Chuchu
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今日は練習後にみんなでガストに行くとこになった。田島の名案だ。オレたちはこれから試合分析をする。公式戦でも練習試合でもデータ活用できるよう、篠岡と蒼がデータをまとめてきてくれた。
「とりあえず注文しようか。1分スタート」
篠岡の号令でメニューえらびがはじまった。
「はいはい!おれ俵ハンバーグとカットステーキのごはん大盛り!!」
「俺はミックスグリル、ごはん多めで 」
「俺もミックスグリルのご飯おおめでいいか」
必死にメモをとる篠岡。マネジはこんなことも多いのか...いっぽう蒼は...ドリンクバーで知らない男と喋っていた。 またナンパか?引き止めるためにドリンクバーへすすむ。
「イヤ...弟くんのことはなんと言えばいいのか、今でも罪悪感でいっぱいで...」
「そんな...悪いのは先生じゃないです。弟の不注意もあったんです」
なんだ?、弟?蒼は一人っ子だったはずだ。誰のことを言っているんだろう。
「とにかく、弟くんが亡くなったことはずっと今でも忘れられません。医者としてこんなにくやしいことはないです。」
「先生の気持ちはよくわかりますが、私たち家族は今はしっかり生きることができてますよ。気にやまないでください。」
蒼が先生、と言うやつに頭を下げて振り向きざまに俺に気がついた。
「あれ、タカヤ。もしかして今の話聞いてた?」
「あぁ...弟がどうのって...」
蒼は話すかどうか悩んだ上で、打ち明けてくれることになった。
「うーん、私弟がいたんだよね。7年前に事故に会って、さっきの先生が手術してくれたんだけど間に合わなくて死んじゃったの」
淡々と話す蒼の目は、オレを見ているようで、でも全然視点が合わなくて、違うところを見ているようだった。
「たまたまその先生と会ったってわけか...」
「そうだね。先生は今でも罪悪感でいっぱいみたいだけど、しょうがないんだよ。しょうがないことだった。」
蒼は自分に言い聞かせるように何度も「しょうがない」と呟いていた。
やばい、こいつ、今にも壊れそうだ。
そう察したオレは、蒼の調子が悪いから、とみんなより先に帰ることにした。
「私、平気なのに」
「全然平気そうじゃねぇよ。目の焦点も合わないし、ブツブツ何か言ってるし、メンタルがおかしくなる寸前って感じだったぞ」
「そっか...私まだおかしいんだ...」
蒼は泣きはしないものの、やっぱりいつもの元気がなくて、どこか上の空だった。
「弟とは仲良かったのか?」
「うん。一緒にキャッチボールしたり、絵を描いたり、公園に遊びに行ったり、仲良かった方だと思う。」
「事故で亡くなったってきいたけど...」
「そう。赤信号でおばあちゃんが渡ろうとして、車が突っ込んで来たところを弟が助けたの」
それで、さっきの先生が手術してくれたんだ、と蒼は話す。
「お前...抱えてるものが多すぎるんだよ。パンクする前に、ちゃんとオレに話せよ」
「うん。ありがとう。タカヤは優しいね」
なんだろうか。何も出来ない自分に嫌気がさす。蒼はオレのためにいろいろやってくれてるのに、オレは何ができてる?
「なぁ、蒼。もっと俺を頼ってくれよ。今日も感じたけど、オレは蒼の心に秘めてるものがまだわかんねぇ。なんでもいいから、頼ってくれ」
上の空だった蒼の瞳が濡れてるように見えた。
「...。...うっ...」
瞬間、蒼が泣き出した。
「弟が、たまに夢に出てくるの。小さいままの、弟が」
「うん...」
「それで、お姉ちゃん、お姉ちゃんって呼んでくれるの」
「うん...」
「手をつなごうとしたら、すり抜けるの。弟と手を繋げないの...目が覚めたら、あぁ、弟はいないんだって気づくの。事故にあったのが私だったらよかったって...」
「そうか...」
こいつはいつか壊れるんじゃないかと思ってたけど、トリガーは死んだ弟だったわけだ。
「誰も悪くないの。だけど、なんで弟が?って今でもすごく感じるの」
「助けたばぁさんは大丈夫だったのか?」
「うん...軽い怪我で済んだって」
「じゃあ、もっと誇りに思えよ。お前の弟は、人を助けたんだ。勇気がないと中々できないことを、お前の弟はやり遂げたんだよ」
蒼が声を出して泣き出した。
「うっ...うう...そ、だよね...弟は、間違ったことした訳じゃないんだよね...」
「あぁ、むしろ立派なことだと思うぞ。お前の弟はすごいよ」
「うっ...うっ...」
泣いてしまって中々呼吸が定まらない蒼をそっと抱き寄せる。
「大丈夫だ。大丈夫だから。弟の代わりにお前が、なんて考えるなよ。」
