chuchu 短編
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近いから、という理由で志賀先生が行きだけ車で送ってくれた。
「運転ありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
「帰りは阿部が男子なんだから、しっかり一ノ瀬のこと送るんだぞ」
「そのつもりです!あざした!」
「じゃ、しっかり学んでくるんだぞ」
そう言って志賀先生は行ってしまった。
「ここが平聖国際大学かぁ」
「あー!遅れてすみません!ゼェゼェ...平田です!」
走ってやってきたその人は、女子野球部の顧問をしてるらしい。
「あなたが一ノ瀬蒼さん?全体的にえらく白いですね...瞳も碧いし、ハーフとかですか?というかどこかで見かけた気が...」
「あはは、この見た目を活かして、モデルをやってるんです。だから見覚えあるのかと。生粋の日本人ですよ!今日はよろしくお願いします!」
「ああ!そうだ!雑誌の表紙でみたことがあります。すみません、男なのであまり詳しくなく...」
「いえ、気にしないでください。女子用の雑誌なので男性は知ってる人がいるほうが珍しいですよ」
「そうなんですね。それで、隣の方は男子野球部に興味があるとお聞きしました」
「はい、阿部です。今日はよろしくお願いします。正直初めて聞いた大学名だったので、どういう活動してるのかすごく興味があります。その、失礼ですがどれくらいの強さなんですか?」
「今年はいい子が入ってきました!155km投げる右腕の子がいます」
「155km...!」
「すごいでしょう?その子と一緒にプレイするのは絶対楽しいと思いますよ。ポジションはどこですか?」
「キャッチャーです」
「ならなおさら!捕りがいがあると思いますよ!」
「俺らがいるときは先輩は何年ですか?」
「3年生になるのかな?被ると思います」
「じゃあ2年は一緒にプレイできるのか...」
「まず女子野球部から紹介しますね」
そう言って平田先生の後を追った。
「女子野球部は毎日共通の目標を決めて練習に取り組んでいます。それから全員で手を繋いで深呼吸から始めます。その後練習を開始します」
「!!私達も練習前に全員で手を繋いで瞑想しています!」
「奇遇ですね。メントレの人に教わったんですか?」
「そうです!今は音楽かけながらやってます。瞑想からだんだんハイテンションになって、そのままモチベーションを保ってキャッチボールに移ります。」
「面白いですね。参考にさせていただきます。というか、本来であれば僕側が訪問しなければいけないのに、来ていただいてすみません」
「違うんです!練習風景と、データ活用法を知りたくてこちらからお伺いしたんです!」
「そうだったんですね。まずは監督を紹介しますね。濱元監督!」
「西浦の!やぁやぁよく来てくれました!濱元です。よろしくね」
「!!監督!その子です!その子がモデルの一ノ瀬蒼です!」
「ぎゃー!生一ノ瀬蒼」
「女神像ー!!!」
「美女ーーー!!」
「ははっ!こんにちは!一ノ瀬蒼です!今日は練習風景を見たくてお伺いさせていただきました!よろしくお願いします!」
「部員が騒いですまんね。こちらこそスカウトする側なのに来てくれてありがとう!となりの男の子は?」
「男子野球部に興味があって付き添いできました」
「もしかして2人はつきあってるの?」
「ななななんでわかったんですか?!」
「同じ大学探して一緒に行動してるんでしょ?それくらいわかるよ」
「はい、僭越ながら...でも野球は真面目にやります!」
「そんなの来てくれただけでわかるよ。ところで一ノ瀬さん、お願いがあるんだけど、ちょっと投げてくれない?」
「は、はい!グローブはもってきました!」
「俺キャッチやります」
「もしかして普段からこのバッテリーで練習してるの?」
「そっすね。練習用に一ノ瀬に投げてもらってるので、僕が捕ってます」
「はは、どうりで自然なわけだ。じゃ、全力投球でよろしく。俺はスピードガンもつから」
