銀ちゃんといつも一緒にいる女の子
まいにち♡銀ちゃん
おなまえをどうぞ
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【水曜日の銀ちゃん】
「わぁぁぁ!すごいよ銀ちゃん、お花、きれい!」
「お~、満開だな。なんだっけ、マリファナ?マリファナの花っつってたっけ?」
「そんなわけないでしょ!ネモフィラ!ネモフィラの花!」
水曜日の昼下がり、突然の私の電話にも、銀ちゃんはバイクを飛ばして来てくれた。家の前に立ち、ただ「どこかに行きたい」と言った私を見て、銀ちゃんは少し考えた顔をした後、すぐ「後ろ乗れよ」と言った。行先も告げずに連れて来られた先は、ネモフィラの青い花が一面に咲く公園だった。
「まさか銀ちゃんが、こんなに綺麗な公園に連れてきてくれるなんて思わなかったよ」
「は?それどーゆー意味?銀さんに綺麗な花は似合わねぇってか?っんだよ、せっかく連れてきてやったのに、そりゃひどいんじゃねぇの***さん」
「違う違うっ!なんか、こんなにお花が咲いてる公園、銀ちゃんが知ってると思わなかったから……」
花畑の中の細い小道を歩く。前を歩いていた銀ちゃんが急にしゃがんで、茎から折れて落ちていた花を拾った。振り向いて手を伸ばすと、私の髪をそっと耳にかけて、そこに一輪の花をさした。
「わ、ありがとう……恥ずかしいけど、嬉しい」
「***に何が似合うかくれぇ、俺は知ってるっつーの」
そう言って私の頭を撫でた銀ちゃんの手つきは、とても優しかった。恥ずかしくなって目を逸らした私を見て銀ちゃんは、ふっと笑った。前を向いてまた歩き始めた銀ちゃんが、私の手をぎゅっとにぎる。手を繋いでゆっくりと、花畑のなかをふたりで歩いた。
平日の真ん中だから、公園には全然人がいない。穏やかな春の風に揺れる青い花々を眺めながら、芝生にふたりで腰かけた。銀ちゃんは頭の後ろに手を組んで、ごろりと寝そべっている。
耳の上から花を取って、銀ちゃんの髪にさしてみた。銀色の髪と可憐な青い花は、想像以上にぴったりで、銀ちゃんによく似合っていた。
「アハハッ!銀ちゃん似合う!すっごく可愛いよ!」
「お前なぁ……こんなオッサンが頭に花さして、可愛いって言われても嬉しかねぇよ!」
不満げな声を出す銀ちゃんをよそに、私は笑い続けた。しかしふと視線を上げると、真剣な顔をした銀ちゃんと目が合って、驚いた私は「え、」と言って動きを止めた。
「***、お前さぁ、なに無理してんの」
「え?な、なにが?」
「会社、早退したんだろ。疲れた顔してるくせにヘラヘラ笑って、どっか行きたいって言われて、銀さん結構心配してるんですけど」
「あ、バ、バレてた?……その、会社で、ちょっとだけヤなことあって疲れちゃったなぁって……それでね、お腹痛いって嘘ついて帰って来ちゃった……小学生みたいなズル休みしちゃったよ、いい大人なのに……」
「恥ずかしいよね」と笑いながら言おうとした言葉は、銀ちゃんの唇にふさがれて言えなかった。
気づいたら起き上がっていた銀ちゃんが、大きな両手で私のほほを包んでいて、とても静かに、そっと触れるだけのキスをした。
「ん、……ぅわわっ!」
唇が離れても、顔をつかんだ手は離れなくて、そのまま後ろに寝転んでいく銀ちゃんの胸に、私は顔から倒れ込んだ。
おとなしく身体を預けて横を向くと、頭の後ろを大きな手が優しく撫でた。耳を押し当てた硬い胸から、ドクドクという力強い銀ちゃんの心臓の音が聞こえた。
「そうじゃねぇだろ***。嘘ついて休みてぇくらい疲れてんのに、頑張ったんだろ。それでじゅーぶんなの。小学生みてぇな理由でも、嘘ついてズル休みでも、お前はなんでもしていいのぉ」
「銀ちゃん……」
「俺は***が、花が好きなことも、毎朝眠い目こすりながらちゃんと会社行くことも、やりたくない仕事でも頼まれたら断れねぇことも、疲れてんのにすぐ平気なフリすることも、ぜぇーんぶ知ってんの。好きな女が無理してることくらい、銀さんにはお見通しだコノヤロー」
涙が出そうになって、ぎゅっと銀ちゃんの胸にしがみついて耐えた。
「ありがと銀ちゃん、大好き」と小さな声で言うと、銀ちゃんは笑って「それも知ってる」と言った。その後も銀ちゃんはずっと、頭を撫で続け、気付いたら背中までぽんぽんとしてくれた。
「なぁ、***、疲れてそーだから遠慮してさっきは軽いのにしたけど、あとでもっかいチューしていい、舌も入れるすっげぇヤツ」
「はっ!?なに言ってんの!?ここ外だよ!?駄目に決まってるじゃん馬鹿!!」
「えぇぇ~、いいじゃんか、***のケチ。銀さんの今日の頑張りはディープキスもんだろぉ~。わざわざ公園まで連れてきてやったしぃ?ド平日で人もいねぇしぃ?バイアグラの綺麗な花も咲いてるすぃ~?」
「ネモフィラだってば!!!」
誰もいない公園で抱き合ったまま、私たちはギャーギャー騒いだ。春風でゆれる青い花たちが、笑いながら見ている気がした。
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【水曜日の銀ちゃん】end
♡ちゃさき様リクエスト♡
アイテム:お花
シチュエーション:春か秋の公園デート
ちゃさきさん、リクエストありがとうございます!
おもちの大好きなお花!そして公園デート!ちゃさきさんらしい、なんて可愛いリクエストでしょう。おもちは最高に胸がきゅんっとしました。
季節はおもちが好きな春、お花は以前からおもちが「銀ちゃんっぽくて可愛いな」と思っていたネモフィラを選びました。ここぞとばかりにおもちの趣味を詰め込んだお話を、ちゃさきさんへお贈り致します。
ちゃさきさんが気に入ってくれることを心から祈っています♡