Love to you
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
月曜日がやってきた。
階段を軽やかに降りると、そこには見知った顔が。
「鉄、お待たせ!」
黒尾さんとの通学通勤はまだ続いている。
今日で1ヶ月くらいが経った。
この期間でわかったことは、
黒尾さんは猫が好きだということ、
今度幼なじみに紹介したいと言ってくれたこと、
好きな食べ物は魚と辛いもの、
甘いものは無駄に太るから食べないらしい、
筋トレを今もやって鍛えてること、
もちろんバレーも今もやっていること。
色んな黒尾さんが知れて楽しい。
「おーおはよ」
「鉄、髪切ったの?」
「ほんのちょっとな。よく気づいたな」
「いつも鉄のこと見てたから、すぐ気づいたよ!」
「はは、こえーよ笑」
「私って結構キモイんだよ?鉄のこと見かけてからずっと視線送ってたし、あわよくば仲良くなれないかなと思ってたし、手繋がれた時には痴漢された身なのにドキドキが止まらなかった!」
「そしたら付き合えて、どうだった?」
黒尾さんがニヤニヤしながら聞いてきた。
「こんな素敵な人と付き合えるなんて夢のようだと思った。鉄、私と付き合ってくれてありがとう」
黒尾さんが両手で顔を隠す。
もしかして、照れてるのかな。
「鉄、照れてる?」
黒尾さんはパッと手を離して
「感極まってるだけ」と言った。
「えっ、泣いてたとか?」
「んなわけねーよ。このこの」
黒尾さんが私のほっぺたを捏ねくり回す。
「てふ、そろそろでんひゃくう」
「あーそうだな」
電車が来たので、一緒に乗る。
はぐれないように、手を繋いでくれる。
黒尾さんは優しくしてくれる。じゃあ私は黒尾さんに何ができるんだろう。悶々と考えてると、黒尾さんが「今俺の事考えてる?」と当たらずとも遠からずな質問が飛んできた。
「考えてません!もう!すぐちゃかす!」
「えー絶対俺のことだと思ったのに」
「今日の夕飯何にしようか考えてただけです!」
「そーいや蒼は一人暮らしだっけ?」
俺、行ってみたいなーという顔をうるうるさせる黒尾さん。
「もう、わかりましたよ。いつ行きたいですか?」
「え?今日」
また突拍子もなくこの人は...。
「じゃあ授業終わったら連絡するんで、仕事終わるの待ってますね」
「やったー。そんなことより蒼、敬語に戻ってるぞ」
「ああ、ごめんごめん。まだ慣れなくて」
「ゆっくりでいいよ。まぁ、敬語の蒼も萌えるけど。歳下の後輩って感じで」
「会社に歳下の女の子いるの?」
「んー、いるにはいるけどあんましゃべんないし、蒼が思ってるような怖いことは起きないよ」
だから安心して、と黒尾さんは頭を撫でてくれた。
私を不安にさせないように、気を使わせてしまった。
「夕飯、何が食べたい?」
「んー、無難にカレーとか?」
「カレーは、甘めとスパイシーなのどっちがいい?」
「スパイシーなほうかな」
「わかった。材料買って用意して待ってるね」
ここ、私の家。と住所を共有した。
「俺ん家から近いな。蒼のことだから、スパイス大量に持ってそう」
「え、なんでわかったの?」
「食にこだわりがありそうだから。カレーとか自作だろ?」
「そんなことまで見透かして...鉄はエスパーかなんか?」
「ははっ、なんとなくそう思っただけだよ」
「怖っ!おっしゃる通り、手作りのカレーですよ」
「楽しみだなぁ。あ、駅ついたぞ」
「はい!じゃあ鉄も、仕事行ってらっしゃい」
大きく手を振って黒尾さんは次第に見えなくなった。
...
...
...
...
「蒼!蒼!」
「由利香、どうしたの?」
授業を聞いていると、隣で由利香が話しかけてきた。由利香は大学の同期。同じ専攻で彼女も医師を目指している。
「最近めっきり電車のイケメンの話聞かなくなったけどどうなったの?」
「...あー、実は、つきあっちゃった」
「え?!マジでどうやって?!なにがどうなって?!」
混乱する由利香に順番に話をした。
「ほぇ〜。何はともあれおめでとう!初彼氏ー!」
今度紹介してね、と言ってゼミへ向かった。
私も道具を片付けてゼミへ向かう。
紹介かぁ。まぁ由利香は彼氏いるしダブルデートみたいでいいかもしれない。
ゼミを終えると、帰る人がポツポツと増えていく。私もその1人。グループ課題がなくて良かった。
「蒼!」
「由利香」
「今めっちゃ背が高いスーツ姿のイケメンが門にいるって!」
「へぇ...彼女待ちかな?誰か待ってるのかな?」
「とりあえず行ってみよ!」
じゃじゃ馬気分で門へ向かった。
そこには...
