chuchu 短編
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「榛名さんはさぁ、前に会った時タカヤの目つきが悪いって言ってたんだけど、わたしはタカヤのタレ目なとこ好きなんだぁ」
休日、カフェにいるところ。
「なんだそれ」
顔を近づけてじっと俺の瞳を見る。
「俺はお前のその碧い瞳に今でも吸い込まれそうだよ」
「ははっ!まるでブラックホールみたいな言い方だね」
「おう、そんな感じだ。ずっと見続けてると無になってなくなっちまいそう」
「なんか怖いって意味?」
「いや。キレイな目してんなと思う」
「小さい頃はねー、なんでみんなと違うのかって悩んでた時期もあってさ」
蒼から幼少期の話を始めるのは初めてかもしれない。俺は黙って聞きに入る。
「まー、小学生のころなんてお化けとか言われていじめられてたわけよ」
でもね、と蒼は笑う。
「モデルっていう仕事が、カメラさんが、スタイリストさんが、読者が味方についてるんだよってお母さんに教えてもらってからは、中学の頃もお化けなんて言われた時には自分の載ってる雑誌広げて、じゃあ普通のお前らはこの仕事ができんのかって見せつけてやったわけ。そしたら黙り込んじゃってさ、あんときは大笑いしたよね」
「だからお前は、野球じゃなくてモデルの道を選ぶのか」
「そう。やりたいことはたくさんあるけど大学まで。学生のうちだけ。卒業したら、モデル1本で生きていくの。わたしをクサらせなかったのがモデルだったのよ」
「なるほどな...そこまでの覚悟があるのなら、俺はモデルの道を進むお前を応援するよ。でも、野球は社会人になってからでも草野球とかでできんじゃねーの?」
「と、わたしも思ったのよ。でもモデルに専念するとわたしだけの意志で動けないから、断念したの」
なるほどな、こいつの野球人生は大学までなのか...俺と繋がったのが野球だから、ちょっと寂しさを感じる。
「でも大学で、全国大会優勝するレベルで野球に力入れるよ!タカヤとのデートが減るくらいね!」
「ふっ...俺も大学で野球やるから、お前に負けてらんねーよ」
「やっぱり一緒に野球できるところがいいなぁ。男女別々でもさ」
「来年一緒に大学探しするか」
「いいねー!2年生になったら一緒に探そ!んで、時間とお金があればいろんな野球部の見学に行きたいよね!」
「今から小遣い貯めとくか」
「うん!楽しそ〜!進級楽しみになってきた!」
「学年末テストも勉強しないとな」
「そだね!タカヤは大丈夫だろうけど他のみんなは大丈夫かな?レンとか...」
「多分助けてやんねーと無理だから、手伝ってやってくれ...」
「はは!そこはバッテリーのタカヤが助けるところでしょ!」
「俺は自分の勉強でいっぱいいっぱいだよ。数学なら教えられるけど、お前の方が成績いいだろ」
「わたしも自分で勉強しないと、余裕ではないからね?」
「そういや努力して得た1番だって言ってたもんな」
「よく覚えてるね〜」
お前のことならなんでも覚えてるよ、って言おうと思ったけど、我ながらキモかったのでやめた。
閑話休題。
「...前に女子野球がつまらなくなったって言ってたけど、そんなにレベルに差があったのか?」
「うーん、すごく難しい話なんだけど、勝ったあとの虚無感?みたいなのがひどくって。無双モードから抜け出したみたいな。精神科にも行ったことあるよ。でも異常はなかったし。ま、お父さんの転勤決まったついでにチームが変わるくらいなら選手辞めるかってなったの」
ついでにって簡単に言う...こいつもしかして根っからの飽き性とかじゃないか?熱しやすく冷めやすい、野球やってないと隣の芝は青く見える、みたいな。だからマネジやりながら練習にも参加したがって、なんか、点と点が繋がってきたな...。
「ま、今のお前がいるから俺らは助かってんだけどな」
「何ー?何の話ー?」
「お前が西浦選んでくれてよかったなって話だよ」
「わたしはカントクのあの笑顔に釣られたから。絶対不思議な力を持ってるよ、あのひと」
「クッ...不思議な力って...」
「タカヤもそう思わない?」
「言いたいことはわかるけど、カントクのこと魔女みたいに言うなよな」
かくいう俺も、カントクが理由で西浦に入ったんだけど。
「魔女!まさにそう!いい魔女!」
「ふっ...いい魔女って..ははっ」
「タカヤツボりすぎー」
私は真面目よ、と不満そうな顔をする蒼。
「俺からしたら、お前も魔女だよ。あ、いい魔女な」
「え?そのへん詳しく聞かせてもらっても?」
「野球の魔女だな。お前がいるとチームが強くなる」
「あはは!それはいいね!嬉しい!」
ふつーの女が野球の魔女なんて言われてもピンとこないどころか怒られるだろう。でもこいつは喜んだ。野球バカだから。
「話してたらけっこう時間経ったね」
会計をして外に出る。
「次はどこにいく〜?」
振り返る蒼は今、幸せだろうか。
