Chuchu
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廊下を歩いていると、窓から中庭を覗くタカヤがいた。
「なにやってんだ、タカヤ」
「花井...見たらわかる」
見たらわかる?タカヤの隣に来て自分もヒョイっと中庭から下を覗く。
「蒼じゃん」
...でも、ひとりじゃない。蒼の正面に、1人の男子がいた。
「あれってもしかして...」
ポツリと呟く花井。
「告白だろーな」
「やっぱそう?やべーところ見たな、蒼のやつ、モテんだなぁ」
「...」
返事のないタカヤに顔を向けると、真顔でちっとも面白くなさそうな顔をしている。
「タカヤ、なんて顔してんだよ」
「は?」
「なんか怒ってねー?」
「怒ってねーよ」
いや、怒ってるだろ...。そう言いかけたものの、タカヤの機嫌が良くないことは確かなので黙り込むしか無かった。
「あ、終わったみたいだな」
先に男子が蒼の前から姿を消した。蒼も逆方向へと歩み、姿が見えなくなった。
「ありゃ振られたな」
「なあ、花井」
「なに?」
「人に対してモヤモヤしたり胸がザワついたりするのって何なんだ?」
予想だにしない質問がタカヤから投げかけられた。あの阿部が、人に対して胸がざわつくなどと言うのだ。そんなの、理由はひとつに決まっていると言うのに。それに当の本人は気づいていない。
花井はわなわなと、恐る恐る阿部をゆびさす。
「...タカヤ...本気で言ってんのか?」
「あ?なにがだよ。オレは真面目に聞いてる」
「ちなみに、誰に対して?」
「蒼だよ。あいつ見てっと、色々気になって自分が分からなくなる。」
阿部はなんの躊躇いもなく、至極真剣に答えた。
「タカヤ...気ぃ悪くするなよ。」
「なんだよ。わかるならもったいぶってねーで言ってくれ」
「それ多分、恋だぞ」
今度は阿部があんぐりした顔になる。
「花井てめー、人が真剣に聞いてるのに」
「俺も真剣に答えてんだよ!お前は納得しないかもしれないけど、大抵のやつはそれが恋っつーことなんだよ!お前自身が気づいてないだけで!」
花井もフミキも、オレのこの気持ちを恋だと言う。
「恋...」
「そうだよ!現にお前、今蒼が告られててどう思った?面白くねーって思っただろ?」
「誰かのモンになるのは嫌だと思った」
真顔で答える阿部に反して、プシューっと花井が顔を真っ赤にする。こうも正直に答えられるとは思ってもいなかった。
「だから、それが恋なんだよ!お前、蒼のことが好きなんだよ!」
「オレが...蒼を好き...はぁ?!」
流石の阿部も赤面する。
「なんでオレが蒼を好きだってわかんだよ!」
「いや、お前自分で言ってるようなもんだぞ。モヤモヤするだの胸がざわつくだの、終いには誰にもとられたくねーって。独占欲じゃねぇか。
いーか、もっかい聞くけど、蒼が誰かと付き合うの、嫌なんだろ?」
「...いい気はしねーよ。」
「急に頑固だな。素直に嫌って言えばいいだろ。誰にも言わねーから、いい加減認めろよ。」
オレが蒼に対して抱いていた色々な感情が、
恋だと花井は言う。フミキも。これが、恋なのか。だとしたら、俺は今生まれて初めて恋に落ちたということになる。
「オレが蒼のこと好きなら、どうしたらいいんだよ」
「お前はホントに野球のことしか頭になかったんだな...。フツーは相手にも好きになって貰えるよう努力して、告白してつきあえたらハッピーなんだよ。でもさっき告ってたやつみたいに、振られる可能性もある。」
「2人とも、告白タイム覗いてたんだ」
「うわぁ!?蒼?!」
真後ろに蒼が立っていた。
「いつからそこに...」
「花井くんが、つきあえたらハッピー!って言ってたところ?」
よかった、大事な部分は聞かれていなかったと安堵する2人。
「やっぱり告られてたんだな。多いのか?」
好きな奴を目の前に冷静に話しかける阿部を見てちょっとドキドキする花井。
「うーん。4人目?でも知らない人ばっかり。」
「蒼の見た目がいいからだろ」
