運命の人となら
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「俺の可愛い蒼!」
人のクラスに入ってくるなり、よくもまぁそんなクサイセリフを言えたものだ。
本人はにこにこだからさぞ楽しそうではあるけれど、当事者は羞恥心でいっぱいだ。
「だって『俺の』可愛い『彼女』が目の前にいるんだぜ?」
それはあなたが勝手に来ただけでしょう。
しかも妙に声がデカイ。主張が強い。
「榛名さん、一ノ瀬さんと付き合ったんですか?」
「告白したんですか?」
「きゃーお似合い!」
と女子達がさわぐ。
モトキさん、これを狙ってたんだな。
「おー、蒼は俺の彼女になった。変な男が寄ってきたらおっぱらってくれ!」
「一ノ瀬さん、大事にされてる〜!」
さ、部室に行こうと榛名に誘われる。
大事の仕方が過激なんだよ。ていうかはやく自分のクラスに帰って欲しい。
「モトキさん、友達いないんですか?」
「はー?どーいうイミ?」
「昼休みの度にうちにくるからですよ。クラスメイトと食事しないんですか」
「んー、部活ばっかりだし、俺は少しでもお前といたいんだよ」
「いや、部活で会ってるじゃないですか」
「そーじゃなくて!もっとこう!プライベート的なやつ!」
この人、わたしよりめちゃくちゃ女子だ。
「デートがしたいんですね?」
「そー!!でも毎日毎日部活ばっか!部活やりすぎだろ!」
その道を選んだのはモトキさんでしょ、と言うと子犬のようにしゅんとしていた。
「...今日夜練習終わったら、うち来ますか?」
「えっ...えーっ!蒼ちゃん、それはまだ早いんじゃ...」
「何アホなこと考えてるんですか。家に親いますよ。 」
「あ...そうなのね...」
更にシュンとするモトキさん。
「あー、親と言えば、今日お父さん練習見に来るって言ってました」
「マジ?!それはやる気出る」
「秋丸さんをしごいてもらいましょう」
「それは名案だな。あいつにもっと色々自覚してもらうよう頼みたいな」
〜練習中〜
「モトキさん!こっちの練習入ってください!」
「おー今行く!じゃ蒼、秋丸よろしく」
そういって秋丸さんを託されたわたしはお父さんがくるまでボール磨きをしていた。
「一ノ瀬さーん!」
遠くから秋丸さんの声がする。
「なんか、一ノ瀬さんの父親っていう人が来たんだけど」
「やっと来たか。秋丸さんもついてきてください」
「え、俺も?」
「お父さーん」
グラ外にいる父親に手を振る。
「今日ARCの練習抜けてきた。見るのは榛名くんだけでいいか?」
「あとこの人も!」
秋丸さんの背中をポンッと押して紹介する。
「秋丸さんは捕手なの。唯一モトキさんの速球とれる人」
「へぇ。すごいね」
「でもね、他はねっ、ぜんっっっぜんダメなの!」
本人の前でために溜めた全否定が胸に突き刺さる秋丸。
「コントロールだめ、判断力ダメ、体力ダメ、色々ダメー!だから秋丸さん、うちのお父さんにみてもらってください」
「はは。じゃあ先に秋丸くんから見ようかな」
「えっ...よ、よろしくお願いします?」
そういって秋丸さんとお父さんはブルペンに行った。
しばらくして、モトキさんも戻ってきた。
「秋丸、どうだって?」
「基礎の基礎からです。肩の使い方とか、なんでコントロールできないのかとか、やること沢山ですよ」
「あいつが『本気』を知るために、蒼の親父さんがきてくれてよかったかもな」
「秋丸さんのあとはモトキさんみてくれるそうです。あ、ちょうど戻ってきた」
「一ノ瀬さんのお父さん、説明がわかりやすいというか、説得力あってすごさを実感できた」
「はは。秋丸くん、もっと伸びると思うから今日教えたこと忘れないようにね」
「はい!ありがとうございます!」
「じゃ、次は榛名くんか」
「よろしくお願いします!」
秋丸さんと交代して、今度はモトキさんがブルペンに入った。
「秋丸さん、得られるものはありましたか?」
「ありすぎて、スマホにメモしとかないと忘れちゃいそうだよ」
そういって一生懸命メモを打ち込む秋丸さんは、いつになく真剣そのものだった。
「秋丸!ちょっとキャッチやって!」
モトキさんからのお呼び出し。
あ〜まだ全部メモして無いのに〜といいながら
秋丸さんはわたわた走っていった。
わたしも途中から合流した。
「蒼、榛名くんの踏み込み幅、なんで2歩狭くにしたんだ?」
「身長的にそれ以上幅を狭くするとフォームが窮屈になるから、です」
「まーそうだな。3歩だとちょっときついかもな。榛名くん、2歩でやってどうだった?」
