Chuchu
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
入試期間中、みんなそれぞれ別れて神奈川の強豪校を見に行くわことになった。
わたしはタカヤとレンについて行くことに。
桜雲高校へ向かう。
「はー待たせちゃってごめんね。せっかく早くから来てくれたのに」
「ちわす!」
「ちわす!」
「いえ、大丈夫です!」
桜雲の監督だ。貫禄があってちょっと緊張する。
「5.6限は授業だってよ、えらい建前だよなぁ。野球部員だけのクラス作っといて何言ってんだって感じでしょ」
野球部員だけのクラスがあるんだなぁ...。
今部員のみんなはおやつの時間だと言う。
丼一杯、意外と少ないんですねとタカヤが言うと、練習中に2回オヤツを食べる時間があるとのこと。
「今日のメニュー教えて貰えますか?」
「今日のっつーか毎日同じなんだよね。5〜6限にサーキットとキャッチボールとトスやって、オヤツ食べて、部活中にロングティーとノック。あとは自主練だね...
しかし君たち何でウチ来たの?神奈川で見るならまず久良でしょ。公立なら松ヶ丘」
「その2つも今日見学行ってます」
と、タカヤが返す。
「そうなんだ。じゃあウチなんか見なくていいよ。甲子園も行ったことないし、選手も 落ちこぼればっかだよ」
「お、落ちこぼれ?」
聞き間違いかと思って思わず聞き返してしまった。
「そーだよ。シニアだボーイズだのいい選手は みんな久良か日法秦野に行くもん。
埼玉は知らんけど こっちはチームごとに行く高校がわりと決まってんだよね。高校から大学もそーゆーのあるでしょう。
監督同士の話し合いで選手を振り分けるんだよ。本人の希望も聞くんだろうけど 監督に勧められたら中学生はそうかなって 思っちゃうだろ。
うちに来るのはそーいう流れに引っかかんなかったやつばっかなんだ」
「スカウティングはしないんですか?」と、タカヤ。
監督はしない。とスッパリ答えた。
「来たいやつだけ来れば充分だ。安永!あと頼む!」
「ハイ!」
「選手兼マネージャー。俺より部のこと知ってってから」
「「ありがとうございました!」」
こうして案内は安永さんに変わり、トラッキングシステムや監督についてどう思ってるのかなど話を聞いた。みんな自分たちが落ちこぼれだとわかっていて、それを監督が拾ってひっぱってくれる。だから監督を尊敬してるという。
部長の玉井さんとも対面できた。トラッキングシステムでわたしがスイングスピードを測った上で解説もしてくれた。
その後は3分の1が元野球部で構成されているソフト部にも案内してもらった。
監督もソフト部を見ていた。
ソフト部に移って活躍してる元野球部もいるという。
「うちに来る奴らは、勝負は負けるもんだと思ってる。試合に出ようって気持ちすら薄弱だ」
うーん、でもわたしから見ると...
「でも監督、部員の方々、自分たちを落ちこぼれって言うけど、コトバとカオが一致してない感じでした。」
「ハァ...どういうカオしてた?」
「楽しそう...変な言い方ですけど、辛いのが楽しそう、あー充実してるってカオしてました」
「くっ、ぶはっ。はっはっはっ、はー失礼。なら良かった。
俺はさ、できっこないは思い込みだと思ってるわけ。でも経験則って強いから、いくら言ってもあいつら信じない。」
毎年ガチゴチに固まって入部してくる子達を、どうやってほぐしていくかを考えてばかりいる、と監督は言う。
「ほ、ほ、ほぐすのは、ど、ど、でき...できないんです、オレも、どうしたら...」
レンが珍しく意見をだした。
「あんた、どれくらいの距離泳げる?」
「およ、およ...」
「1キロくらい行けるか?10キロはどうだ?」
「...げま、せん...」
「じゃあ、毎週プール行って練習したらどうだ?1年後でいいよ。どうだ?」
「...げ、ます、かも...」
今度はピアノは弾けるか?と監督。
「毎日練習すれば弾ける...かも」と、タカヤ。
ああ、なるほど。
「毎年そういう、できっこない課題を用意するんですか?」
「そ。危ないことはダメよ。人に迷惑かけるのもダメ。親が心配すんのもダメだ」
「「はい!!!!」」
そのあと、玉井部長にデータ活用法を教えてもらった。
電車での帰り道。レンがみんなと一緒に遊園地に行けなかったのをガッカリしていた。
タカヤは時間も金も労力もムダだろ、とつっぱねた。
レンをフォローしようと思ったが、レンはオレのことは気にしなくていいなんていうもんだから、わたしのこのモヤモヤした気持ちだけが残ってしまった。
「100キロ行軍すっか!」
「え?」
今なんて?
