Chuchu
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春休み最終日は、制服代わりに着られるズボンを買いに行きました。
「黒?」とユウ
「篠岡のを基準にしよう」
花井くんの言う通りかもしれない。
「てことは、グレーだねー」
「蒼も制服もどき買うのか?」
「うん!わたしもズボンがいいからズボンにするー」
「それってありなわけ?」ユウトに聞かれる。
「最近はスカートでもズボンでもOKな学校多いんだよ」
そうなのかー、と全員が感心する。
「わたし試着してくる!みんな見てね!」
シャーっと試着室のカーテンをしめて、モゾモゾ着替える。
「着替えたー!」
シャーーー
「「!!!」」
そこにはワイシャツの前だけをズボンに入れ、横と後ろはゆるりと着こなした蒼の姿があった。
「やっぱ安モンでもモデルが着ると違うなー」 と、花井くん。
「着こなしが違うよね、蒼は足長いなー」とユウト。
「決めた!これにしよ!みんなも!」
「おー、そうだな、そのグレーにしよー」
こうして全員が蒼とお揃いのズボンを買った。
そのあとは野球用品店を覗いて
うどんを食べた。
「9組に乾杯!」
「1組バンザーイ」
「3組ありがとー」
「サヨウナラー7組ー、ほら阿部も」
「一ノ瀬蒼、今年は2組1人だったから次こそは誰かと一緒になる!!」
チン、とみんなで乾杯した。
そして解散。
タカヤはいつも通り送ってくれる。
「いよいよ組替えだね〜」
「そーだな、お前は1人だったから次こそは誰かと一緒になるといいな」
「本当にそうだよ〜。タカヤと同じクラスになったらいいな〜」
「ま、こればっかりは時の運だよな」
「神様〜ふだんは信じてないけど今回だけはどうにかしてくださーい」
「ふっ、バカみてーなこと言うなよ」
「バカとはなんだ!わたしは本気で神頼みをしている!」
「ま、明日に賭けようぜ」
「うん、タカヤ、よかったら上がってかない?親いるけど」
「あー、久々挨拶すっか」
「ただいまー、タカヤつれてきたー」
「ちわす」
「まー、タカヤくん?久しぶりねー!最近仕事が忙しくてなかなか会えなくてごめんなさいね」
「いえ、今日タイミング良く会えてよかったです」
「ご飯はどうする?家に用意してあるかしら?」
「ちょっと確認してみます」
LINEを送るタカヤ。
「...まだみたいなんで、いただいてもいいでしょうか?」
「もちろんよ〜!今日はすき焼きだから、お肉とお豆腐と、ご飯、たくさん食べていきな〜」
「ありがとうございます!」
「私の部屋にいるから、できたら呼んでー」
「はーい」
というわけで、蒼の部屋で待機することに。
「わたし、タカヤと同じクラスになる予感がする」
「お前はまたそうやって...違ったらショックで寝込みそうだな」
「うう、寝込んじゃうかも。でもせめて、野球部の誰かと一緒がいいな」
枕元に置いてあったノン・ノを見つける。
「え...?」
「あ」
「おま、これ...表紙?!」
「見つかったかー。それ見本誌ね。まだ発売前のやつ。初めて表紙に載るんだー」
「は?これが全国で発売されるわけ?」
「うんそう。明日くらいかな。」
「おま...こんなことになったら、学校中でサイン求められるぞ...」
「うん、だから、クラス入るまでは帽子にサングラスで行こうと思ってる」
「1年、3年の女子も黙ってねーだろ。大丈夫かよ」
「もー載っちゃうもんは仕方ないし、覚悟してるよ」
「お前は本当に...」
すげーヤツなんだな、とタカヤが言うもんだから、「タカヤの彼女はこれからもっと有名になるのよ!」と言ってやった。
「蒼ー、ご飯できたわよー!」
「出来ただって、行こう」
「俺はまだまだ聞きたいこといっぱいあるけどな」
「とりあえず食べよー」
そう言ってタカヤを食卓に招き、野球部に新入生が入った話やわたしが雑誌の表紙になるはなしなどして食事を終えた。
「タカヤ、今日はありがとね」
「お前明日、絶対変装してこいよ」
「わかったわかった、気をつけまーす」
そしてタカヤは帰って行った。
気にしいだなぁ...。
翌朝、新学期当日
スマホをすかさず見る。
「1組はショージとフミキ...2組は...3組...4組...あ!」
急いで学校に行く支度をする。
「ハァ、ハァ、ハァ、おはよー!」
クラスにはタカヤとコースケ、レンがいた!
