運命の人となら
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一ノ瀬が入って2週間がたった。
相変わらず俺と秋丸には別メニューを押し付けてくるけど、それ以外はしっかりとマネ仕事をこなしていた。
「一ノ瀬さん!お疲れ様っす!」
「お疲れっした!」
「先に失礼します!した!」
「はい、みなさんお疲れ様でした。」
外は暗くなってきていて、部員たちが帰っていく。
「さて、榛名さんと秋丸さんは筋トレしにいきましょう」
相変わらずぬかりねぇなぁ。んで、相変わらず真顔なんだよなぁ。
「一ノ瀬はよー、ちったぁ笑顔で話すことはできないわけ?別に悪いことじゃないけど、もう少し愛想良くってさぁ」
「?なんか面白いことありました?」
あーあー、そういうことかよ。面白いことがないと笑えないわけね。
「まぁいーよ、お前はそのまんまで。笑うと男どもが寄り付くからな」
「?はい」
可愛い顔してんのに、もったいねぇよなぁ。
「榛名さんも、昔は全然笑わなかったって秋丸さんが言ってました」
「ああん?秋丸、どういうことだよ」
「いや、一ノ瀬さんが中学の時の榛名が知りたいって言うからさ...」
「お前ら、俺にだってプライバシー?があんだよ!勝手にぺちゃくちゃしゃべんな!秋丸!おめーに言ってんだよ!」
「わかったよ〜。なんか最近の榛名はカッカしすぎ〜」
そりゃ怒りたくもなる。自分のために練習していたのにそこに秋丸が加わって、いいことではあるけどなんつーか、調子狂うんだよ。自分の時間が無くなった感じで。
「秋丸さん、今日のメニューです。どうぞ」
一ノ瀬が秋丸に一枚の紙を渡す。
「えっ...これ家でやることも書いてあるんだけど?!」
「はい。学校の練習じゃ追いつかないので、秋丸さんは家でもできるトレーニングをしてもらいます。」
「けけ。秋丸のやつ、今までのサボりのツケがまわってきたな」
「笑うなよ榛名〜、俺、こう見えても頑張ってると思うんだけどな〜」
「...秋丸さん、自分で自分を追い込んだ事ありますか?」
「?どういう意味?」
「榛名さんは自分を追い込んでまで練習しています。彼は努力をして今の自分があるんです。秋丸さんはどうですか?」
「....」
「わかったら、今日からこのメニューでやってください。サボったりしないように。」
「わかったよ。俺、榛名の正捕手外されたくないし。」
「そういう意識付けでいいんですよ。頑張りましょう。」
あの秋丸がわかったと言った。この女、只者じゃない。俺が電話した時はイヤイヤ駄々こねてたのに、この差はなんだ。女の頼み事は断れないってか?くそ、秋丸のくせにっ。
「はぁ〜〜疲れたぁ〜〜!」
筋トレが終わって秋丸が座り込む。こいつにしては、結構ついてきた方だと思う。
「はい、それでは今日は3人でガストに行きます。」
「はぁ?なんで3人仲良くメシ食わなきゃ行けねぇんだよ」
「筋トレのあとの食事は重要です。プロテイン飲んで、ガストでお肉を食べに行きましょう。」
「お前...ほんとにマネージャーか?マネージャーはそこまでするもんじゃないと思うけど?」
「....実は私の父親とここの監督、知り合いなんですよね」
「はぁ?」
「で、監督からもわたしを買って、あなたたちバッテリーを育てるように言われてるんです」
「そーいう魂胆だったのかよ」
「はい。そんなことより筋トレ後の食事にはタイムリミットがあります。早く行きましょう。」
そんなこんなで3人でガストへ向かう。
「ダブルチキンステーキ2人前、ライス大2人前、サラダバー2人前、お願いします。」
選択の余地もなく一ノ瀬がメニューを決めた。
「お前は食わねぇの?」
「親は帰り遅いし、家で作るんで、大丈夫です」
ところで、一ノ瀬が話題を変える。
「夏、なんで負けたかわかりますか?」
静まり返る空間。
「原因は打者じゃありません。あなたたち2人です。」
正論を言われてうっとする。
最初から俺が投げるのはいいとして、捕手がちゃんと使える秋丸だったら結果はだいぶ違っていたと思う。
「なのでこの冬は、2人を中心に私が育てていきます。覚悟してください」
相変わらず真顔の一ノ瀬だから、余計真面目に聞こえた。
「おう、勝つためなら俺はお前の言う通りにするよ」
こいつのすごさはわかった。父親に教わったことを俺たちにも教えようとしているのだ。貰わない手はない。全部吸収してやる。