「100キロじゃ普通かな、どっかの高校が強歩でやってた気ィすんし...200キロでどうかな」
「コウグン...強歩って歩くってこと?!200キロとかバカなの?下手すりゃ死人出るレベルだよ!」
「じゃあ150キロか。あ、レンの群馬の家ってどこ?」
「え、と、高崎」
「まさかみんなで歩くって話してるの?!」
タカヤがマップを見て距離を調べる。
「おー80キロ弱だ、ここまで往復しようぜ」
「いろいろ待って!タカヤ、桜雲の監督が言ってた "できっこない課題"を やろうとしてんの??
でもあれは、とても無理に思えるけど 1年がんばればできるようになったってかんじのことで
イキナリ100キロを根性で歩くってのは 趣旨が違くない??」
「そうか?ムリっぽいものも計画立てたり 準備したりすりゃ 乗りこえられるって ハナシだろ?」
「レンの田舎は?なんで?」
「どっか泊まると イベントになんじゃん?でも泊まると 金かかるから土地勘あって顔広そうな人に 寺とか安く泊まれっとこ 紹介してもらえねーかなと」
「ウチ泊まれるよ!広い和室ある...10人大丈夫、電話っ」
「話進むのはやいって!せめて花井くんに確認しよう!」
「蒼頼む。説明むずかしい」
「わたしかっ」
レンが電話して、タカヤが明後日決行すると言う。わたしは急いでグループLINEにそのことを伝えた。
こうして2日後、150キロ行軍を決行することとなった。
わたしはタカヤとレンについて行くことに。
桜雲高校へ向かう。
「はー待たせちゃってごめんね。せっかく早くから来てくれたのに」
「ちわす!」
「ちわす!」
「いえ、大丈夫です!」
桜雲の監督だ。貫禄があってちょっと緊張する。
「5.6限は授業だってよ、えらい建前だよなぁ。野球部員だけのクラス作っといて何言ってんだって感じでしょ」
野球部員だけのクラスがあるんだなぁ...。
今部員のみんなはおやつの時間だと言う。
丼一杯、意外と少ないんですねとタカヤが言うと、練習中に2回オヤツを食べる時間があるとのこと。
「今日のメニュー教えて貰えますか?」
「今日のっつーか毎日同じなんだよね。5〜6限にサーキットとキャッチボールとトスやって、オヤツ食べて、部活中にロングティーとノック。あとは自主練だね...
しかし君たち何でウチ来たの?神奈川で見るならまず久良でしょ。公立なら松ヶ丘」
「その2つも今日見学行ってます」
と、タカヤが返す。
「そうなんだ。じゃあウチなんか見なくていいよ。甲子園も行ったことないし、選手も 落ちこぼればっかだよ」
「お、落ちこぼれ?」
聞き間違いかと思って思わず聞き返してしまった。
「そーだよ。シニアだボーイズだのいい選手は みんな久良か日法秦野に行くもん。
埼玉は知らんけど こっちはチームごとに行く高校がわりと決まってんだよね。高校から大学もそーゆーのあるでしょう。
監督同士の話し合いで選手を振り分けるんだよ。本人の希望も聞くんだろうけど 監督に勧められたら中学生はそうかなって 思っちゃうだろ。
うちに来るのはそーいう流れに引っかかんなかったやつばっかなんだ」
「スカウティングはしないんですか?」と、タカヤ。
監督はしない。とスッパリ答えた。
「来たいやつだけ来れば充分だ。安永!あと頼む!」
「ハイ!」
「選手兼マネージャー。俺より部のこと知ってってから」
「「ありがとうございました!」」
こうして案内は安永さんに変わり、トラッキングシステムや監督についてどう思ってるのかなど話を聞いた。みんな自分たちが落ちこぼれだとわかっていて、それを監督が拾ってひっぱってくれる。だから監督を尊敬してるという。
部長の玉井さんとも対面できた。トラッキングシステムでわたしがスイングスピードを測った上で解説もしてくれた。
その後は3分の1が元野球部で構成されているソフト部にも案内してもらった。
監督もソフト部を見ていた。
ソフト部に移って活躍してる元野球部もいるという。
「うちに来る奴らは、勝負は負けるもんだと思ってる。試合に出ようって気持ちすら薄弱だ」
うーん、でもわたしから見ると...