「はい!では!いきます!」
クイッ
ビュンッ
パシィッ
「133km...ホントに日本に存在したんだな」
「あの、変化球も投げられます!」
「じゃあ見せてもらおうかな!」
「スクリュー!」
「チェンジアップ!」
「シュート!」
「パームボール!」
「カットボール!」
「ツーシーム!」
「クイック!」
「次、右手いきます!」
「フォーク!」
「シンカー!」
「ストレート!」
「チェンジアップ!」
「なんかグローブが変わってるなと思ったら両利き用だったのか...」
「これで全部ですね」
「いや十分だよ。それだけの球種どうやって覚えたの?指導じゃそんなに教えないと思うけど」
「独学ですね!家で動画みて投げたりシャドウしたり...」
「独学でそれだけ覚えたのはすごいね。故障とか怖くないの?」
「故障しないトレーニングをしています」
「あぁ、コーチが言ってたアレか」
「そうそう。表やったら裏もってやつ。紐引きね」
「故障しないトレーニング?ぜひ教えて欲しいんだけど」
「例えば投手なんかは、紐に1キロほどの重りをつけてどこかにひっかけてそれを利き手と逆で投げるような動作をするんです」
「へぇ、それで故障しないものなのか?」
「要は大事なのはバランスだってうちのコーチが言ってました。コーチは斉徳高校出身で甲子園で投げたことがある人で、かなり変わった練習方法を教えてくれます」
「斉徳...!強豪じゃないか。いいコーチに恵まれてるね」
「カントクも氷鬼とかスケボーとか飽きない練習をしてくれますよ」
「監督はたしか女性だったよな?それでいて設立して1年だもんな。びっくりだらけだよ」
「頼もしい1年も入ってきてこれからどんどん強くなりますよ、うちは!」
「いやぁ、楽しみにしてるよ、ほんとに」
「話は戻りますが、女子野球はどんな練習されてるんですか?みんなで手を繋いで呼吸を合わせるとこまでは聞きました」
「そしたらキャッチボールにうつって、Tとトスやって毎日紅白戦やってるね」
「全力の紅白戦ですか?」
「というと?」
「9回までやるんですか?」
「そうだね。毎日9回までやってる」
「故障の懸念はないんですか?」
「成長痛起こすような年齢じゃないからね。そこは気にかけてないかな」
「そっか...みんな2年したらハタチなんだ...」
「オトナだからね。各々セーブしてるよ」
「わたしがこのチームに入ったら、どんなメリットがありますか?」
「まず間違いなく1番をしょってもらう」
「言い切りますね...」
「そこは年齢関係なしよ。君みたいな貴重な人間を絶対に無駄にしない。言い方悪いけど、消耗しきるまで使わせてもらう」
「それは逆にありがたいです。1番かぁ、緊張するな」
「ははっ、あと部員の空気なんかは、インスタやってるから見てもらうとわかると思うよ」
「インスタ!ちょっと今見させてください」
...
「わぁ...みんな楽しそう。部員のみんなで更新してるんですか?」
「そうだね。主にマネージャーだけど」
「すごく空気がいいのが伝わります。プレーも真剣だし」
「ははっ、そう言って貰えて光栄だよ」
「あと、データ活用はどうされてますか?」
「データ活用はExcelに選手名、ポジション、その日のコンディション、フィジカル、試合の内容を打ち込んでるよ」
「その日のコンディションというと?」
「見てて調子よさそうだな、悪そうだなってなんとなくわかるだろ?なんとなくだけどその日の調子ってすごく大事なんだ。この人は緊張しやすいのかなとか、もしかしてイップスに近いのかもしれないとか、観察してメモする。いつも同じ状況ってのは有り得ないから、毎回コンディションは行にして打ち込んでるよ」
「なるほど...勉強になります。コンディションまではちょっと考えてなかったですね」
「よかったら参考にしてね。絶対タメになるよ」
「はい!今日はありがとうございました。次男子野球に行ってきます、失礼します」
「検討頼むね!今日は来てくれてありがとう!」
...