「えー、それだけを理由に告白されても嬉しくないなぁ」
阿部が蒼を好きな事はハッキリしたけど、肝心の蒼の方からは阿部への好意がハッキリと見つけられない。今は阿部の片思い、ということだろうか。花井はドギマギしながら分析する。
「蒼はどんなやつだったら告白を受け入れる?」
阿部が攻める。心境を知っている花井だけがゴクリ、と、唾を飲み込んだ。
「そりゃまずはちゃんと交流があって、色々仲良くなってから段階を踏んでいきたいな」
「ふーん、なるほどな」
「あ、蒼は好きなタイプとかあんの?」
阿部のために!と勇気を振り絞って花井が口を開く。
「えとねー...やっぱ一生懸命何かに取り組んでる人かなぁ」
「野球とか?!」
「野球ももちろんだよ!」
目線だけを合わせる阿部と花井。
「あ、そういえば私用事あるんだった。じゃーね!」
「おー」
クラスに戻る蒼を見届けて、再び2人の「恋バナ」が再開する。
「野球もアリだってよ、よかったなタカヤ」
「...今のアイツ見てっと付き合うってのが想像できねぇ」
「まー今は自分の気持ちに気づいただけでも充分じゃねぇ?蒼の気持ちがタカヤに向くかはタカヤの努力次第だけど」
「オレ次第...何したらいいのか全然わかんねぇわ」
「まぁお前ら2人、練習でも2人きりの場面あるしそこから仲良くなっていったらいいんじゃねぇ?」
「はぁ...オレァ野球のことなら自信もって話すことできるけどよ、あいつとそれ以外で会話するって難易度たけーわ。」
「なんでもいいんだよ。家でなにしてんのとか趣味はあんのかとか。LINEも日常的にやれば仲良くなれると思うぞ」
「だーっ、考えると頭パンクするわ。花井、話聞いてくれてサンキュな。オレ自身まだ実感わかねぇけど、やれることからやっていくわ。」
「お、おー、頑張れよ。」
花井のおかげでオレの気持ちが恋だということが確実なものに変わった。は、いいものの、ここから先どうして行くかはオレ次第だ。
蒼はきっと、今はオレの事を野球部員としてしかみてないだろう。
さて、どうやって振り向かせてやろうか。
授業中もその事で頭がいっぱいになった阿部だった。
「なにやってんだ、タカヤ」
「花井...見たらわかる」
見たらわかる?タカヤの隣に来て自分もヒョイっと中庭から下を覗く。
「蒼じゃん」
...でも、ひとりじゃない。蒼の正面に、1人の男子がいた。
「あれってもしかして...」
ポツリと呟く花井。
「告白だろーな」
「やっぱそう?やべーところ見たな、蒼のやつ、モテんだなぁ」
「...」
返事のないタカヤに顔を向けると、真顔でちっとも面白くなさそうな顔をしている。
「タカヤ、なんて顔してんだよ」
「は?」
「なんか怒ってねー?」
「怒ってねーよ」
いや、怒ってるだろ...。そう言いかけたものの、タカヤの機嫌が良くないことは確かなので黙り込むしか無かった。
「あ、終わったみたいだな」
先に男子が蒼の前から姿を消した。蒼も逆方向へと歩み、姿が見えなくなった。
「ありゃ振られたな」
「なあ、花井」
「なに?」
「人に対してモヤモヤしたり胸がザワついたりするのって何なんだ?」
予想だにしない質問がタカヤから投げかけられた。あの阿部が、人に対して胸がざわつくなどと言うのだ。そんなの、理由はひとつに決まっていると言うのに。それに当の本人は気づいていない。
花井はわなわなと、恐る恐る阿部をゆびさす。
「...タカヤ...本気で言ってんのか?」
「あ?なにがだよ。オレは真面目に聞いてる」
「ちなみに、誰に対して?」
「蒼だよ。あいつ見てっと、色々気になって自分が分からなくなる。」
阿部はなんの躊躇いもなく、至極真剣に答えた。
「タカヤ...気ぃ悪くするなよ。」
「なんだよ。わかるならもったいぶってねーで言ってくれ」
「それ多分、恋だぞ」
今度は阿部があんぐりした顔になる。
「花井てめー、人が真剣に聞いてるのに」
「俺も真剣に答えてんだよ!お前は納得しないかもしれないけど、大抵のやつはそれが恋っつーことなんだよ!お前自身が気づいてないだけで!」