俺はお前と出会えて幸せだよ。
恥ずかしくて中々口にはだせないけど、
俺がお前の幸せの一部になれますように。
休日、カフェにいるところ。
「なんだそれ」
顔を近づけてじっと俺の瞳を見る。
「俺はお前のその碧い瞳に今でも吸い込まれそうだよ」
「ははっ!まるでブラックホールみたいな言い方だね」
「おう、そんな感じだ。ずっと見続けてると無になってなくなっちまいそう」
「なんか怖いって意味?」
「いや。キレイな目してんなと思う」
「小さい頃はねー、なんでみんなと違うのかって悩んでた時期もあってさ」
蒼から幼少期の話を始めるのは初めてかもしれない。俺は黙って聞きに入る。
「まー、小学生のころなんてお化けとか言われていじめられてたわけよ」
でもね、と蒼は笑う。
「モデルっていう仕事が、カメラさんが、スタイリストさんが、読者が味方についてるんだよってお母さんに教えてもらってからは、中学の頃もお化けなんて言われた時には自分の載ってる雑誌広げて、じゃあ普通のお前らはこの仕事ができんのかって見せつけてやったわけ。そしたら黙り込んじゃってさ、あんときは大笑いしたよね」
「だからお前は、野球じゃなくてモデルの道を選ぶのか」
「そう。やりたいことはたくさんあるけど大学まで。学生のうちだけ。卒業したら、モデル1本で生きていくの。わたしをクサらせなかったのがモデルだったのよ」
「なるほどな...そこまでの覚悟があるのなら、俺はモデルの道を進むお前を応援するよ。でも、野球は社会人になってからでも草野球とかでできんじゃねーの?」
「と、わたしも思ったのよ。でもモデルに専念するとわたしだけの意志で動けないから、断念したの」
なるほどな、こいつの野球人生は大学までなのか...俺と繋がったのが野球だから、ちょっと寂しさを感じる。
「でも大学で、全国大会優勝するレベルで野球に力入れるよ!タカヤとのデートが減るくらいね!」
「ふっ...俺も大学で野球やるから、お前に負けてらんねーよ」
「やっぱり一緒に野球できるところがいいなぁ。男女別々でもさ」
「来年一緒に大学探しするか」
「いいねー!2年生になったら一緒に探そ!んで、時間とお金があればいろんな野球部の見学に行きたいよね!」
「今から小遣い貯めとくか」
「うん!楽しそ〜!進級楽しみになってきた!」
「学年末テストも勉強しないとな」
「そだね!タカヤは大丈夫だろうけど他のみんなは大丈夫かな?レンとか...」
「多分助けてやんねーと無理だから、手伝ってやってくれ...」
「はは!そこはバッテリーのタカヤが助けるところでしょ!」
「俺は自分の勉強でいっぱいいっぱいだよ。数学なら教えられるけど、お前の方が成績いいだろ」
「わたしも自分で勉強しないと、余裕ではないからね?」
「そういや努力して得た1番だって言ってたもんな」
「よく覚えてるね〜」
お前のことならなんでも覚えてるよ、って言おうと思ったけど、我ながらキモかったのでやめた。
閑話休題。
「...前に女子野球がつまらなくなったって言ってたけど、そんなにレベルに差があったのか?」
「うーん、すごく難しい話なんだけど、勝ったあとの虚無感?みたいなのがひどくって。無双モードから抜け出したみたいな。精神科にも行ったことあるよ。でも異常はなかったし。ま、お父さんの転勤決まったついでにチームが変わるくらいなら選手辞めるかってなったの」
ついでにって簡単に言う...こいつもしかして根っからの飽き性とかじゃないか?熱しやすく冷めやすい、野球やってないと隣の芝は青く見える、みたいな。だからマネジやりながら練習にも参加したがって、なんか、点と点が繋がってきたな...。
「ま、今のお前がいるから俺らは助かってんだけどな」
「何ー?何の話ー?」
「お前が西浦選んでくれてよかったなって話だよ」
「わたしはカントクのあの笑顔に釣られたから。絶対不思議な力を持ってるよ、あのひと」
「クッ...不思議な力って...」
「タカヤもそう思わない?」
「言いたいことはわかるけど、カントクのこと魔女みたいに言うなよな」
かくいう俺も、カントクが理由で西浦に入ったんだけど。
「魔女!まさにそう!いい魔女!」
「ふっ...いい魔女って..ははっ」
「タカヤツボりすぎー」
私は真面目よ、と不満そうな顔をする蒼。
「俺からしたら、お前も魔女だよ。あ、いい魔女な」
「え?そのへん詳しく聞かせてもらっても?」
「野球の魔女だな。お前がいるとチームが強くなる」
「あはは!それはいいね!嬉しい!」
ふつーの女が野球の魔女なんて言われてもピンとこないどころか怒られるだろう。でもこいつは喜んだ。野球バカだから。
「話してたらけっこう時間経ったね」
会計をして外に出る。
「次はどこにいく〜?」
振り返る蒼は今、幸せだろうか。
俺はお前と出会えて幸せだよ。
恥ずかしくて中々口にはだせないけど、
俺がお前の幸せの一部になれますように。