「おーおはよー蒼、走ってきたんか」
「よー、お前の神頼みが効いたな。つーかマジで帽子とサングラスとマスクで来たんだな」
「変装したよ!でも今日発売だからやばいのは明日かも!このメンバーで同じクラスとかめっちゃ嬉しい!!タカヤの隣座ろ!ここの人に変わってもらお!」
「お前、いきなり不良かよ...」
「先生もそんなに気にしないっしょ!大丈夫大丈夫!レーン!」
奥の席にいるレンに手を振ると、ビクッとしてにへらっとしていた。
「どんな表情なんだろ...」
「今日レンが、タカヤのことタカヤ君っつったんだけどさー、タカヤが全然気づいてねーの」
「なに?!超進歩してるじゃん!レンも成長したね!でもタカヤが気づいてないのはタカヤアホだね?!」
「おい、聞こえてんぞ」
「あはは。タカヤ、コースケ1年間よろしく」
「おー」
「おう、まかせろ」
新クラスの授業も終わって、部活の時間になった。
新入生の女子二人がグラウンドをうろうろしている。
そこに野球部の軍団。思わず避けてしまう。
「結構分かれたよなー」と、花井くん。
「いやでも1人のやついないってすごくね?」とコースケ。
「みんな理系なの?」とユウ。
「5組って理系?」
花井は文系だろ?とショージ。
「5組は混ざってるっぽい」とシンタロー。
(野球部...あ、この向こうが野球部のグラウンドなのか)
「あす!」
「しあす!」
「あす!」
「「あす!!!」」
「「しゃす!!」」
「あ、同じクラスの人だ」
「あー、白い帽子軍団は1年かなー。もう入部してるんだね」
「入学式の前に入ってるの?」
「そうそう、運動部はそういうのあるんだよね。春休みから練習に参加するんだよ」
「え〜なにそれどうやって?」
「どうやんだろうね」
「春休みはずっと寝てたなぁ」
「すごいよねぇ」
「そうだねぇ」
「こんにちは!」
「?!」
「2人とも、野球部に興味あるのかな?!マネジ希望?!」
「いえ...見てただけです」
「そっかー!気になったらいつでも声かけてね!来てくれたら嬉しいな!じゃあね!」
「...すごい綺麗な人だったね」
「マネかな、どこかでみたことある...あ」
「どうした?」
「本屋でみたことある。あの人雑誌に載ってた」
「そうなの?でもあの見た目だと人違いとかなさそうだよね...」
「今日本屋寄ってみよ...!」
そんなこんなで練習中
「1年生!クラスを教えてください」と、ちよちゃん。
「はい!4組大之江!」
「古賀です!」
「5組高山!と」
「堀井です!」
「9組井原と」
「片倉です!」
「2組中川です」
「紺野です!」
「武石です!」
「1組柴原と」
「中崎です!」
「で、マネージャー募集はしたかな?」
「すんません!明日必ず!」
「よろしくね」
「はい!!」
「さて、今日の投内連携だけど、1年生は昨日までと違うポジションに入ってみよう。」
ん?!
「わかってると思うけどうちはチーム事情が厳しいんだよね。1人2つずつはポジションこなしてもらうよ!」
「「はい!!!」」
「武石くん、井原くんは外野の練習も始めよう」
「「はい!!」」
「紺野くんは今日からブルペン入ろうか」
「はっ...」
「捕手と投手両方やるよ」
「い...え...と、えーとぉ?」
「高山くんと大之江くんは捕手と投手それぞれどっちがやりたい?」
「俺は捕手の方が」と、大之江くん。
「俺は投手っすー」と高山くん。
「うん、では、堀井くん合わさって4人で2組バッテリーつくろう」
「あっ、あのう、俺、投手もですか?」
千隼くんがやりたくないオーラをだしながらカントクに聞く。しかしカントクには通用しない。
ギラリ、とした目で「投手経験あるんだよね?」と問い詰める。
「う...」
「練習試合のことを考えたら投手は1学年に3人はほしい。花井くんは投手と捕手を務めつつ、ライトのスタメンでそのうえ主将を務めてくれたの。
あなたが捕手をやりたいのはわかったから
やってくれるよね?」
「ーーーはい...」
嫌々返事をする紺野くん。捕手も欲しいから、カントクは上手に振り分けてくれるだろう。
その後投球連携を1年生は前とは違うポジションでやり、投手候補と捕手候補はブルペン作りをやった。
「レン、堀井、蒼も、投げてみな」
「おう!」
「はい!」
「やったー!新ブルペン!」
連の踏み込み幅の狭さに改めて驚く堀井くん。
グンッ
パシィッ
「感触どうだ?」
「いいよ」
「はい、いいと思います」
「次は蒼」
「はい!」
グッ
ビュンッ
パシンッ
「どうだ?」
「とてもよい」
1年ズ(女性なのに球速いなァ...)