花井もフミキも、オレのこの気持ちを恋だと言う。
「恋...」
「そうだよ!現にお前、今蒼が告られててどう思った?面白くねーって思っただろ?」
「誰かのモンになるのは嫌だと思った」
真顔で答える阿部に反して、プシューっと花井が顔を真っ赤にする。こうも正直に答えられるとは思ってもいなかった。
「だから、それが恋なんだよ!お前、蒼のことが好きなんだよ!」
「オレが...蒼を好き...はぁ?!」
流石の阿部も赤面する。
「なんでオレが蒼を好きだってわかんだよ!」
「いや、お前自分で言ってるようなもんだぞ。モヤモヤするだの胸がざわつくだの、終いには誰にもとられたくねーって。独占欲じゃねぇか。
いーか、もっかい聞くけど、蒼が誰かと付き合うの、嫌なんだろ?」
「...いい気はしねーよ。」
「急に頑固だな。素直に嫌って言えばいいだろ。誰にも言わねーから、いい加減認めろよ。」
オレが蒼に対して抱いていた色々な感情が、
恋だと花井は言う。フミキも。これが、恋なのか。だとしたら、俺は今生まれて初めて恋に落ちたということになる。
「オレが蒼のこと好きなら、どうしたらいいんだよ」
「お前はホントに野球のことしか頭になかったんだな...。フツーは相手にも好きになって貰えるよう努力して、告白してつきあえたらハッピーなんだよ。でもさっき告ってたやつみたいに、振られる可能性もある。」
「2人とも、告白タイム覗いてたんだ」
「うわぁ!?蒼?!」
真後ろに蒼が立っていた。
「いつからそこに...」
「花井くんが、つきあえたらハッピー!って言ってたところ?」
よかった、大事な部分は聞かれていなかったと安堵する2人。
「やっぱり告られてたんだな。多いのか?」
好きな奴を目の前に冷静に話しかける阿部を見てちょっとドキドキする花井。
「うーん。4人目?でも知らない人ばっかり。」
「蒼の見た目がいいからだろ」
「えー、それだけを理由に告白されても嬉しくないなぁ」
阿部が蒼を好きな事はハッキリしたけど、肝心の蒼の方からは阿部への好意がハッキリと見つけられない。今は阿部の片思い、ということだろうか。花井はドギマギしながら分析する。
「蒼はどんなやつだったら告白を受け入れる?」
阿部が攻める。心境を知っている花井だけがゴクリ、と、唾を飲み込んだ。
「そりゃまずはちゃんと交流があって、色々仲良くなってから段階を踏んでいきたいな」
「ふーん、なるほどな」
「あ、蒼は好きなタイプとかあんの?」
阿部のために!と勇気を振り絞って花井が口を開く。
「えとねー...やっぱ一生懸命何かに取り組んでる人かなぁ」
「野球とか?!」
「野球ももちろんだよ!」
目線だけを合わせる阿部と花井。
「あ、そういえば私用事あるんだった。じゃーね!」
「おー」
クラスに戻る蒼を見届けて、再び2人の「恋バナ」が再開する。
「野球もアリだってよ、よかったなタカヤ」
「...今のアイツ見てっと付き合うってのが想像できねぇ」
「まー今は自分の気持ちに気づいただけでも充分じゃねぇ?蒼の気持ちがタカヤに向くかはタカヤの努力次第だけど」
「オレ次第...何したらいいのか全然わかんねぇわ」
「まぁお前ら2人、練習でも2人きりの場面あるしそこから仲良くなっていったらいいんじゃねぇ?」
「はぁ...オレァ野球のことなら自信もって話すことできるけどよ、あいつとそれ以外で会話するって難易度たけーわ。」
「なんでもいいんだよ。家でなにしてんのとか趣味はあんのかとか。LINEも日常的にやれば仲良くなれると思うぞ」
「だーっ、考えると頭パンクするわ。花井、話聞いてくれてサンキュな。オレ自身まだ実感わかねぇけど、やれることからやっていくわ。」
「お、おー、頑張れよ。」
花井のおかげでオレの気持ちが恋だということが確実なものに変わった。は、いいものの、ここから先どうして行くかはオレ次第だ。
蒼はきっと、今はオレの事を野球部員としてしかみてないだろう。
さて、どうやって振り向かせてやろうか。
授業中もその事で頭がいっぱいになった阿部だった。