銀ちゃんが好きな女の子
お礼画面(超短編小説)
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☆ほんのり微裏程度の下ネタ有り、苦手な方はお戻りください
【わがままショコラティエ】
2021-02-14 / バレンタイン記念(1)
「銀ちゃんがお菓子作りが得意で助かりました!」
バレンタイン前夜、万事屋の台所に***の上機嫌な声が響いた。着物にエプロン姿でチョコレートを湯煎している。数時間前に泣きながら「銀ちゃん助けて!」と電話してきたのが嘘みたいに明るい笑顔で。
「っつーかさぁ、バレンタインに職場で配る義理チョコなんざチロルで十分だろ。なんで手作りなんだよ。くっだらねぇ社内行事、断りゃいーのによぉ」
「それはそうなんだけど、お局様が今年は全員参加って急に決めちゃって断れなかったの……あ、でも銀ちゃんの分もあるよ!一番大きいクッキーにたっぷりチョコかけてあげますから!」
それを俺に手伝わすのか、という不満を飲み込んだ。何が悲しくて自分用のチョコを作んなきゃなんねーんだ、が本心。甘いモン貰えるからいいけど、も本心。***の可愛いエプロン姿も見れるし、も勿論本心だ。
若いくせにお菓子よりも、煮物や漬物を作る方が得意な女だから、チョコを溶かす手つきが危うい。ボウルを右手に抱え、左手でレシピのメモを持つ。うつむく後ろ姿はまとめ髪のうなじがつるりと綺麗で、結構そそるものがあった。誘われるようにふらりと近づいて、***の背後から覗き込んだのは、銀時の落ち度だ。縮まった距離に「うわあ!」と驚いた***が手からボウルを飛ばし、銀時の首から下に茶色いドロドロを大量にぶちまけてしまった。
「オイィィィ!あにすんだよオメーはぁ!!」
「ご、ごめんねっ!急に居たからびっくりして!」
シャツを脱ぐと、溶けたチョコは胸まで垂れていた。お風呂で流してください!と真っ赤な顔で言われて、銀時は笑いながら台所を出ようとした。が、流し台に置かれたラッピング用の材料が目に入って、はたと立ち止まる。袋やリボンに混ざるのはメッセージカード。そのひとつひとつに同僚の名前が書かれていた。
「鈴木さん、山田さん、田中……くん、佐藤君、高橋君、ねぇ……ふぅ〜〜〜ん」
渡すのは女だけじゃないと知っていたし、しょせん義理チョコと分かっていた。なのに、いざ男達の名前を見たらおもしろくなかった。幼稚なほどひどい嫌気がさす。だって、これを受け取った馬鹿な男が?本命は僕だって?勘ちがいするかもしんねーし?そんなの坂田君が許しませんよ。とカードを握り潰して銀時が振り返ると、***はきょとんとしていた。
「え、な、何?早くシャワーを、」
「あー……やっぱダメだわ。職場でチョコ配んの無しな。んな無意味なことやめて、***は大好きな銀さんの為だけに、甘いモン作ってりゃいいだろーが」
「なっ、何言って、きゃっ!」
手首を捕らえて引き寄せると、小さな体が飛び込んでくる。銀時の胸に頬が当たって、***の顔にチョコがべったりとついた。さっき見惚れたうなじを掴んで顔を上げさせると、迷いなくチョコまみれの頬に舌を這わせた。
「ひっ!?やっ……ぎ、んちゃ、」
ぎゅっと閉じた瞼がさぁっと赤く染まるのを見ながら、銀時はひたすら舌を動かした。舌先が甘さを感じる度に、***の桃色の頬そのものを食べている気分になる。すべて舐めとった頃には、恥ずかしげな瞳が涙で潤んでいた。
「もっ、もう、やめてください!」
「もー終わったよ。んじゃ今度はお前の番な」
ホレ、と銀時は自分の首と、腹筋まで流れ落ちたチョコレートを指さした。お前も舐めろよ、と言ったら***はぎょっとした顔で目を見開いた。
「ややややや、ヤですよ、恥ずかしい!!」
「あっそ、じゃ、もう手伝わねぇけどいーの?」
「うぅっ、そんなのズルい……けど、じゃぁ、その、な、舐めたら手伝ってくれます?職場の皆の分、私ひとりでなんて無理だもん……」
