Chuchu
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今日はミーティングのみだから、蒼の練習に付き合うことになっている。
帰り道、野球道具が売ってるショップに寄りたいといい、すぐ戻るからと言うので店の前で待っていた。
「お待たせ!」
「何買ったんだ?」
「新しいグローブ!」
今使ってるやつが壊れたのだろうか。
まぁ、今日の自主練で新しいグローブをならすのにちょうどいいだろう。
「家ついたね!荷物は縁側に置いて早速練習しよう!」
やる気満々の蒼。
「フォーム改造はコーチに頼むとして、スクリューからだな。とりあえず投げてみるか?」
「うん!イメトレはしてきた!」
「じゃあ投げてみっか。一球!」
人差し指と中指と親指をボールの縫い目にかけて握る。
意識するポイントは投げる手の甲を顔に向けること。
中指を空に向けること。
ビュンッ
パァン!
「...落ちたな」
「落ちたね...」
「コントロールはどうだ?もう一球!」
タカヤのミット目掛けてボールを投げる。
パァン!
「なんだ、投げれるじゃねーか。練習いらねぇな」
「思ったよりしっくりくる!落ちる系向いてるのかも!」
「サウスポーのスクリューは使えるからな。取得して損はねぇ」
「あのね!他にもみてほしいの!」
ちょっと待ってて!と言って、今日買ったグローブをならし始めた。
「タカヤ、構えて」
「?!」
左手でグローブを持ってる?!
「お前、まさか」
「コントロールは自信ないけどっ!」
右手なげ?!
ビュンッ
落ちんのかよ!
パシン!
「...やった!落ちた!」
今の、フォークだよ!と、大きな声で言われなくとも、受けてりゃわかる。
「お前、右投げなんてやってこなかっただろ...」
一体いつから練習してたんだ?
「わたし、お箸は右手で使うから右投げもできないかなと思って。昨日3時間くらい練習してた」
は?たった3時間でこれだけの球威とコントロールを?
「右だと何分割できるんだよ...」
「まだ内外しか無理。高低はちょっと、自信ない」
高校球児なら内外投げられるだけでも充分だろ。
「あと、シンカーも練習したよ!」
投げるねーというので、ミットを構える。
パァン!
「曲がったし、落ちたな...」
「とりあえずレンがもってない球種を練習したんだー!みんなの練習になるでしょ!」
とりあえずでできるもんじゃねーんだよ。普通のやつならな。でもこいつは普通じゃない。
ユウイチローと同じ土俵に立てるスーパースターだ。
「つーか、3時間も投げる練習してたっつーのは聞き捨てならねぇぞ!」
「いやー、集中してたらいつのまにかそれくらい経っちゃってた!」
あははと、軽く流すけどこいつはまたオレたちの為にと思って身を削って練習して...
やべ、泣きそうになってきた。
「スクリューもそうだけど、わたしには落ちる球が向いてるみたいだね!」
あーそうだよ、その通りだよ。
お前はなんてことない素振りをみせるけど、
球受ける側としたらこんなに嬉しいことはねぇよ。
「買ったグローブってもしかして...」
「両利き用だよ!」
ここに、両手投げのピッチャーが誕生した。
しかし、甲子園にはでられない。女だから。
だから余計に、こいつの努力を無駄にしたくないと思った。
翌日、カントクとコーチに両手投げの蒼を見てもらった。
「蒼ちゃん...スクリュー覚えただけでもびっくりなのに、右手投げまで...?何から何まで頼もしすぎる...!」
「球種はどうなんだ?」
「左はストレート、シュート、チェンジアップ、ツーシーム、スクリュー、右はフォークとシンカーです。練習になると思って、レン...三橋くんがもってない球種を覚えました。あ、手変えたら球種バレるのでストレートとチェンジアップは両手投げにします。ほかにもゆくゆくは」
「こりゃまた、とんでもない逸材がでてきたなぁ。女子野球界が騒ぐのも時間の問題だな」
「コーチ、わたしも球速あげたいのでフォーム改造したいです!」
「話は聞いてるよ。女子野球の中じゃ、充分速い方だと思うけどなぁ」
「130km投げたいです!海外には137kmだせる女子野球選手がいるんです!」
「熱いねぇ。いいと思う。130km、目指していこう。もちろん両利きでやるよな?」
「はい!筋トレも右手意識してやります!」
じゃ、まずは脚を開いて、ぐぐーっと。
ぐぐーっ
「柔らかいな。じゃ、そのまま膝ついて上半身でボール投げてみて」
ビュンッ
「おお、初めてにしては全然荒れてないね。」
「これをしばらく続けること。あとは筋トレでしっかり下半身を鍛えること」
「はい!ありがとうございます!」
「野球やるために生まれてきたような子が女子ってのは、野球の神様もなかなか厳しいことしてくれるねぇ」
「オレも同じこと思いました。蒼が男だったら、間違いなくプロになれてたと思います」
「ま、女性に生まれたからには仕方がない。カントクも、練習に混ぜたりしてるんだろ?」
「はい。実戦形式で、ピッチャー任されたりしてます」
「ほぉーん。それにしても、両利きの投手、面白くなりそうだな」
「蒼の努力を無駄にしたくないんです。ご指導よろしくお願いします」
「両利き投手をみるのは初めてだからなぁ、ま、やれるとこまで全力でやるよ」
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
フォーム改造はコーチに任せることにした。
レンも蒼もこれからどんどん伸びていくだろう。
オレらも頑張るしかない。
2人の可能性を、オレらで潰さないようにしないと。
帰り道、野球道具が売ってるショップに寄りたいといい、すぐ戻るからと言うので店の前で待っていた。
「お待たせ!」
「何買ったんだ?」
「新しいグローブ!」
今使ってるやつが壊れたのだろうか。
まぁ、今日の自主練で新しいグローブをならすのにちょうどいいだろう。
「家ついたね!荷物は縁側に置いて早速練習しよう!」
やる気満々の蒼。
「フォーム改造はコーチに頼むとして、スクリューからだな。とりあえず投げてみるか?」
「うん!イメトレはしてきた!」
「じゃあ投げてみっか。一球!」
人差し指と中指と親指をボールの縫い目にかけて握る。
意識するポイントは投げる手の甲を顔に向けること。
中指を空に向けること。
ビュンッ
パァン!
