Chuchu
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越智先輩の事務所からOKのサインが出たので2人でわたしの事務所兼撮影所に来た。
「相澤さん!今日一緒に撮影する越智先輩です!」
「スタイリストの相澤です。すごい美人連れてきたわね〜。メイクのしがいがあるわね。任せなさーい!」
「越智です。よろしくお願いします!」
「相澤さんの腕はたしかなので、めっちゃ可愛いくなれますよ!」
「はは。素材が良すぎて挑戦してるようなものよ」
確かに、アルビノの蒼のメイクは相当難しいかもしれない。この人の腕前は確かなんだろう。
「じゃあまずは越智さんからね。今日はダークトーンの服着るから、ていうか、ブラックなんだけど。口紅は落ち着いた発色がいいわね。」
化粧が始まって30分、鏡を見るといつもと違う自分がそこにいた。
「これ、濃すぎませんか?」
「カメラの光で薄まるから大丈夫よ〜」
こんなメイクをしたのは初めてだ。
蒼はどんなメイクをしているのだろう。
「蒼はファンデがいらないから楽ねー。下地だけで仕上がるんだから。というか、合うファンデがないんだけど」
合うファンデがない?!外資系でもないのかな?
それにしても髪も肌もまつ毛も真っ白で、瞳が青くて、日本人のわたしにコラボなんて務まるの??
「じゃあ、用意してー。バシャバシャ撮っていくよ」
2人で1秒ずつポーズを変えながら撮影が始まった。ちょっとちょっと、うちの事務所よりハードなんだけど...
パシャパシャ
「蒼ちゃん、もっと冷めきった顔してー」
冷めきった顔?!そんなの求められるの?
「越智さんも、もっとダークになっていいんだよ」
これはモデル生命に関わる仕事だ。やるしかない。
「はい、この衣装ではこれで終わり。次の衣装に着替えてー」
スケジュールもパンパンだ。こんなことをやりのける蒼の執念がすごい。
「次の衣装は柔らかい感じでいいから、素だしていいよ」
「じゃあ、越智先輩恋バナしましょう!」
「恋バナ?!現場でそんなことするの?!」
「わたしには阿部隆也っていう捕手の彼氏がいるんですけど、かっこいいんですよー!」
バシャバシャ
冷たい目線を向けていた蒼がさっきとは大違いになった。
キラキラした瞳。相手を引きつける容姿と性格。撮影によって人格がかわったかのよう。
間違いなく、モデルとしては逸材だ。
バシャバシャ
「恋かぁ...今の所予定は無いかなぁ」
「越智先輩美人なのに?!告白とかされないんですか?」
「まーたまにされるくらいだよ。蒼の方がモテるでしょ」
「わたしは彫刻だとか、マリア像とか言われるようになって減りましたよ!」
「ぷっ...マリア像、ぴったりじゃん」
「わたしにとっては悲しきことです!もっとみんなと普通にしていたいのに!」
バシャバシャ
「よし!2人ともソファに掛けて脚を組んで偉そうにして!」
「ふっ...何その指示...」
言われたとおり、2人で冷たい視線をカメラに向けてパシャっと撮られた。
「おー、これいいね。次の掲載これでいこう」
そう言って、ふたりの撮影を無事終えた。
「越智先輩、このあとご飯でもどうですか?」
ニコニコする一ノ瀬蒼。すっかりオフモードか。でも現場では本当に別人だった。本能でモデルをやってるような、モデルをやるために生まれてきた「ホンモノ」だ。
私とは全然違う。ついていくので精一杯だった。
「近くにファミレスあるんでそこに行きませんか?」
「いいよ。洗いざらい話してもらいたいし」
「えっ?洗いざらい??」
「仕事のこととか、彼氏のこととか!」
「なるほど!いくらでも話しますよ!」
こうして2人でファミレスにきた。
「わたしはチキンステーキ単品で!」
「わたしも同じのでいいわ」
「じゃ、店員さん呼びますねー」
店員にチキンステーキ2つ、と頼んで本題に入る。
「今日撮影してて、一ノ瀬蒼の本性が一度も見えなかったわ。あれはわざとなの?」
少しでもモデルとしてのヒントをつかむため、厳しいところからつついていく。
「撮影してるときってわたし、基本無になるんですよねー」
雑念を排除してます、と蒼はいう。
「それだけであんな別人格になれるものなの?」
「うーん、5歳からやってますからねー。あとは感覚になっちゃいますね」
5歳からやってればわたしも違ったのかしら...?