「うん...ありがとう...ありがとうタカヤ...」
こうして蒼を家まで送って、オレも家に帰って速攻蒼にLINEした。
お前が生きててくれて、オレは嬉しいよって。
「とりあえず注文しようか。1分スタート」
篠岡の号令でメニューえらびがはじまった。
「はいはい!おれ俵ハンバーグとカットステーキのごはん大盛り!!」
「俺はミックスグリル、ごはん多めで 」
「俺もミックスグリルのご飯おおめでいいか」
必死にメモをとる篠岡。マネジはこんなことも多いのか...いっぽう蒼は...ドリンクバーで知らない男と喋っていた。 またナンパか?引き止めるためにドリンクバーへすすむ。
「イヤ...弟くんのことはなんと言えばいいのか、今でも罪悪感でいっぱいで...」
「そんな...悪いのは先生じゃないです。弟の不注意もあったんです」
なんだ?、弟?蒼は一人っ子だったはずだ。誰のことを言っているんだろう。
「とにかく、弟くんが亡くなったことはずっと今でも忘れられません。医者としてこんなにくやしいことはないです。」
「先生の気持ちはよくわかりますが、私たち家族は今はしっかり生きることができてますよ。気にやまないでください。」
蒼が先生、と言うやつに頭を下げて振り向きざまに俺に気がついた。
「あれ、タカヤ。もしかして今の話聞いてた?」
「あぁ...弟がどうのって...」
蒼は話すかどうか悩んだ上で、打ち明けてくれることになった。
「うーん、私弟がいたんだよね。7年前に事故に会って、さっきの先生が手術してくれたんだけど間に合わなくて死んじゃったの」
淡々と話す蒼の目は、オレを見ているようで、でも全然視点が合わなくて、違うところを見ているようだった。
「たまたまその先生と会ったってわけか...」
「そうだね。先生は今でも罪悪感でいっぱいみたいだけど、しょうがないんだよ。しょうがないことだった。」
蒼は自分に言い聞かせるように何度も「しょうがない」と呟いていた。
やばい、こいつ、今にも壊れそうだ。
そう察したオレは、蒼の調子が悪いから、とみんなより先に帰ることにした。
「私、平気なのに」
「全然平気そうじゃねぇよ。目の焦点も合わないし、ブツブツ何か言ってるし、メンタルがおかしくなる寸前って感じだったぞ」
「そっか...私まだおかしいんだ...」
蒼は泣きはしないものの、やっぱりいつもの元気がなくて、どこか上の空だった。
「弟とは仲良かったのか?」
「うん。一緒にキャッチボールしたり、絵を描いたり、公園に遊びに行ったり、仲良かった方だと思う。」
「事故で亡くなったってきいたけど...」
「そう。赤信号でおばあちゃんが渡ろうとして、車が突っ込んで来たところを弟が助けたの」
それで、さっきの先生が手術してくれたんだ、と蒼は話す。
「お前...抱えてるものが多すぎるんだよ。パンクする前に、ちゃんとオレに話せよ」
「うん。ありがとう。タカヤは優しいね」
なんだろうか。何も出来ない自分に嫌気がさす。蒼はオレのためにいろいろやってくれてるのに、オレは何ができてる?
「なぁ、蒼。もっと俺を頼ってくれよ。今日も感じたけど、オレは蒼の心に秘めてるものがまだわかんねぇ。なんでもいいから、頼ってくれ」
上の空だった蒼の瞳が濡れてるように見えた。
「...。...うっ...」
瞬間、蒼が泣き出した。
「弟が、たまに夢に出てくるの。小さいままの、弟が」
「うん...」
「それで、お姉ちゃん、お姉ちゃんって呼んでくれるの」
「うん...」
「手をつなごうとしたら、すり抜けるの。弟と手を繋げないの...目が覚めたら、あぁ、弟はいないんだって気づくの。事故にあったのが私だったらよかったって...」
「そうか...」
こいつはいつか壊れるんじゃないかと思ってたけど、トリガーは死んだ弟だったわけだ。
「誰も悪くないの。だけど、なんで弟が?って今でもすごく感じるの」
「助けたばぁさんは大丈夫だったのか?」
「うん...軽い怪我で済んだって」
「じゃあ、もっと誇りに思えよ。お前の弟は、人を助けたんだ。勇気がないと中々できないことを、お前の弟はやり遂げたんだよ」
蒼が声を出して泣き出した。
「うっ...うう...そ、だよね...弟は、間違ったことした訳じゃないんだよね...」
「あぁ、むしろ立派なことだと思うぞ。お前の弟はすごいよ」
「うっ...うっ...」
泣いてしまって中々呼吸が定まらない蒼をそっと抱き寄せる。
「大丈夫だ。大丈夫だから。弟の代わりにお前が、なんて考えるなよ。」
「うん...ありがとう...ありがとうタカヤ...」
こうして蒼を家まで送って、オレも家に帰って速攻蒼にLINEした。
お前が生きててくれて、オレは嬉しいよって。