「でも監督、部員の方々、自分たちを落ちこぼれって言うけど、コトバとカオが一致してない感じでした。」
「ハァ...どういうカオしてた?」
「楽しそう...変な言い方ですけど、辛いのが楽しそう、あー充実してるってカオしてました」
「くっ、ぶはっ。はっはっはっ、はー失礼。なら良かった。
俺はさ、できっこないは思い込みだと思ってるわけ。でも経験則って強いから、いくら言ってもあいつら信じない。」
毎年ガチゴチに固まって入部してくる子達を、どうやってほぐしていくかを考えてばかりいる、と監督は言う。
「ほ、ほ、ほぐすのは、ど、ど、でき...できないんです、オレも、どうしたら...」
レンが珍しく意見をだした。
「あんた、どれくらいの距離泳げる?」
「およ、およ...」
「1キロくらい行けるか?10キロはどうだ?」
「...げま、せん...」
「じゃあ、毎週プール行って練習したらどうだ?1年後でいいよ。どうだ?」
「...げ、ます、かも...」
今度はピアノは弾けるか?と監督。
「毎日練習すれば弾ける...かも」と、タカヤ。
ああ、なるほど。
「毎年そういう、できっこない課題を用意するんですか?」
「そ。危ないことはダメよ。人に迷惑かけるのもダメ。親が心配すんのもダメだ」
「「はい!!!!」」
そのあと、玉井部長にデータ活用法を教えてもらった。
電車での帰り道。レンがみんなと一緒に遊園地に行けなかったのをガッカリしていた。
タカヤは時間も金も労力もムダだろ、とつっぱねた。
レンをフォローしようと思ったが、レンはオレのことは気にしなくていいなんていうもんだから、わたしのこのモヤモヤした気持ちだけが残ってしまった。
「100キロ行軍すっか!」
「え?」
今なんて?
「100キロじゃ普通かな、どっかの高校が強歩でやってた気ィすんし...200キロでどうかな」
「コウグン...強歩って歩くってこと?!200キロとかバカなの?下手すりゃ死人出るレベルだよ!」
「じゃあ150キロか。あ、レンの群馬の家ってどこ?」
「え、と、高崎」
「まさかみんなで歩くって話してるの?!」
タカヤがマップを見て距離を調べる。
「おー80キロ弱だ、ここまで往復しようぜ」
「いろいろ待って!タカヤ、桜雲の監督が言ってた "できっこない課題"を やろうとしてんの??
でもあれは、とても無理に思えるけど 1年がんばればできるようになったってかんじのことで
イキナリ100キロを根性で歩くってのは 趣旨が違くない??」
「そうか?ムリっぽいものも計画立てたり 準備したりすりゃ 乗りこえられるって ハナシだろ?」
「レンの田舎は?なんで?」
「どっか泊まると イベントになんじゃん?でも泊まると 金かかるから土地勘あって顔広そうな人に 寺とか安く泊まれっとこ 紹介してもらえねーかなと」
「ウチ泊まれるよ!広い和室ある...10人大丈夫、電話っ」
「話進むのはやいって!せめて花井くんに確認しよう!」
「蒼頼む。説明むずかしい」
「わたしかっ」
レンが電話して、タカヤが明後日決行すると言う。わたしは急いでグループLINEにそのことを伝えた。
こうして2日後、150キロ行軍を決行することとなった。