「インスタ楽しそうだったな」
「うん、みんな笑顔ですごくいい感じだった」
「女子野球はほんとにみんな仲が良いんですよ。やっぱり空気感はすごく大事だと思います」
「平田先生も見ててそう思うなら、ほんとに良い環境なんですね」
「そこは自負してますね。うちに来たら楽しいと思いますよ。じゃ、次男子野球部紹介しますね」
そう言って3人で男子野球部のグラウンドへ向かった。
「運転ありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
「帰りは阿部が男子なんだから、しっかり一ノ瀬のこと送るんだぞ」
「そのつもりです!あざした!」
「じゃ、しっかり学んでくるんだぞ」
そう言って志賀先生は行ってしまった。
「ここが平聖国際大学かぁ」
「あー!遅れてすみません!ゼェゼェ...平田です!」
走ってやってきたその人は、女子野球部の顧問をしてるらしい。
「あなたが一ノ瀬蒼さん?全体的にえらく白いですね...瞳も碧いし、ハーフとかですか?というかどこかで見かけた気が...」
「あはは、この見た目を活かして、モデルをやってるんです。だから見覚えあるのかと。生粋の日本人ですよ!今日はよろしくお願いします!」
「ああ!そうだ!雑誌の表紙でみたことがあります。すみません、男なのであまり詳しくなく...」
「いえ、気にしないでください。女子用の雑誌なので男性は知ってる人がいるほうが珍しいですよ」
「そうなんですね。それで、隣の方は男子野球部に興味があるとお聞きしました」
「はい、阿部です。今日はよろしくお願いします。正直初めて聞いた大学名だったので、どういう活動してるのかすごく興味があります。その、失礼ですがどれくらいの強さなんですか?」
「今年はいい子が入ってきました!155km投げる右腕の子がいます」
「155km...!」
「すごいでしょう?その子と一緒にプレイするのは絶対楽しいと思いますよ。ポジションはどこですか?」
「キャッチャーです」
「ならなおさら!捕りがいがあると思いますよ!」
「俺らがいるときは先輩は何年ですか?」
「3年生になるのかな?被ると思います」
「じゃあ2年は一緒にプレイできるのか...」
「まず女子野球部から紹介しますね」
そう言って平田先生の後を追った。
「女子野球部は毎日共通の目標を決めて練習に取り組んでいます。それから全員で手を繋いで深呼吸から始めます。その後練習を開始します」
「!!私達も練習前に全員で手を繋いで瞑想しています!」
「奇遇ですね。メントレの人に教わったんですか?」
「そうです!今は音楽かけながらやってます。瞑想からだんだんハイテンションになって、そのままモチベーションを保ってキャッチボールに移ります。」
「面白いですね。参考にさせていただきます。というか、本来であれば僕側が訪問しなければいけないのに、来ていただいてすみません」
「違うんです!練習風景と、データ活用法を知りたくてこちらからお伺いしたんです!」
「そうだったんですね。まずは監督を紹介しますね。濱元監督!」
「西浦の!やぁやぁよく来てくれました!濱元です。よろしくね」
「!!監督!その子です!その子がモデルの一ノ瀬蒼です!」
「ぎゃー!生一ノ瀬蒼」
「女神像ー!!!」
「美女ーーー!!」
「ははっ!こんにちは!一ノ瀬蒼です!今日は練習風景を見たくてお伺いさせていただきました!よろしくお願いします!」
「部員が騒いですまんね。こちらこそスカウトする側なのに来てくれてありがとう!となりの男の子は?」
「男子野球部に興味があって付き添いできました」
「もしかして2人はつきあってるの?」
「ななななんでわかったんですか?!」
「同じ大学探して一緒に行動してるんでしょ?それくらいわかるよ」
「はい、僭越ながら...でも野球は真面目にやります!」
「そんなの来てくれただけでわかるよ。ところで一ノ瀬さん、お願いがあるんだけど、ちょっと投げてくれない?」
「は、はい!グローブはもってきました!」
「俺キャッチやります」
「もしかして普段からこのバッテリーで練習してるの?」
「そっすね。練習用に一ノ瀬に投げてもらってるので、僕が捕ってます」
「はは、どうりで自然なわけだ。じゃ、全力投球でよろしく。俺はスピードガンもつから」
「はい!では!いきます!」
クイッ
ビュンッ
パシィッ
