Chuchu

夢小説設定

本棚全体の夢小説設定
苗字
名前

「ちわっ」
「ちわ!」

花井くんとユウトが抽選会から戻ってきた。
タカヤのお父さんが新しいカバンとユニフォームを届けてくれたらしく、歓喜するメンバーたち。

「「ありがとうございます!」」

似合うねー。いいねーいいねー!とテンション高めなみんな。

「さあ、ユニフォームも届いたことだし、1年生に背番号配るよ!」

「「!!!」」

「11番、堀井くん」
「は、はい!」

「12番、大之江くん」
「はい!」

「13番、高山くん」
「はい!」

「14番、中川くん」
「はい!」

古賀(堀井は投げる時の相手への印象を考えて一番若い11番、その後は荒シー3人がまとめて入ったか)

「15番、紺野くん」
「はい!!」

「16番、古賀くん」
「はい!!」

「17番、柴原くん」
「はい!」

武石(あれ...)

「18番、片倉くん」
「はい!!」

武石(硬球出身者はまぁそうだろうけど、大間木組よりあと?)

「19番、中崎くん」
「はい!」

武石(え、あと一人?)
井原(これ、マキかオレがベンチ外ってこと?)

「20番、井原くん」
「はい!」

「武石くんはボールパーソンをお願い」
「はい!!」

「ベンチにいるからにはいつ試合にでるかわからない。今回は入部して間もないことから、背番号を決める際硬球経験があることを考慮しました。

夏には硬球にも慣れてるだろうし、今は10番までを2年生が独占しているけど、夏の大会では1年生が一桁に食い込むつもりで頑張ってね!」

「「はい!!!」」

武石(俺へのフォローだとしたら余計ツライ...)

「それから県大の1回戦には、大之江くん」
「はい!」

「高山くん」
「はい!」

「紺野くん」
「はい!」

「堀井くん」
「!はい!」

「この4人はスタメンでだすので」

「「!!!」」

「去年はどの試合も1年生だけだったんだよ。何もおかしくないでしょう?

それに2年生が急に出れなくなったとして、
初めての公式戦に心の準備もなく出場して
いいプレイができるかどうか。

上に行けば行くほど厳しい戦いになるわけだから、経験を積むには1回戦しかないんだよね。わかるかな?」

「「はい!!!」」

「3回を目安に2年生と交代するからね。いいとこみせようとしなくていいから高校野球をよーく味わってちょうだい!」

「「はい!!!」」

「堀井くん」
「はぃい」

「展開によっては一回の途中でも変えるから、安心して?」
「はいいっ」

「じゃあ荷物しまって練習しましょ!バッテリーはブルペン、他はトスね!」

「「はい!!!」」





ブルペンチームにわたしも参加することになった。
タカヤは、変化球やサインを覚えるためにバッテリーを入れ替えると言う。レンは嫌そうにしているけど。

各々サインの確認をして、堀井くんがスライダーの練習をする。

「なかなか動かないもんだねぇ」
の持ち球にスライダーはねぇもんな」

「うーん...それなら、堀井くん、カーブを練習したことあるー?!」

「少しやりましたけど肘が痛くなって辞めました!」

「そう?じゃあひねらないシュートは?」

「体が開いちゃうのが癖になりそうでやめました」

「ストレートを大事にしてるんだね!でも開くのは曲げようとするからでしょ!曲がんなくていいからシュートの握りで投げてみて!」

「それだとストレートと同じになります!」

「うんいいよ!投げてみて!」

クンッ

「ストレート!」

ザっ

クイッ

スパン!

「!」

「曲がったよね?」

「そーだな」

「堀井くん!投げる時どこにグローブ置いてる?」

「ここですね」と、胸の位置にグローブを置く。

「じゃあそれをベルトまで下げてみよ!」

「?はい!」

(と、グローブの、位置!)


ザッ

クンッ

パシィッ

え?

「ええ?」

タカヤも堀井くんもびっくり。

「いいんじゃない?」

「おう...」

「わかると思うけど、ふだん胸に置いとくグローブをベルトまで持っていくために体を開くのが少し早くなったわけ。それでこんだけ回転のかかり方が違ってくるの。

グローブの位置で球種バレるから、タイミング覚えたらグローブの位置は戻してね!」

「そか、はい!」

「あとは落ちる系があればなんとかなるかな?」

「...そーだな。」

「堀井くん、フォークはどう?」
「フォークは握れません」
手が小さいんだな...。

「じゃあシンカーは?これなら持てるでしょ?」
「こんな握りでコントロールできるとは思えません」

ふふ、これは投手向きだなぁ...。

「じゃあチェンジアップにしよう。投げ方はストレートと同じ。握りはなんでもいいんだけど、多いのはわしづかみとか、オッケーボールのこれとか」

「そいじゃ、わしづかみ...?で、こうですか?」

「縫い目に指がかかんないように、手のひらをボールにくっつけて深く掴んだ方が力を込めにくいよ」


「ストレートと同じに投げるんだよ。変化したり遅い球じゃなく」

クンッ

「ストレート!」

ザッ

ググッ

パァンッ

「おー、いいんじゃない?」

「こ、こういうこと、なの?」

「投げる瞬間の実際の手の動きは自分の感覚と結構違うし、人によっても違うから、変化球は自分の体使って試すしかない。
堀井くんはスライダーが全然横変化しないでしょ。あれは腕の振りが元々縦変化向きなんだね。だから落ちる球の習得は早いと思うよ。一旦わたしのシュートとチェンジアップ見せるね。参考にしてみて」

「はい!」

「タカヤ!二球だけ投げるよ!」

「おう!」

「まずはシュートね!」

ビュンッ

パァンッ

「次チェンジアップ!」

ビュンッ

パァンッ

「こんな感じ。堀井くんも慣れたらもっと曲がるし、もっと落ちるよ。がんばろ」

(一ノ瀬さん、スゴすぎる...)
(一ノ瀬さんはコーチ経験もあるのか?)

「1年が不思議がってお前見てるぞ」

「ふふ、かわいいねぇ」

「俺もお前が指導までできるとは思ってもなかったよ。けど考えてみたら、お前も投げられるからそりゃ教えられるよな。でもクセとかコツとか教えられるのもスゲーよ」

「ふふっあれ、コーチ来た」

「こんにちはー」
「ちわ!」
「ちわす!」

「コーチしていただいてる百枝さんだよ」
「モモエ?!」
「カントクのお父さんだよ」

「日があるうちに見せてもらおうか」

「はい!あ、ちょうどさっきなんですけど、
堀井くんにはシュートとチェンジアップを教えました。落ちる系が向いてる投げ方してると思います」

一ノ瀬が教えたのか?よくできたな」

「自分も投げられる球種だったので教えやすく、割とすんなり覚えてくれましたね」

「なるほどな。にしても投手のクセ見て教えるのも簡単じゃないのによくやったな。とりあえず全員見るか、頼むぞー」

「「はい!!!」」

こうしてブルペンでの指導が始まった。
わたしもレンと一緒に急速上げる練習をして、
そのあとはわたしだけ抜けてバッピの練習へ向かった。


教えるってのも、楽しかったなー!
97/99ページ
スキ