「く、黒尾さん?!」
「何、蒼知り合いなの?!」
「知り合いも何も...付き合ってる人だよ」
「やば!こんなイケメンと付き合えるなんて羨ましい!」
「はは、俺の事イメケンに見えんだ?変わってんねー」
いつだかの会話を思い出す。
「蒼!こんなにカッコイイ彼氏ならもっと自慢したらいいのに!」
由利香が余計なことを言うので黒尾さんがじーっと私を睨む。
「蒼、彼氏いるって友達にも言わなかったの?」
「言ってませんでした...」
「あーあ、俺寂しい。俺なんかオフィス中に彼女ができたって自慢したのに」
「今回は私たちに話さなかった蒼に落ち度があるよ」
「ごめんなさい...勉強のことで頭がいっぱいだったから...それより黒尾さん、なんでうちの学校にいるんですか」
「仕事早上がりして迎えに来たんだよー。買い物も付き添いたいし」
「キャー、蒼、良い彼氏さんじゃん!電車で見てただけが彼氏になるなんて、運命みたい!彼氏さん、蒼を家まで送り届けてください!この子ぼーっとして蓋がない溝に落っこちたことあるんです!」
「はははっ!蒼らしいっちゃ蒼らしいな」
「では!私も彼氏と待ち合わせしてるので帰らせていただきます!蒼!今度ダブルデートしようね!」
「同じこと思ってた!またね!」
由利香はダッシュで去っていった。
「今の、友達?」
「うん!1年の頃から仲良いんだ。他にも仲いい子何人かいる」
「なーんで彼氏出来たって自慢しなかったのー?学校でも、LINEでも伝えられるじゃーん」
「う...すみません...」
「まぁいいよ、俺目立ってるし?となりに蒼がいるし?付き合ってるってお披露目できるし?」
「もう!ほんとに目立つから学校こないで!」
「ガーーーーン...蒼が酷いこと言う...」
「目立ちたくないの!鉄、ただでさえ背が高いんだから!ほら、材料の買い出し行くよ!」
「一緒に行きたいから、ほら」
そこには1台の車があった。
「鉄、車もってるの?」
「ドライブ好きだからね」
「......Q5かな?」
「あれ!よくわかったね!蒼車好きなの?」
「父がここのメーカーが好きで...R8に乗ってる」
「R8?!3000万くらいする車じゃん!」
はー、やっぱ蒼はいいとこのお嬢様なんだなーとぶつくさ言ってる黒尾さん。
「買い出し行こう。車、お邪魔します」
「おう!行こうぜ!蒼家弾丸ツアー!の前の買い物!」
はぁ...まだまだこの人のテンションについていくのもやっとのことだ。何とか鎮静しないかな。
なんて考えながら、私の家の近くのスーパーに着いた。
階段を軽やかに降りると、そこには見知った顔が。
「鉄、お待たせ!」
黒尾さんとの通学通勤はまだ続いている。
今日で1ヶ月くらいが経った。
この期間でわかったことは、
黒尾さんは猫が好きだということ、
今度幼なじみに紹介したいと言ってくれたこと、
好きな食べ物は魚と辛いもの、
甘いものは無駄に太るから食べないらしい、
筋トレを今もやって鍛えてること、
もちろんバレーも今もやっていること。
色んな黒尾さんが知れて楽しい。
「おーおはよ」
「鉄、髪切ったの?」
「ほんのちょっとな。よく気づいたな」
「いつも鉄のこと見てたから、すぐ気づいたよ!」
「はは、こえーよ笑」
「私って結構キモイんだよ?鉄のこと見かけてからずっと視線送ってたし、あわよくば仲良くなれないかなと思ってたし、手繋がれた時には痴漢された身なのにドキドキが止まらなかった!」
「そしたら付き合えて、どうだった?」
黒尾さんがニヤニヤしながら聞いてきた。
「こんな素敵な人と付き合えるなんて夢のようだと思った。鉄、私と付き合ってくれてありがとう」
黒尾さんが両手で顔を隠す。
もしかして、照れてるのかな。
「鉄、照れてる?」
黒尾さんはパッと手を離して
「感極まってるだけ」と言った。
「えっ、泣いてたとか?」
「んなわけねーよ。このこの」
黒尾さんが私のほっぺたを捏ねくり回す。
「てふ、そろそろでんひゃくう」
「あーそうだな」
電車が来たので、一緒に乗る。
はぐれないように、手を繋いでくれる。
黒尾さんは優しくしてくれる。じゃあ私は黒尾さんに何ができるんだろう。悶々と考えてると、黒尾さんが「今俺の事考えてる?」と当たらずとも遠からずな質問が飛んできた。
「考えてません!もう!すぐちゃかす!」
「えー絶対俺のことだと思ったのに」
「今日の夕飯何にしようか考えてただけです!」
「そーいや蒼は一人暮らしだっけ?」
俺、行ってみたいなーという顔をうるうるさせる黒尾さん。
「もう、わかりましたよ。いつ行きたいですか?」
「え?今日」
また突拍子もなくこの人は...。
「じゃあ授業終わったら連絡するんで、仕事終わるの待ってますね」
「やったー。そんなことより蒼、敬語に戻ってるぞ」
「ああ、ごめんごめん。まだ慣れなくて」
「ゆっくりでいいよ。まぁ、敬語の蒼も萌えるけど。歳下の後輩って感じで」
「会社に歳下の女の子いるの?」
「んー、いるにはいるけどあんましゃべんないし、蒼が思ってるような怖いことは起きないよ」
だから安心して、と黒尾さんは頭を撫でてくれた。
私を不安にさせないように、気を使わせてしまった。
「夕飯、何が食べたい?」
「んー、無難にカレーとか?」
「カレーは、甘めとスパイシーなのどっちがいい?」
「スパイシーなほうかな」
「わかった。材料買って用意して待ってるね」
ここ、私の家。と住所を共有した。
「俺ん家から近いな。蒼のことだから、スパイス大量に持ってそう」
「え、なんでわかったの?」
「食にこだわりがありそうだから。カレーとか自作だろ?」
「そんなことまで見透かして...鉄はエスパーかなんか?」
「ははっ、なんとなくそう思っただけだよ」
「怖っ!おっしゃる通り、手作りのカレーですよ」
「楽しみだなぁ。あ、駅ついたぞ」
「はい!じゃあ鉄も、仕事行ってらっしゃい」
大きく手を振って黒尾さんは次第に見えなくなった。
...
