Chuchu
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疲れた、と言って蒼は眠りについてしまった。
オレは暇になったので家族用のアルバムの続きをみることにした。
「12歳の寝顔の写真...今の蒼の寝顔まんまじゃねーか」
ふっと笑みがこぼれる。
ページをゆっくり捲りながら、小学生、中学生の蒼の成長をアルバムを通して感じていく。泣いていたり、笑っていたり、いろんな表情をしている蒼。正直いって蒼と出会ってからは、笑顔の蒼しか知らない。いい事なのだけれど、どこかで無理をしているんじゃないかと思う時もある。
理由はやはり見た目にある。以前アルビノについて調べてみたが、やはりどの人達も苦悩しているようだった。
こいつの親でさえ最初はとまどっていたというくらいだ。他人からしたら見た目はいじる格好の的だろう。幸い今はイジメられている様子はないが、子供とは残酷なもので、少し見た目が違うだけで省いたりイジメの対象にしたりする。
子供の頃のこいつを知らないことがもどかしい。
反面、今のこいつを泣かせたくないとも強く感じた。
モデル用のアルバムも手に取る。
中学生くらいだろうか。家族用とは真反対で、一切笑みのない写真が多い。本人は服の系統に合わせているからだと言っていたが、どれが本当の蒼なのかわからなくなるくらい、別人のように見える。
「もっとお前のこと知りてぇよ...」
眠っている蒼の髪を撫でながら、独り言。
「タカヤ...?」
「おう、起きたか」
1時間ほど眠っていた蒼が目を覚ました。
「オレはそろそろ帰るけど、お前ひとりで大丈夫か?」
「何歳だと思ってるのよ...」
「アルバムみたけど、お前の寝顔が12歳から全く変わってなかったからついな」
「そんな写真まで見てたの?私今16歳だよ。大丈夫ですー」
「寂しいとか言えば可愛げあんのになぁ」
「チョーサミシー」
「棒読みになってんぞ」
「ふふ。今日は来てくれてありがとう」
「オレも、来れてよかったよ。ありがとな。あと、気になることがあるんだけど、気ぃ悪くしたらごめんな」
「どうしたの?」
「お前さ、今までその容姿で辛かったこととかなかったのか?」
できるだけ蒼が傷つかないように言ったつもりだけど、蒼は黙り込んでしまった。
「ごめん、言いたくないなら言わなくていいからな」
「ううん、違うの」
蒼は目を閉じて自分の記憶を辿りながら、ゆっくりと俺に目線を合わせた。
「正直、小学生の頃に見た目でいじめられてたことは、ある」
「...そう、か」
「でも、嫌な気持ちを吹き飛ばすくらい楽しいことの方が多かった。私は恵まれてるんだと思う。」
蒼はいつも通りにこりと微笑む。
「大事なのは今でしょ?過去のことは過去。引きずってらんないよ。楽しいこと逃しちゃ、時間がもったいないもの」
あぁ、こいつは本当に尊敬したくなるくらい人として出来上がっている。
この歳で俺らなんかよりいろいろな経験をしているからだろう。思考が高校生の域を超えている。
「お前のそういうところ、すげぇ好きだな」
本心からそう思った。でも本心はもうひとつある。本当に傷は癒えているのか?でも、これ以上深堀すると返って蒼に嫌な記憶を思い出させることになるのでやめておいた。
「今楽しいなら、良かったよ。話してくれてありがとう。オレがもっと楽しませてやるから楽しみにしてろよ」
なんて、クサイセリフを言いながら蒼の頭を撫でる。
「これからタカヤと一緒にいられるの、嬉しいよ」
「おう、オレもだよ」
じゃあ、そろそろ帰るな、と言って、玄関まで見送ってもらった。
「遅いから、気をつけて帰ってね」
「大丈夫だよ。そんなに遠くないし。じゃあ、また明日な」
「うん!おやすみ!」
蒼の抱える闇を払拭してやりたい。
楽しいことをたくさん共有して、嫌だったことが嘘だったかのように、オレとの記憶で上塗りしてやりたい。
