銀ちゃんの愛する女の子
おいしい牛乳(恋人)
おなまえをどうぞ
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※※※R18/注意※※※
☆指定年齢に満たない方はご遠慮ください
☆口淫(主人公→銀ちゃん)等の性的描写を含みます
☆苦手な方はお戻りください
【(33)そういうつもり】
冷静をとりつくろうのは本当に大変だった。
新八に「***がしばらくウチに泊まるから」と伝えると「鼻の下が伸びきってますよ、銀さん」と呆れられた。大量の酢昆布を渡して泊まりに行かせた神楽は、家を出る直前まで銀時を白い目で見ていた。
当の***は小動物のようにソワソワしっぱなしで、夕飯を食べれば白米をまぶたに押し付けるし、風呂に入れと言えば「は、はひっ!」と上ずった声を出すしで、見てるこっちまで気が気じゃなかった。
交際数カ月でも、ふたりきりの夜は数えるほどしかないから、銀時だって浮足立つ。落ちつきなく顔をジャンプに押し当てて「うがー」とか「いぎぎ」とか唸っていたなんて、***は知る由もない。
風呂上がりの***の血色のいい頬は桃のようで、むしゃぶりつきたくなった。髪の濡れたしっとりした姿を見たら、理性が飛びそうだった。その場で押し倒しそうになるのを誤魔化して、慌てて脱衣所に逃げ込む。しかし股間のものは既に反応して硬くなっていた。「オメーは童貞の中坊かっつーのォォォ」という情けない声が風呂場に響いたことを、***は知る由もない。
「銀ちゃん、ぉ、お布団はひとつでいいよ……?」
考えるより先に手が出るせいで、身勝手に***に触れてきた今までを、少しだけ反省している。だから今夜は布団をひと組だけ敷いた。
好きな女の純潔を今すぐ奪いたい。それをギリギリ我慢して***に選ばせたのは、男の意地だ。戸惑いに震える小さな身体が、勇気をふり絞って背中に抱きついてきた時、銀時は絶対に優しくすると心に決めた。
「あッ、銀ちゃっ……ゃ、優しく、してください」
「んー……できるか分かんねぇけど、まぁ、やってみるわ」
銀時が寝間着の上を脱いだだけで、***はヤケドしそうなほど赤くなる。そんな初心な反応をされると、初めての相手だという実感が嬉しい一方で、どれだけ優しくしても傷つけそうで恐ろしかった。出来るかぎりゆっくりと服を脱がし、首や胸に少しずつ触れていった。くすぐったそうだった***が甘い吐息をこぼすまで、かなり時間をかけて丁寧に愛撫した。
「中指ぜんぶ入った……、***、俺の指、好き?」
「ひゃ、ぁあ……っんぅあぁ、はっ……す、きぃっ、あっ、ぎ、ぎんちゃっ……!!」
とろけきった***は、いやらしい質問にも素直に答えた。付き合いたての頃は手を繋ぐのも、目を合わすのも緊張してたくせに、こうまで女は変わるのか。何も知らない***を、自分の手で少しずつ女にしていくのは、忍耐の辛さより狂喜が勝った。
「イケよ***」
「っっ、ひ、あっ……~~~~~ッッ!!!」
熱い膣内が指をきゅうっと締め上げる。そこから溢れた愛液が手首まで垂れてくる。腰を浮き上がらせた***は、白い太ももの内側を痙攣させて、呆気なく達した。自分の言いなりのように果てた姿が、銀時を心底喜ばせた。頭の片隅で「はい、1回目」という声が響いた。
———3回、いや5回、イかせりゃ大丈夫だろ……
「んゃぁあっ……!?なっ、ぎ、っちゃぁ、まっ、あっ、だ、めぇッ……ゃぁああんっ!!」
「ダメじゃねぇくせに。ホラ、もっかいな」
「あっ、ぎ……ひゃぁあ、ああんッ———!!」
一度絶頂を味わったナカは敏感で、間髪入れずに動かした指をうねるように締め付けた。「2回目」と脳内の声が言う。爪先までピンッと力の入った華奢な脚が脱力すると同時に、指の抜き差しを再開する。震えの止まらない膣の中の、手前側のくぼみや敏感な奥を、銀時の指先は的確に刺激し続けた。
「んぁっ、やぁ、あっ、やぁぁ、ぎんちゃ、んぅあッ、~~~~ッ、ぃ、ぁああッッ———!!」
「お、またイった?***んナカ、めっさ熱くてヤケドしそーなんですけど」
ニヤつく声で言いながら、心の中で「3回目」とカウントする。空いた方の手で足首をつかみ、大きく横に開けば、骨ばった指を飲み込む秘部がよく見えた。いつかの夜、はじめて***のそこを目にした時、あまりの美しさに間違いなく新品だと歓喜したのを思い出した。
桜の花びらのような小さなひだが、濡れて光っている。指一本分だけ開かれた割れ目は狭く熱い。ひくひくする紅いところに吸い付いて、奥まで舌を挿れたい。他の誰も、***本人すら触れたことのない場所を、自分だけが知ってる優越感がたまらない。
絶え間なく動く指でナカをいじられ続ける***が、背中を弓なりにのけ反らせて、4回目の絶頂を迎えた。
「ぎっ、や、ひぁっ、ぁ、ぃゃぁあッ———!」
「4回目ぇ、すげぇな***、中も外も全身ビクビク言っちまって……お前がぎゅーぎゅー締め付けるせいで、俺の指までしびれそうだっつーの」
「~~~~っ、ぎ、んちゃ、も、やめて、よぉ」
息も絶え絶えの***が銀時の手首をつかんだ。もう抜いてください、と潤んだ目で言われたら、ますますいじめたくなってしまう。
「もっかいイったらな。そしたらやめてやるよ」
「なっ……!!や、銀ちゃっ、ま、って」
身体を起こした銀時は、***の頭の横に片手をつく。上から顔を見下ろして、小さな手を押し返すようにぐんっと指を進めると、じゅぶっと大きな音が鳴った。
ひゃあっ、と悲鳴を上げた唇から唾液が垂れる。もったいないと深く口付けて、じゅるじゅると全て吸い上げた。その間も行ったり来たりする長い指が、柔く熱い内壁をこすり続けた。唇を離すと快楽に溺れ切った顔の***が、銀時の首に抱きついてくる。
「オイオイ***、離れろよ~~。これじゃ、お前のイく時のかわいー顔見えねーじゃん」
「やぁっ……!!ぎ、ちゃ、んぅあッ———!!」
返事もできずに***は、肩に顔を押し付ける。揺れる黒髪の甘い香りを深く吸い込んで、銀時は最後にもう一度、***のいちばん感じる深い場所に、指先をぐにゅっと押し込んだ。
「ん゙っ……あっ、ひぁぁあッ、~~~~っ!!」
達しながらすがりつく***の柔らかい乳房が、銀時の胸に押し付けられた。汗ばんだ身体をくっつけ合うと脳内で「はい、5回目」と言う満足げな声がした。
蜜口から引き抜いた指はふやけていた。浅い息を繰り返して、***はぐったりとする。
これだけイかせて馴染ませれば、きっと大丈夫だ。そう思いながら、ゴムをまとわせたそれを濡れた割れ目に押し当てた時、銀時は驚きで声も出なかった。
———はっ……!?いやいやいや、コレ、全ッ然入んねぇんですけど!?マイナスのネジにプラスドライバーぶっ差すみてーになってんですけどぉぉぉ!!?あんなに慣らしたっつーのに***のここ小っさ!狭っ!んでもって……あ、熱~~~~っっっ!!!
