しあす!

次は6番 サード山根くん。

山根くんはキャプテンだ。
出すとチームが勢いづくだろう。

「(いきなり高めの真ン中来たよ...そんなホームランコース投げるのいやだぁ...)」

また首を振るゲンセーくん。

ぱぱぱ

「(次からはサイン通りに投げたけど外れたってことにしようかな...

打たれなきゃ

文句ねぇだろ！)」

ビュンッ

審判「ボール！」

タカヤはストライクを先行したいはず。

「(次は首振らない！)」

ぱぱぱ

「(また真ん中高め...)」

グンッ

パシィッ

審判「ストライーク！」

「(ふぅ...)」

敵はしっかり見てた...次はシュート投げるかな。

「(真ん中にシュート！)」

スッ

カッ

審判「ファール！」

1B2S。次は外にストレートかな。

「(ストレートを...)」

山根「(打たなきゃ！)」

キンッ

パッ

パシッ

審判「ヒズアウト！」

「ナイピッチ！」

「ナイスセカン！ありがとうございます！」

山根「首振るとボール当たりでしたね！結構早いですけどボールのタイミングわかると楽できますよ」


どうしても高めを首振るゲンセーくん。
タカヤもなんでだと思ってるだろうな。

タカヤは低めを指示した。

「(そうそう。今度はストレート投げますから)」

ゲンセーくんが思い切り腕を振る。

ボール球だ。

何故だか、ゲンセーくんは２回目は首を振らずに高めに投げてくれる。

「(あーやだ...打たれませんよう...に！！)」

パァンッ

ストライクだ！

敵はしっかり見てきた模様。

タカヤはさっきと同じ組立で指示を出す。

「来るよ来るよ！」

何やらベンチがなにか指示してるみたい。ストレート指示かな。

「(このパターンなら...打ち取れる！！)」

カキーン！

「(打たれたァ...！)」

「ヒットは気にすんな！バッター勝負！」

ユウトがゲンセーくんに声を出してくれるようだ。頼もしい先輩だ。

「はい...」

次は8番ファースト山田くん。

球数を気にしてタカヤがバントを打たれる算段でサインを出す。

が、首を振るゲンセーくん。

どうやら本格的に高めは打たれそうで嫌みたいだな。
低めなら首を振らない。

ビュンッ

パァンッ

ボールだ。
すんなり見送ったし、ランナーもスタートの素振りがない。これはいよいよ敵が"何か"に気づいたようだ。

あえてバントで見送る。
ツーアウトだ。

次は9番ライト早川くん。

「ここまでの打者から考えて、9番が打てるとは思えませんね」

「蒼ちゃんもそう思う？たしかにそうだね。でも油断はキンモツ！」

ビュンッ

パァンッ

？ゲンセーくんが初級から高めに投げた！

キンッ

フライ、アウトだ。
みんながベンチに戻る。

「堀井！」

「はいいっ！」

タカヤがゲンセーくんに声をかける。

「一球目すげぇ首振るけど二球目だとその球投げるのなんで？」

話通じてるのかな...。

「ゲンセー君、首、振っていいんだ。いいんだ、いいね？」

レン！ナイス！

「あー。なんで振ってんのか聞いてんだよ」

ゲンセーくん、なんて答えるかな。

そして、西浦の攻撃が始まる。