これから先、蒼が傷つくことがないよう大切にしていこう。
そう決意して、オレは帰路に着く。
オレは暇になったので家族用のアルバムの続きをみることにした。
「12歳の寝顔の写真...今の蒼の寝顔まんまじゃねーか」
ふっと笑みがこぼれる。
ページをゆっくり捲りながら、小学生、中学生の蒼の成長をアルバムを通して感じていく。泣いていたり、笑っていたり、いろんな表情をしている蒼。正直いって蒼と出会ってからは、笑顔の蒼しか知らない。いい事なのだけれど、どこかで無理をしているんじゃないかと思う時もある。
理由はやはり見た目にある。以前アルビノについて調べてみたが、やはりどの人達も苦悩しているようだった。
こいつの親でさえ最初はとまどっていたというくらいだ。他人からしたら見た目はいじる格好の的だろう。幸い今はイジメられている様子はないが、子供とは残酷なもので、少し見た目が違うだけで省いたりイジメの対象にしたりする。
子供の頃のこいつを知らないことがもどかしい。
反面、今のこいつを泣かせたくないとも強く感じた。
モデル用のアルバムも手に取る。
中学生くらいだろうか。家族用とは真反対で、一切笑みのない写真が多い。本人は服の系統に合わせているからだと言っていたが、どれが本当の蒼なのかわからなくなるくらい、別人のように見える。
「もっとお前のこと知りてぇよ...」
眠っている蒼の髪を撫でながら、独り言。
「タカヤ...?」
「おう、起きたか」
1時間ほど眠っていた蒼が目を覚ました。
「オレはそろそろ帰るけど、お前ひとりで大丈夫か?」
「何歳だと思ってるのよ...」
「アルバムみたけど、お前の寝顔が12歳から全く変わってなかったからついな」
「そんな写真まで見てたの?私今16歳だよ。大丈夫ですー」
「寂しいとか言えば可愛げあんのになぁ」
「チョーサミシー」
「棒読みになってんぞ」
「ふふ。今日は来てくれてありがとう」
「オレも、来れてよかったよ。ありがとな。あと、気になることがあるんだけど、気ぃ悪くしたらごめんな」
「どうしたの?」
「お前さ、今までその容姿で辛かったこととかなかったのか?」
できるだけ蒼が傷つかないように言ったつもりだけど、蒼は黙り込んでしまった。
「ごめん、言いたくないなら言わなくていいからな」
「ううん、違うの」
蒼は目を閉じて自分の記憶を辿りながら、ゆっくりと俺に目線を合わせた。
「正直、小学生の頃に見た目でいじめられてたことは、ある」
「...そう、か」
「でも、嫌な気持ちを吹き飛ばすくらい楽しいことの方が多かった。私は恵まれてるんだと思う。」
蒼はいつも通りにこりと微笑む。
「大事なのは今でしょ?過去のことは過去。引きずってらんないよ。楽しいこと逃しちゃ、時間がもったいないもの」
あぁ、こいつは本当に尊敬したくなるくらい人として出来上がっている。
この歳で俺らなんかよりいろいろな経験をしているからだろう。思考が高校生の域を超えている。
「お前のそういうところ、すげぇ好きだな」
本心からそう思った。でも本心はもうひとつある。本当に傷は癒えているのか?でも、これ以上深堀すると返って蒼に嫌な記憶を思い出させることになるのでやめておいた。
「今楽しいなら、良かったよ。話してくれてありがとう。オレがもっと楽しませてやるから楽しみにしてろよ」
なんて、クサイセリフを言いながら蒼の頭を撫でる。
「これからタカヤと一緒にいられるの、嬉しいよ」
「おう、オレもだよ」
じゃあ、そろそろ帰るな、と言って、玄関まで見送ってもらった。
「遅いから、気をつけて帰ってね」
「大丈夫だよ。そんなに遠くないし。じゃあ、また明日な」
「うん!おやすみ!」
蒼の抱える闇を払拭してやりたい。
楽しいことをたくさん共有して、嫌だったことが嘘だったかのように、オレとの記憶で上塗りしてやりたい。
これから先、蒼が傷つくことがないよう大切にしていこう。
そう決意して、オレは帰路に着く。