銀ちゃんが好きな女の子
お礼画面(超短編小説)
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☆牛乳シリーズ第3部後想定のお話なのでふたりは経験済です
☆ほんのり微裏程度の下ネタ有り、苦手な方はお戻りください
【ストロベリー・オンザ・ショートケーキ】
2021-01-22 / ショートケーキの日記念
いつの事だったか、毎月22日がショートケーキの日と知った時、***は感動したのだ。万事屋のカレンダーをめくって「22日の上には必ず15(イチゴ)が乗ってる!」と騒いだら、銀時は呆れていたけれど。
"食いてぇと思った時がケーキの日
俺からすればエブリディ" by 坂田銀時
5・7・5のリズムで銀時は名言らしき事を言い、新八に「ちょっとは控えて下さいよ、アンタ糖尿なんだから」とつっこまれていたっけか。
そして今、***はカフェにいて「新八君ゴメン」と思っている。なぜなら目の前に大量のショートケーキと、口周りがクリームだらけの銀時がいるからだ。
「いやぁ~***~~~、ショートケーキの日ってさぁ、やっぱ最高じゃね?この糖分王とスイーツ食い放題って、もはやケーキの無限地獄じゃね?アレ、それ天国じゃね?」
「食べ放題じゃなくて少しなら奢ってあげるって言ったんです!頼みすぎだよ!もぉぉぉ~!!」
久しぶりのデートが偶然22日で、洋菓子店の前を通ったのが運の尽きだった。ショートケーキ半額のチラシに立ち止まった銀時に「食べたいの?」と聞いたのが馬鹿だった。引きずりこまれた店内で、気づけば***はイチゴの乗った大量のケーキに歓迎されていた。
ムシャムシャ、バクバクと銀時は手づかみでどんどん平らげていく。ため息をついて***もひとつ食べ始めた。生クリームもスポンジもほどよい甘さで気に入った。熟れたイチゴは見るからに美味しそうで、最後の楽しみにと、お皿の端によけておいた。
「なぁ、お前、いっつも最後にイチゴ食うのな」
「え、うん、だって一番好きなものは最後まで取っておきたいんです。美味しいイチゴでケーキを終わりたいって言うか……そういえば銀ちゃんは、いつ食べるんですか、イチゴ?」
「はぁ?んなもん考えて食ってるわけねーだろ」
ぱかっと開いた銀時の口に、ケーキが丸ごと消えた。そうか、銀ちゃんにとっては甘い物が大切なんであって、いつイチゴを食べるかなんて些細な事はどうでもいいんだ。一見ガサツに見えるけれど、己の欲に素直な少年って感じがとても可愛いらしく思える。だから***はついつい、甘い物を与えてしまう。ダメな彼女でごめんね、新八君。そう反省していると突然伸びてきた手が、***のお皿からイチゴを奪っていった。真っ赤な果実はあっという間に銀時に飲み込まれてしまった。
「ななななな、なにしてんの!?わ、私のイチゴ、なんで食べちゃうんですかぁぁぁ!!」
「***がいつまでもケチ臭ぇことしてっからだろー。好きなモンがあんならさっさと食わねぇと、こーゆー目にあうって教えてやってんのー」
あまりの悔しさに下唇を噛んで、***は銀時のケーキにフォークを突き刺した。三角の端からイチゴまでをごっそり取って、行儀悪く口を大きく開けて食べる。
あにすんだよ!と言う怒声にもめげずにキッと睨んだ。口いっぱい頬張ったせいで、ほっぺがハムスターのように膨らみ、しばらくは喋れそうになかった。
「ほぉぉー、この俺から甘ぇモンを奪うたぁ、いい度胸してんじゃねーか。よぉ~し、分かった。そんじゃ、***には特別に、銀さんがいつケーキに乗ってるイチゴを食うのか、教えてやろーじゃねーの」
そう言って目を細めた銀時が、指をねぶってクリームを舐めとった。その仕草がやけに色っぽくて***はぎょっと目を見開く。
伸びてきた手に襟元をつかまれ、ぐいっと引かれるとテーブルに身を乗り出した。同じように銀時が顔を突き出したので、赤い瞳と至近距離で見つめ合った。
「まぁ……まずはここだな」
「ふっ!?」
太い指先が***の唇にふにっと触れた。意味が分からないのに、ケーキで満たされた口では何も訊けずに、ただただ混乱するばかりだった。