「一ノ瀬蒼にできて、わたしにできないことは経験値の差かしら」
「え?先輩できてたと思いますけど。スムーズに進んだし」
「蒼とわたしじゃ空気感が全然違ったわ」
「空気感?」
「わたしは撮影に飲み込まれそうになった。ギリギリ耐えられたけど、でも蒼は堂々としていた」
「うーん。難しいですけど、やっぱり小さい頃からやってるから場馴れしてるのはあると思います」
「くぅー、わたしも子供の頃からやってたら変わってたのかなー」
「でも今日の私たち、息ピッタリだったと思いますよ。2人で合わせるのってけっこう難しいんで」
「そういえば男とふたりで写ってるのもあったわね。彼氏、嫉妬しない?」
「嫉妬...してたとしても顔に出さないですね」
「ふーん。ポーカーフェイスくんなんだ」
「ありがたいことに、理解してくれます」
彼女がモデルやってて、男とくっついてる写真見ても嫉妬しないなんて、ちゃんと割り切れて考えるタイプの彼氏なのね。
「今度彼氏紹介してよ」
蒼に見合う男なのか見定めてやる。
「え、いいですよ!」
今度昼休み連れてきますね〜と言ったところで、注文した品が届いた。
「すごい、最近は機械がもってくるんですね」
「時代が進んだなって思うわよね〜」
「このボタンを押したら帰ってくれるんですね」
料理を受け取ってポチっとおしたら帰って行った。
「...その見た目でモデルやらないってほうがおかしいわよね」
「ゴホッ」
蒼がむせながら急いで水を飲む。
「ケホッ。どうしたんですか、急に」
「蒼はこれからモデルとしてもっと有名になるんだろうなって話よ」
「そうですね、大学卒業したらモデルに専念したいとは思ってます」
「あなたはモデルになるべくしてなった、特別な存在なのよ。その見た目を充分に活かすならモデル以外選択肢がないわね」
「特別な存在って...大袈裟ですよ〜」
「冗談じゃなくて、本当にそう思うわ。今日一緒に撮影してて、わたしになくて蒼にあるものってなんだろうって思ったけど、結局見た目のレベルと経験の差なのよね」
「越智先輩だってキレイじゃないですか」
「あなたはキレイの次元が違うのよ。彫刻とかマリア像とか言われてるんでしょ?次元を超えた美人なのよ」
そそそ、そんなこと言われると照れます...と蒼は顔を真っ赤にして熱くなった顔を自分の手で仰いでいた。
こっちが素の蒼...?照れ屋で天然?
どちらにせよ、撮影時とのオンオフの切り替えがしっかりできてるのがすごい。メンタルが安定してないとできないことだ。
「蒼はメントレとかしてるの?」
「あー、最近は野球部の瞑想に参加させてもらってます」
「野球部?なんで?」
「あれ、聞いてませんか?わたし野球部のマネジやってるんですよ」
「そうなの?!え、日のもとにいると肌焼けない?!大丈夫なの?!」
「わたしは体質上焼けないタイプなので...あと西浦に編入するまでは元野球部だったので練習に混ざったりしてます」
「...期末の順位どうだった?」
「えっと...1位でした」
すると、なに、この子は、勉強もできて、野球できて、マネジもやって、モデルまでやってるってこと?!
「爆発しないの?!」
「爆発?ははっ、スケジュール上手く組んでるんで大丈夫ですよ」
「わたしもダンス部とモデルやってるけど、勉強なんてやりたくないし、平均超えてればいいなってくらいで...蒼は一日のスケジュールがみっちりあるのね」
「まぁ、そうですね。毎日充実していいですよ」
やっぱりただ目立つ子なわけじゃない、彼女は努力の天才だ。
「あ、そろそろ出ますか。わたし、野球部の仕事に戻るので」
「本当に努力家ね...」
「何か言いましたか?」
「ううん。なんでもないわ」
最初は見た目のおかげだろうと嫉妬こそしたものの、一緒に撮影して嫉妬してる場合じゃないことがわかった。
この子は常に努力してるんだ。毎日、毎秒、無駄にせず。感化された。わたしも彼女のようなモデルになりたい。勉強も頑張ろう。
「越智先輩もダンス部行くんですか?」
「そうね。学校まで一緒に帰りましょ」
「はい!今日は越智先輩と撮影できて本当に楽しかったです!また一緒に撮れるの楽しみにしてます!」
「わたしも勉強になった。ありがとう。ところで彼氏くんとはどうやって仲良くなったの?」
「えーっ、それはですねぇ...」
学校に着くまで越智先輩とたくさん話した。
かなり仲良くなれた気がする。
先輩の知り合いができるのは初めてだ。
初めてが越智先輩みたいな優しい先輩でよかった。雑誌に載るの楽しみだな!