「おし、こっち2人で投げっからあっちで高山投げな」
「はいっ」
「じゃあ高山くんみようかな」
カントクがやってきた。
「堀井、変化球やんぞ」
タカヤが堀井くんの指導にはいる。
「千隼もな」
「どうえあはい?!」
「ああ?」
「はい!」
「レン、教えてやれよ!」
「う、うあい」
「ああ?!」
「はいぃっ」
4人で集まる。タカヤはすごくイライラしている様子。
「あの、堀井の持ち球はスライダーなんすけど、これを磨くか球種を増やすかですよね?」
千隼くんがタカヤに確認する。
「あーそうだな」
「堀井くんとしてはどうなん?」私が聞いてみる。
「俺一応やってんすけど、うまくならなくて...」
「...やってるって」
珍しくレンが口を開いた。
「いうと、投げら......」
「「??」」
「もう1回言って」レンに頑張れ!と気持ちを送る。
「お、やってる、はない。やってない」
「練習量が足りないから投げられない?」
千隼くんがレンの言葉を理解してくれた。ナイス。
「うん、そう」
「.....」
あら、堀井くん黙っちゃった。気に触った?
「レンさんがそういうならそうなんだと思います」
すなお〜
「堀井君は球速い。俺、遅いから変化球...」
んん?と困惑する紺野くん。
「たしかに中学ではストレートでどうにか出来てたから、変化球の練習するより急速磨いた方が意味あると思ってました」
「でも高校じゃ通用しない、先輩、変化球教えてください!」
「変化球...俺...一ノ瀬さん...」
「ああ?どういう意味?」
「わたしも教えられるよってことね」
「あーそういう意味な。」
「一ノ瀬さんも...マネなのにありがとうございます」
「いーよ!わたしとレンで堀井くんを強くしていこう!」
そんなことをしている間に、
新オリにむけでマネジ募集の動画も撮っていた。
が、新オリ後もマネジ志望者がくることはなかった。
新たなマネージャーを待ちつつ、西浦は埼玉春季大会南部地区予選の初戦である2回戦に勝利。
続く3回戦にも勝利し、県大会へと勝ち進んだ。
「黒?」とユウ
「篠岡のを基準にしよう」
花井くんの言う通りかもしれない。
「てことは、グレーだねー」
「蒼も制服もどき買うのか?」
「うん!わたしもズボンがいいからズボンにするー」
「それってありなわけ?」ユウトに聞かれる。
「最近はスカートでもズボンでもOKな学校多いんだよ」
そうなのかー、と全員が感心する。
「わたし試着してくる!みんな見てね!」
シャーっと試着室のカーテンをしめて、モゾモゾ着替える。
「着替えたー!」
シャーーー
「「!!!」」
そこにはワイシャツの前だけをズボンに入れ、横と後ろはゆるりと着こなした蒼の姿があった。
「やっぱ安モンでもモデルが着ると違うなー」 と、花井くん。
「着こなしが違うよね、蒼は足長いなー」とユウト。
「決めた!これにしよ!みんなも!」
「おー、そうだな、そのグレーにしよー」
こうして全員が蒼とお揃いのズボンを買った。
そのあとは野球用品店を覗いて
うどんを食べた。
「9組に乾杯!」
「1組バンザーイ」
「3組ありがとー」
「サヨウナラー7組ー、ほら阿部も」
「一ノ瀬蒼、今年は2組1人だったから次こそは誰かと一緒になる!!」
チン、とみんなで乾杯した。
そして解散。
タカヤはいつも通り送ってくれる。
「いよいよ組替えだね〜」
「そーだな、お前は1人だったから次こそは誰かと一緒になるといいな」
「本当にそうだよ〜。タカヤと同じクラスになったらいいな〜」
「ま、こればっかりは時の運だよな」
「神様〜ふだんは信じてないけど今回だけはどうにかしてくださーい」
「ふっ、バカみてーなこと言うなよ」
「バカとはなんだ!わたしは本気で神頼みをしている!」
「ま、明日に賭けようぜ」
「うん、タカヤ、よかったら上がってかない?親いるけど」
「あー、久々挨拶すっか」
「ただいまー、タカヤつれてきたー」
「ちわす」
「まー、タカヤくん?久しぶりねー!最近仕事が忙しくてなかなか会えなくてごめんなさいね」
「いえ、今日タイミング良く会えてよかったです」
「ご飯はどうする?家に用意してあるかしら?」
「ちょっと確認してみます」
LINEを送るタカヤ。
「...まだみたいなんで、いただいてもいいでしょうか?」
「もちろんよ〜!今日はすき焼きだから、お肉とお豆腐と、ご飯、たくさん食べていきな〜」
「ありがとうございます!」
「私の部屋にいるから、できたら呼んでー」
「はーい」
というわけで、蒼の部屋で待機することに。