「そこまで違和感なかったっす。フォームも乱れませんでした。」
「じゃあそれがベストだな。あとは全力投球のときのコントロールだな」
蒼、どう思う?とお父さんに聞かれる。
「...多分、上半身に頼りきってるんだと思う。もっと下半身かためれば、上半身が疲れても球威を落とさず投げられる」
「よくわかってんじゃん。榛名くん、蒼の言う通り、全力投球のときもっと下半身で投げることを意識して。筋トレも下半身しっかり鍛えてね」
「はい!」
「じゃ、それらを意識してもっかい投げてみよう」
モトキさんの練習はしばらく続いた。
私はマネ仕事に戻っていそいそとドリンク作りに励んでいた。
「一ノ瀬さん!お父さん帰るって!」
秋丸さんが呼びに来てくれた。
「お父さん、ありがとう。また暇な時きてね」
「今日はありがとうございました!」
「秋丸くんは肩作りメインでコントロールつけていこうね」
「俺も、あざっした!」
「榛名くんは下半身ね。2人ともお疲れ様」
「「お疲れ様でした!!!」」
「さて、暗くなってきたし素振りやって終わりにしましょうかー」
「蒼の親父さん、超いい人だな」
「いやいや、あれは自分が楽しいからやってるだけです」
「一ノ瀬さんもよく勉強してるね。榛名の何が悪いのかなんて全然わかんなかったよ」
「蒼は野球バカだからなー。ガッコの机の中に野球理論の本入ってたわ」
「えっ、ちょ、何勝手に人の机の中見てるんですか?」
「彼氏だから」
「彼氏だからなんでも許されると思ったら大間違いですよ!」
「うん、流石の俺も一ノ瀬さんの意見に同意」
「うるせー!大体俺ばっかり蒼に会いにいって、蒼が会いにこないのが悪い!」
「2年の階なんていけませんよ!馬鹿ですか!」
「榛名、一ノ瀬さんに対してだんだんわがままになってきたな...」
「はぁ...とりあえず練習もどりましょう、あんまり時間ないです。」
こうして今日の練習は無事終えた。
榛名のわがままっぷりには蒼も秋丸も呆れていて、というよりかは、若干ドン引きしていた。
「じゃあ蒼の家行くかー」
「はい。準備できたんでいきましょう」
「つかさ、敬語やめね?」
「タメ口でいいんですか?」
「おー。俺の彼女、だからな!」
「じゃあ、モトキ」
「おお、新鮮!」
「早く帰ろう。お腹空いた」
「そーだな!行くか!」
モトキが急に始めたしりとりをしながら、
一緒に夜道を歩いた。
人のクラスに入ってくるなり、よくもまぁそんなクサイセリフを言えたものだ。
本人はにこにこだからさぞ楽しそうではあるけれど、当事者は羞恥心でいっぱいだ。
「だって『俺の』可愛い『彼女』が目の前にいるんだぜ?」
それはあなたが勝手に来ただけでしょう。
しかも妙に声がデカイ。主張が強い。
「榛名さん、一ノ瀬さんと付き合ったんですか?」
「告白したんですか?」
「きゃーお似合い!」
と女子達がさわぐ。
モトキさん、これを狙ってたんだな。
「おー、蒼は俺の彼女になった。変な男が寄ってきたらおっぱらってくれ!」
「一ノ瀬さん、大事にされてる〜!」
さ、部室に行こうと榛名に誘われる。
大事の仕方が過激なんだよ。ていうかはやく自分のクラスに帰って欲しい。
「モトキさん、友達いないんですか?」
「はー?どーいうイミ?」
「昼休みの度にうちにくるからですよ。クラスメイトと食事しないんですか」
「んー、部活ばっかりだし、俺は少しでもお前といたいんだよ」
「いや、部活で会ってるじゃないですか」
「そーじゃなくて!もっとこう!プライベート的なやつ!」
この人、わたしよりめちゃくちゃ女子だ。
「デートがしたいんですね?」
「そー!!でも毎日毎日部活ばっか!部活やりすぎだろ!」
その道を選んだのはモトキさんでしょ、と言うと子犬のようにしゅんとしていた。
「...今日夜練習終わったら、うち来ますか?」
「えっ...えーっ!蒼ちゃん、それはまだ早いんじゃ...」
「何アホなこと考えてるんですか。家に親いますよ。 」
「あ...そうなのね...」
更にシュンとするモトキさん。
「あー、親と言えば、今日お父さん練習見に来るって言ってました」
「マジ?!それはやる気出る」
「秋丸さんをしごいてもらいましょう」
「それは名案だな。あいつにもっと色々自覚してもらうよう頼みたいな」
〜練習中〜
「モトキさん!こっちの練習入ってください!」
「おー今行く!じゃ蒼、秋丸よろしく」
そういって秋丸さんを託されたわたしはお父さんがくるまでボール磨きをしていた。
「一ノ瀬さーん!」
遠くから秋丸さんの声がする。
「なんか、一ノ瀬さんの父親っていう人が来たんだけど」
