銀ちゃんが愛する女の子
ふたりの夢のくに
おなまえをどうぞ
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【17:00】
その列に並んでいる間ずっと、***の様子がおかしかった。視線を合わせようとすると顔を背けるし、話しかけると目を泳がせた。にぎった小さな手は珍しく熱を持っていて「もうすぐだな」と声をかけたら、変に上ずった声で「そ、そうですねー!」と返事をしてきた。いや『笑ってよきかな?』かよ、と内心ツッコミをいれた銀時は、小さく苦笑した。
係員が「二列で並んで、広がらずに進んでください」と言って銀時を押したので、自然と***との距離が近づいた。肩がトンと当たり、それだけで***は「うわぁ!」と叫んで身体を固くした。その後困ったような顔で銀時を見つめてから、気まずそうにうつむいて黙り込んだ。
隣にいる人間の様子が変だったり、やけにそわそわされると、普通は居心地の悪さを感じるものだが、銀時はこの状況が楽しくてしかたがなかった。口元を片手で押さえて笑いをこらえていることが***にバレないように、顔を上げて真上を見た。頭上のすぐ近くに色とりどりの箱型の乗り物がゆっくりと回転する、大きな観覧車が見えた。
———***のヤツ……めっさ意識してる!観覧車をものっそい意識してるぅぅ!どーせコイツのことだから、バイト先の同僚とかに、観覧車ではキスをするもんだとかテキトーなこと吹き込まれたんだろ?そんでそのまま真に受けちまってんだろ?おい、そーなんだろ?……っんだよコイツ、馬鹿か?馬鹿なのか?まだ乗ってもないのに恥ずかしがってどーすんの!?いや、キスなんか何回もしてんじゃねーかよ!なんならもうちょっとすごいことだってしたじゃねーかよ!なにコレ、なにこの子!?可愛いすぎてやべーんだけど?こぉんな可愛い顔でソワソワされたら、こっちだってキスで止まれる自信がねーんですけどぉぉぉ!?
口元がだらけて、勝手に顔がゆるんでしまう。***は心臓を抑えるように片手を胸に当ててうつむいていて、にやける銀時には全く気付かない。
そもそも高所恐怖症の***が意を決した顔で「銀ちゃん、か、か、か、観覧車に一緒に乗りましょう」と言ってきた時点で、こりゃキスだ、キスするに決まってんなと、銀時は内心ウキウキだったのだ。
乗り込んだ観覧車のなかは、背の高い銀時には狭かった。向かい合って座ると互いのひざが触れ合う。ほんの少しひざ頭がかすっただけで顔を紅く染めた***は、髪を耳にかけながら視線をそらすように、窓の外を見つめていた。どーすっかな、と悩みながら銀時は自分から最初の一手を打った。
「***、お前怖くねぇの?高ぇとこダメなんだろ?コレどんどん上がってくぞ?今のうちにこっちきて、銀さんの近くにいたらぁ?」
ニヤつきながら言った銀時の言葉に、***は一瞬だけぎくりと肩を揺らしたが、思いのほかすんなり「うん」とうなずいた。まだ観覧車は半分の高さにも達していないというのに、ぐらぐらと揺れるのが怖いのか、***は銀時が差し出した手をぎゅっとにぎって、隣に移動してきた。
「あ、あの、銀ちゃん……て、手を離さないでください。できたらもうちょっと強くにぎってて。その、これ揺れて、ちょっと怖いから……」
「はいはい、わぁ~ったよ。お前は手ぇつなげっつったり、離せっつったり、優しくにぎれっつったり、強くしろっつったり……っんとに***はワガママなお嬢様ですねぇ」
「だ、だってぇ……~~~っ!」
ぴたりと身体を寄せるように座った***の手を、片手でぎゅっと握り、もう一方の手をさりげなく背後に回して肩を抱く。引き寄せると自然と顔の位置も近づいて、胸元近くにある***の髪から、いつもの甘い香りがした。