「次がここ。んで確かここにもあんだろ、イチゴが」
骨ばった指は唇から胸元へ、そして首をのぼって耳の下に触れた。髪で隠れた首筋を、唾液に濡れた指先で撫でられた瞬間、***はハッとする。
そこには数日前の夜、銀時に付けられた鬱血痕があった。まさかと思う間に大きな手は***の身体の上を移動していた。テーブルの下では、銀時の脚で押されて着物の裾が乱れていた。割れた合わせの中に入り込んできた膝頭が、***の内ももをぐりぐりと擦った。
「この鎖骨んトコとぉ、あー、あと二の腕の柔らけぇとこにも、たんまり付けたよなぁ。んで、このふにふにした太もも、がぶって噛んだら美味かったわ」
そこにあるのはキスマークなんて可愛いものじゃない。あの夜、獣みたいに豹変した銀時にねじ伏せられて、身体中に噛みつかれた。だからいまだに***の肌の至る所に赤い傷痕が残っている。
蘇った恥ずかしい記憶に「ひっ」と悲鳴を上げると、銀時は「ぶはっ」と吹き出した。その後で甘い香りを纏った低い声が、耳元で響いた。
「白い肌に赤ぇのいっぱいのせて、お前ショートケーキみてぇ。なぁ、この体のどのイチゴから食ってほしい?好きなモン最後まで取っとく***と違って、俺にとっちゃイチゴもケーキの一部だから。最初も最後も無ぇから。食いてぇモンは最初っから最後まで、俺の気が済むまで、腹が満ちるまでむさぼるんだよ……、だから、毎日食っていい、お前のこと」
うわぁ、と出せない悲鳴を上げて、***は逃げるように身を引いた。机が揺れてお皿がガチャガチャ鳴った。店員さんが「大丈夫ですか?」と寄ってきて、声も出せずに慌てふためいていたら、銀時にゲラゲラ笑われた。その大きな口の白い歯と赤い舌から目が離せなかった。
———銀ちゃんのあの唇に、あの舌と歯に、ぺろりと食べられてしまう……
ぼわわっと真っ赤に染まった***の顔は例えるなら、ストロベリー・オンザ・ショートケーキ。
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【2021-0122ショートケーキの日記念】
ストロベリー・オンザ・ショートケーキ
☆ほんのり微裏程度の下ネタ有り、苦手な方はお戻りください
【ストロベリー・オンザ・ショートケーキ】
2021-01-22 / ショートケーキの日記念
いつの事だったか、毎月22日がショートケーキの日と知った時、***は感動したのだ。万事屋のカレンダーをめくって「22日の上には必ず15(イチゴ)が乗ってる!」と騒いだら、銀時は呆れていたけれど。
"食いてぇと思った時がケーキの日
俺からすればエブリディ" by 坂田銀時
5・7・5のリズムで銀時は名言らしき事を言い、新八に「ちょっとは控えて下さいよ、アンタ糖尿なんだから」とつっこまれていたっけか。
そして今、***はカフェにいて「新八君ゴメン」と思っている。なぜなら目の前に大量のショートケーキと、口周りがクリームだらけの銀時がいるからだ。
「いやぁ~***~~~、ショートケーキの日ってさぁ、やっぱ最高じゃね?この糖分王とスイーツ食い放題って、もはやケーキの無限地獄じゃね?アレ、それ天国じゃね?」
「食べ放題じゃなくて少しなら奢ってあげるって言ったんです!頼みすぎだよ!もぉぉぉ~!!」
久しぶりのデートが偶然22日で、洋菓子店の前を通ったのが運の尽きだった。ショートケーキ半額のチラシに立ち止まった銀時に「食べたいの?」と聞いたのが馬鹿だった。引きずりこまれた店内で、気づけば***はイチゴの乗った大量のケーキに歓迎されていた。
ムシャムシャ、バクバクと銀時は手づかみでどんどん平らげていく。ため息をついて***もひとつ食べ始めた。生クリームもスポンジもほどよい甘さで気に入った。熟れたイチゴは見るからに美味しそうで、最後の楽しみにと、お皿の端によけておいた。
「なぁ、お前、いっつも最後にイチゴ食うのな」
「え、うん、だって一番好きなものは最後まで取っておきたいんです。美味しいイチゴでケーキを終わりたいって言うか……そういえば銀ちゃんは、いつ食べるんですか、イチゴ?」
