銀ちゃんに恋する女の子
おもちの宝もの
おなまえをどうぞ
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【星を見にいこうぜ】
銀ちゃんはいつも突然だ。
「出掛けっぞー」
やっと明日は休みだと帰宅した瞬間これである。
疲れたしお腹空いたしでももう気力すらないのにこれである。
『え、いま帰ってきたんですけど…』
「だから出掛けんだろ?待ってたんだよ」
『暴君がすぎる』
「ん。お前のヘルメット」
沖田くんかよ!なんて思いつつ、自分を家で待っている銀ちゃんを想像すると可愛くて頬が緩んだ。
銀色の毛がキラキラもふもふした大型犬かな。
そんな事を思いながら、いつも通り銀ちゃんの腰に腕を回して、いつも通り過ぎていく風景を眺める。
いったいどこに行くんだろう。
『銀ちゃーん。どこまで行くのー?』
「いーから落ちねぇよーに捕まってろー」
『銀ちゃーん。あそこ新しくできたケーキ屋さんだよー』
「おー。今度行こうぜー」
『銀ちゃーん。この道はじめて通るねー』
「おー。俺もあんま通んねーわー」
『銀ちゃーん。街灯少ないねー』
「おー。長谷川さんがぶっ倒れててもほっとけよー」
『銀ちゃーん。海岸通りって書いてあるよー』
「おー」
『銀ちゃーん。海の匂いがするねー』
「おー」
『………銀ちゃん?』
話し掛けすぎたかな?ウザかったかな?
不安になって目の前のたくましい背中におでこを押し付けていたら、スクーターのエンジン音が止まった。
『ここ、どこ?』
「海」
『あ…だから遠かったんだ…』
「そ。おら、足元気ぃ付けろよ」
転ぶなよ。と手を繋いでくれる銀ちゃんにホッとして(周りが真っ暗で少し怖かったのは秘密)、海の音と風を感じながら歩く。
『銀ちゃん、海に来たかったの?』
「あ?ちげーよ」
『え、違うの?』
「………星、見に行こうぜ」
『星?』
「上、見てみろよ」
銀ちゃんに言われて空を見上げると、そこには見たこともないくらいの星が瞬いていた。
『わぁ……!』
「あっち行くともっと見えんだとよ」
『すごいすごい!なんか自分が夜空に入っちゃったみたい!』
「ブラックホールじゃねぇかそれ。俺はいちご牛乳の海に入りてぇ」
『あはは!私も入りたーい!』
「………良かった」
『え?…んむっ』
「***、最近すげー疲れた顔してたから」
壊れんじゃねーかと思ったわ。
銀ちゃんは私の頰を右手でギュッとはさみながら(絶対タコみたいなへんな顔してる…!)、安心した声でそう言った。
『そんなこと、ないよ?』
「嘘つけ。目に見えて疲れてるっつーの。休まねぇわあんま食わねぇわ無理やり笑うわ。あれですか?アイドルなんですか?私は妖精だからいつも笑顔だしトイレにも行きませんってか?」
『…ちがうもん』
「どーせ嫌ぁ〜なクソ上司に結果出せとか早くやれとか理不尽なこと言われてんだろ。すいませんってなんでも引き受けそうだもんなァお前は」
『ゔ…』
ため息をつきながら、頰を挟んでいた右手も、繋いだいた左手すらも離される。
あぁ。ついに呆れられちゃった。
どうしよう。どうしよう。
会社でたくさん我慢してきた涙があふれそうになった時、あたたかいものに包まれた。
これは、この体温は、私の好きな人だ。
絶対に間違わない、銀ちゃんの体温だ。
『泣きてぇなら泣けよ。強がりやがって。周りが気になるっつーんならこうやって星しかいねー場所に連れてきてやっからよ」
『ぎ、んちゃ…』
「おー、泣け泣け。***みたいに単純な"NOと言えない日本人"代表は不幸になりやすいから気ぃつけろってどっかの偉いやつも言ってたぞ。世の中の理想なんて知るかよ。お前(テメェ)の好きに生きろってんだ」
つーか星すげー。
私の頭にあごを乗せながら言う声が聞こえて、少しだけ顔を動かして空を見る。
あの星みたいにたくさんの中から私を見つけてくれた銀ちゃんが愛しくて、優しくて、やっぱり愛しくて、涙がとまらない。
「うし。んじゃ、叫ぶか」
『へ?』
「海に来たら叫ぶしかねーだろ」
『ドラマでしか見たことないよそんな人…』
「クソ上司のクソなこと叫んでやれば?俺ァ毎日迷惑しかかけてこねぇダメガネと大食漢と家賃払えってうるせぇババアのこと叫ぶわ」
私がふき出して笑ったのを聞いてか、そっと腕を解かれる。
もうちょっとあのままでも良かったのに、なんて、連れてきてくれた銀ちゃんに悪いかな?
