めたばかりで申し訳ないけど取り調べにご協力願います」
「わかりました...」
「黒尾さん……ほんとに良かった...倒れてたって連絡が来た時は気が動転して何が何だかわからなくて...とにかく目を覚ましてくれて良かった...」
「……梨花だな」
「犯人、ですか?」
「うん。梨花の奴ならやりかねない。あいつは執念深いから、恨み辛みで俺を刺したんだと思う」
「そんな...黒尾さんは何も悪くないのに...」
「蒼...また黒尾さん呼びになってるぞ」
「あっ...て、鉄」
「おう」
「生きててくれてありがとう...!」
ボロボロ泣きながら俺の手を握りしめる蒼を見て、胸が痛くなった。迷惑をかけてしまった。
「刺された相手が蒼じゃなくて良かった...」
「すみません、失礼します」
警察の人が2人やってきた。
「体調崩されてる中申し訳ないのですが、犯人に心当たりはありますか?」
「はい...木島梨花という女性です。電話番号は変わってなければ知ってます」
「情報提供ありがとうございます。刃物が刺さったままだったので、指紋を確認させていただきました。その木島梨花さんの指紋と一致すれば、犯人で間違いないと思いますのでもうしばらくお待ちください」
状況などを聞かれ、警察の人は梨花の連絡先を聞いて、帰って行った。
「案外すんなり話が終わったな」
「ね…犯人、捕まるといいね」
「迷惑かけてごめんな」
「鉄は悪くないよ!迷惑でもない!」
「...いてっ」
「無理して起き上がらないで!傷口塞がるまで時間かかるって!」
「こりゃバレーもしばらくお預けだな...」
「もう、こんな時にまでバレーのこと考えちゃって...」
お互いにぷっと笑ってしまった。
「退院自体は今日からでも大丈夫だけど、しばらく絶対安静にだって、縫ったから、包帯とコルセットは絶対つけて下さいって先生が言ってた」
「はー。しばらく仕事はリモートでやるか。蒼悪いけど、俺のスマホから会社に伝えてくんね?院内だと電話できねーし」
「わかった!パスコードは?」
「ロックかけてない。競技普及事業部って名前のとこに電話して状況伝えて、しばらく家で仕事するからノートパソコンとか送ってくれって言っといて」
「OK!かけてくるね!」
外に出て黒尾さんのスマホを見ると、ジャスミンと3人で撮った写真が壁紙になってて微笑ましくなった。
「競技普及事業部、競技普及事業部っと...」
あった。
Prrrrrrr...
「はい、日本バレーボール協会競技普及事業部です」
「すみません、黒尾鉄朗の婚約者の一ノ瀬と申しますが...」
「鉄!言ってきたよ!」
名前がゼェハァ言いながらかけよってきた。
「何走ってきてんの」
「今から上司?さんが来るみたい!そのときにノートパソコンとか渡すだって!」
「マジかよ...。あんま大事にはしたくねぇんだけどなぁ」
「かなり心配してたよ!あと、車で送ってくれるって!」
「それは助かるな。意外と使えるな、上司」
「使うとか言わない!」
30分ほどして、上司がやってきた。
「黒尾くん、刺されたんだって?誰かに恨まれることでもしたの?」
「何笑ってんすか。こっちは一大事だっつのに」
「ははは。とにもかくにも生きてて良かったよ。これ、会社のノートパソコンね。暫くはリモートで大丈夫って言われてるから、無理せず頑張って」
「リモートでできる仕事ならずっとリモートがいいんすけどね!」
「まぁまぁ、細かいことは俺に言わないで。権力ないから!」
とりあえず送るから、準備しようか。と言って、看護師を呼んで、コルセットを巻いてゆっくり立ち上がって蒼と上司の肩を借りて歩くことになった。おりゃ年寄りか。
「一ノ瀬さんは黒尾くんの婚約者なんだね?黒尾くん、可愛い彼女ができたって自慢しまくってたよ」
「いや、マジでやめてくださいその話...」
「写真まで見せちゃったりして、みんな一ノ瀬さんに会ってみたいねーって話してたんだ。そしたら俺が会えた!」
「鉄...そんなことしてたんだ...」
引いていく蒼に違うんだ!弁明させてくれ!と願うも、上司がそれを許さなかった。
「写真で見た時よりも若いね。ほんとに可愛い彼女ゲットしたね、黒尾くん。婚約までしちゃって。一ノ瀬さんは何してるの?」
「A大の医学部で勉強してます」
「ってことは、医者目指してるんだ!じゃあ家でも黒尾くんのお世話には困らないね!」
「そうですね。包帯巻いたりとかは問題ありません。抜糸もできます」
「頼りになる子だねぇ。黒尾くん、彼女のこと大切にするんだよ」
「言われなくても大切に思ってますよ!」
シュボッと蒼の顔が赤くなる。久しぶりに見たな、茹でダコ。
「ははっ、一ノ瀬さんも黒尾くんのこと大切に思ってそうだし、円満に続くといいねぇ。俺は2人はお似合いだと思うよ」
「ありがとうございます...」
「上司に直接言われると照れくさいんですけど...」
「俺は嘘は言わないよ。ホントのこと。末永くお幸せにね。さ、家に着いたよ〜。大きなマンションに住んでるねぇ〜」
今度お茶しにくるね、と言って上司は帰って行った。
「マジでよく喋る上司だろ、ごめんな」
「ううん、仲良いなぁって思ったよ」
「あの人、モラルってもんを知らないからな。悪い人じゃないんだけど」
「鉄が私のこと自慢してるって聞いた時は嬉しかったよ?」
「〜〜〜っ!あーいうとこがなぁ、困るんだよなぁ。空気読めっての」
「はは、さ、部屋に入ろう。私の肩によりかかっていいからね」
「おー。しばらく何も出来なくて世話になるけど、ごめんな」
鉄が謝ることじゃない。悪いのは犯人!と言って蒼は俺の頭を撫でてくれた。
なんだか、泣きそうになった。
刺された事実と、この街の暗闇がリンクして、しばらく夜道を歩けなくなってしまった。まぁ、絶対安静で元々歩けないのは助かったけど。
蒼にも、夜道は暗いから出歩くなよ、と強く伝えておいた。
少なくとも犯人が捕まるまでは。