Chuchu
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「次!サード行くよ!」
百枝監督の声が響く。私はマネージャーでもあるから球出しの手伝いをする。
「蒼ちゃん、ここはあとはちよちゃんに任せて、あなたは三橋くんと阿部くんの2人を頼みたいの。」
「2人を...ですか?」
「投球指導はコーチがしてくれるけど、バッテリーとしての訓練ってなかなかできてないからね。蒼ちゃんが今まで教わってきたこと全部、あの子たちにも教えて欲しいの。」
「なるほど...わかりました。では、行ってきます。」
「お願いね!」
球出しをちよちゃんにバトンタッチして、私はタカヤとレンのところへ向かった。
「お前ェ、家で投げてねーだろうな?!」
タカヤの怒鳴り声が聞こえた。
「なっ投げて、ない、です」
体をびくつかせて泣きそうになりながら答えるレン。
2人をみてると、どうしても主導権がタカヤに一方的にあって、レンが置き去りにされてるように思える。こんなんじゃダメだ。バッテリーは対等でないといけない。
パンッと両手を叩いて2人の仲裁に入る。
「はい、2人ともそこまで。」
「蒼?なんでここに?」
「2人をバッテリーとしてさらに磨きをかけるために監督に特訓を頼まれました。」
「とっ、くん?」
頭にハテナをうかべる三橋。
「オレら2人の指導ってことかよ。」
「ま、そうなるね。と、言うわけで早速だけど2人とも、この紙にお互いのいい所を10個書いてください。」
2人に紙を手渡す。
「「お互いのいい所...」」
「2分以内でね」
タカヤもレンもすでに苦悩してるのがわかる。この2人なー。こういうことができてないからバッテリーとしてまだまだなんだよなー。
「はい。じゃあ始めるよ。よーい、スタート」
ストップウォッチをカチッと鳴らし、2人の様子を伺う。2人とも最初のほうはペンが進んでいたけど、途中で止まってしまった。
「はい、2分です。レンはいくつかけた?」
「よ、よっつ...」
「...タカヤは?」
「3つ...」
「はい、これが2人の信頼関係の今の上限です。レンもタカヤもお互いのこと全然知れてない。コミュニケーションが足りて無さすぎる。」
「あのなぁ、オレはオレなりにこいつを理解しようと頑張ってんだぞ」
タカヤが溜息をつきながらジトッとした目でこちらを見る。
「頑張るのは当たり前。タカヤは自己満でやってるように見えるよ。そんなんじゃレンのことを理解するのは無理」
「はぁ?お前はレンと一緒にいたことあるか?どれだけ苦労するか知らねーだろ」
「私?私はレンのクセもレンの匂いもレンの発言も全部受け入れ態勢で話してるよ」
「匂いってお前...」
「一ノ瀬さんがおれの、クセ、とか、におい、とかまで知り尽くしてるってこと...?」
「そうだよ。投球練習の時もずっと見てるし、誰と会話がうまくできてるかもしっかり見てるよ。ユウとなら上手く会話できてるよね。」
「ゆ、ゆうくんは!俺の話、すぐに理解してくれる!」
「タカヤ、そういうことだよ。もっと2人で会話して、仲良くなること。」
「...チッ。わーったよ」
「というわけで、明日から投球練習のあと2人で会話する時間を設けます。」
「はぁ?んなのいるかよ」
「いるよ。じゃなきゃ、いつまでたってもバッテリーとして成長できないよ。2人とも。あ、会話の内容は野球以外ですること。」
「はぁ〜?」
タカヤがそんなの不可能だと文句を垂れる。
「もっとお互いに興味を持って。何が好きで何が嫌いなのか。趣味はあるのか。好きな女性のタイプはなんなのか。」
「最後のいるか?」
「恋愛話に花咲かせるのも、立派なコミュニケーションだよ。」
「おっ、おれっ!阿部くんの好きなタイプわかる!肌が、キレーな、人!」
「おい、余計なこと言うな!」
「そうそう、そういう会話が何気に大事なんだよ。次は三橋くんの好きなタイプ聞いてみようか。」
シュボーッと、赤面するレン。
「こういう話に顔を赤くするんだなとか、気づくのも大事だよ、タカヤ」
「...意味があるのかわかんねぇ」
「あのねぇ!野球は理論だけじゃやってけないの!特にバッテリーはお互いの頭のてっぺんから足先まで知り尽くすこと!そこで初めて信頼関係がうまれるんだから!タカヤひとりのリードで試合最後までいけるなんて驕りも大概にしな!」
今日はタカヤとのぶつかりが多いなぁ。レンは素直だからすぐ聞いてくれるけど。タカヤの方が案外気難しいんだよなあ。
「とにかく毎日10分、野球以外の会話の時間を設けます。2人がもーーーーっと仲良くなるために必要な時間だから、実りのある時間にしてください。」
「わ、わかった!」
「ヘイヘイ」
ほんとにタカヤはわかってるんだろうか。これはレンがタカヤと対等に話せるようにするための特訓だ。タカヤがそれをわかってないと、いくらレンが頑張っても無駄に終わってしまう。
「じゃあまた明日からやるから、そのつもりでよろしくね!」
そう言って私はバッティングの練習に戻って行った。
2人を最高のバッテリーに仕立てるために、やれることは全部やりきっていこう。
タカヤも素直になれるといいんだけど。
ていうか、タカヤの好きなタイプがあるなんて意外だったなぁ〜。
今度もっと深堀してみよう笑
バッテリー育成のために、タカヤのことももっと知らなきゃいけないな。
野球の事しか頭にないみたいだけど。