「133km...ホントに日本に存在したんだな」
「あの、変化球も投げられます!」
「じゃあ見せてもらおうかな!」
「スクリュー!」
「チェンジアップ!」
「シュート!」
「パームボール!」
「カットボール!」
「ツーシーム!」
「クイック!」
「次、右手いきます!」
「フォーク!」
「シンカー!」
「ストレート!」
「チェンジアップ!」
「なんかグローブが変わってるなと思ったら両利き用だったのか...」
「これで全部ですね」
「いや十分だよ。それだけの球種どうやって覚えたの?指導じゃそんなに教えないと思うけど」
「独学ですね!家で動画みて投げたりシャドウしたり...」
「独学でそれだけ覚えたのはすごいね。故障とか怖くないの?」
「故障しないトレーニングをしています」
「あぁ、コーチが言ってたアレか」
「そうそう。表やったら裏もってやつ。紐引きね」
「故障しないトレーニング?ぜひ教えて欲しいんだけど」
「例えば投手なんかは、紐に1キロほどの重りをつけてどこかにひっかけてそれを利き手と逆で投げるような動作をするんです」
「へぇ、それで故障しないものなのか?」
「要は大事なのはバランスだってうちのコーチが言ってました。コーチは斉徳高校出身で甲子園で投げたことがある人で、かなり変わった練習方法を教えてくれます」
「斉徳...!強豪じゃないか。いいコーチに恵まれてるね」
「カントクも氷鬼とかスケボーとか飽きない練習をしてくれますよ」
「監督はたしか女性だったよな?それでいて設立して1年だもんな。びっくりだらけだよ」
「頼もしい1年も入ってきてこれからどんどん強くなりますよ、うちは!」
「いやぁ、楽しみにしてるよ、ほんとに」
「話は戻りますが、女子野球はどんな練習されてるんですか?みんなで手を繋いで呼吸を合わせるとこまでは聞きました」
「そしたらキャッチボールにうつって、Tとトスやって毎日紅白戦やってるね」
「全力の紅白戦ですか?」
「というと?」
「9回までやるんですか?」
「そうだね。毎日9回までやってる」
「故障の懸念はないんですか?」
「成長痛起こすような年齢じゃないからね。そこは気にかけてないかな」
「そっか...みんな2年したらハタチなんだ...」
「オトナだからね。各々セーブしてるよ」
「わたしがこのチームに入ったら、どんなメリットがありますか?」
「まず間違いなく1番をしょってもらう」
「言い切りますね...」
「そこは年齢関係なしよ。君みたいな貴重な人間を絶対に無駄にしない。言い方悪いけど、消耗しきるまで使わせてもらう」
「それは逆にありがたいです。1番かぁ、緊張するな」
「ははっ、あと部員の空気なんかは、インスタやってるから見てもらうとわかると思うよ」
「インスタ!ちょっと今見させてください」
...
「わぁ...みんな楽しそう。部員のみんなで更新してるんですか?」
「そうだね。主にマネージャーだけど」
「すごく空気がいいのが伝わります。プレーも真剣だし」
「ははっ、そう言って貰えて光栄だよ」
「あと、データ活用はどうされてますか?」
「データ活用はExcelに選手名、ポジション、その日のコンディション、フィジカル、試合の内容を打ち込んでるよ」
「その日のコンディションというと?」
「見てて調子よさそうだな、悪そうだなってなんとなくわかるだろ?なんとなくだけどその日の調子ってすごく大事なんだ。この人は緊張しやすいのかなとか、もしかしてイップスに近いのかもしれないとか、観察してメモする。いつも同じ状況ってのは有り得ないから、毎回コンディションは行にして打ち込んでるよ」
「なるほど...勉強になります。コンディションまではちょっと考えてなかったですね」
「よかったら参考にしてね。絶対タメになるよ」
「はい!今日はありがとうございました。次男子野球に行ってきます、失礼します」
「検討頼むね!今日は来てくれてありがとう!」
...
「インスタ楽しそうだったな」
「うん、みんな笑顔ですごくいい感じだった」
「女子野球はほんとにみんな仲が良いんですよ。やっぱり空気感はすごく大事だと思います」
「平田先生も見ててそう思うなら、ほんとに良い環境なんですね」
「そこは自負してますね。うちに来たら楽しいと思いますよ。じゃ、次男子野球部紹介しますね」
そう言って3人で男子野球部のグラウンドへ向かった。