「...落ちたな」
「落ちたね...」
「コントロールはどうだ?もう一球!」
タカヤのミット目掛けてボールを投げる。
パァン!
「なんだ、投げれるじゃねーか。練習いらねぇな」
「思ったよりしっくりくる!落ちる系向いてるのかも!」
「サウスポーのスクリューは使えるからな。取得して損はねぇ」
「あのね!他にもみてほしいの!」
ちょっと待ってて!と言って、今日買ったグローブをならし始めた。
「タカヤ、構えて」
「?!」
左手でグローブを持ってる?!
「お前、まさか」
「コントロールは自信ないけどっ!」
右手なげ?!
ビュンッ
落ちんのかよ!
パシン!
「...やった!落ちた!」
今の、フォークだよ!と、大きな声で言われなくとも、受けてりゃわかる。
「お前、右投げなんてやってこなかっただろ...」
一体いつから練習してたんだ?
「わたし、お箸は右手で使うから右投げもできないかなと思って。昨日3時間くらい練習してた」
は?たった3時間でこれだけの球威とコントロールを?
「右だと何分割できるんだよ...」
「まだ内外しか無理。高低はちょっと、自信ない」
高校球児なら内外投げられるだけでも充分だろ。
「あと、シンカーも練習したよ!」
投げるねーというので、ミットを構える。
パァン!
「曲がったし、落ちたな...」
「とりあえずレンがもってない球種を練習したんだー!みんなの練習になるでしょ!」
とりあえずでできるもんじゃねーんだよ。普通のやつならな。でもこいつは普通じゃない。
ユウイチローと同じ土俵に立てるスーパースターだ。
「つーか、3時間も投げる練習してたっつーのは聞き捨てならねぇぞ!」
「いやー、集中してたらいつのまにかそれくらい経っちゃってた!」
あははと、軽く流すけどこいつはまたオレたちの為にと思って身を削って練習して...
やべ、泣きそうになってきた。
「スクリューもそうだけど、わたしには落ちる球が向いてるみたいだね!」
あーそうだよ、その通りだよ。
お前はなんてことない素振りをみせるけど、
球受ける側としたらこんなに嬉しいことはねぇよ。
「買ったグローブってもしかして...」
「両利き用だよ!」
ここに、両手投げのピッチャーが誕生した。
しかし、甲子園にはでられない。女だから。
だから余計に、こいつの努力を無駄にしたくないと思った。
翌日、カントクとコーチに両手投げの蒼を見てもらった。
「蒼ちゃん...スクリュー覚えただけでもびっくりなのに、右手投げまで...?何から何まで頼もしすぎる...!」
「球種はどうなんだ?」
「左はストレート、シュート、チェンジアップ、ツーシーム、スクリュー、右はフォークとシンカーです。練習になると思って、レン...三橋くんがもってない球種を覚えました。あ、手変えたら球種バレるのでストレートとチェンジアップは両手投げにします。ほかにもゆくゆくは」
「こりゃまた、とんでもない逸材がでてきたなぁ。女子野球界が騒ぐのも時間の問題だな」
「コーチ、わたしも球速あげたいのでフォーム改造したいです!」
「話は聞いてるよ。女子野球の中じゃ、充分速い方だと思うけどなぁ」
「130km投げたいです!海外には137kmだせる女子野球選手がいるんです!」
「熱いねぇ。いいと思う。130km、目指していこう。もちろん両利きでやるよな?」
「はい!筋トレも右手意識してやります!」
じゃ、まずは脚を開いて、ぐぐーっと。
ぐぐーっ
「柔らかいな。じゃ、そのまま膝ついて上半身でボール投げてみて」
ビュンッ
「おお、初めてにしては全然荒れてないね。」
「これをしばらく続けること。あとは筋トレでしっかり下半身を鍛えること」
「はい!ありがとうございます!」
「野球やるために生まれてきたような子が女子ってのは、野球の神様もなかなか厳しいことしてくれるねぇ」
「オレも同じこと思いました。蒼が男だったら、間違いなくプロになれてたと思います」
「ま、女性に生まれたからには仕方がない。カントクも、練習に混ぜたりしてるんだろ?」
「はい。実戦形式で、ピッチャー任されたりしてます」
「ほぉーん。それにしても、両利きの投手、面白くなりそうだな」
「蒼の努力を無駄にしたくないんです。ご指導よろしくお願いします」
「両利き投手をみるのは初めてだからなぁ、ま、やれるとこまで全力でやるよ」
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
フォーム改造はコーチに任せることにした。
レンも蒼もこれからどんどん伸びていくだろう。
オレらも頑張るしかない。
2人の可能性を、オレらで潰さないようにしないと。