「相澤さん!今日一緒に撮影する越智先輩です!」
「スタイリストの相澤です。すごい美人連れてきたわね〜。メイクのしがいがあるわね。任せなさーい!」
「越智です。よろしくお願いします!」
「相澤さんの腕はたしかなので、めっちゃ可愛いくなれますよ!」
「はは。素材が良すぎて挑戦してるようなものよ」
確かに、アルビノの蒼のメイクは相当難しいかもしれない。この人の腕前は確かなんだろう。
「じゃあまずは越智さんからね。今日はダークトーンの服着るから、ていうか、ブラックなんだけど。口紅は落ち着いた発色がいいわね。」
化粧が始まって30分、鏡を見るといつもと違う自分がそこにいた。
「これ、濃すぎませんか?」
「カメラの光で薄まるから大丈夫よ〜」
こんなメイクをしたのは初めてだ。
蒼はどんなメイクをしているのだろう。
「蒼はファンデがいらないから楽ねー。下地だけで仕上がるんだから。というか、合うファンデがないんだけど」
合うファンデがない?!外資系でもないのかな?
それにしても髪も肌もまつ毛も真っ白で、瞳が青くて、日本人のわたしにコラボなんて務まるの??
「じゃあ、用意してー。バシャバシャ撮っていくよ」
2人で1秒ずつポーズを変えながら撮影が始まった。ちょっとちょっと、うちの事務所よりハードなんだけど...
パシャパシャ
「蒼ちゃん、もっと冷めきった顔してー」
冷めきった顔?!そんなの求められるの?
「越智さんも、もっとダークになっていいんだよ」
これはモデル生命に関わる仕事だ。やるしかない。
「はい、この衣装ではこれで終わり。次の衣装に着替えてー」
スケジュールもパンパンだ。こんなことをやりのける蒼の執念がすごい。
「次の衣装は柔らかい感じでいいから、素だしていいよ」
「じゃあ、越智先輩恋バナしましょう!」
「恋バナ?!現場でそんなことするの?!」
「わたしには阿部隆也っていう捕手の彼氏がいるんですけど、かっこいいんですよー!」
バシャバシャ
冷たい目線を向けていた蒼がさっきとは大違いになった。
キラキラした瞳。相手を引きつける容姿と性格。撮影によって人格がかわったかのよう。
間違いなく、モデルとしては逸材だ。
バシャバシャ
「恋かぁ...今の所予定は無いかなぁ」
「越智先輩美人なのに?!告白とかされないんですか?」
「まーたまにされるくらいだよ。蒼の方がモテるでしょ」
「わたしは彫刻だとか、マリア像とか言われるようになって減りましたよ!」
「ぷっ...マリア像、ぴったりじゃん」
「わたしにとっては悲しきことです!もっとみんなと普通にしていたいのに!」
バシャバシャ
「よし!2人ともソファに掛けて脚を組んで偉そうにして!」
「ふっ...何その指示...」
言われたとおり、2人で冷たい視線をカメラに向けてパシャっと撮られた。
「おー、これいいね。次の掲載これでいこう」
そう言って、ふたりの撮影を無事終えた。
「越智先輩、このあとご飯でもどうですか?」
ニコニコする一ノ瀬蒼。すっかりオフモードか。でも現場では本当に別人だった。本能でモデルをやってるような、モデルをやるために生まれてきた「ホンモノ」だ。
私とは全然違う。ついていくので精一杯だった。
「近くにファミレスあるんでそこに行きませんか?」
「いいよ。洗いざらい話してもらいたいし」
「えっ?洗いざらい??」
「仕事のこととか、彼氏のこととか!」
「なるほど!いくらでも話しますよ!」
こうして2人でファミレスにきた。
「わたしはチキンステーキ単品で!」
「わたしも同じのでいいわ」
「じゃ、店員さん呼びますねー」
店員にチキンステーキ2つ、と頼んで本題に入る。
「今日撮影してて、一ノ瀬蒼の本性が一度も見えなかったわ。あれはわざとなの?」
少しでもモデルとしてのヒントをつかむため、厳しいところからつついていく。
「撮影してるときってわたし、基本無になるんですよねー」
雑念を排除してます、と蒼はいう。
「それだけであんな別人格になれるものなの?」
「うーん、5歳からやってますからねー。あとは感覚になっちゃいますね」
5歳からやってればわたしも違ったのかしら...?