小さくて狭い***のそこに対して、ねじ込みたいモノが大きすぎる。まじまじと見ている銀時がいちばん分かっている。焦って冷や汗をダラダラと垂らす銀時を、身体を石のように強張らせた***が怯えた目で見ていた。
これじゃムリだと分かりながら、ほんの少し挿れた先端を、ナカの熱さに包まれたら、あまりの気持ちよさに意識が飛びかけた。もっと奥まで進みたくて、逃げようとする細い腰を自然と引き戻そうとしてしまう。泣きながら痛がる***にほほを叩かれ、腕を引っ掻かれてようやく、銀時は我に返ったのだ。
———あぁぁぁ~~~、ちきしょぉぉぉ~~~!!!
泣きじゃくる恋人を抱きしめた銀時が心の中で、悔しさのあまり叫んでいたなんて、***は知る由もない。
ソファに腰かけた銀時は、目の前でひざまずく***を見下ろしてほくそ笑む。長い髪を撫でたら、サラサラと流れた毛先が膝に当たってくすぐったい。同じシャンプーのはずなのに、***の髪からは特別に甘い香りがして、年甲斐もなく胸が高鳴った。
耳に触れてから薄い肩をつかんで引き寄せると、***は銀時の脚の間でますます縮こまった。顔の前に突き出されたものから必死で目を背けて、潤んだ黒い瞳がじっと銀時を見つめていた。
「なー、***、早くしろって」
「あっ、うぅ、ぇっと銀ちゃん、」
口をあわあわとさせた***が飛び跳ねる。それも無理はない。まさかこんな事になるとは思ってなかったはず。その心情を知っててわざと急かす楽しさに、銀時の中のいじめっ子が大喜びしている。
———男を知らねぇガキのくせに、ヘタに気ぃつかうからこんな目にあうんだっつーの。目ぇうるうるさせて「手じゃなくてもいいよ」な~んて言われたら、野郎なら誰だって「じゃー口にぶち込ませてください」ってなるに決まってんだろーが、こんちくしょぉぉぉ!!!
「いつまでボーッとしてんだよ***~。とりあえず、手で触ってみろって、前にやり方教えただろ」
「えっ!?てっ!?あっ、て、手、ですね!!」
固まっているのを見かねて銀時がそう言うと、***は自分の両手を見下ろして首を傾げた。少し悩んでから、左手の薬指の赤い石の付いた指輪を外すと、静かにテーブルに置いた。いたいけなその仕草に声もなく笑った銀時が、小さな手をつかんで脚の間に導く。
張りつめた先端に指先がちょんっと触れただけで「うぐっ」と唸ってしまう。右手でにぎらせて、左手は根元に添えさせる。じっとそれを見つめた***は、湯気が出そうなほど顔を真っ赤に染めて「うわぁぁ」と開いた口が閉じない。
「ぶっ、間抜けヅラしてんじゃねーよ」
「だ、だってぇ……~~~~っ、」
眉を八の字に下げた***が顔を上げる。初めて目の当たりにする銀時のものに戸惑って、涙ぐんだ瞳がキラキラと光っていた。
———くそっ、早く口に挿れてぇぇぇ~~~……
そう思いながらも残りわずかな理性を総動員した銀時は、***の手を上から強く握った。
「もっと強くしろよ***。そんなんじゃいつまでたっても俺はイケねぇって、知ってんだろ」
「いや、うッ、ご、ごめんね……こうでいい?」
「あ゙ー、そうそう、そんな感じー……なぁ、***さぁ、ちょうどいい機会だから、ちゃんとそれ見て、形も手で覚えて慣れとけば?そしたら次はもう怖くねぇって。でもって最後まで出来るかもしんねーよ?」
「そっ、そーゆーものなんですか?……銀ちゃんの、こ、これに慣れれば怖くなくなるの?」
いや知らねぇけど、という無責任な答えは心に留めた。くつくつと笑って小さな頭をポンポンと撫でたら、肯定だと受け取った***は唇をきゅっと噛みしめた。真剣な眼差しで銀時のものを見つめたが、羞恥心に目を背けたそうだった。その気持ちが手に取るように分かる銀時は、愉快で仕方がなかった。
銀時に動かされるがまま、***の両手が上下する。しごかれるものはどんどん硬く張りつめていく。今にも吐精しそうな熱を必死でこらえているから、透明な先走りが溢れ出した。華奢な指の間から、ぬちゃぬちゃといやらしい音が立つ。奥歯を噛んで銀時が耐えるのはひとえに、***の口の中に入りたいから。それをずっと夢見てきたからだ。
———いや、いちばんはナカだよ?***のあの狭ぇトコに挿れて、いちばん奥で出してぇに決まってんだろーが。でも、無理だろ。あんな小せぇ穴に突っ込めねぇだろ。暴れまくって大泣きして嫌がってんのに、あれ以上無理強いできねぇっつーの……こう見えて銀さん、テメェの彼女は大事にしたいタイプだし?その彼女が処女なら尚更、丁寧に抱いてやりてぇとか思うロマンチストだしぃ~?それに比べて口なら痛かねーし、苦しいかもしんねーけど、ちゃんと教えてやりゃぁ、***だって出来んだろ。それにコイツにくわえさせて、綺麗な口を俺ので汚すのは、たまんねぇだろぉぉぉ……
心の中ではベラベラと饒舌に喋りながら、ひたすら銀時は与えられる刺激に耐えた。コンドームを外したばかりで、ゴムの香りがする。それが***の白くて美しい手にこびりつくと思うと、それだけで興奮した。
そそり立つものがぴくぴくと痙攣しはじめて、***の柔い手のひらを押し返す。きゅっと力を入れて握り返されたら、射精欲が高まって腰と背骨が震えた。
「はぁっ、く、***……その先っぽんトコもっと強くこすって、爪立てねぇで指で」
「ぅ、うん、これで、合ってる?」
「んー、いーよ」
「銀ちゃん、気持ちいい?私、大丈夫ですか?」
「大丈夫だから、もっと速く動かして」
「ゎ、分かりました」
言われた通りに頑張る姿はかいがいしい。
知らないことを必死で覚えて、分からないなりに銀時に尽くす***は健気だ。雑に着せられた浴衣は胸元がはだけて、その中でささやかな乳房が手の動きに合わせてふるふると揺れた。
ああ、押し倒してもう一度ナカに挿れたい。今度は無理やりにでも奥まで。そしてそこで吐き出したい。想像しただけで猛ったものがますます硬度を増した。
「ぎぎぎ、銀ちゃん、その、か、硬いですっ、」
「ったりめーだろーが!硬くするために触らせてんだっつーの……んな泣きそうな顔してっけど、やりてぇっつったの***だかんね?銀さん別に頼んでないからね?お前がやるっつったんだから、責任とってちゃんと最後までやれよなぁぁぁ!」
「そ、それはそうだけど……うぅ~~~っ!」
破裂しそうなほど赤らんだ顔の***は、眉を八の字に下げて困りきっていた。その薄紅色の唇を銀時はじっと見つめる。キスをする度、ここに自分のものをくわえさせたいとずっと思っていた。そしてその機会がついにめぐってきた。
ぷっくりとした唇はさんざん口付けられた時の唾液がまだ残っていて、艶々と輝いている。桜貝のような愛らしい唇に忍耐の糸がプツンと切れて、銀時はもう限界というような声で言った。
