運命の人となら

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秋大が終わって、涼音さんが女子を連れてきた。
「今日からマネージャーやってくれることになった一ノ瀬ちゃん!みんな、可愛いからって気抜かさないようにね!」
一ノ瀬と言うやつは、どこかすました顔をして、全然笑うこともなくあいさつをした。

一ノ瀬です。人見知りが激しくて、慣れれば大丈夫になります。今日からよろしくお願いいたします。」

ゆっくりとお辞儀をする一ノ瀬

「じゃ、みんなは練習に戻って、ちゃんと榛名は別メニューします!」

「俺っすか?!」

なんというか、こんな無愛想な奴と練習なんかしたくねぇ。無愛想は俺も一緒だけど。

ちゃんの父親はARCでコーチやってるのよ!榛名、あんた投球みてもらいな!」

「すごいのは父親であってこいつじゃないでしょう!」

「こいつとか言わないの!じゃ、ちゃんよろしくね!」

「はい...」

榛名さん、とりあえずブルペン行きましょう。
一ノ瀬が帽子を取って被り直すまでの瞬間を、俺は見逃さなかった。

なんだこいつ、帽子で顔隠してたけどめっちゃかわいい...

いや、そうじゃない、なんで俺がこいつに投球みてもらわないといけないのか。

ちょっとイライラしながらブルペンへ向かう。

「あ、あと捕手は秋丸さんでお願いします」

「はぁ?!あいつ使うのかよ」

「秋丸さんの指導もします。春大まで時間ないんですよ。急ぎましょう。」

「秋丸!お前がとれってさ!」

え〜と言いながら秋丸が走ってくる。

「秋丸さん、キャッチお願いします。」

「なんかよくわかんないけど、わかったよ〜」

「じゃ、榛名さん10球でいいので投げてください。」

はぁ〜〜?ちとばかし可愛いからって、こいついきなり俺に指図すんのかよ。生意気なやつ。

パァンッ

1球ずつ、8割の力でボールを投げる。
一ノ瀬にバレていたのか、最後は全力で投げてくださいと催促された。

「 ...榛名さんは、登板のとき80球しか投げないって聞きました。」

「まあ、時と場合によっては」

「それ、故障しないためですよね?」

「そうだな」

「じゃ、今から1ヶ月でフォーム改造しましょう」

「はぁ?!んでぽっと出のお前にそんなことまで言われなきゃいけねーんだよ」

「榛名おちついて、一ノ瀬さん、そのフォーム改造って、なにか意味があるんだよね?」

「疲れない、故障しないための、フォーム改造です」

こいつ、目がでかいからか、目つき怖ぇな。

「フォーム改造って、おれはこれまで自発的にとか、ちゃんとしたコーチに教わって今のフォームで固めてんだ。コーチでもねぇお前にいきなりフォーム改造するとか言われても納得いかねぇ」

一ノ瀬がはぁ、とため息をついて榛名を睨む。

「とりあえずやってみてから文句言ってください。はい、位置について」

「さっきいつも通りのフォームを見ました。次は、踏み込み幅を2歩分短くして投げてください。」

踏み込み幅だあ?今までそんなこと言われたこと無かったぞ。

榛名は、一ノ瀬の言う通りに投げる。

パァン!

「最初からよく投げられましたね。綺麗なフォームでした」

「踏み込み幅短くスっと、どうなんだよ」

「疲れません。故に故障しません。」

「あぁ?それで怪我しなかったら、全国の野球少年が同じことしてるだろうが!」

「みんな、肘を気にしすぎなんですよ。下半身で投げれば、まず怪我はしません。」

あと、ちょっと来てください、と言ってベンチにむかわせる。

そこにはロープに重りがついた「なにか」がぶら下がっていた。

「左で投げたぶんと同じだけ、右でこのロープを引いてください。」

「これも故障しないためか?」

「そうです。要は体のバランスを均等にするための練習です。これやってればブルペンで200球なげても怪我しません。練習後にやってください。」

それから、秋丸さん。 と言って秋丸の腰に手を回す。おいおい、シシュンキの男子にそんなことしていーのかよ。

「ストレートのときと、変化球のときでフォームが乱れてます。クセ盗まれたら終わりですよ」

はぁ?秋丸にそんな癖があったのか?!俺も知らなかった...こいつ...最初はなめてたけど実はすげー「眼」をもってるやつじゃないか?

今日は練習のメニューを聞いて、いつも通りのメニューをこなして部活を終えた。

俺は自主練のため筋トレルームに向かう。

「わたしもついてきていいですか」

突然一ノ瀬が言うもんだからドキッとしてしまったけど、邪魔しない程度なら、と言って一緒に筋トレルームに向かった。
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