———あ~、キスしてぇ……
そう思いながら丸い頭を見下ろしていたら、ふと顔を上げた***と視線がかち合った。その顔はすでに真っ赤に染まっていて、眉は八の字に下がり、なぜか泣きそうに瞳を潤ませていた。
「あっ……あの、銀ちゃんっ、ぁ、っ!」
***はなにか言おうとしたが、銀時は聞こえないふりをした。今は言葉を交わすよりも、キスをする方がずっと自然だったから。
肩に回していた手で、***のうなじをつかむと更に引き寄せて、そっと顔を近づけた。少し顔を傾けた銀時の唇が、***の震える桃色の唇にあと数センチでくっつくという所で急に邪魔が入った。
「んぎぎぎ銀ちゃん!ちょちょちょっと待ってぇぇぇぇ!!!」
繋いでいない方の手で、***は銀時の口を覆った。
「ふあ゙ぁ゙っ!!?~~~っんだよ!?***、あにすんだよぉ!!ムードがぶち壊しじゃねぇか!今のは確実にキスだろ!完っ全にキスするタイミングだったろ!?目ぇうるうるさせて、お前もその気だったろーがぁ!!」
「いや、そのっ……キキキ、キスはしたいんですけど……ちょっと待って!まだ、まだダメなんです!!」
「はぁぁぁぁ!!?」
言わんとすることの意味が分からず、銀時が不機嫌な声を出すと、***は口をあわあわとさせた。手提げの中をごそごそとして何かを取り出す。恥ずかしそうにおずおずと差し出してきたのは、雑誌の切り抜きだった。
それは女性雑誌のデート特集の記事で、遊園地でのデートの楽しみ方や、カップルデートのおすすめスポットなどが載っていた。震える指で***が指し示したのは、その切り抜きの端っこにのる短い文章だった。
「あ?なんだこりゃ……観覧車のジンクス?」
「そ、そうなんです。そこに書いてあるんですけど、観覧車の頂上ぴったりでキ…、キスをしたカップルは、永遠の絆で結ばれるって……馬鹿馬鹿しいって思うかもしれないけど、その、せっかくだから……頂上についたら、キス、したいの」
「………ぶっ!!!」
ゲラゲラと笑いだした銀時に、***は赤いほほを膨らませて「笑わないでよぉ!」と怒った。切り抜きを銀時の手から取り上げてグシャグシャと丸めると、乱暴に手提げのなかに押し込んだ。
「ったくよ~、観覧車なんて誰でも乗れるもんに、ジンクスもクソもあるかっつーの!てっぺんでチューしたくらいで永遠が約束されるんなら、世の中のカップル全員乗りにくるわ!そんな子どもだまし信じるなんざ、***はガキだなガキ!!」
「~~~~っ、べ、別に私だって心から信じてるわけじゃないもん。でも初めての観覧車だし、銀ちゃんと一緒に乗れるの嬉しかったし、せっかくならやってみてもいいかなって思っただけだもん……でも、もういいです」
桃色の小さな唇をぷくりと尖らせて、***はぷいっと顔を背けた。悔しそうな顔が観覧車の窓に映る。ぶっ、ともう一度笑ってから銀時は、しょうがねぇなと言って***の肩を強く抱き寄せた。
「永遠、とかゆーのになるかは知らねぇけど、頂上ついたらしてみよーぜキス」
耳まで真っ赤に染めた***が、ふるふると首を振る。もういいですってば、と言いながら意固地になるのが子どものようで愛らしい。馬鹿みてぇと思いながら銀時は、その唇に顔を寄せて口づけようとする。まだ頂上を越えてないから今なら間に合う。それでも「やだ」と言って顔を背ける***の耳元で、銀時は低い声でささやいた。
「んな怒んなって***……ホラ見てみろよ、あっちでもこっちでも、どいつもこいつもやってんだからさ、俺たちもチューしようって」
「へっ……!?あ、うわわっ!!」