「なぁぁ、***~~~……俺、やっぱ手じゃムリだからさぁ……………舐めて、なぁ、して、口で、早く」
「っっ……、ゎ、たし、やり方わからな、うあっ!?」
大きな手がガシッと***の頭を後ろからつかんだ。そのままぐんっと強く引き寄せたら、前に倒れた***の唇に、猛ったものの先っぽがとんっと当たる。亀頭にチュッとキスをしたようになり、***の頭から胸までがばぁぁっと一気に赤くなった。茹でダコのように真っ赤で口をぱくぱくとさせた姿を見て、銀時は「ぶはっ」と笑った。
「いーよ***、俺が教えてやるから、言うとおりにして。ホラ口おっきく開けて、んで、歯が当たんねぇように気ぃつけて……そんまま、くわえて」
「やっ、ぅ、嘘、ゎッ……んむ゙っ!!!」
ずるん、と半分まで入った***の口の中は、想像以上に熱くて狭かった。小さな口のなかが銀時のものでいっぱいになる。血管の浮く裏筋を、薄い舌がちょんっとかすめた瞬間、思わず銀時は「ぐっ」と声を上げた。銀時の太ももに手をついて、それ以上前に倒れないよう堪える***は、驚きに目を見開いていた。
「くっ、ん゙……そんまま、もっと奥まで」
「ふぁあっ……!?~~~ッゔんぅ!!」
後頭部を押さえて引き寄せたら、小さな頭はたやすく倒れた。うつむいた***が、苦しそうに眉間にシワを寄せる。先端がのどの奥にトンと当たって、太く長いそれは深く飲み込まれた。
弓なりに反った裏側に震える舌に舐められて、びりびりと電流のような快感が脳天まで貫いた。先走りか***の唾液か分からないドロドロしたものが、陰茎の横を伝って落ちる。銀時の太ももまで流れたそれに、手が滑った***の身体がかくんと前に折れたら、さらに深くくわえこまれた。
「ふっんんッ……ん、ん゙ッ———!!」
「ぅぐ、***、やっべ……っっ!」
さらりと流れた長い髪が、***の顔を隠しそうになるのを指ですくって耳にかけた。目を細めて苦しそうな表情がよく見える。桃色の綺麗な唇に、汚いものをくわえさせることに興奮しきった銀時は、***の頭を押さえる手をどかせない。それどころか後ろ頭をつかみ、ゆるゆると上下に動かして、赤黒い熱棒が出たり入ったりするのをぼうっと眺めた。
「ぐっ……は、***、そこちゃんと舐めて、裏側んとこ舌でぺろって」
「んぁ、はっ……ん、むぅッ、うっぅ~~~、」
頭を揺さぶられてワケも分からない***が、必死で舌を動かす。ピンッと張った裏筋を舐め上げられて、銀時の太ももがビクビクと震える。ぐっと息を飲んで、襲ってくる射精欲を追いやった。
「はぁん、うっ……ふ、ぁ」
涙目で喘ぐ***が不安げに銀時を見上げた。小さな口ではせいぜい三分の二までくわえるのが限界なのに、無理に頭を動かされ勢い余って根元近くまで入ると「うぐぐぅっ」とツラそうにうめいた。
のどの奥まで犯されてろくに息もできない***の唇や、それの根元に添えた両手は、唾液と先走りにまみれていた。口を精一杯開けて、歯を立てないように注意して、時折ちらちらと銀時の顔を伺うように盗み見る。銀ちゃん、気持ちいい?私、これで大丈夫?上目づかいでそう問いかけてくる。奉仕する***の姿が、ぎこちない愛撫の刺激をより強めて、強い快感が稲妻のように背骨を駆けていった。
「くっぁ……***、悪いけど、ちょっと我慢して」
「ふ!?んんぅぅっ……ひッ!!!」
丸い頭の後ろを手で抑えて、ぐっと下まで押し付ける。限界だと思っていたのどの奥の、そのもっと深くまでくわえこませる。悲鳴のような***の声はくぐもって聞こえなくなった。くり返し上下に動かされる***の頭は、人形のように力なくカクカクとした。
「はっ……っんだよ***、そんなんじゃイケねぇって……動かしてやっから、もっと強く吸って……舌に力入れろって」
「っっ……~~~~ッ、う、んんんッ……」
「ぅっくっ……そう、ちゅーってしてその割れてっとこっ、もっと、つよくっ」
聞こえているのか分からないが、***の舌に力が入った。吐いてもいない息を必死で吸って、口のなか全部で銀時のものを包み込む。ゆらっと動いた舌先が、亀頭の先端の割れ目をぐにゅりと押した瞬間、いちばん強い吐精感が銀時を襲った。
「はっ……やべ、もー出そ、てか、もぉ出していい?」
「っっ!!?」
じっとりした目付きで見下ろして聞くと、***はぎょっとした顔になった。その表情が「嘘でしょ?」と言っていた。力強く頭を抑えつけながら、指先は繊細に髪を絡めとる。背もたれから身を起こした銀時は頭を屈めて、***の耳元に唇を寄せると、低く熱っぽい声で言った。
「なぁいい、***……こんまま、口んなかで」
「ひ、ぃぁッ、~~~~っ、ぅ、んぐッ!?」
見開かれた瞳が怖がるように揺れた。後頭部をつかむ銀時の手を押し返して***は顔を上げようとしたが、そうはさせない。押し返された分だけ強く戻したら、ズンッと奥まで入って「んんっ」と***がうなった。限界まで張りつめたものを、熱い舌にねっとりとこすりつける。
「っっ、は、ぁ、出してぇー……***ダメ?出しちゃダメ?ずっと、出したかったっ……お前の口に俺の、せーえき、ぶちまけて、舌も歯も全部、汚しちまいたいってずっと思ってたっ、うぐッ……風呂でアイス食わせた時も、その前の時も、キスするたんびに、いつもっ」
「っっ……、ひ、ぁ、———!!」
真実だから切実な声が出た。自分を慰める夜に、AVの中の女優に***を重ねて、その口の中に射精するのを何度も妄想した。脳内ですりきれるほどくり返したのに、実際にしてみたら想像の何十倍も気持ちいい。
今すぐ吐き出したい。好きな女の口の中に、溜まりまくった欲望をぶちまけたい。その身勝手な望みが溢れた時、ちらりと上目づかいになった***と視線がかち合った。涙をいっぱいに溜めた瞳が、銀時をじっと見つめ返した。
「苦しーよな……んっ、はぁ、ごめんな」
「う、ぅ……ひ、ふぁあっぁ……んんっ、」
「なっ……オイ、***、っっ……!」
頭を撫でたら、***がふるふると首を振った。
大丈夫だよ銀ちゃん、苦しくないからいいよ。
潤んだ黒い瞳が、声もなくそう言った。じっと見つめ合って、銀時が言葉を失っていると、伏し目がちになった***が、自らぎこちなく口を動かしはじめた。
「ッッ……う、ぁ゙ぁーーー…***、はぁっ、」
柔い髪を優しく撫でて、***の律動に身を任せた。悩まし気に寄せられた眉、長いまつ毛が涙で濡れている。ずっずっ、という音を立てて、桜の花びらのような唇が肉棒を包んで行ったり来たりする。
ガチガチに硬くなったその先端を、舌先でぺろぺろと嬲られたら、目の奥が霞むほどの強い快感が走って、ついに銀時は限界を超えた。