「わぁ~かったよ。手伝ってやるって。だからさ……舐めて、***の舌で全部、俺のここ綺麗にして」
「っ……、も、もぉ〜〜〜っ」
湯気が出るほど顔を赤くして***は、銀時の首に必死で舌を這わせ始める。チロチロ動く薄い舌が鎖骨へ、そして胸へと移動していった。息継ぎのように時々「んっ」と言う声が、情事の時のそれと似ていて、背筋がぞくぞくした。やっぱり今日のチョコ作りは無理だ。柔らかい舌が硬い胸を舐め尽くし、ゆっくり腹へ下りていく。ついに堪えきれなくなった銀時が、小さな頭を掴んでそこから引き離した。「あっ」っと開いたままの唇に噛みつくと、甘党を喜ばせる甘ったるい舌が待っていた。
「んむ、んぅっ……、ふぁっ!?」
舌を絡めながら、エプロンの肩紐を下げて***の襟に手を掛ける。合わせをガバッと開いたら、首筋と胸元の白肌が露わになった。手探りで見つけたボウルからチョコをすくって、そこにべたっと塗りたくった。唇が離れるやいなや***は「何するんですか!?」と叫んだ。
「何って……チョコ食うんだよ。さっき俺の分もあるっつったよな?一番大きい何だっけ?もうお前でいいから、先に寄こせよ。たぁ〜っぷりチョコかけて、美味しくいただかせて貰うからさぁ」
「なっ、ちが、やっ、ひゃぁっ……!!」
チョコまみれの首筋に顔をうずめた銀時はふと、チョコレート菓子を作る奴の事を何て呼ぶんだっけと考え込んだ。鎖骨からべろりと舐め取ったチョコは、いつもより甘かった。その甘さと***の素肌の舌触りを味わっていたら、ああそうだと思い出して低い声で囁いた。
「バレンタインでもいつでも、***は俺の……俺だけのショコラティエ、だろ?」
「っ……!わ、わがまますぎるよ、銀ちゃん!」
———それは確かに。俺はお前だけが欲しくて欲しくてたまらない、わがままなショコラティエだ。
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【2021-0214バレンタイン記念】わがままショコラティエ
【わがままショコラティエ】
2021-02-14 / バレンタイン記念(1)
「銀ちゃんがお菓子作りが得意で助かりました!」
バレンタイン前夜、万事屋の台所に***の上機嫌な声が響いた。着物にエプロン姿でチョコレートを湯煎している。数時間前に泣きながら「銀ちゃん助けて!」と電話してきたのが嘘みたいに明るい笑顔で。
「っつーかさぁ、バレンタインに職場で配る義理チョコなんざチロルで十分だろ。なんで手作りなんだよ。くっだらねぇ社内行事、断りゃいーのによぉ」
「それはそうなんだけど、お局様が今年は全員参加って急に決めちゃって断れなかったの……あ、でも銀ちゃんの分もあるよ!一番大きいクッキーにたっぷりチョコかけてあげますから!」
それを俺に手伝わすのか、という不満を飲み込んだ。何が悲しくて自分用のチョコを作んなきゃなんねーんだ、が本心。甘いモン貰えるからいいけど、も本心。***の可愛いエプロン姿も見れるし、も勿論本心だ。
若いくせにお菓子よりも、煮物や漬物を作る方が得意な女だから、チョコを溶かす手つきが危うい。ボウルを右手に抱え、左手でレシピのメモを持つ。うつむく後ろ姿はまとめ髪のうなじがつるりと綺麗で、結構そそるものがあった。誘われるようにふらりと近づいて、***の背後から覗き込んだのは、銀時の落ち度だ。縮まった距離に「うわあ!」と驚いた***が手からボウルを飛ばし、銀時の首から下に茶色いドロドロを大量にぶちまけてしまった。
「オイィィィ!あにすんだよオメーはぁ!!」
「ご、ごめんねっ!急に居たからびっくりして!」
シャツを脱ぐと、溶けたチョコは胸まで垂れていた。お風呂で流してください!と真っ赤な顔で言われて、銀時は笑いながら台所を出ようとした。が、流し台に置かれたラッピング用の材料が目に入って、はたと立ち止まる。袋やリボンに混ざるのはメッセージカード。そのひとつひとつに同僚の名前が書かれていた。