「叫んだら食いに行くぞ」
『なにを?』
「ケーキ」
『こんな時間に!?』
「あァ?糖分に時間なんつー制限はねーの!近くに夜中までやってる店があるんだとよ。名物はいちごのモンブラン」
『いちごのモンブラン!?』
思わず叫びながら銀ちゃんの顔を見ると、すげぇ顔してんぞ!!と笑われた。
ひどい。銀ちゃんのばか。
でも、
『銀ちゃん、ありがとう。だいすきだよ』
----------------------------------------
【星を見にいこうぜ】end
♡ななせ様へ♡
とっても素敵な夢小説をありがとうございます。おもちはすっっっごく感動しました。教えて頂いた『星を見にいこうぜ』を毎日聞いています。聞くたび、ななせさんと銀ちゃんのことを思って、おもちはちょっぴり泣きます。そして泣いた後、おもちは少し元気になります。これからも疲れたらこのお話を読んで、音楽を聴いて、おもちは勇気をもらっていくと思います。本当にありがとうございました!おもちからの愛を送りますっ♡♡♡
銀ちゃんはいつも突然だ。
「出掛けっぞー」
やっと明日は休みだと帰宅した瞬間これである。
疲れたしお腹空いたしでももう気力すらないのにこれである。
『え、いま帰ってきたんですけど…』
「だから出掛けんだろ?待ってたんだよ」
『暴君がすぎる』
「ん。お前のヘルメット」
沖田くんかよ!なんて思いつつ、自分を家で待っている銀ちゃんを想像すると可愛くて頬が緩んだ。
銀色の毛がキラキラもふもふした大型犬かな。
そんな事を思いながら、いつも通り銀ちゃんの腰に腕を回して、いつも通り過ぎていく風景を眺める。
いったいどこに行くんだろう。
『銀ちゃーん。どこまで行くのー?』
「いーから落ちねぇよーに捕まってろー」
『銀ちゃーん。あそこ新しくできたケーキ屋さんだよー』
「おー。今度行こうぜー」
『銀ちゃーん。この道はじめて通るねー』
「おー。俺もあんま通んねーわー」
『銀ちゃーん。街灯少ないねー』
「おー。長谷川さんがぶっ倒れててもほっとけよー」
『銀ちゃーん。海岸通りって書いてあるよー』
「おー」
『銀ちゃーん。海の匂いがするねー』
「おー」
『………銀ちゃん?』
話し掛けすぎたかな?ウザかったかな?