銀時が指を差した方を見た瞬間、***の顔は湯気が出そうなほど赤らんだ。観覧車の上の箱も下の箱もカップルが乗り込んでいて、どちらの組も熱烈な口づけを交わしているのが、透明の窓ごしに丸見えだった。
「や、なっ……ぅ、嘘!?ヤダヤダ、こんなとこでキスするのなんて絶対ダメです!こんなに周りに見えちゃうところでするなんて……は、破廉恥すぎます!!」
「はぁぁぁぁ!!!?」
「うわぁああ!し、しかもここ、ものっそい高い!ターミナルと同じ高さじゃないですか!銀ちゃん、お願いだから動かないで!揺れると落ちちゃいそうだから!こ、怖いから、しっかりつかんでくださいッ!!」
「オイィィィ!!!!」
なんなんだよオメーはぁ、と叫ぶ銀時の首に***が腕をまわして、ぎゅうっと強く抱きついてくる。身体は密着しているのに、顔が見えないからキスもできない。高所に怯える小さな身体を抱きしめて、呆れかえった顔で銀時は深いため息をついた。
———っんだよ、キスしたかったんですけど……いっそ無理やりしちまえばよかった。それか茶化さねぇで、***の言うとおり大人しく頂上まで待ってりゃよかった……あ゙~~~、キスしてぇぇぇ~~~!!!!!
銀時が心のなかで猛烈にそう思っているさなか、観覧車は頂上を通過した。下を見たら恥ずかしそうに赤らんだ***のうなじが見えた。その細い首筋を、銀時はうらめしげな目で見つめ続けた。
紅潮した顔の***は、抱きついたまま窓の外をうらめしげな目で眺めている。その心の中で、銀ちゃんとキスしたかったな、頂上でなんて言わなきゃよかった、意地を張って馬鹿みたいと後悔していることを、銀時は知るよしもない。
恋人たちを乗せて、観覧車は永遠に周り続ける。
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【17:00】to be continued.
その列に並んでいる間ずっと、***の様子がおかしかった。視線を合わせようとすると顔を背けるし、話しかけると目を泳がせた。にぎった小さな手は珍しく熱を持っていて「もうすぐだな」と声をかけたら、変に上ずった声で「そ、そうですねー!」と返事をしてきた。いや『笑ってよきかな?』かよ、と内心ツッコミをいれた銀時は、小さく苦笑した。
係員が「二列で並んで、広がらずに進んでください」と言って銀時を押したので、自然と***との距離が近づいた。肩がトンと当たり、それだけで***は「うわぁ!」と叫んで身体を固くした。その後困ったような顔で銀時を見つめてから、気まずそうにうつむいて黙り込んだ。
隣にいる人間の様子が変だったり、やけにそわそわされると、普通は居心地の悪さを感じるものだが、銀時はこの状況が楽しくてしかたがなかった。口元を片手で押さえて笑いをこらえていることが***にバレないように、顔を上げて真上を見た。頭上のすぐ近くに色とりどりの箱型の乗り物がゆっくりと回転する、大きな観覧車が見えた。
———***のヤツ……めっさ意識してる!観覧車をものっそい意識してるぅぅ!どーせコイツのことだから、バイト先の同僚とかに、観覧車ではキスをするもんだとかテキトーなこと吹き込まれたんだろ?そんでそのまま真に受けちまってんだろ?おい、そーなんだろ?……っんだよコイツ、馬鹿か?馬鹿なのか?まだ乗ってもないのに恥ずかしがってどーすんの!?いや、キスなんか何回もしてんじゃねーかよ!なんならもうちょっとすごいことだってしたじゃねーかよ!なにコレ、なにこの子!?可愛いすぎてやべーんだけど?こぉんな可愛い顔でソワソワされたら、こっちだってキスで止まれる自信がねーんですけどぉぉぉ!?