「ぅ、ぁあ゙……もっ、イ、く、っっ———!!」
「~~~~っ、んぅッ……!」
ぎゅっと目をつむった***が、銀時のものを根元までくわえる。のどの奥にぐりゅっと先端がぶつかり、そこからほとばしった白濁がドッと注がれた。最初に勢いよく弾けた後、腹筋がぶるりと震えるのに合わせて、残りもどくどくと吐き出されていく。その熱い液体を全て、***の小さな口がしっかりと受け止めた。
「っく、はぁッ……***、」
あますことなく注ぎ終えて、ゆっくりと引き抜く。抜き出ると***の口の端から白い雫がたらりと垂れた。「んっ」と唇をきつく結び、両手で口元を押さえた***は、どうしようという顔で銀時を見つめた。口内の液体の行き場が見つからずに、泣きそうな表情がおかしい。力の抜けた声で「ぶはっ」と笑うと、銀時は箱からティッシュを引き抜き差し出してやった。
「な~にオロオロしてんだよオメーはぁ~……んな汚ねぇモンいつまでも味わってねーで、さっさと吐き出せってホラ」
「っっ……!!ふっ、んぐぅッ!!?」
「ちょっ、おま……は、はぁぁああっ!?」
驚いた銀時が唖然としているうちに、華奢な首がゴクンッと鳴った。***も自分が何をしてるのか分かっていないようで、目を丸くする。
ぽかんとした顔を突き合わせていたが「マジでか」と言った銀時がニヤニヤすると同時に、***のほっぺたがぶわぁっと赤く染まった。そしてゲホゲホッとせきこむと、床に手をついてうつむいた。
「オイィィィィ!***っ!お前、いくら銀さんのことが好きだからって、さすがにやりすぎだろ!たしかに口に出してぇとは言ったけど、出したもんを飲めとまでは頼んでねぇっつーの!うわ~~~マジでか、やっべぇぇぇ~~~!!!」
「ゲホッ……だ、って、ぎ、ちゃ、んがっ、ケホケホッ……!!」
やけに上機嫌な銀時を、***が羞恥のにじんだ目で睨む。せきこみながら顔どころか胸まで真っ赤に染めて後ずさった。恥ずかしさに震える声で「も、もう寝ますっ」と言うと、這うように寝室に向かう***の首根っこを、銀時がつかんで引き戻した。
「っんだよぉ、逃げんなよ***~~~!!」
「うわぁぁあっ!!」
細い腰を両手でひょいっと持ち上げると、ソファに座る銀時の膝の上に向かい合うように座らせた。浴衣だけの***のお尻に、硬さを失った銀時のものが当たった。
「~~~~っは、恥ずかしくて、も、やだぁ!ゎ、私、自分でも何してるのか分からなくて、でも銀ちゃんが」
「あーハイハイ、うるせぇからちょっと黙って」
「んぅっ!!」
腰に腕を回して引き寄せて、もう一方の手で熱いうなじを押さえて口づけた。薄く開いた唇から舌を差し込むと、***の口の中はまだ、銀時が吐き出したもので青臭い味がした。
———コイツ、マジで飲みやがった……
嬉しさと気恥ずかしさで満たされた銀時は、笑いをこらえてキスを続けた。角度を変えて何度も舌を絡めているうちに、小さな身体から力が抜けていく。唾液を注ぎこんでやると、***はまるで水を飲むようにこくこくと飲んだ。精液の名残が消えてようやく唇を離すと、***はとろけた目で銀時に寄りかかってきた。
「なーなー***、そんなに俺のこと好き?汚ねぇザーメンまで飲んじゃうくらい好きなの?」
「っ……、す、好き、好きだよ銀ちゃん、でも……」
広い肩に身を預けたまま、***は顔を上げる。ふらっと伸びてきた華奢な指が、銀時の汗ばんだ前髪を優しく撫でた。濡れた桜色の唇が、秘密を打ち明けるみたいにささやいた。
「でも、汚くなんて、ないです……私、銀ちゃんから出たものを汚いなんて、思わない……だいすき、だから、全部、ちゃんと、受け止めるから……それ、で」
言っているうちにまぶたが閉じる。ぱたりと細い腕が落ちて、銀時にもたれたまま、***は静かな寝息を立てはじめた。なんて馬鹿な女。そう呆れるのに口元は緩む。***が寝落ちしてくれてよかった。恋人の一途な言葉に喜んで、だらしなくほころぶ顔なんて、かっこわるくて見せられない。
「ったく、どーしよーもねぇなコイツは……」
くったりとした身体を抱き上げて布団に横たえる。穏やかに眠る***に布団をかけて、銀時はシャワーを浴びた。身体を洗っているうちに、***の唇で愛撫された感覚が蘇ってきて、股間はもう一度硬さを取り戻した。
ため息をついて、自分の手でしごいて射精すると、さっきよりサラサラとしたものが出た。
「いやマジで、盛りまくった中2男子かよォォォ」
浴室に響いた情けない声を、***は知る由もない。
パンツ一丁で和室に戻り、寝間着の替えを出す為に押入れを開けた。昼に履いていた黒いズボンが目に入る。その尻のポケットから数枚の紙が飛び出していた。引き抜いて開いたそれは、風俗嬢募集のチラシ。***の部屋の扉に入っていた。
ピンク色のチラシの下に、白い紙が隠れていた。
ぐしゃっと握りつぶされた白い半紙を開くと、黒い墨汁で書かれた大きな文字。
‟坂田銀時と別れろ さもないと殺す”
脅迫文は今朝はじめて入れられたようで、***は気づいていない。不審者、脅迫文、ボロいアパート。とてもじゃないが***をあのまま、あの部屋に置いておくわけにはいかなった。
「ぁれ……ぎ、んちゃん?」
「どわぁぁぁあ!!」
びっくりして振り返ると、布団の中から***が顔だけ上げて銀時を見ていた。紙を丸めてポケットに戻すと、慌てて襖を閉めた。眠そうに目をこする***の横に膝をつく。
「んだよ、***、びっくりさせんじゃねーよ。眠いんなら、さっさと寝ちまえって」
「うん……ね、でも、指輪が」
「あ゙、指輪ぁ?あぁ……」
リビングの机に置かれた指輪を取ってきて、掛け布団から出た***の指にはめてやった。白く華奢な左手に、プラスチック製の赤い宝石が輝くと、***はホッとした顔で銀時にふわりと微笑んだ。たかがオモチャをこんなに大切にする姿が、いじらしくて愛おしい。
「ぎん、ちゃ……一緒に、いてください」
「へーへー分かったよ」
布団に滑り込んだ銀時に、***はすり寄ってくる。抱き寄せた裸の胸に***の顔がくっついて、寝息が温かい。うつむくと子どものような寝顔と、握りしめた左手の指輪が見えた。
「はは、っとにガキみてぇな顔しやがって」
安心しきって眠る***の姿にホッとする。
何があってもコイツは守る。そう思いながら小さな頭のてっぺんに、そっと口付けた。
はぁぁぁ、と銀時が深く吐いた溜息を、すやすやと眠り続ける***は、知る由もなかった。
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【(33)どういうつもり】end
"お泊り"後篇 / 今はただ あなたの目を見ていたい
