銀ちゃんに恋する女の子
おもちの宝もの
おなまえをどうぞ
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【いちごみるく飴】
「付き合ってください!」
金曜日の昼下がり。
依頼された猫探しを終え、以前助けた(らしい)ガキん家の団子屋を通りすぎようとした時、突然話し掛けられた。
「はァ?銀さんそっちの趣味ないんですけど?あれか?かっこ良すぎて男のガキまで魅了しちまったってか?かあちゃんが心配すんぞ一郎太」
「ぼく二郎だけど」
「ホストの方か。より心配だな」
「ぼくが言ってるんじゃないの!」
牛乳屋のお姉ちゃん!
と言いながら、俺に袋を差し出す二郎太。
「あ?あいつがどうしたって?」
「だから、牛乳屋のお姉ちゃん、お兄さんのことが好きで、付き合いたいんでしょ?」
「あー…」
「これ、あげるから、お姉ちゃんと付き合ってあげてほしいの!」
「んだよこれ。賄賂か?銀さんこれっぽっちの重さの金じゃ動かねェよ?」
「いちごみるく飴だよ!」
「俺の価値低くすぎんだろうがァァァ!!!!」
わいろってなに?と言うガキに袋を押し返す。
(大事な糖分を地面に投げつけるような野蛮な真似はシマセーン)
が、ガキは再度俺に袋を押し付けて「お姉ちゃんによろしくねー!」と家に帰って行った。
つーか学校どうした。サボりですかコノヤロー。
ま、飴に罪はねぇしな。と、誰に言うでもない言い訳をして飴を口へ放り込む。
旨い。糖分最高。いちご牛乳飲みてェ。
ガリガリと噛み砕き、もう一個食うかと思った時、包み紙に何かが書いてあることに気が付いた。
『あ、銀ちゃんだ!銀ちゃ〜ん!』
「は?お前いま帰り?いつもより遅くね?」
『今日は配達の間違いがあって、店長と大慌てで作業してたの。だから遅くなっちゃった』
大変だったよ〜と笑う***の顔は、どこか疲れて見える。
このお人好しは、きっと店長がもう帰っていいと言ったのに「大丈夫です!」と最後まであれこれやっていたのだろう。
『銀ちゃんは?お仕事?』
「おー。猫探しだけどな」
『そうなんだ!猫ちゃん、家族のところに帰れて良かったなぁ〜!』
「はっ、逃げてぇのか帰りてぇのかどっちだろうな」
『もう!そんなこと言って!…あれ、その袋、大江戸スーパー?来てくれてたの?』
「んや。団子屋のガキにもらった」
『もらった?奪ったじゃないよね?』
「銀さんのことなんだと思ってんの???」
袋の中を見た***は、いちごみるく飴だー!と目をキラキラさせた。
「俺がもらったモンだからやんねーぞ」
『えー!でもまぁそうだよね。一郎くんと二郎くんから銀ちゃんへのお礼だもんね!』
早く定春にもふもふしたいな〜と少しふらついた足取りで万事屋に向かって歩き始める***を見て、俺は袋から飴を取り出した。
「おらよ」
『わ、な、なに!?なんか頭に乗せた!?』
「はァ?鳥のフンじゃねぇの?」
『えーー!!やだーー!!え、わっ、あ、飴?』
ぎゃーぎゃー騒いでいるうちに落ちてきた飴を見て、***が目を見開いて驚いた。
『ぎ、銀ちゃん!この飴、"無理しすぎんなよ"って書いてあるよ!』
「あ?そーかよ。知らなかったわ」
『わぁ〜、嬉しい!とっても素敵なサプライズだね!すごいすごい!』
「んなすげぇかァー?んじゃもう一個やるよ」
『え、いいの!?銀ちゃんありがと〜!』
"可愛いからやるよ"
『ぎ、ぎぎぎ銀ちゃん!この飴!あめ!』
「ギャハハハ!!顔真っ赤になってんぞ!相変わらずのゆでダコだなオイ!!」
『もお!銀ちゃん!わざとでしょ!!』
で、でも嬉しい…という呟きに余計ゲラゲラ笑う俺と、余計真っ赤になる***。
昼間っからうるせぇんだよ天パァァァァ!!!
というババアの叫び声が通りに響くまで、
あと4秒。
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【いちごみるく飴】end
♡ななせ様へ♡
こんなに素敵な牛乳シリーズのお話を書いて下さり、本当にありがとうございます!主人公がおもちが書くよりもずっとずっと可愛くて、銀ちゃんのちょっぴり粗雑なのに優しい仕草も、もうおもちのドストライクでたまりませんでした……!!おもちが勝手に作り出したオリジナルキャラまで出して下さり、もう私の脳内を超えて、ななせ様の頭の中でもお話のキャラが動き出していることに、とっっっても感動しています。
本当にありがとうございました!
また銀ちゃんの妄想トークしましょうね♡楽しみにしています。
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