口元がだらけて、勝手に顔がゆるんでしまう。***は心臓を抑えるように片手を胸に当ててうつむいていて、にやける銀時には全く気付かない。
そもそも高所恐怖症の***が意を決した顔で「銀ちゃん、か、か、か、観覧車に一緒に乗りましょう」と言ってきた時点で、こりゃキスだ、キスするに決まってんなと、銀時は内心ウキウキだったのだ。
乗り込んだ観覧車のなかは、背の高い銀時には狭かった。向かい合って座ると互いのひざが触れ合う。ほんの少しひざ頭がかすっただけで顔を紅く染めた***は、髪を耳にかけながら視線をそらすように、窓の外を見つめていた。どーすっかな、と悩みながら銀時は自分から最初の一手を打った。
「***、お前怖くねぇの?高ぇとこダメなんだろ?コレどんどん上がってくぞ?今のうちにこっちきて、銀さんの近くにいたらぁ?」
ニヤつきながら言った銀時の言葉に、***は一瞬だけぎくりと肩を揺らしたが、思いのほかすんなり「うん」とうなずいた。まだ観覧車は半分の高さにも達していないというのに、ぐらぐらと揺れるのが怖いのか、***は銀時が差し出した手をぎゅっとにぎって、隣に移動してきた。
「あ、あの、銀ちゃん……て、手を離さないでください。できたらもうちょっと強くにぎってて。その、これ揺れて、ちょっと怖いから……」
「はいはい、わぁ~ったよ。お前は手ぇつなげっつったり、離せっつったり、優しくにぎれっつったり、強くしろっつったり……っんとに***はワガママなお嬢様ですねぇ」
「だ、だってぇ……~~~っ!」
ぴたりと身体を寄せるように座った***の手を、片手でぎゅっと握り、もう一方の手をさりげなく背後に回して肩を抱く。引き寄せると自然と顔の位置も近づいて、胸元近くにある***の髪から、いつもの甘い香りがした。
———あ~、キスしてぇ……
そう思いながら丸い頭を見下ろしていたら、ふと顔を上げた***と視線がかち合った。その顔はすでに真っ赤に染まっていて、眉は八の字に下がり、なぜか泣きそうに瞳を潤ませていた。
「あっ……あの、銀ちゃんっ、ぁ、っ!」
***はなにか言おうとしたが、銀時は聞こえないふりをした。今は言葉を交わすよりも、キスをする方がずっと自然だったから。
肩に回していた手で、***のうなじをつかむと更に引き寄せて、そっと顔を近づけた。少し顔を傾けた銀時の唇が、***の震える桃色の唇にあと数センチでくっつくという所で急に邪魔が入った。
「んぎぎぎ銀ちゃん!ちょちょちょっと待ってぇぇぇぇ!!!」
繋いでいない方の手で、***は銀時の口を覆った。
「ふあ゙ぁ゙っ!!?~~~っんだよ!?***、あにすんだよぉ!!ムードがぶち壊しじゃねぇか!今のは確実にキスだろ!完っ全にキスするタイミングだったろ!?目ぇうるうるさせて、お前もその気だったろーがぁ!!」
「いや、そのっ……キキキ、キスはしたいんですけど……ちょっと待って!まだ、まだダメなんです!!」
「はぁぁぁぁ!!?」
言わんとすることの意味が分からず、銀時が不機嫌な声を出すと、***は口をあわあわとさせた。手提げの中をごそごそとして何かを取り出す。恥ずかしそうにおずおずと差し出してきたのは、雑誌の切り抜きだった。
それは女性雑誌のデート特集の記事で、遊園地でのデートの楽しみ方や、カップルデートのおすすめスポットなどが載っていた。震える指で***が指し示したのは、その切り抜きの端っこにのる短い文章だった。
「あ?なんだこりゃ……観覧車のジンクス?」
「そ、そうなんです。そこに書いてあるんですけど、観覧車の頂上ぴったりでキ…、キスをしたカップルは、永遠の絆で結ばれるって……馬鹿馬鹿しいって思うかもしれないけど、その、せっかくだから……頂上についたら、キス、したいの」
