Chuchu
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今日は他校と練習試合の日だ。
わたしとちよちゃんはスコア係に専念して、タカヤとレンはブルペンで肩慣らしをしていた。
「蒼ちゃーん」
カントクから呼び出される。
「はい!どうしましたか?」
監督から呼び出されるのは、今でも少し緊張する。
「蒼ちゃん、今日の練習試合、ピッチャーやってみない?」
ニヤリと笑うカントクはなんだか楽しそう。
「わ、私がですか?!男子に混ざって?!」
「そ!蒼ちゃんの努力を無駄にしたくないのよ。だからせめて練習試合で力を発揮して欲しいの」
「はぁ...私が試合に...」
「とりあえず3イニング投げてもらえればいいかな!どう?」
久しぶりにマウンドに立つ、そう思うと身震いがした。あぁ、わたし野球がしたかったんだ。
「ぜひお願いします!肩、慣らしてきます!」
「うんうん!いってらっしゃい!」
わたしはタカヤのところへ一目散で走っていった。
「タカヤ!わたし試合でることになったから投球受けて!」
「は...?どういうこと?」
「カントクが、練習試合でならわたしを試合に出せるからって気使ってくれたの!だから、肩慣らしに投球受けて!」
「なんつーカントクだよ...でもお前にとっちゃいいことだもんな。久しぶりに試合に出れて、嬉しいよな」
「そうなの!しかも相手は男子でしょ?強いボールが飛んでくる!それだけでドキドキする!」
蒼はコーフン気味か、ちょっとハイになっていた。
「わかったよ。受けてやるからストレッチから準備しろ」
「うん!」
いち、に、さん、し、と蒼がストレッチを初めている間、話を聞いていたレンが硬直してボロボロ泣いていた。
「おま...どうしたんだよ」
「おっ...俺が、ダメピーだから...一ノ瀬さんにっマウンドっ...」
「あー、説明が悪かったな。いいか、今日は練習試合で、気晴らしに蒼も投手やることになったんだよ。あくまで練習試合だけだ。公式戦には当然お前を出すよ。つーか、女子は出られないしな。」
「そ、なのか...じゃあ、俺も試合にでられる?」
「あたりめーだろ!メソメソしてんなよ!」
「う、うん!」
練習相手の高校がグラウンドにやってきた。
「ちす!」
「ちーす!」
「ちす!」
全員が整列して挨拶をする。
「よろしくお願いします!」
そんなとこで一際目立つのが蒼の存在だ。
「整列してるってことは、試合出るのかな?」
「どーだろ、補欠ってわけでもなさそうだし」
「つーかありえんくらい可愛くね?日本人?」
キャッチボール中に話していたことを、タカヤは聞き逃さなかった。
「絶対蒼に声掛けさせねぇ」
メラメラと闘志をもやし、蒼の投球を受ける。
やっぱこいつ、球速くなってるな...。
家で練習でもしてるんだろうか?
だとしたら今日はこいつにとって自分の力を久々に発揮出来る大事な日だ。
しっかり受けてやるから、全力で力出せよ。
「ボールバック!」
肩慣らしもすんだし、1打席目に打者が入る。
「まずは速球だ。そのあとにギリストライクになる球投げて、チェンジアップで緩急つけて三振とる」
タカヤのリード通りになげる蒼は、力が漲って仕方がないという様子だった。
こいつもコントロールいいんだよな...。
リードのしがいがあるってもんだ。
にしても、男子に劣らない気迫だな。
目力がいつもと全然違う。これが女子野球でエースを担ってたヤツの力か。納得できるぜ。
その後も蒼は3イニングまで投げて、ヒットは打たれたものの0失点でマウンドを降りた。
「惚れ惚れする投球だったわね〜〜」
モモカンが身震いしながら蒼の背中を叩く。
「今日、めっちゃ楽しいです!」
「うんうん、そうよね!やっぱりマウンドで投げると気持ちが違うわよね!」
「カントク、今日は登板させてくださってありがとうございました!」
「うーうん!むしろ普段練習でしか投げさせてあげられなかったからこの機会を待ってたのよ!やっぱり試合だして良かったわね!蒼ちゃん、前と比べて急速上がってたわよ!」
「オレもそれ、気づきました。蒼の球、速くなってましたね」
「ほんと?実は家でちょっと投げてたんだよね」
「無理すんなよ。肘壊すから」
「うん!」
「さ!次は蒼ちゃんの打席よ!ネクスト入って!」
「あ!行ってきマース!」
蒼の投球のすごさはわかったけど、バッティングはどうなのだろうか。打ってるところは見たことないんだよな、と思った矢先。
キィイイイイン
ボールはレフト前まで飛んで行った。
130近く出てる球を、簡単に吹き飛ばしやがった。
こいつが男だったら、と思う時がたまにある。もちろん野球やってる時だけだけど。
「な、ナイバッチー!」
「蒼すげー!」
ベンチにいる奴らも驚いていた。
蒼はやっぱり、田島に近いものを感じる。
スーパースターになれる存在だ。
ホントに野球やめてよかったのかって、今度聞いてみよう。あいつは本音を隠すくせがあるから、包み隠さず話してもらおう。
こんなに野球に飢えてるのに、やめたいはずがないんだ。
この日は3-2で西浦の勝利となった。