☆指定年齢に満たない方はご遠慮ください
☆口淫(主人公→銀ちゃん)等の性的描写を含みます
☆苦手な方はお戻りください
【(33)そういうつもり】
冷静をとりつくろうのは本当に大変だった。
新八に「***がしばらくウチに泊まるから」と伝えると「鼻の下が伸びきってますよ、銀さん」と呆れられた。大量の酢昆布を渡して泊まりに行かせた神楽は、家を出る直前まで銀時を白い目で見ていた。
当の***は小動物のようにソワソワしっぱなしで、夕飯を食べれば白米をまぶたに押し付けるし、風呂に入れと言えば「は、はひっ!」と上ずった声を出すしで、見てるこっちまで気が気じゃなかった。
交際数カ月でも、ふたりきりの夜は数えるほどしかないから、銀時だって浮足立つ。落ちつきなく顔をジャンプに押し当てて「うがー」とか「いぎぎ」とか唸っていたなんて、***は知る由もない。
風呂上がりの***の血色のいい頬は桃のようで、むしゃぶりつきたくなった。髪の濡れたしっとりした姿を見たら、理性が飛びそうだった。その場で押し倒しそうになるのを誤魔化して、慌てて脱衣所に逃げ込む。しかし股間のものは既に反応して硬くなっていた。「オメーは童貞の中坊かっつーのォォォ」という情けない声が風呂場に響いたことを、***は知る由もない。
「銀ちゃん、ぉ、お布団はひとつでいいよ……?」
考えるより先に手が出るせいで、身勝手に***に触れてきた今までを、少しだけ反省している。だから今夜は布団をひと組だけ敷いた。
好きな女の純潔を今すぐ奪いたい。それをギリギリ我慢して***に選ばせたのは、男の意地だ。戸惑いに震える小さな身体が、勇気をふり絞って背中に抱きついてきた時、銀時は絶対に優しくすると心に決めた。
「あッ、銀ちゃっ……ゃ、優しく、してください」
「んー……できるか分かんねぇけど、まぁ、やってみるわ」
銀時が寝間着の上を脱いだだけで、***はヤケドしそうなほど赤くなる。そんな初心な反応をされると、初めての相手だという実感が嬉しい一方で、どれだけ優しくしても傷つけそうで恐ろしかった。出来るかぎりゆっくりと服を脱がし、首や胸に少しずつ触れていった。くすぐったそうだった***が甘い吐息をこぼすまで、かなり時間をかけて丁寧に愛撫した。
「中指ぜんぶ入った……、***、俺の指、好き?」
「ひゃ、ぁあ……っんぅあぁ、はっ……す、きぃっ、あっ、ぎ、ぎんちゃっ……!!」
とろけきった***は、いやらしい質問にも素直に答えた。付き合いたての頃は手を繋ぐのも、目を合わすのも緊張してたくせに、こうまで女は変わるのか。何も知らない***を、自分の手で少しずつ女にしていくのは、忍耐の辛さより狂喜が勝った。
「イケよ***」
「っっ、ひ、あっ……~~~~~ッッ!!!」
熱い膣内が指をきゅうっと締め上げる。そこから溢れた愛液が手首まで垂れてくる。腰を浮き上がらせた***は、白い太ももの内側を痙攣させて、呆気なく達した。自分の言いなりのように果てた姿が、銀時を心底喜ばせた。頭の片隅で「はい、1回目」という声が響いた。
———3回、いや5回、イかせりゃ大丈夫だろ……
「んゃぁあっ……!?なっ、ぎ、っちゃぁ、まっ、あっ、だ、めぇッ……ゃぁああんっ!!」
「ダメじゃねぇくせに。ホラ、もっかいな」
「あっ、ぎ……ひゃぁあ、ああんッ———!!」
一度絶頂を味わったナカは敏感で、間髪入れずに動かした指をうねるように締め付けた。「2回目」と脳内の声が言う。爪先までピンッと力の入った華奢な脚が脱力すると同時に、指の抜き差しを再開する。震えの止まらない膣の中の、手前側のくぼみや敏感な奥を、銀時の指先は的確に刺激し続けた。
「んぁっ、やぁ、あっ、やぁぁ、ぎんちゃ、んぅあッ、~~~~ッ、ぃ、ぁああッッ———!!」
「お、またイった?***んナカ、めっさ熱くてヤケドしそーなんですけど」
ニヤつく声で言いながら、心の中で「3回目」とカウントする。空いた方の手で足首をつかみ、大きく横に開けば、骨ばった指を飲み込む秘部がよく見えた。いつかの夜、はじめて***のそこを目にした時、あまりの美しさに間違いなく新品だと歓喜したのを思い出した。
桜の花びらのような小さなひだが、濡れて光っている。指一本分だけ開かれた割れ目は狭く熱い。ひくひくする紅いところに吸い付いて、奥まで舌を挿れたい。他の誰も、***本人すら触れたことのない場所を、自分だけが知ってる優越感がたまらない。
絶え間なく動く指でナカをいじられ続ける***が、背中を弓なりにのけ反らせて、4回目の絶頂を迎えた。
「ぎっ、や、ひぁっ、ぁ、ぃゃぁあッ———!」
「4回目ぇ、すげぇな***、中も外も全身ビクビク言っちまって……お前がぎゅーぎゅー締め付けるせいで、俺の指までしびれそうだっつーの」
「~~~~っ、ぎ、んちゃ、も、やめて、よぉ」
息も絶え絶えの***が銀時の手首をつかんだ。もう抜いてください、と潤んだ目で言われたら、ますますいじめたくなってしまう。
「もっかいイったらな。そしたらやめてやるよ」
「なっ……!!や、銀ちゃっ、ま、って」
身体を起こした銀時は、***の頭の横に片手をつく。上から顔を見下ろして、小さな手を押し返すようにぐんっと指を進めると、じゅぶっと大きな音が鳴った。
ひゃあっ、と悲鳴を上げた唇から唾液が垂れる。もったいないと深く口付けて、じゅるじゅると全て吸い上げた。その間も行ったり来たりする長い指が、柔く熱い内壁をこすり続けた。唇を離すと快楽に溺れ切った顔の***が、銀時の首に抱きついてくる。
「オイオイ***、離れろよ~~。これじゃ、お前のイく時のかわいー顔見えねーじゃん」
「やぁっ……!!ぎ、ちゃ、んぅあッ———!!」
返事もできずに***は、肩に顔を押し付ける。揺れる黒髪の甘い香りを深く吸い込んで、銀時は最後にもう一度、***のいちばん感じる深い場所に、指先をぐにゅっと押し込んだ。
「ん゙っ……あっ、ひぁぁあッ、~~~~っ!!」
達しながらすがりつく***の柔らかい乳房が、銀時の胸に押し付けられた。汗ばんだ身体をくっつけ合うと脳内で「はい、5回目」と言う満足げな声がした。
蜜口から引き抜いた指はふやけていた。浅い息を繰り返して、***はぐったりとする。
これだけイかせて馴染ませれば、きっと大丈夫だ。そう思いながら、ゴムをまとわせたそれを濡れた割れ目に押し当てた時、銀時は驚きで声も出なかった。
———はっ……!?いやいやいや、コレ、全ッ然入んねぇんですけど!?マイナスのネジにプラスドライバーぶっ差すみてーになってんですけどぉぉぉ!!?あんなに慣らしたっつーのに***のここ小っさ!狭っ!んでもって……あ、熱~~~~っっっ!!!