「やっと来たか。秋丸さんもついてきてください」
「え、俺も?」
「お父さーん」
グラ外にいる父親に手を振る。
「今日ARCの練習抜けてきた。見るのは榛名くんだけでいいか?」
「あとこの人も!」
秋丸さんの背中をポンッと押して紹介する。
「秋丸さんは捕手なの。唯一モトキさんの速球とれる人」
「へぇ。すごいね」
「でもね、他はねっ、ぜんっっっぜんダメなの!」
本人の前でために溜めた全否定が胸に突き刺さる秋丸。
「コントロールだめ、判断力ダメ、体力ダメ、色々ダメー!だから秋丸さん、うちのお父さんにみてもらってください」
「はは。じゃあ先に秋丸くんから見ようかな」
「えっ...よ、よろしくお願いします?」
そういって秋丸さんとお父さんはブルペンに行った。
しばらくして、モトキさんも戻ってきた。
「秋丸、どうだって?」
「基礎の基礎からです。肩の使い方とか、なんでコントロールできないのかとか、やること沢山ですよ」
「あいつが『本気』を知るために、蒼の親父さんがきてくれてよかったかもな」
「秋丸さんのあとはモトキさんみてくれるそうです。あ、ちょうど戻ってきた」
「一ノ瀬さんのお父さん、説明がわかりやすいというか、説得力あってすごさを実感できた」
「はは。秋丸くん、もっと伸びると思うから今日教えたこと忘れないようにね」
「はい!ありがとうございます!」
「じゃ、次は榛名くんか」
「よろしくお願いします!」
秋丸さんと交代して、今度はモトキさんがブルペンに入った。
「秋丸さん、得られるものはありましたか?」
「ありすぎて、スマホにメモしとかないと忘れちゃいそうだよ」
そういって一生懸命メモを打ち込む秋丸さんは、いつになく真剣そのものだった。
「秋丸!ちょっとキャッチやって!」
モトキさんからのお呼び出し。
あ〜まだ全部メモして無いのに〜といいながら
秋丸さんはわたわた走っていった。
わたしも途中から合流した。
「蒼、榛名くんの踏み込み幅、なんで2歩狭くにしたんだ?」
「身長的にそれ以上幅を狭くするとフォームが窮屈になるから、です」
「まーそうだな。3歩だとちょっときついかもな。榛名くん、2歩でやってどうだった?」
「そこまで違和感なかったっす。フォームも乱れませんでした。」
「じゃあそれがベストだな。あとは全力投球のときのコントロールだな」
蒼、どう思う?とお父さんに聞かれる。
「...多分、上半身に頼りきってるんだと思う。もっと下半身かためれば、上半身が疲れても球威を落とさず投げられる」
「よくわかってんじゃん。榛名くん、蒼の言う通り、全力投球のときもっと下半身で投げることを意識して。筋トレも下半身しっかり鍛えてね」
「はい!」
「じゃ、それらを意識してもっかい投げてみよう」
モトキさんの練習はしばらく続いた。
私はマネ仕事に戻っていそいそとドリンク作りに励んでいた。
「一ノ瀬さん!お父さん帰るって!」
秋丸さんが呼びに来てくれた。
「お父さん、ありがとう。また暇な時きてね」
「今日はありがとうございました!」
「秋丸くんは肩作りメインでコントロールつけていこうね」
「俺も、あざっした!」
「榛名くんは下半身ね。2人ともお疲れ様」
「「お疲れ様でした!!!」」
「さて、暗くなってきたし素振りやって終わりにしましょうかー」
「蒼の親父さん、超いい人だな」
「いやいや、あれは自分が楽しいからやってるだけです」
「一ノ瀬さんもよく勉強してるね。榛名の何が悪いのかなんて全然わかんなかったよ」
「蒼は野球バカだからなー。ガッコの机の中に野球理論の本入ってたわ」
「えっ、ちょ、何勝手に人の机の中見てるんですか?」
「彼氏だから」
「彼氏だからなんでも許されると思ったら大間違いですよ!」
「うん、流石の俺も一ノ瀬さんの意見に同意」
「うるせー!大体俺ばっかり蒼に会いにいって、蒼が会いにこないのが悪い!」
「2年の階なんていけませんよ!馬鹿ですか!」
「榛名、一ノ瀬さんに対してだんだんわがままになってきたな...」
「はぁ...とりあえず練習もどりましょう、あんまり時間ないです。」
こうして今日の練習は無事終えた。
榛名のわがままっぷりには蒼も秋丸も呆れていて、というよりかは、若干ドン引きしていた。
「じゃあ蒼の家行くかー」
「はい。準備できたんでいきましょう」
「つかさ、敬語やめね?」
「タメ口でいいんですか?」
「おー。俺の彼女、だからな!」
「じゃあ、モトキ」
「おお、新鮮!」
「早く帰ろう。お腹空いた」
「そーだな!行くか!」
モトキが急に始めたしりとりをしながら、
一緒に夜道を歩いた。