「はぁ?んなもん考えて食ってるわけねーだろ」
ぱかっと開いた銀時の口に、ケーキが丸ごと消えた。そうか、銀ちゃんにとっては甘い物が大切なんであって、いつイチゴを食べるかなんて些細な事はどうでもいいんだ。一見ガサツに見えるけれど、己の欲に素直な少年って感じがとても可愛いらしく思える。だから***はついつい、甘い物を与えてしまう。ダメな彼女でごめんね、新八君。そう反省していると突然伸びてきた手が、***のお皿からイチゴを奪っていった。真っ赤な果実はあっという間に銀時に飲み込まれてしまった。
「ななななな、なにしてんの!?わ、私のイチゴ、なんで食べちゃうんですかぁぁぁ!!」
「***がいつまでもケチ臭ぇことしてっからだろー。好きなモンがあんならさっさと食わねぇと、こーゆー目にあうって教えてやってんのー」
あまりの悔しさに下唇を噛んで、***は銀時のケーキにフォークを突き刺した。三角の端からイチゴまでをごっそり取って、行儀悪く口を大きく開けて食べる。
あにすんだよ!と言う怒声にもめげずにキッと睨んだ。口いっぱい頬張ったせいで、ほっぺがハムスターのように膨らみ、しばらくは喋れそうになかった。
「ほぉぉー、この俺から甘ぇモンを奪うたぁ、いい度胸してんじゃねーか。よぉ~し、分かった。そんじゃ、***には特別に、銀さんがいつケーキに乗ってるイチゴを食うのか、教えてやろーじゃねーの」
そう言って目を細めた銀時が、指をねぶってクリームを舐めとった。その仕草がやけに色っぽくて***はぎょっと目を見開く。
伸びてきた手に襟元をつかまれ、ぐいっと引かれるとテーブルに身を乗り出した。同じように銀時が顔を突き出したので、赤い瞳と至近距離で見つめ合った。
「まぁ……まずはここだな」
「ふっ!?」
太い指先が***の唇にふにっと触れた。意味が分からないのに、ケーキで満たされた口では何も訊けずに、ただただ混乱するばかりだった。
「次がここ。んで確かここにもあんだろ、イチゴが」
骨ばった指は唇から胸元へ、そして首をのぼって耳の下に触れた。髪で隠れた首筋を、唾液に濡れた指先で撫でられた瞬間、***はハッとする。
そこには数日前の夜、銀時に付けられた鬱血痕があった。まさかと思う間に大きな手は***の身体の上を移動していた。テーブルの下では、銀時の脚で押されて着物の裾が乱れていた。割れた合わせの中に入り込んできた膝頭が、***の内ももをぐりぐりと擦った。
「この鎖骨んトコとぉ、あー、あと二の腕の柔らけぇとこにも、たんまり付けたよなぁ。んで、このふにふにした太もも、がぶって噛んだら美味かったわ」
そこにあるのはキスマークなんて可愛いものじゃない。あの夜、獣みたいに豹変した銀時にねじ伏せられて、身体中に噛みつかれた。だからいまだに***の肌の至る所に赤い傷痕が残っている。
蘇った恥ずかしい記憶に「ひっ」と悲鳴を上げると、銀時は「ぶはっ」と吹き出した。その後で甘い香りを纏った低い声が、耳元で響いた。
「白い肌に赤ぇのいっぱいのせて、お前ショートケーキみてぇ。なぁ、この体のどのイチゴから食ってほしい?好きなモン最後まで取っとく***と違って、俺にとっちゃイチゴもケーキの一部だから。最初も最後も無ぇから。食いてぇモンは最初っから最後まで、俺の気が済むまで、腹が満ちるまでむさぼるんだよ……、だから、毎日食っていい、お前のこと」
うわぁ、と出せない悲鳴を上げて、***は逃げるように身を引いた。机が揺れてお皿がガチャガチャ鳴った。店員さんが「大丈夫ですか?」と寄ってきて、声も出せずに慌てふためいていたら、銀時にゲラゲラ笑われた。その大きな口の白い歯と赤い舌から目が離せなかった。
———銀ちゃんのあの唇に、あの舌と歯に、ぺろりと食べられてしまう……
ぼわわっと真っ赤に染まった***の顔は例えるなら、ストロベリー・オンザ・ショートケーキ。
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【2021-0122ショートケーキの日記念】
ストロベリー・オンザ・ショートケーキ