「………ぶっ!!!」
ゲラゲラと笑いだした銀時に、***は赤いほほを膨らませて「笑わないでよぉ!」と怒った。切り抜きを銀時の手から取り上げてグシャグシャと丸めると、乱暴に手提げのなかに押し込んだ。
「ったくよ~、観覧車なんて誰でも乗れるもんに、ジンクスもクソもあるかっつーの!てっぺんでチューしたくらいで永遠が約束されるんなら、世の中のカップル全員乗りにくるわ!そんな子どもだまし信じるなんざ、***はガキだなガキ!!」
「~~~~っ、べ、別に私だって心から信じてるわけじゃないもん。でも初めての観覧車だし、銀ちゃんと一緒に乗れるの嬉しかったし、せっかくならやってみてもいいかなって思っただけだもん……でも、もういいです」
桃色の小さな唇をぷくりと尖らせて、***はぷいっと顔を背けた。悔しそうな顔が観覧車の窓に映る。ぶっ、ともう一度笑ってから銀時は、しょうがねぇなと言って***の肩を強く抱き寄せた。
「永遠、とかゆーのになるかは知らねぇけど、頂上ついたらしてみよーぜキス」
耳まで真っ赤に染めた***が、ふるふると首を振る。もういいですってば、と言いながら意固地になるのが子どものようで愛らしい。馬鹿みてぇと思いながら銀時は、その唇に顔を寄せて口づけようとする。まだ頂上を越えてないから今なら間に合う。それでも「やだ」と言って顔を背ける***の耳元で、銀時は低い声でささやいた。
「んな怒んなって***……ホラ見てみろよ、あっちでもこっちでも、どいつもこいつもやってんだからさ、俺たちもチューしようって」
「へっ……!?あ、うわわっ!!」
銀時が指を差した方を見た瞬間、***の顔は湯気が出そうなほど赤らんだ。観覧車の上の箱も下の箱もカップルが乗り込んでいて、どちらの組も熱烈な口づけを交わしているのが、透明の窓ごしに丸見えだった。
「や、なっ……ぅ、嘘!?ヤダヤダ、こんなとこでキスするのなんて絶対ダメです!こんなに周りに見えちゃうところでするなんて……は、破廉恥すぎます!!」
「はぁぁぁぁ!!!?」
「うわぁああ!し、しかもここ、ものっそい高い!ターミナルと同じ高さじゃないですか!銀ちゃん、お願いだから動かないで!揺れると落ちちゃいそうだから!こ、怖いから、しっかりつかんでくださいッ!!」
「オイィィィ!!!!」
なんなんだよオメーはぁ、と叫ぶ銀時の首に***が腕をまわして、ぎゅうっと強く抱きついてくる。身体は密着しているのに、顔が見えないからキスもできない。高所に怯える小さな身体を抱きしめて、呆れかえった顔で銀時は深いため息をついた。
———っんだよ、キスしたかったんですけど……いっそ無理やりしちまえばよかった。それか茶化さねぇで、***の言うとおり大人しく頂上まで待ってりゃよかった……あ゙~~~、キスしてぇぇぇ~~~!!!!!
銀時が心のなかで猛烈にそう思っているさなか、観覧車は頂上を通過した。下を見たら恥ずかしそうに赤らんだ***のうなじが見えた。その細い首筋を、銀時はうらめしげな目で見つめ続けた。
紅潮した顔の***は、抱きついたまま窓の外をうらめしげな目で眺めている。その心の中で、銀ちゃんとキスしたかったな、頂上でなんて言わなきゃよかった、意地を張って馬鹿みたいと後悔していることを、銀時は知るよしもない。
恋人たちを乗せて、観覧車は永遠に周り続ける。
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【17:00】to be continued.