小さくて狭い***のそこに対して、ねじ込みたいモノが大きすぎる。まじまじと見ている銀時がいちばん分かっている。焦って冷や汗をダラダラと垂らす銀時を、身体を石のように強張らせた***が怯えた目で見ていた。
これじゃムリだと分かりながら、ほんの少し挿れた先端を、ナカの熱さに包まれたら、あまりの気持ちよさに意識が飛びかけた。もっと奥まで進みたくて、逃げようとする細い腰を自然と引き戻そうとしてしまう。泣きながら痛がる***にほほを叩かれ、腕を引っ掻かれてようやく、銀時は我に返ったのだ。
———あぁぁぁ~~~、ちきしょぉぉぉ~~~!!!
泣きじゃくる恋人を抱きしめた銀時が心の中で、悔しさのあまり叫んでいたなんて、***は知る由もない。
ソファに腰かけた銀時は、目の前でひざまずく***を見下ろしてほくそ笑む。長い髪を撫でたら、サラサラと流れた毛先が膝に当たってくすぐったい。同じシャンプーのはずなのに、***の髪からは特別に甘い香りがして、年甲斐もなく胸が高鳴った。
耳に触れてから薄い肩をつかんで引き寄せると、***は銀時の脚の間でますます縮こまった。顔の前に突き出されたものから必死で目を背けて、潤んだ黒い瞳がじっと銀時を見つめていた。
「なー、***、早くしろって」
「あっ、うぅ、ぇっと銀ちゃん、」
口をあわあわとさせた***が飛び跳ねる。それも無理はない。まさかこんな事になるとは思ってなかったはず。その心情を知っててわざと急かす楽しさに、銀時の中のいじめっ子が大喜びしている。
———男を知らねぇガキのくせに、ヘタに気ぃつかうからこんな目にあうんだっつーの。目ぇうるうるさせて「手じゃなくてもいいよ」な~んて言われたら、野郎なら誰だって「じゃー口にぶち込ませてください」ってなるに決まってんだろーが、こんちくしょぉぉぉ!!!
「いつまでボーッとしてんだよ***~。とりあえず、手で触ってみろって、前にやり方教えただろ」
「えっ!?てっ!?あっ、て、手、ですね!!」
固まっているのを見かねて銀時がそう言うと、***は自分の両手を見下ろして首を傾げた。少し悩んでから、左手の薬指の赤い石の付いた指輪を外すと、静かにテーブルに置いた。いたいけなその仕草に声もなく笑った銀時が、小さな手をつかんで脚の間に導く。
張りつめた先端に指先がちょんっと触れただけで「うぐっ」と唸ってしまう。右手でにぎらせて、左手は根元に添えさせる。じっとそれを見つめた***は、湯気が出そうなほど顔を真っ赤に染めて「うわぁぁ」と開いた口が閉じない。
「ぶっ、間抜けヅラしてんじゃねーよ」
「だ、だってぇ……~~~~っ、」
眉を八の字に下げた***が顔を上げる。初めて目の当たりにする銀時のものに戸惑って、涙ぐんだ瞳がキラキラと光っていた。
———くそっ、早く口に挿れてぇぇぇ~~~……
そう思いながらも残りわずかな理性を総動員した銀時は、***の手を上から強く握った。
「もっと強くしろよ***。そんなんじゃいつまでたっても俺はイケねぇって、知ってんだろ」
「いや、うッ、ご、ごめんね……こうでいい?」
「あ゙ー、そうそう、そんな感じー……なぁ、***さぁ、ちょうどいい機会だから、ちゃんとそれ見て、形も手で覚えて慣れとけば?そしたら次はもう怖くねぇって。でもって最後まで出来るかもしんねーよ?」
「そっ、そーゆーものなんですか?……銀ちゃんの、こ、これに慣れれば怖くなくなるの?」
いや知らねぇけど、という無責任な答えは心に留めた。くつくつと笑って小さな頭をポンポンと撫でたら、肯定だと受け取った***は唇をきゅっと噛みしめた。真剣な眼差しで銀時のものを見つめたが、羞恥心に目を背けたそうだった。その気持ちが手に取るように分かる銀時は、愉快で仕方がなかった。
銀時に動かされるがまま、***の両手が上下する。しごかれるものはどんどん硬く張りつめていく。今にも吐精しそうな熱を必死でこらえているから、透明な先走りが溢れ出した。華奢な指の間から、ぬちゃぬちゃといやらしい音が立つ。奥歯を噛んで銀時が耐えるのはひとえに、***の口の中に入りたいから。それをずっと夢見てきたからだ。
———いや、いちばんはナカだよ?***のあの狭ぇトコに挿れて、いちばん奥で出してぇに決まってんだろーが。でも、無理だろ。あんな小せぇ穴に突っ込めねぇだろ。暴れまくって大泣きして嫌がってんのに、あれ以上無理強いできねぇっつーの……こう見えて銀さん、テメェの彼女は大事にしたいタイプだし?その彼女が処女なら尚更、丁寧に抱いてやりてぇとか思うロマンチストだしぃ~?それに比べて口なら痛かねーし、苦しいかもしんねーけど、ちゃんと教えてやりゃぁ、***だって出来んだろ。それにコイツにくわえさせて、綺麗な口を俺ので汚すのは、たまんねぇだろぉぉぉ……
心の中ではベラベラと饒舌に喋りながら、ひたすら銀時は与えられる刺激に耐えた。コンドームを外したばかりで、ゴムの香りがする。それが***の白くて美しい手にこびりつくと思うと、それだけで興奮した。
そそり立つものがぴくぴくと痙攣しはじめて、***の柔い手のひらを押し返す。きゅっと力を入れて握り返されたら、射精欲が高まって腰と背骨が震えた。
「はぁっ、く、***……その先っぽんトコもっと強くこすって、爪立てねぇで指で」
「ぅ、うん、これで、合ってる?」
「んー、いーよ」
「銀ちゃん、気持ちいい?私、大丈夫ですか?」
「大丈夫だから、もっと速く動かして」
「ゎ、分かりました」
言われた通りに頑張る姿はかいがいしい。
知らないことを必死で覚えて、分からないなりに銀時に尽くす***は健気だ。雑に着せられた浴衣は胸元がはだけて、その中でささやかな乳房が手の動きに合わせてふるふると揺れた。
ああ、押し倒してもう一度ナカに挿れたい。今度は無理やりにでも奥まで。そしてそこで吐き出したい。想像しただけで猛ったものがますます硬度を増した。
「ぎぎぎ、銀ちゃん、その、か、硬いですっ、」
「ったりめーだろーが!硬くするために触らせてんだっつーの……んな泣きそうな顔してっけど、やりてぇっつったの***だかんね?銀さん別に頼んでないからね?お前がやるっつったんだから、責任とってちゃんと最後までやれよなぁぁぁ!」
「そ、それはそうだけど……うぅ~~~っ!」
破裂しそうなほど赤らんだ顔の***は、眉を八の字に下げて困りきっていた。その薄紅色の唇を銀時はじっと見つめる。キスをする度、ここに自分のものをくわえさせたいとずっと思っていた。そしてその機会がついにめぐってきた。
ぷっくりとした唇はさんざん口付けられた時の唾液がまだ残っていて、艶々と輝いている。桜貝のような愛らしい唇に忍耐の糸がプツンと切れて、銀時はもう限界というような声で言った。