「わたし、タカヤと同じクラスになる予感がする」
「お前はまたそうやって...違ったらショックで寝込みそうだな」
「うう、寝込んじゃうかも。でもせめて、野球部の誰かと一緒がいいな」
枕元に置いてあったノン・ノを見つける。
「え...?」
「あ」
「おま、これ...表紙?!」
「見つかったかー。それ見本誌ね。まだ発売前のやつ。初めて表紙に載るんだー」
「は?これが全国で発売されるわけ?」
「うんそう。明日くらいかな。」
「おま...こんなことになったら、学校中でサイン求められるぞ...」
「うん、だから、クラス入るまでは帽子にサングラスで行こうと思ってる」
「1年、3年の女子も黙ってねーだろ。大丈夫かよ」
「もー載っちゃうもんは仕方ないし、覚悟してるよ」
「お前は本当に...」
すげーヤツなんだな、とタカヤが言うもんだから、「タカヤの彼女はこれからもっと有名になるのよ!」と言ってやった。
「蒼ー、ご飯できたわよー!」
「出来ただって、行こう」
「俺はまだまだ聞きたいこといっぱいあるけどな」
「とりあえず食べよー」
そう言ってタカヤを食卓に招き、野球部に新入生が入った話やわたしが雑誌の表紙になるはなしなどして食事を終えた。
「タカヤ、今日はありがとね」
「お前明日、絶対変装してこいよ」
「わかったわかった、気をつけまーす」
そしてタカヤは帰って行った。
気にしいだなぁ...。
翌朝、新学期当日
スマホをすかさず見る。
「1組はショージとフミキ...2組は...3組...4組...あ!」
急いで学校に行く支度をする。
「ハァ、ハァ、ハァ、おはよー!」
クラスにはタカヤとコースケ、レンがいた!
「おーおはよー蒼、走ってきたんか」
「よー、お前の神頼みが効いたな。つーかマジで帽子とサングラスとマスクで来たんだな」
「変装したよ!でも今日発売だからやばいのは明日かも!このメンバーで同じクラスとかめっちゃ嬉しい!!タカヤの隣座ろ!ここの人に変わってもらお!」
「お前、いきなり不良かよ...」
「先生もそんなに気にしないっしょ!大丈夫大丈夫!レーン!」
奥の席にいるレンに手を振ると、ビクッとしてにへらっとしていた。
「どんな表情なんだろ...」
「今日レンが、タカヤのことタカヤ君っつったんだけどさー、タカヤが全然気づいてねーの」
「なに?!超進歩してるじゃん!レンも成長したね!でもタカヤが気づいてないのはタカヤアホだね?!」
「おい、聞こえてんぞ」
「あはは。タカヤ、コースケ1年間よろしく」
「おー」
「おう、まかせろ」
新クラスの授業も終わって、部活の時間になった。
新入生の女子二人がグラウンドをうろうろしている。
そこに野球部の軍団。思わず避けてしまう。
「結構分かれたよなー」と、花井くん。
「いやでも1人のやついないってすごくね?」とコースケ。
「みんな理系なの?」とユウ。
「5組って理系?」
花井は文系だろ?とショージ。
「5組は混ざってるっぽい」とシンタロー。
(野球部...あ、この向こうが野球部のグラウンドなのか)
「あす!」
「しあす!」
「あす!」
「「あす!!!」」
「「しゃす!!」」
「あ、同じクラスの人だ」
「あー、白い帽子軍団は1年かなー。もう入部してるんだね」
「入学式の前に入ってるの?」
「そうそう、運動部はそういうのあるんだよね。春休みから練習に参加するんだよ」
「え〜なにそれどうやって?」
「どうやんだろうね」
「春休みはずっと寝てたなぁ」
「すごいよねぇ」
「そうだねぇ」
「こんにちは!」
「?!」
「2人とも、野球部に興味あるのかな?!マネジ希望?!」
「いえ...見てただけです」
「そっかー!気になったらいつでも声かけてね!来てくれたら嬉しいな!じゃあね!」
「...すごい綺麗な人だったね」
「マネかな、どこかでみたことある...あ」
「どうした?」
「本屋でみたことある。あの人雑誌に載ってた」
「そうなの?でもあの見た目だと人違いとかなさそうだよね...」
「今日本屋寄ってみよ...!」
そんなこんなで練習中
「1年生!クラスを教えてください」と、ちよちゃん。
「はい!4組大之江!」
「古賀です!」
「5組高山!と」
「堀井です!」
「9組井原と」
「片倉です!」
「2組中川です」
「紺野です!」
「武石です!」
「1組柴原と」
「中崎です!」
「で、マネージャー募集はしたかな?」
「すんません!明日必ず!」
「よろしくね」
「はい!!」
「さて、今日の投内連携だけど、1年生は昨日までと違うポジションに入ってみよう。」
ん?!