練習試合後、蒼の周りには相手校の人溜まりができていた。
もちろん、速攻で阻止しに行ったのは阿部だった。
わたしとちよちゃんはスコア係に専念して、タカヤとレンはブルペンで肩慣らしをしていた。
「蒼ちゃーん」
カントクから呼び出される。
「はい!どうしましたか?」
監督から呼び出されるのは、今でも少し緊張する。
「蒼ちゃん、今日の練習試合、ピッチャーやってみない?」
ニヤリと笑うカントクはなんだか楽しそう。
「わ、私がですか?!男子に混ざって?!」
「そ!蒼ちゃんの努力を無駄にしたくないのよ。だからせめて練習試合で力を発揮して欲しいの」
「はぁ...私が試合に...」
「とりあえず3イニング投げてもらえればいいかな!どう?」
久しぶりにマウンドに立つ、そう思うと身震いがした。あぁ、わたし野球がしたかったんだ。
「ぜひお願いします!肩、慣らしてきます!」
「うんうん!いってらっしゃい!」
わたしはタカヤのところへ一目散で走っていった。
「タカヤ!わたし試合でることになったから投球受けて!」
「は...?どういうこと?」
「カントクが、練習試合でならわたしを試合に出せるからって気使ってくれたの!だから、肩慣らしに投球受けて!」
「なんつーカントクだよ...でもお前にとっちゃいいことだもんな。久しぶりに試合に出れて、嬉しいよな」
「そうなの!しかも相手は男子でしょ?強いボールが飛んでくる!それだけでドキドキする!」
蒼はコーフン気味か、ちょっとハイになっていた。
「わかったよ。受けてやるからストレッチから準備しろ」
「うん!」
いち、に、さん、し、と蒼がストレッチを初めている間、話を聞いていたレンが硬直してボロボロ泣いていた。
「おま...どうしたんだよ」
「おっ...俺が、ダメピーだから...一ノ瀬さんにっマウンドっ...」
「あー、説明が悪かったな。いいか、今日は練習試合で、気晴らしに蒼も投手やることになったんだよ。あくまで練習試合だけだ。公式戦には当然お前を出すよ。つーか、女子は出られないしな。」
「そ、なのか...じゃあ、俺も試合にでられる?」
「あたりめーだろ!メソメソしてんなよ!」
「う、うん!」
練習相手の高校がグラウンドにやってきた。
「ちす!」
「ちーす!」
「ちす!」
全員が整列して挨拶をする。
「よろしくお願いします!」
そんなとこで一際目立つのが蒼の存在だ。
「整列してるってことは、試合出るのかな?」
「どーだろ、補欠ってわけでもなさそうだし」
「つーかありえんくらい可愛くね?日本人?」
キャッチボール中に話していたことを、タカヤは聞き逃さなかった。
「絶対蒼に声掛けさせねぇ」
メラメラと闘志をもやし、蒼の投球を受ける。
やっぱこいつ、球速くなってるな...。
家で練習でもしてるんだろうか?
だとしたら今日はこいつにとって自分の力を久々に発揮出来る大事な日だ。
しっかり受けてやるから、全力で力出せよ。
「ボールバック!」
肩慣らしもすんだし、1打席目に打者が入る。
「まずは速球だ。そのあとにギリストライクになる球投げて、チェンジアップで緩急つけて三振とる」
タカヤのリード通りになげる蒼は、力が漲って仕方がないという様子だった。
こいつもコントロールいいんだよな...。
リードのしがいがあるってもんだ。
にしても、男子に劣らない気迫だな。
目力がいつもと全然違う。これが女子野球でエースを担ってたヤツの力か。納得できるぜ。
その後も蒼は3イニングまで投げて、ヒットは打たれたものの0失点でマウンドを降りた。
「惚れ惚れする投球だったわね〜〜」
モモカンが身震いしながら蒼の背中を叩く。
「今日、めっちゃ楽しいです!」
「うんうん、そうよね!やっぱりマウンドで投げると気持ちが違うわよね!」
「カントク、今日は登板させてくださってありがとうございました!」
「うーうん!むしろ普段練習でしか投げさせてあげられなかったからこの機会を待ってたのよ!やっぱり試合だして良かったわね!蒼ちゃん、前と比べて急速上がってたわよ!」
「オレもそれ、気づきました。蒼の球、速くなってましたね」
「ほんと?実は家でちょっと投げてたんだよね」
「無理すんなよ。肘壊すから」
「うん!」
「さ!次は蒼ちゃんの打席よ!ネクスト入って!」
「あ!行ってきマース!」
蒼の投球のすごさはわかったけど、バッティングはどうなのだろうか。打ってるところは見たことないんだよな、と思った矢先。
キィイイイイン
ボールはレフト前まで飛んで行った。
130近く出てる球を、簡単に吹き飛ばしやがった。
こいつが男だったら、と思う時がたまにある。もちろん野球やってる時だけだけど。
「な、ナイバッチー!」
「蒼すげー!」
ベンチにいる奴らも驚いていた。
蒼はやっぱり、田島に近いものを感じる。
スーパースターになれる存在だ。
ホントに野球やめてよかったのかって、今度聞いてみよう。あいつは本音を隠すくせがあるから、包み隠さず話してもらおう。
こんなに野球に飢えてるのに、やめたいはずがないんだ。
この日は3-2で西浦の勝利となった。
練習試合後、蒼の周りには相手校の人溜まりができていた。
もちろん、速攻で阻止しに行ったのは阿部だった。