「鈴木さん、山田さん、田中……くん、佐藤君、高橋君、ねぇ……ふぅ〜〜〜ん」
渡すのは女だけじゃないと知っていたし、しょせん義理チョコと分かっていた。なのに、いざ男達の名前を見たらおもしろくなかった。幼稚なほどひどい嫌気がさす。だって、これを受け取った馬鹿な男が?本命は僕だって?勘ちがいするかもしんねーし?そんなの坂田君が許しませんよ。とカードを握り潰して銀時が振り返ると、***はきょとんとしていた。
「え、な、何?早くシャワーを、」
「あー……やっぱダメだわ。職場でチョコ配んの無しな。んな無意味なことやめて、***は大好きな銀さんの為だけに、甘いモン作ってりゃいいだろーが」
「なっ、何言って、きゃっ!」
手首を捕らえて引き寄せると、小さな体が飛び込んでくる。銀時の胸に頬が当たって、***の顔にチョコがべったりとついた。さっき見惚れたうなじを掴んで顔を上げさせると、迷いなくチョコまみれの頬に舌を這わせた。
「ひっ!?やっ……ぎ、んちゃ、」
ぎゅっと閉じた瞼がさぁっと赤く染まるのを見ながら、銀時はひたすら舌を動かした。舌先が甘さを感じる度に、***の桃色の頬そのものを食べている気分になる。すべて舐めとった頃には、恥ずかしげな瞳が涙で潤んでいた。
「もっ、もう、やめてください!」
「もー終わったよ。んじゃ今度はお前の番な」
ホレ、と銀時は自分の首と、腹筋まで流れ落ちたチョコレートを指さした。お前も舐めろよ、と言ったら***はぎょっとした顔で目を見開いた。
「ややややや、ヤですよ、恥ずかしい!!」
「あっそ、じゃ、もう手伝わねぇけどいーの?」
「うぅっ、そんなのズルい……けど、じゃぁ、その、な、舐めたら手伝ってくれます?職場の皆の分、私ひとりでなんて無理だもん……」
「わぁ~かったよ。手伝ってやるって。だからさ……舐めて、***の舌で全部、俺のここ綺麗にして」
「っ……、も、もぉ〜〜〜っ」
湯気が出るほど顔を赤くして***は、銀時の首に必死で舌を這わせ始める。チロチロ動く薄い舌が鎖骨へ、そして胸へと移動していった。息継ぎのように時々「んっ」と言う声が、情事の時のそれと似ていて、背筋がぞくぞくした。やっぱり今日のチョコ作りは無理だ。柔らかい舌が硬い胸を舐め尽くし、ゆっくり腹へ下りていく。ついに堪えきれなくなった銀時が、小さな頭を掴んでそこから引き離した。「あっ」っと開いたままの唇に噛みつくと、甘党を喜ばせる甘ったるい舌が待っていた。
「んむ、んぅっ……、ふぁっ!?」
舌を絡めながら、エプロンの肩紐を下げて***の襟に手を掛ける。合わせをガバッと開いたら、首筋と胸元の白肌が露わになった。手探りで見つけたボウルからチョコをすくって、そこにべたっと塗りたくった。唇が離れるやいなや***は「何するんですか!?」と叫んだ。
「何って……チョコ食うんだよ。さっき俺の分もあるっつったよな?一番大きい何だっけ?もうお前でいいから、先に寄こせよ。たぁ〜っぷりチョコかけて、美味しくいただかせて貰うからさぁ」
「なっ、ちが、やっ、ひゃぁっ……!!」
チョコまみれの首筋に顔をうずめた銀時はふと、チョコレート菓子を作る奴の事を何て呼ぶんだっけと考え込んだ。鎖骨からべろりと舐め取ったチョコは、いつもより甘かった。その甘さと***の素肌の舌触りを味わっていたら、ああそうだと思い出して低い声で囁いた。
「バレンタインでもいつでも、***は俺の……俺だけのショコラティエ、だろ?」
「っ……!わ、わがまますぎるよ、銀ちゃん!」
———それは確かに。俺はお前だけが欲しくて欲しくてたまらない、わがままなショコラティエだ。
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【2021-0214バレンタイン記念】わがままショコラティエ