「俺もやんなきゃダメなのか〜」
「秋丸!てめー!ここまで来てそんな弱音吐いてんのか!」
「榛名はプロっていう目標があるだろ?でも俺にとっては、なんつーか部活でしかないんだよ」
「は?普段からそんなこと考えてるわけ?」
「いや、思ったのは夏大くらいからだよ。俺は次の夏で引退だけど、榛名はプロ目指すんだろうなって。おれらとは見えてる世界が違うんだよ」
「...でも、プロになる前に甲子園っていう目標はある。お前もそれくらいはあるだろ?」
「...」
「あん?それもねーってのか?」
「いや、ごめん。あまり考えたこと無かったんだ。俺が榛名の"的"になるのに、慣れすぎて。それが当たり前で、終わりが来ることなんか考えたくなかったんだ」
隣で静かに話を聞いていた一ノ瀬がやっと口を開いた。
「よーするに、秋丸さんの夢はかなっちゃってるわけですね。」
まぁ、そうなるのかなぁと曖昧に答える秋丸に更に腹が立つ。
「秋丸さん、榛名さんのボールを取れるのはあなたしかいないんです。榛名さんの目標と秋丸さんの目標が違っても、今やるべきことは、みんな一緒なんです。春大、夏大、それを勝っていくとに変わりないんです。榛名さんの将来を秋丸さんが気にする必要はありません。自分がやるべきことだけを考えてください」
「う、うん...秋大かぁ...目指すは優勝ってことかな?」
「そうだよ!そう言うポジティブさがお前には今まで無かったんだよ!」
届いた肉を頬張りながら榛名はもごもごと話す。
「だいぶイメージついてきましたね。秋丸さん、大会に向けて体おっきくするんですよ」
「ハ、ハイ....」
こうして3人は食事を終え、解散した。
「一ノ瀬さんさ、なんであんなに一生懸命なんだろうな。まだ2週間くらいだろ?」
「しらねー。ただ、俺たちを強くするには必要な人物ってことだけはわかった。」
「榛名が褒めるなんて、めずらしいな。ていうか、一ノ瀬さん、ほんとに笑わないね。笑顔見た事ないよ。クラスでどうしてるんだろ」
「知るかよ!でも、おもしろそーだから今度1年とこ乗り込んでみっか」
「俺はやめとくよ...」
「そうか?じゃあ俺ひとりで行ってみよー」
榛名は一ノ瀬さんのことになるとなんだか楽しそうだった。中学の頃とは大違いだ。
なんとなく安心した。
相変わらず俺と秋丸には別メニューを押し付けてくるけど、それ以外はしっかりとマネ仕事をこなしていた。
「一ノ瀬さん!お疲れ様っす!」
「お疲れっした!」
「先に失礼します!した!」
「はい、みなさんお疲れ様でした。」
外は暗くなってきていて、部員たちが帰っていく。
「さて、榛名さんと秋丸さんは筋トレしにいきましょう」
相変わらずぬかりねぇなぁ。んで、相変わらず真顔なんだよなぁ。
「一ノ瀬はよー、ちったぁ笑顔で話すことはできないわけ?別に悪いことじゃないけど、もう少し愛想良くってさぁ」
「?なんか面白いことありました?」
あーあー、そういうことかよ。面白いことがないと笑えないわけね。
「まぁいーよ、お前はそのまんまで。笑うと男どもが寄り付くからな」
「?はい」
可愛い顔してんのに、もったいねぇよなぁ。
「榛名さんも、昔は全然笑わなかったって秋丸さんが言ってました」
「ああん?秋丸、どういうことだよ」
「いや、一ノ瀬さんが中学の時の榛名が知りたいって言うからさ...」
「お前ら、俺にだってプライバシー?があんだよ!勝手にぺちゃくちゃしゃべんな!秋丸!おめーに言ってんだよ!」
「わかったよ〜。なんか最近の榛名はカッカしすぎ〜」
そりゃ怒りたくもなる。自分のために練習していたのにそこに秋丸が加わって、いいことではあるけどなんつーか、調子狂うんだよ。自分の時間が無くなった感じで。
「秋丸さん、今日のメニューです。どうぞ」
一ノ瀬が秋丸に一枚の紙を渡す。
「えっ...これ家でやることも書いてあるんだけど?!」
「はい。学校の練習じゃ追いつかないので、秋丸さんは家でもできるトレーニングをしてもらいます。」
「けけ。秋丸のやつ、今までのサボりのツケがまわってきたな」
「笑うなよ榛名〜、俺、こう見えても頑張ってると思うんだけどな〜」
「...秋丸さん、自分で自分を追い込んだ事ありますか?」
「?どういう意味?」
「榛名さんは自分を追い込んでまで練習しています。彼は努力をして今の自分があるんです。秋丸さんはどうですか?」
「....」