...
...
...
「蒼!蒼!」
「由利香、どうしたの?」
授業を聞いていると、隣で由利香が話しかけてきた。由利香は大学の同期。同じ専攻で彼女も医師を目指している。
「最近めっきり電車のイケメンの話聞かなくなったけどどうなったの?」
「...あー、実は、つきあっちゃった」
「え?!マジでどうやって?!なにがどうなって?!」
混乱する由利香に順番に話をした。
「ほぇ〜。何はともあれおめでとう!初彼氏ー!」
今度紹介してね、と言ってゼミへ向かった。
私も道具を片付けてゼミへ向かう。
紹介かぁ。まぁ由利香は彼氏いるしダブルデートみたいでいいかもしれない。
ゼミを終えると、帰る人がポツポツと増えていく。私もその1人。グループ課題がなくて良かった。
「蒼!」
「由利香」
「今めっちゃ背が高いスーツ姿のイケメンが門にいるって!」
「へぇ...彼女待ちかな?誰か待ってるのかな?」
「とりあえず行ってみよ!」
じゃじゃ馬気分で門へ向かった。
そこには...
「く、黒尾さん?!」
「何、蒼知り合いなの?!」
「知り合いも何も...付き合ってる人だよ」
「やば!こんなイケメンと付き合えるなんて羨ましい!」
「はは、俺の事イメケンに見えんだ?変わってんねー」
いつだかの会話を思い出す。
「蒼!こんなにカッコイイ彼氏ならもっと自慢したらいいのに!」
由利香が余計なことを言うので黒尾さんがじーっと私を睨む。
「蒼、彼氏いるって友達にも言わなかったの?」
「言ってませんでした...」
「あーあ、俺寂しい。俺なんかオフィス中に彼女ができたって自慢したのに」
「今回は私たちに話さなかった蒼に落ち度があるよ」
「ごめんなさい...勉強のことで頭がいっぱいだったから...それより黒尾さん、なんでうちの学校にいるんですか」
「仕事早上がりして迎えに来たんだよー。買い物も付き添いたいし」
「キャー、蒼、良い彼氏さんじゃん!電車で見てただけが彼氏になるなんて、運命みたい!彼氏さん、蒼を家まで送り届けてください!この子ぼーっとして蓋がない溝に落っこちたことあるんです!」
「はははっ!蒼らしいっちゃ蒼らしいな」
「では!私も彼氏と待ち合わせしてるので帰らせていただきます!蒼!今度ダブルデートしようね!」
「同じこと思ってた!またね!」
由利香はダッシュで去っていった。
「今の、友達?」
「うん!1年の頃から仲良いんだ。他にも仲いい子何人かいる」
「なーんで彼氏出来たって自慢しなかったのー?学校でも、LINEでも伝えられるじゃーん」
「う...すみません...」
「まぁいいよ、俺目立ってるし?となりに蒼がいるし?付き合ってるってお披露目できるし?」
「もう!ほんとに目立つから学校こないで!」
「ガーーーーン...蒼が酷いこと言う...」
「目立ちたくないの!鉄、ただでさえ背が高いんだから!ほら、材料の買い出し行くよ!」
「一緒に行きたいから、ほら」
そこには1台の車があった。
「鉄、車もってるの?」
「ドライブ好きだからね」
「......Q5かな?」
「あれ!よくわかったね!蒼車好きなの?」
「父がここのメーカーが好きで...R8に乗ってる」
「R8?!3000万くらいする車じゃん!」
はー、やっぱ蒼はいいとこのお嬢様なんだなーとぶつくさ言ってる黒尾さん。
「買い出し行こう。車、お邪魔します」
「おう!行こうぜ!蒼家弾丸ツアー!の前の買い物!」
はぁ...まだまだこの人のテンションについていくのもやっとのことだ。何とか鎮静しないかな。
なんて考えながら、私の家の近くのスーパーに着いた。