不安になって目の前のたくましい背中におでこを押し付けていたら、スクーターのエンジン音が止まった。
『ここ、どこ?』
「海」
『あ…だから遠かったんだ…』
「そ。おら、足元気ぃ付けろよ」
転ぶなよ。と手を繋いでくれる銀ちゃんにホッとして(周りが真っ暗で少し怖かったのは秘密)、海の音と風を感じながら歩く。
『銀ちゃん、海に来たかったの?』
「あ?ちげーよ」
『え、違うの?』
「………星、見に行こうぜ」
『星?』
「上、見てみろよ」
銀ちゃんに言われて空を見上げると、そこには見たこともないくらいの星が瞬いていた。
『わぁ……!』
「あっち行くともっと見えんだとよ」
『すごいすごい!なんか自分が夜空に入っちゃったみたい!』
「ブラックホールじゃねぇかそれ。俺はいちご牛乳の海に入りてぇ」
『あはは!私も入りたーい!』
「………良かった」
『え?…んむっ』
「***、最近すげー疲れた顔してたから」
壊れんじゃねーかと思ったわ。
銀ちゃんは私の頰を右手でギュッとはさみながら(絶対タコみたいなへんな顔してる…!)、安心した声でそう言った。
『そんなこと、ないよ?』
「嘘つけ。目に見えて疲れてるっつーの。休まねぇわあんま食わねぇわ無理やり笑うわ。あれですか?アイドルなんですか?私は妖精だからいつも笑顔だしトイレにも行きませんってか?」
『…ちがうもん』
「どーせ嫌ぁ〜なクソ上司に結果出せとか早くやれとか理不尽なこと言われてんだろ。すいませんってなんでも引き受けそうだもんなァお前は」
『ゔ…』
ため息をつきながら、頰を挟んでいた右手も、繋いだいた左手すらも離される。
あぁ。ついに呆れられちゃった。
どうしよう。どうしよう。
会社でたくさん我慢してきた涙があふれそうになった時、あたたかいものに包まれた。
これは、この体温は、私の好きな人だ。
絶対に間違わない、銀ちゃんの体温だ。
『泣きてぇなら泣けよ。強がりやがって。周りが気になるっつーんならこうやって星しかいねー場所に連れてきてやっからよ」
『ぎ、んちゃ…』
「おー、泣け泣け。***みたいに単純な"NOと言えない日本人"代表は不幸になりやすいから気ぃつけろってどっかの偉いやつも言ってたぞ。世の中の理想なんて知るかよ。お前(テメェ)の好きに生きろってんだ」
つーか星すげー。
私の頭にあごを乗せながら言う声が聞こえて、少しだけ顔を動かして空を見る。
あの星みたいにたくさんの中から私を見つけてくれた銀ちゃんが愛しくて、優しくて、やっぱり愛しくて、涙がとまらない。
「うし。んじゃ、叫ぶか」
『へ?』
「海に来たら叫ぶしかねーだろ」
『ドラマでしか見たことないよそんな人…』
「クソ上司のクソなこと叫んでやれば?俺ァ毎日迷惑しかかけてこねぇダメガネと大食漢と家賃払えってうるせぇババアのこと叫ぶわ」
私がふき出して笑ったのを聞いてか、そっと腕を解かれる。
もうちょっとあのままでも良かったのに、なんて、連れてきてくれた銀ちゃんに悪いかな?
「叫んだら食いに行くぞ」
『なにを?』
「ケーキ」
『こんな時間に!?』
「あァ?糖分に時間なんつー制限はねーの!近くに夜中までやってる店があるんだとよ。名物はいちごのモンブラン」
『いちごのモンブラン!?』
思わず叫びながら銀ちゃんの顔を見ると、すげぇ顔してんぞ!!と笑われた。
ひどい。銀ちゃんのばか。
でも、
『銀ちゃん、ありがとう。だいすきだよ』
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【星を見にいこうぜ】end
♡ななせ様へ♡
とっても素敵な夢小説をありがとうございます。おもちはすっっっごく感動しました。教えて頂いた『星を見にいこうぜ』を毎日聞いています。聞くたび、ななせさんと銀ちゃんのことを思って、おもちはちょっぴり泣きます。そして泣いた後、おもちは少し元気になります。これからも疲れたらこのお話を読んで、音楽を聴いて、おもちは勇気をもらっていくと思います。本当にありがとうございました!おもちからの愛を送りますっ♡♡♡
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