「わかったら、今日からこのメニューでやってください。サボったりしないように。」
「わかったよ。俺、榛名の正捕手外されたくないし。」
「そういう意識付けでいいんですよ。頑張りましょう。」
あの秋丸がわかったと言った。この女、只者じゃない。俺が電話した時はイヤイヤ駄々こねてたのに、この差はなんだ。女の頼み事は断れないってか?くそ、秋丸のくせにっ。
「はぁ〜〜疲れたぁ〜〜!」
筋トレが終わって秋丸が座り込む。こいつにしては、結構ついてきた方だと思う。
「はい、それでは今日は3人でガストに行きます。」
「はぁ?なんで3人仲良くメシ食わなきゃ行けねぇんだよ」
「筋トレのあとの食事は重要です。プロテイン飲んで、ガストでお肉を食べに行きましょう。」
「お前...ほんとにマネージャーか?マネージャーはそこまでするもんじゃないと思うけど?」
「....実は私の父親とここの監督、知り合いなんですよね」
「はぁ?」
「で、監督からもわたしを買って、あなたたちバッテリーを育てるように言われてるんです」
「そーいう魂胆だったのかよ」
「はい。そんなことより筋トレ後の食事にはタイムリミットがあります。早く行きましょう。」
そんなこんなで3人でガストへ向かう。
「ダブルチキンステーキ2人前、ライス大2人前、サラダバー2人前、お願いします。」
選択の余地もなく一ノ瀬がメニューを決めた。
「お前は食わねぇの?」
「親は帰り遅いし、家で作るんで、大丈夫です」
ところで、一ノ瀬が話題を変える。
「夏、なんで負けたかわかりますか?」
静まり返る空間。
「原因は打者じゃありません。あなたたち2人です。」
正論を言われてうっとする。
最初から俺が投げるのはいいとして、捕手がちゃんと使える秋丸だったら結果はだいぶ違っていたと思う。
「なのでこの冬は、2人を中心に私が育てていきます。覚悟してください」
相変わらず真顔の一ノ瀬だから、余計真面目に聞こえた。
「おう、勝つためなら俺はお前の言う通りにするよ」
こいつのすごさはわかった。父親に教わったことを俺たちにも教えようとしているのだ。貰わない手はない。全部吸収してやる。
「俺もやんなきゃダメなのか〜」
「秋丸!てめー!ここまで来てそんな弱音吐いてんのか!」
「榛名はプロっていう目標があるだろ?でも俺にとっては、なんつーか部活でしかないんだよ」
「は?普段からそんなこと考えてるわけ?」
「いや、思ったのは夏大くらいからだよ。俺は次の夏で引退だけど、榛名はプロ目指すんだろうなって。おれらとは見えてる世界が違うんだよ」
「...でも、プロになる前に甲子園っていう目標はある。お前もそれくらいはあるだろ?」
「...」
「あん?それもねーってのか?」
「いや、ごめん。あまり考えたこと無かったんだ。俺が榛名の"的"になるのに、慣れすぎて。それが当たり前で、終わりが来ることなんか考えたくなかったんだ」
隣で静かに話を聞いていた一ノ瀬がやっと口を開いた。
「よーするに、秋丸さんの夢はかなっちゃってるわけですね。」
まぁ、そうなるのかなぁと曖昧に答える秋丸に更に腹が立つ。
「秋丸さん、榛名さんのボールを取れるのはあなたしかいないんです。榛名さんの目標と秋丸さんの目標が違っても、今やるべきことは、みんな一緒なんです。春大、夏大、それを勝っていくとに変わりないんです。榛名さんの将来を秋丸さんが気にする必要はありません。自分がやるべきことだけを考えてください」
「う、うん...秋大かぁ...目指すは優勝ってことかな?」
「そうだよ!そう言うポジティブさがお前には今まで無かったんだよ!」
届いた肉を頬張りながら榛名はもごもごと話す。
「だいぶイメージついてきましたね。秋丸さん、大会に向けて体おっきくするんですよ」
「ハ、ハイ....」
こうして3人は食事を終え、解散した。
「一ノ瀬さんさ、なんであんなに一生懸命なんだろうな。まだ2週間くらいだろ?」
「しらねー。ただ、俺たちを強くするには必要な人物ってことだけはわかった。」
「榛名が褒めるなんて、めずらしいな。ていうか、一ノ瀬さん、ほんとに笑わないね。笑顔見た事ないよ。クラスでどうしてるんだろ」
「知るかよ!でも、おもしろそーだから今度1年とこ乗り込んでみっか」
「俺はやめとくよ...」
「そうか?じゃあ俺ひとりで行ってみよー」
榛名は一ノ瀬さんのことになるとなんだか楽しそうだった。中学の頃とは大違いだ。
なんとなく安心した。