一ノ瀬蒼、復活しました！
瞑想前に蒼が復活したと自己報告にきた。

「いやー、ご迷惑、ご心配おかけしてすみませんでした」

「けがは大丈夫なのー？」とフミキが聞く

「大丈夫だよー！腕に関してはほんとに軽傷だったから練習も参加できるよ！」
腕をぐるぐる回す蒼。
「じゃあまずはストレッチしてランニング、キャッチボール、Tバッティングに入りましょう！」
カントクが号令をかける。

「蒼ちゃん、ほんとに大丈夫？」

「はい！大丈夫です！医者にも許可もらいました！」

「ならいいんだけど...無理はしないようにね。今日も阿部くんと三橋くんの指導よろしくね！」

「はい！いってきます！」

そう言って走ってタカヤとレンのところへ行く。

「だからお前この時の配給の意味わかってる？」

「0-2だったから1球遊ばせて...」

「そうだよ！わかってるならはっきり言え！」

「でっでも間違ってたら俺、阿部くんに嫌われる...」

「そんなことで嫌うかよ！アホ！」

相変わらず夫婦喧嘩してるわね...

ピピピピピー

ストップウォッチが鳴ったので、残りは明日になった。

「明日までに、ある程度のデータ頭に入れとけよ」

タカやが脅すもんだから、レンが涙目になる。

「タカヤに叱られちゃったね」

「一ノ瀬さん...」

「タカヤ、口は悪いけどレンのことすごく気にかけてるんだよ。」

「そうなの？」

「そうだよ。試合の時、安心してタカヤにボール投げられるでしょう？」

レンがうん、と頷く。

「それもコミュニケーションと一緒だよ。安心してタカヤに思ったこと言っていいんだよ」

それがバッテリーなんだからね！というと、レンの表情がみるみる明るくなった反面、タカヤは少し照れていた。

「オレ、阿部くんと組むのが本当に好きなんだ！阿部くんがいないとなにもできないし...嫌われなくないんだ」

「マウンド譲りたくない、キャッチャーを信頼している、レンは投手にピッタリの逸材だね？」

「イツザイ...！おれ、もっと阿部くんのこと知りたい。沢山話したい」

「そうだね！会話のネタなんてなんでもいいからがんばって話しかけてみよ！ね！タカヤ」

「おー、なんでも聞いていいぞ。変なことは聞くなよ。」

「もー意地っ張り。とりあえず練習再開しようか。」
3人での練習はあと2年しかない。時間が足りない。もっともっと、みんなの士気を高めないといけない。百枝監督にも相談したけど。たくさん練習試合がしたい。

速く何とかしなくちゃ。甲子園に行くために。