「わかってると思うけどうちはチーム事情が厳しいんだよね。1人2つずつはポジションこなしてもらうよ!」
「「はい!!!」」
「武石くん、井原くんは外野の練習も始めよう」
「「はい!!」」
「紺野くんは今日からブルペン入ろうか」
「はっ...」
「捕手と投手両方やるよ」
「い...え...と、えーとぉ?」
「高山くんと大之江くんは捕手と投手それぞれどっちがやりたい?」
「俺は捕手の方が」と、大之江くん。
「俺は投手っすー」と高山くん。
「うん、では、堀井くん合わさって4人で2組バッテリーつくろう」
「あっ、あのう、俺、投手もですか?」
千隼くんがやりたくないオーラをだしながらカントクに聞く。しかしカントクには通用しない。
ギラリ、とした目で「投手経験あるんだよね?」と問い詰める。
「う...」
「練習試合のことを考えたら投手は1学年に3人はほしい。花井くんは投手と捕手を務めつつ、ライトのスタメンでそのうえ主将を務めてくれたの。
あなたが捕手をやりたいのはわかったから
やってくれるよね?」
「ーーーはい...」
嫌々返事をする紺野くん。捕手も欲しいから、カントクは上手に振り分けてくれるだろう。
その後投球連携を1年生は前とは違うポジションでやり、投手候補と捕手候補はブルペン作りをやった。
「レン、堀井、蒼も、投げてみな」
「おう!」
「はい!」
「やったー!新ブルペン!」
連の踏み込み幅の狭さに改めて驚く堀井くん。
グンッ
パシィッ
「感触どうだ?」
「いいよ」
「はい、いいと思います」
「次は蒼」
「はい!」
グッ
ビュンッ
パシンッ
「どうだ?」
「とてもよい」
1年ズ(女性なのに球速いなァ...)
「おし、こっち2人で投げっからあっちで高山投げな」
「はいっ」
「じゃあ高山くんみようかな」
カントクがやってきた。
「堀井、変化球やんぞ」
タカヤが堀井くんの指導にはいる。
「千隼もな」
「どうえあはい?!」
「ああ?」
「はい!」
「レン、教えてやれよ!」
「う、うあい」
「ああ?!」
「はいぃっ」
4人で集まる。タカヤはすごくイライラしている様子。
「あの、堀井の持ち球はスライダーなんすけど、これを磨くか球種を増やすかですよね?」
千隼くんがタカヤに確認する。
「あーそうだな」
「堀井くんとしてはどうなん?」私が聞いてみる。
「俺一応やってんすけど、うまくならなくて...」
「...やってるって」
珍しくレンが口を開いた。
「いうと、投げら......」
「「??」」
「もう1回言って」レンに頑張れ!と気持ちを送る。
「お、やってる、はない。やってない」
「練習量が足りないから投げられない?」
千隼くんがレンの言葉を理解してくれた。ナイス。
「うん、そう」
「.....」
あら、堀井くん黙っちゃった。気に触った?
「レンさんがそういうならそうなんだと思います」
すなお〜
「堀井君は球速い。俺、遅いから変化球...」
んん?と困惑する紺野くん。
「たしかに中学ではストレートでどうにか出来てたから、変化球の練習するより急速磨いた方が意味あると思ってました」
「でも高校じゃ通用しない、先輩、変化球教えてください!」
「変化球...俺...一ノ瀬さん...」
「ああ?どういう意味?」
「わたしも教えられるよってことね」
「あーそういう意味な。」
「一ノ瀬さんも...マネなのにありがとうございます」
「いーよ!わたしとレンで堀井くんを強くしていこう!」
そんなことをしている間に、
新オリにむけでマネジ募集の動画も撮っていた。
が、新オリ後もマネジ志望者がくることはなかった。
新たなマネージャーを待ちつつ、西浦は埼玉春季大会南部地区予選の初戦である2回戦に勝利。
続く3回戦にも勝利し、県大会へと勝ち進んだ。