「なぁぁ、***~~~……俺、やっぱ手じゃムリだからさぁ……………舐めて、なぁ、して、口で、早く」
「っっ……、ゎ、たし、やり方わからな、うあっ!?」
大きな手がガシッと***の頭を後ろからつかんだ。そのままぐんっと強く引き寄せたら、前に倒れた***の唇に、猛ったものの先っぽがとんっと当たる。亀頭にチュッとキスをしたようになり、***の頭から胸までがばぁぁっと一気に赤くなった。茹でダコのように真っ赤で口をぱくぱくとさせた姿を見て、銀時は「ぶはっ」と笑った。
「いーよ***、俺が教えてやるから、言うとおりにして。ホラ口おっきく開けて、んで、歯が当たんねぇように気ぃつけて……そんまま、くわえて」
「やっ、ぅ、嘘、ゎッ……んむ゙っ!!!」
ずるん、と半分まで入った***の口の中は、想像以上に熱くて狭かった。小さな口のなかが銀時のものでいっぱいになる。血管の浮く裏筋を、薄い舌がちょんっとかすめた瞬間、思わず銀時は「ぐっ」と声を上げた。銀時の太ももに手をついて、それ以上前に倒れないよう堪える***は、驚きに目を見開いていた。
「くっ、ん゙……そんまま、もっと奥まで」
「ふぁあっ……!?~~~ッゔんぅ!!」
後頭部を押さえて引き寄せたら、小さな頭はたやすく倒れた。うつむいた***が、苦しそうに眉間にシワを寄せる。先端がのどの奥にトンと当たって、太く長いそれは深く飲み込まれた。
弓なりに反った裏側に震える舌に舐められて、びりびりと電流のような快感が脳天まで貫いた。先走りか***の唾液か分からないドロドロしたものが、陰茎の横を伝って落ちる。銀時の太ももまで流れたそれに、手が滑った***の身体がかくんと前に折れたら、さらに深くくわえこまれた。
「ふっんんッ……ん、ん゙ッ———!!」
「ぅぐ、***、やっべ……っっ!」
さらりと流れた長い髪が、***の顔を隠しそうになるのを指ですくって耳にかけた。目を細めて苦しそうな表情がよく見える。桃色の綺麗な唇に、汚いものをくわえさせることに興奮しきった銀時は、***の頭を押さえる手をどかせない。それどころか後ろ頭をつかみ、ゆるゆると上下に動かして、赤黒い熱棒が出たり入ったりするのをぼうっと眺めた。
「ぐっ……は、***、そこちゃんと舐めて、裏側んとこ舌でぺろって」
「んぁ、はっ……ん、むぅッ、うっぅ~~~、」
頭を揺さぶられてワケも分からない***が、必死で舌を動かす。ピンッと張った裏筋を舐め上げられて、銀時の太ももがビクビクと震える。ぐっと息を飲んで、襲ってくる射精欲を追いやった。
「はぁん、うっ……ふ、ぁ」
涙目で喘ぐ***が不安げに銀時を見上げた。小さな口ではせいぜい三分の二までくわえるのが限界なのに、無理に頭を動かされ勢い余って根元近くまで入ると「うぐぐぅっ」とツラそうにうめいた。
のどの奥まで犯されてろくに息もできない***の唇や、それの根元に添えた両手は、唾液と先走りにまみれていた。口を精一杯開けて、歯を立てないように注意して、時折ちらちらと銀時の顔を伺うように盗み見る。銀ちゃん、気持ちいい?私、これで大丈夫?上目づかいでそう問いかけてくる。奉仕する***の姿が、ぎこちない愛撫の刺激をより強めて、強い快感が稲妻のように背骨を駆けていった。
「くっぁ……***、悪いけど、ちょっと我慢して」
「ふ!?んんぅぅっ……ひッ!!!」
丸い頭の後ろを手で抑えて、ぐっと下まで押し付ける。限界だと思っていたのどの奥の、そのもっと深くまでくわえこませる。悲鳴のような***の声はくぐもって聞こえなくなった。くり返し上下に動かされる***の頭は、人形のように力なくカクカクとした。
「はっ……っんだよ***、そんなんじゃイケねぇって……動かしてやっから、もっと強く吸って……舌に力入れろって」
「っっ……~~~~ッ、う、んんんッ……」
「ぅっくっ……そう、ちゅーってしてその割れてっとこっ、もっと、つよくっ」
聞こえているのか分からないが、***の舌に力が入った。吐いてもいない息を必死で吸って、口のなか全部で銀時のものを包み込む。ゆらっと動いた舌先が、亀頭の先端の割れ目をぐにゅりと押した瞬間、いちばん強い吐精感が銀時を襲った。
「はっ……やべ、もー出そ、てか、もぉ出していい?」
「っっ!!?」
じっとりした目付きで見下ろして聞くと、***はぎょっとした顔になった。その表情が「嘘でしょ?」と言っていた。力強く頭を抑えつけながら、指先は繊細に髪を絡めとる。背もたれから身を起こした銀時は頭を屈めて、***の耳元に唇を寄せると、低く熱っぽい声で言った。
「なぁいい、***……こんまま、口んなかで」
「ひ、ぃぁッ、~~~~っ、ぅ、んぐッ!?」
見開かれた瞳が怖がるように揺れた。後頭部をつかむ銀時の手を押し返して***は顔を上げようとしたが、そうはさせない。押し返された分だけ強く戻したら、ズンッと奥まで入って「んんっ」と***がうなった。限界まで張りつめたものを、熱い舌にねっとりとこすりつける。
「っっ、は、ぁ、出してぇー……***ダメ?出しちゃダメ?ずっと、出したかったっ……お前の口に俺の、せーえき、ぶちまけて、舌も歯も全部、汚しちまいたいってずっと思ってたっ、うぐッ……風呂でアイス食わせた時も、その前の時も、キスするたんびに、いつもっ」
「っっ……、ひ、ぁ、———!!」
真実だから切実な声が出た。自分を慰める夜に、AVの中の女優に***を重ねて、その口の中に射精するのを何度も妄想した。脳内ですりきれるほどくり返したのに、実際にしてみたら想像の何十倍も気持ちいい。
今すぐ吐き出したい。好きな女の口の中に、溜まりまくった欲望をぶちまけたい。その身勝手な望みが溢れた時、ちらりと上目づかいになった***と視線がかち合った。涙をいっぱいに溜めた瞳が、銀時をじっと見つめ返した。
「苦しーよな……んっ、はぁ、ごめんな」
「う、ぅ……ひ、ふぁあっぁ……んんっ、」
「なっ……オイ、***、っっ……!」
頭を撫でたら、***がふるふると首を振った。
大丈夫だよ銀ちゃん、苦しくないからいいよ。
潤んだ黒い瞳が、声もなくそう言った。じっと見つめ合って、銀時が言葉を失っていると、伏し目がちになった***が、自らぎこちなく口を動かしはじめた。
「ッッ……う、ぁ゙ぁーーー…***、はぁっ、」
柔い髪を優しく撫でて、***の律動に身を任せた。悩まし気に寄せられた眉、長いまつ毛が涙で濡れている。ずっずっ、という音を立てて、桜の花びらのような唇が肉棒を包んで行ったり来たりする。
ガチガチに硬くなったその先端を、舌先でぺろぺろと嬲られたら、目の奥が霞むほどの強い快感が走って、ついに銀時は限界を超えた。