「一ノ瀬蒼にできて、わたしにできないことは経験値の差かしら」
「え?先輩できてたと思いますけど。スムーズに進んだし」
「蒼とわたしじゃ空気感が全然違ったわ」
「空気感?」
「わたしは撮影に飲み込まれそうになった。ギリギリ耐えられたけど、でも蒼は堂々としていた」
「うーん。難しいですけど、やっぱり小さい頃からやってるから場馴れしてるのはあると思います」
「くぅー、わたしも子供の頃からやってたら変わってたのかなー」
「でも今日の私たち、息ピッタリだったと思いますよ。2人で合わせるのってけっこう難しいんで」
「そういえば男とふたりで写ってるのもあったわね。彼氏、嫉妬しない?」
「嫉妬...してたとしても顔に出さないですね」
「ふーん。ポーカーフェイスくんなんだ」
「ありがたいことに、理解してくれます」
彼女がモデルやってて、男とくっついてる写真見ても嫉妬しないなんて、ちゃんと割り切れて考えるタイプの彼氏なのね。
「今度彼氏紹介してよ」
蒼に見合う男なのか見定めてやる。
「え、いいですよ!」
今度昼休み連れてきますね〜と言ったところで、注文した品が届いた。
「すごい、最近は機械がもってくるんですね」
「時代が進んだなって思うわよね〜」
「このボタンを押したら帰ってくれるんですね」
料理を受け取ってポチっとおしたら帰って行った。
「...その見た目でモデルやらないってほうがおかしいわよね」
「ゴホッ」
蒼がむせながら急いで水を飲む。
「ケホッ。どうしたんですか、急に」
「蒼はこれからモデルとしてもっと有名になるんだろうなって話よ」
「そうですね、大学卒業したらモデルに専念したいとは思ってます」
「あなたはモデルになるべくしてなった、特別な存在なのよ。その見た目を充分に活かすならモデル以外選択肢がないわね」
「特別な存在って...大袈裟ですよ〜」
「冗談じゃなくて、本当にそう思うわ。今日一緒に撮影してて、わたしになくて蒼にあるものってなんだろうって思ったけど、結局見た目のレベルと経験の差なのよね」
「越智先輩だってキレイじゃないですか」
「あなたはキレイの次元が違うのよ。彫刻とかマリア像とか言われてるんでしょ?次元を超えた美人なのよ」
そそそ、そんなこと言われると照れます...と蒼は顔を真っ赤にして熱くなった顔を自分の手で仰いでいた。
こっちが素の蒼...?照れ屋で天然?
どちらにせよ、撮影時とのオンオフの切り替えがしっかりできてるのがすごい。メンタルが安定してないとできないことだ。
「蒼はメントレとかしてるの?」
「あー、最近は野球部の瞑想に参加させてもらってます」
「野球部?なんで?」
「あれ、聞いてませんか?わたし野球部のマネジやってるんですよ」
「そうなの?!え、日のもとにいると肌焼けない?!大丈夫なの?!」
「わたしは体質上焼けないタイプなので...あと西浦に編入するまでは元野球部だったので練習に混ざったりしてます」
「...期末の順位どうだった?」
「えっと...1位でした」
すると、なに、この子は、勉強もできて、野球できて、マネジもやって、モデルまでやってるってこと?!
「爆発しないの?!」
「爆発?ははっ、スケジュール上手く組んでるんで大丈夫ですよ」
「わたしもダンス部とモデルやってるけど、勉強なんてやりたくないし、平均超えてればいいなってくらいで...蒼は一日のスケジュールがみっちりあるのね」
「まぁ、そうですね。毎日充実していいですよ」
やっぱりただ目立つ子なわけじゃない、彼女は努力の天才だ。
「あ、そろそろ出ますか。わたし、野球部の仕事に戻るので」
「本当に努力家ね...」
「何か言いましたか?」
「ううん。なんでもないわ」
最初は見た目のおかげだろうと嫉妬こそしたものの、一緒に撮影して嫉妬してる場合じゃないことがわかった。
この子は常に努力してるんだ。毎日、毎秒、無駄にせず。感化された。わたしも彼女のようなモデルになりたい。勉強も頑張ろう。
「越智先輩もダンス部行くんですか?」
「そうね。学校まで一緒に帰りましょ」
「はい!今日は越智先輩と撮影できて本当に楽しかったです!また一緒に撮れるの楽しみにしてます!」
「わたしも勉強になった。ありがとう。ところで彼氏くんとはどうやって仲良くなったの?」
「えーっ、それはですねぇ...」
学校に着くまで越智先輩とたくさん話した。
かなり仲良くなれた気がする。
先輩の知り合いができるのは初めてだ。
初めてが越智先輩みたいな優しい先輩でよかった。雑誌に載るの楽しみだな!