「ただいま〜」

「あら！おかえり！って...その方はどなた？」

「読売ジャイアンツの女子野球のスカウトマンさん」

「こんばんは、おそくにすみません。監督やらせてもらってます、宮元です。」

「ジャイアンツ...て巨人よね？！どうしてこちらに？！」

「スカウトで参りました。今日ご両親にご挨拶したくて、お伺いしました」

「まぁまぁ、お上がりください」

「わたしとタカヤは上の部屋にいるねー」

そう言って親と監督の話が始まった。

「単刀直入に言います。もしジャイアンツに入ってくださったら即スタメンで試合に出させていただきます。それくらい蒼さんには力があります。」

「ありがたい話ですがでもあの子、大学卒業したらモデルに専念するって言うんです」

〜〜〜



「今日はありがとうございました。蒼さんによろしくお伝えください」

「あ！宮元さん帰られるんですか！」

2階から蒼と阿部が降りてきた。

「いろいろ話せてよかったよ。何度も言うと口説いかもしれないけど、君は逸材だ。優遇するよ」

「検討しておきます」

「ではまた」

そう言って宮元さんは帰って行った。

「宮元監督なんて言ってたー？」

「巨人に入ったら即スタメンにするって言ってたわよ」

「あはは！大袈裟だなぁ」

「でも凄く真剣に将来のプランまで用意してくれてたわ」

「へぇ！でも私は今のところ帝透一択かなぁ」

「俺も帝透の方がお前に合ってると思う」

「4年間で最後の野球人生だからね！」

「オレは大学卒業しても社会人チーム入るつもりだから、たまには遊びに来いよ」

「何言ってんの！タカヤもプロ目指そうよ！」

「はぁ？凡人のオレじゃ無理だっつーの」

「監督も甲子園ベスト4に入ったらって言ってたじゃん！活躍しようよ！智将阿部隆也！」

「智将とか恥ずかしいからやめろ」

「かわいい〜」

「煽ってんじゃねーよ」

「最近ハマってる野球漫画のキャッチャーは智将って呼ばれてる」

「なんか不純な動機でむかつくな」

「いいじゃん〜智将〜」

「学校で言ったらタダじゃおかないからな」

「うーい」

「蒼ー！タカヤくんー！ご飯できたわよー！」

「えっ、俺の分まで？」

「あら、タカヤの分まで。まぁいいじゃん、一応家に連絡しとけば？」

「うちももうできてるかもしれねーな。米の量へらしてもらうわ、ここでも家でも食う」

「なるほどね！じゃ、ご飯食べに行こー！」


今日は巨人のスカウトが来てびっくりデーだった。練習見に行きたいな。あわよくばバッター勝負とかしてみたいな。

タカヤもつれていこ。宮元監督に連絡入れとこ〜。