時は少し遡り、クリスマスは今年もやってきた。
蒼へのクリスマスプレゼントの用意をしなければいけない。

「ねーちゃん、助けてくれ。蒼に何あげたらいいかわかんねんだ」

「高校生だったら、無難にマフラーとかじゃない？」

「マフラーってどこに売ってんの...」

「出来ればブランドものがいいわね。予算はいくらなの？」

「い、1万くらい？」

「だとブランド物は難しいわね。蒼ちゃんが好きそうな服屋さんに行って買うといいわよ」

「男一人じゃ行きづらいから、ねーちゃん着いてきてくれよォ」

「まぁたしかにレディースコーナーには入りにくいわね。わかったわ」

「ありがてー！」



そんなこんなで大型ショッピングモールまでやってきた。

「蒼ちゃんの雰囲気にあった服屋は〜」

ここかな？と言ってすーっと入っていくねーちゃん。まって、俺の事置いていかないで。

「ほら、こういうマフラー可愛いじゃない？」

たしかに蒼っぽい。

「それにする！」

「即決ね。判断の良さは野球ゆずりかしら？」

「蒼喜んでくれっかなー」

「いい子だから喜んでくれるわよ」




部活帰り、ドキドキのクリスマス。


「蒼！これ...クリスマスプレゼント！」

「ありがとう。実は私も用意してたんだよね。はいこれ」

「開けてみていいか？」

「うん。私も開けるね」

袋から出てきたのは、バッティンググローブだった。
「おー！カッケー！」

「モトキに似合うデザインだと思って」

わたしはマフラーなんだね。といってすぐ自分の首に巻く蒼。かわいい。

「似合ってる？」

「バッチリだ！その色にして良かった！」、

「ありがとうね」

「俺もありがとな！試合気合い入るわ！」

「わたしもこのマフラーで今年の冬乗り越えられそうだよ」

「はは！蒼はたまにおもしれーこと言うよなぁ」

「今日うちよっていく？それともモトキの家もクリスマスパーティやるの？」

「そうだな。毎年やってんなー」

「じゃあ今日は別々だね。また明日練習で会おうね」

ちゅ、と蒼がほっぺたにキスをする。

「またね」

そういって家の玄関に入っていった。

〜〜〜ッなんであんなかっこいいことができるのか。あそこは俺からやるべきことだったろう。
蒼を見習ってもっとスマートに生きようと思った。