「ぅ、ぁあ゙……もっ、イ、く、っっ———!!」
「~~~~っ、んぅッ……!」
ぎゅっと目をつむった***が、銀時のものを根元までくわえる。のどの奥にぐりゅっと先端がぶつかり、そこからほとばしった白濁がドッと注がれた。最初に勢いよく弾けた後、腹筋がぶるりと震えるのに合わせて、残りもどくどくと吐き出されていく。その熱い液体を全て、***の小さな口がしっかりと受け止めた。
「っく、はぁッ……***、」
あますことなく注ぎ終えて、ゆっくりと引き抜く。抜き出ると***の口の端から白い雫がたらりと垂れた。「んっ」と唇をきつく結び、両手で口元を押さえた***は、どうしようという顔で銀時を見つめた。口内の液体の行き場が見つからずに、泣きそうな表情がおかしい。力の抜けた声で「ぶはっ」と笑うと、銀時は箱からティッシュを引き抜き差し出してやった。
「な~にオロオロしてんだよオメーはぁ~……んな汚ねぇモンいつまでも味わってねーで、さっさと吐き出せってホラ」
「っっ……!!ふっ、んぐぅッ!!?」
「ちょっ、おま……は、はぁぁああっ!?」
驚いた銀時が唖然としているうちに、華奢な首がゴクンッと鳴った。***も自分が何をしてるのか分かっていないようで、目を丸くする。
ぽかんとした顔を突き合わせていたが「マジでか」と言った銀時がニヤニヤすると同時に、***のほっぺたがぶわぁっと赤く染まった。そしてゲホゲホッとせきこむと、床に手をついてうつむいた。
「オイィィィィ!***っ!お前、いくら銀さんのことが好きだからって、さすがにやりすぎだろ!たしかに口に出してぇとは言ったけど、出したもんを飲めとまでは頼んでねぇっつーの!うわ~~~マジでか、やっべぇぇぇ~~~!!!」
「ゲホッ……だ、って、ぎ、ちゃ、んがっ、ケホケホッ……!!」
やけに上機嫌な銀時を、***が羞恥のにじんだ目で睨む。せきこみながら顔どころか胸まで真っ赤に染めて後ずさった。恥ずかしさに震える声で「も、もう寝ますっ」と言うと、這うように寝室に向かう***の首根っこを、銀時がつかんで引き戻した。
「っんだよぉ、逃げんなよ***~~~!!」
「うわぁぁあっ!!」
細い腰を両手でひょいっと持ち上げると、ソファに座る銀時の膝の上に向かい合うように座らせた。浴衣だけの***のお尻に、硬さを失った銀時のものが当たった。
「~~~~っは、恥ずかしくて、も、やだぁ!ゎ、私、自分でも何してるのか分からなくて、でも銀ちゃんが」
「あーハイハイ、うるせぇからちょっと黙って」
「んぅっ!!」
腰に腕を回して引き寄せて、もう一方の手で熱いうなじを押さえて口づけた。薄く開いた唇から舌を差し込むと、***の口の中はまだ、銀時が吐き出したもので青臭い味がした。
———コイツ、マジで飲みやがった……
嬉しさと気恥ずかしさで満たされた銀時は、笑いをこらえてキスを続けた。角度を変えて何度も舌を絡めているうちに、小さな身体から力が抜けていく。唾液を注ぎこんでやると、***はまるで水を飲むようにこくこくと飲んだ。精液の名残が消えてようやく唇を離すと、***はとろけた目で銀時に寄りかかってきた。
「なーなー***、そんなに俺のこと好き?汚ねぇザーメンまで飲んじゃうくらい好きなの?」
「っ……、す、好き、好きだよ銀ちゃん、でも……」
広い肩に身を預けたまま、***は顔を上げる。ふらっと伸びてきた華奢な指が、銀時の汗ばんだ前髪を優しく撫でた。濡れた桜色の唇が、秘密を打ち明けるみたいにささやいた。
「でも、汚くなんて、ないです……私、銀ちゃんから出たものを汚いなんて、思わない……だいすき、だから、全部、ちゃんと、受け止めるから……それ、で」
言っているうちにまぶたが閉じる。ぱたりと細い腕が落ちて、銀時にもたれたまま、***は静かな寝息を立てはじめた。なんて馬鹿な女。そう呆れるのに口元は緩む。***が寝落ちしてくれてよかった。恋人の一途な言葉に喜んで、だらしなくほころぶ顔なんて、かっこわるくて見せられない。
「ったく、どーしよーもねぇなコイツは……」
くったりとした身体を抱き上げて布団に横たえる。穏やかに眠る***に布団をかけて、銀時はシャワーを浴びた。身体を洗っているうちに、***の唇で愛撫された感覚が蘇ってきて、股間はもう一度硬さを取り戻した。
ため息をついて、自分の手でしごいて射精すると、さっきよりサラサラとしたものが出た。
「いやマジで、盛りまくった中2男子かよォォォ」
浴室に響いた情けない声を、***は知る由もない。
パンツ一丁で和室に戻り、寝間着の替えを出す為に押入れを開けた。昼に履いていた黒いズボンが目に入る。その尻のポケットから数枚の紙が飛び出していた。引き抜いて開いたそれは、風俗嬢募集のチラシ。***の部屋の扉に入っていた。
ピンク色のチラシの下に、白い紙が隠れていた。
ぐしゃっと握りつぶされた白い半紙を開くと、黒い墨汁で書かれた大きな文字。
‟坂田銀時と別れろ さもないと殺す”
脅迫文は今朝はじめて入れられたようで、***は気づいていない。不審者、脅迫文、ボロいアパート。とてもじゃないが***をあのまま、あの部屋に置いておくわけにはいかなった。
「ぁれ……ぎ、んちゃん?」
「どわぁぁぁあ!!」
びっくりして振り返ると、布団の中から***が顔だけ上げて銀時を見ていた。紙を丸めてポケットに戻すと、慌てて襖を閉めた。眠そうに目をこする***の横に膝をつく。
「んだよ、***、びっくりさせんじゃねーよ。眠いんなら、さっさと寝ちまえって」
「うん……ね、でも、指輪が」
「あ゙、指輪ぁ?あぁ……」
リビングの机に置かれた指輪を取ってきて、掛け布団から出た***の指にはめてやった。白く華奢な左手に、プラスチック製の赤い宝石が輝くと、***はホッとした顔で銀時にふわりと微笑んだ。たかがオモチャをこんなに大切にする姿が、いじらしくて愛おしい。
「ぎん、ちゃ……一緒に、いてください」
「へーへー分かったよ」
布団に滑り込んだ銀時に、***はすり寄ってくる。抱き寄せた裸の胸に***の顔がくっついて、寝息が温かい。うつむくと子どものような寝顔と、握りしめた左手の指輪が見えた。
「はは、っとにガキみてぇな顔しやがって」
安心しきって眠る***の姿にホッとする。
何があってもコイツは守る。そう思いながら小さな頭のてっぺんに、そっと口付けた。
はぁぁぁ、と銀時が深く吐いた溜息を、すやすやと眠り続ける***は、知る由もなかった。
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【(33)どういうつもり】end
"お泊り"後篇 / 今はただ あなたの目を見ていたい