昼休みにいろいろ聞いてみよ。
こうして一日の練習が終わった。
百枝監督の声が響く。私はマネージャーでもあるから球出しの手伝いをする。
「蒼ちゃん、ここはあとはちよちゃんに任せて、あなたは三橋くんと阿部くんの2人を頼みたいの。」
「2人を...ですか?」
「投球指導はコーチがしてくれるけど、バッテリーとしての訓練ってなかなかできてないからね。蒼ちゃんが今まで教わってきたこと全部、あの子たちにも教えて欲しいの。」
「なるほど...わかりました。では、行ってきます。」
「お願いね!」
球出しをちよちゃんにバトンタッチして、私はタカヤとレンのところへ向かった。
「お前ェ、家で投げてねーだろうな?!」
タカヤの怒鳴り声が聞こえた。
「なっ投げて、ない、です」
体をびくつかせて泣きそうになりながら答えるレン。
2人をみてると、どうしても主導権がタカヤに一方的にあって、レンが置き去りにされてるように思える。こんなんじゃダメだ。バッテリーは対等でないといけない。
パンッと両手を叩いて2人の仲裁に入る。
「はい、2人ともそこまで。」
「蒼?なんでここに?」
「2人をバッテリーとしてさらに磨きをかけるために監督に特訓を頼まれました。」
「とっ、くん?」
頭にハテナをうかべる三橋。
「オレら2人の指導ってことかよ。」
「ま、そうなるね。と、言うわけで早速だけど2人とも、この紙にお互いのいい所を10個書いてください。」
2人に紙を手渡す。
「「お互いのいい所...」」
「2分以内でね」
タカヤもレンもすでに苦悩してるのがわかる。この2人なー。こういうことができてないからバッテリーとしてまだまだなんだよなー。
「はい。じゃあ始めるよ。よーい、スタート」
ストップウォッチをカチッと鳴らし、2人の様子を伺う。2人とも最初のほうはペンが進んでいたけど、途中で止まってしまった。
「はい、2分です。レンはいくつかけた?」
「よ、よっつ...」
「...タカヤは?」
「3つ...」
「はい、これが2人の信頼関係の今の上限です。レンもタカヤもお互いのこと全然知れてない。コミュニケーションが足りて無さすぎる。」
「あのなぁ、オレはオレなりにこいつを理解しようと頑張ってんだぞ」
タカヤが溜息をつきながらジトッとした目でこちらを見る。
「頑張るのは当たり前。タカヤは自己満でやってるように見えるよ。そんなんじゃレンのことを理解するのは無理」
「はぁ?お前はレンと一緒にいたことあるか?どれだけ苦労するか知らねーだろ」
「私?私はレンのクセもレンの匂いもレンの発言も全部受け入れ態勢で話してるよ」
「匂いってお前...」
「一ノ瀬さんがおれの、クセ、とか、におい、とかまで知り尽くしてるってこと...?」
「そうだよ。投球練習の時もずっと見てるし、誰と会話がうまくできてるかもしっかり見てるよ。ユウとなら上手く会話できてるよね。」
「ゆ、ゆうくんは!俺の話、すぐに理解してくれる!」
「タカヤ、そういうことだよ。もっと2人で会話して、仲良くなること。」
「...チッ。わーったよ」
「というわけで、明日から投球練習のあと2人で会話する時間を設けます。」
「はぁ?んなのいるかよ」
「いるよ。じゃなきゃ、いつまでたってもバッテリーとして成長できないよ。2人とも。あ、会話の内容は野球以外ですること。」
「はぁ〜?」
タカヤがそんなの不可能だと文句を垂れる。
「もっとお互いに興味を持って。何が好きで何が嫌いなのか。趣味はあるのか。好きな女性のタイプはなんなのか。」
「最後のいるか?」
「恋愛話に花咲かせるのも、立派なコミュニケーションだよ。」
「おっ、おれっ!阿部くんの好きなタイプわかる!肌が、キレーな、人!」
「おい、余計なこと言うな!」
「そうそう、そういう会話が何気に大事なんだよ。次は三橋くんの好きなタイプ聞いてみようか。」
シュボーッと、赤面するレン。
「こういう話に顔を赤くするんだなとか、気づくのも大事だよ、タカヤ」
「...意味があるのかわかんねぇ」
「あのねぇ!野球は理論だけじゃやってけないの!特にバッテリーはお互いの頭のてっぺんから足先まで知り尽くすこと!そこで初めて信頼関係がうまれるんだから!タカヤひとりのリードで試合最後までいけるなんて驕りも大概にしな!」
今日はタカヤとのぶつかりが多いなぁ。レンは素直だからすぐ聞いてくれるけど。タカヤの方が案外気難しいんだよなあ。
「とにかく毎日10分、野球以外の会話の時間を設けます。2人がもーーーーっと仲良くなるために必要な時間だから、実りのある時間にしてください。」
「わ、わかった!」
「ヘイヘイ」
ほんとにタカヤはわかってるんだろうか。これはレンがタカヤと対等に話せるようにするための特訓だ。タカヤがそれをわかってないと、いくらレンが頑張っても無駄に終わってしまう。
「じゃあまた明日からやるから、そのつもりでよろしくね!」
そう言って私はバッティングの練習に戻って行った。
2人を最高のバッテリーに仕立てるために、やれることは全部やりきっていこう。
タカヤも素直になれるといいんだけど。
ていうか、タカヤの好きなタイプがあるなんて意外だったなぁ〜。
今度もっと深堀してみよう笑
バッテリー育成のために、タカヤのことももっと知らなきゃいけないな。
野球の事しか頭にないみたいだけど。
昼休みにいろいろ聞いてみよ。
こうして一日の練習が終わった。