今日は学校も部活も休みの日だったから、タカヤとデートすることになった。

もちろん、提案したのは私である。

タカヤもすんなりOKしてくれたのはいいけど、
私は半日撮影の仕事があるから会えるのはお昼からになった。

「相澤さん！今日はめっちゃ可愛くしてください！」

相澤さんは、ちょこちょこわたしのメイクを担当してくれるヘアメイクさんだ。私より10個も上だけど、肌は綺麗で毛穴もキメ細やかでさすがヘアメイクの仕事をしてるだけあるなと尊敬している。

「おっ、今日はノリノリだね〜。いつも朝から低血圧ウェーイみたいな感じなのに。どしたの？彼氏とデート？」

「はい！そんなところです！初めてなので、バチバチに決めてください！」

「キャー、高校生の初デートとか、初々しくていいわぁ〜！わたしも今日は一段と張り切るわ！」

キャッキャと会話も弾み、いざ撮影に入る。

わたしの撮影って、クール系路線だから表情も無表情なことが多いんだけど、今日はなんだかソワソワしてしまってカメラさんにもそれが伝わったみたいだった。

「蒼ちゃん、なんかいいことあったの？
いつもよりルンルンだよ」

「ルンルンですか？！わーっ！すみません、今表情作ります」

「いや、今回はこのまま行こうかなー。路線ちょっとズレた感じも意外とウケるからね。はしゃぎ過ぎないくらいの、小さな笑顔でよろしく！」

「はい！お願いします！」

パシャッパシャッとテンポよく撮影は続く。

「蒼ちゃん、今野球部のマネージャーなんだって？うちでもっと働きなよー。お給料はしっかりでるし」

「私は！高校卒業までは青春を謳歌したいのですよ！だから、お仕事はほどほどに！です！」

パシャッパシャッ

「そっか〜残念だな〜。蒼ちゃんのページ、結構人気あるんだよ。若いのにクール路線こなしてるからね、歳上の人にも人気だよー」

パシャッパシャッ

「今は部活に恋に、青春真っ只中なんです！」

「あはは！恋してるんだ、だから今日はいつもと違うんだね。少女らしさも感じるよ。」

「うっ...撮影に影響あったらすみません！」

パシャッパシャッ

「いやー、全然大丈夫だよ。よし！いい写真撮れた！チェックお願いしまーす」

「ありがとうございました！」




やっと、タカヤとデートだ！
髪もメイクもちゃんとしてもらったし、
服もこのままくれるからこれで行こう！

「お疲れ様でしたー！」

ちょっと時間押したな...
ダッシュでタカヤと待ち合わせてる所へ向かう。

はやく、早く会いたい！
ドキドキするのが止まらない。
タカヤ、この私を見てなんて言うかな。
ほめてほしいな。

待っててね！