銀ちゃんの愛する女の子
おいしい牛乳(恋人)
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【(19)果てる】
溢れた涙はなかなか止まらなかった。泣きじゃくる小さな身体を抱きしめてから、もうどれだけ経っただろう。よく泣く女だとは常々思っていたが、その日の***の泣き方は今までと違った。声もない号泣というものを、銀時は初めて見た。
顔を押し付けられた首筋にたくさんの涙が流れていく。ぬるい水滴がぽたぽたと首を落ち、胸へと伝っていった。涙粒の落ちる先を見下ろして、見るんじゃなかったと銀時は後悔した。
「ぅぐっ……!!」
筋肉質な男の胸板に、裸の乳房が押し付けられていて、思わず変な声が出そうになる。やわらかい膨らみは抱き合うことでふにゃりと形を変えていた。一糸まとわない上半身同士がすり合うところに涙が流れ込んで、互いの肌をしっとりと濡らしていた。
———ヤバイヤバイヤバイってコレェェェ!え、なにコイツ、この状況分かってる?おっぱい丸出しだよ?ふにゃんふにゃんのおっぱいだよ?しかもすりすり当たってんだよアレが!アレっつーか乳首が!***ちゃぁ~ん、いい加減もう泣き止もう?目ぇ溶けそうなくらい泣いただろーが!俺もう限界なんですけど!?お預けくらって、泣きてぇのはこっちなんですけどぉぉぉ!?
「っ、……***、」
「ふっ、ぅゔ……っ、はぃ?」
思わず名を呼んだら、嗚咽をこらえた***が顔を上げた。紅い目元で潤んだ瞳がとろんとしている。安心しきった身体を銀時に預け、半開きの口で返事をした。呼ぶんじゃなかったと二度目の後悔をしたが、もう遅い。
慈しむように背中を撫でていた手がぴくりと止まる。正直な手は***に触れたがっていた。その白い素肌に、しっとりした乳房とその先端の可愛いピンク色に、ショーツに隠された場所のそのもっと奥に———
やけに切羽詰まった声で名前を呼ばれて、***は我に返った。どれだけ長く泣いていたのだろう。抱きついていた首から離れて見上げたら、銀時が何かを耐えるような苦し気な顔をしていて、***はぽかんとした。
「へ?……ぎ、んちゃん?」
泣き過ぎて力の入らない身体をもたれて、無防備に安心しきった声が出た。
「***、お前……自分がどんな格好で俺にすがりついてるか、分かってんの?」
「ぇ……うわわっ!!?」
肩を抱いていた腕が解かれて、大きな手が胸に降りてくる。その手で乳房をふんわりと包まれて初めて、***は自分のあられもない姿に気づいた。横抱きにする銀時の手が、気付けば腰まで下りていて、ショーツの上からお尻をさわさわと撫でていた。
「やっ、えっ、ちょ……うそ!?ふ、服が!!」
きょろきょろして床に落ちる銀時の黒いシャツに手を伸ばす。その手が届く前に、あぐらを崩した銀時の足がサッと動いて、そのシャツを遠くへ蹴り飛ばした。
「さんざん泣いて、もう気が済んだろ***、そろそろお触り再開といこうや。小さいからガッカリされちゃう~って心配してぴーぴーわめいてたおっぱい、ちゃんと銀さんに見せてみなさいってぇ」
「なっ……!さ、さっき充分見たじゃないですか!今日はもう、無理だよぉ、これ以上は」
恥ずかしくてヤダと言いながら***は、大きな手を乳房から引き剥がそうとした。しかしその手はびくともしない。むしろ指先に力を込めて、ふくらみの触感を味わうようにムニュムニュと揉み始めた。
「んっ、やっぁ、ぎんちゃん……ムリだって、ばぁ!」
「いやいやいや、これ以上ガマンする方がムリだから。俺も限界だしぃ、***が抱き着いてくるのがいけねぇんだしぃ、おっぱいだって触ってほしそうだすぃ~?俺に胸ぐいぐい押し付けてたのはお前だからね?ほんとは***だっておっぱい触ってほしいんだろ?」
「ちっ、ちがぅっんぁ……!やっ、ばかぁっ!!」
さっきまで背中をゆっくりと撫でていた手とは別物みたいに、銀時の手が素早く動いた。形が変わるほど乳房を揉みしだかれる。片膝を立てて***の背中を支えると、空いた手で後頭部をつかまれる。ぐいっと頭を上を向けられると同時に、顔が近づいてきていた。
「あっ、ぎ、んぅっ……ぅんんっ!」
泣き疲れた身体に力が入らない。キスをする前から開いていた唇に急に噛みつかれて、すぐに熱い舌が入ってくる。うねる舌で口の中を愛撫されたら、顔が沸騰しそうなほど熱くなった。
「んぅぅっ……ふぁっ、あ、ぁっ」
「っは、キス、気持ちいい***?」
「ゃッ、ぎんっ——ん、はぁ、ぁんんっ~~~っっ!」
質問するくせに唇は離さないから答えられない。甘苦しい口づけで頭の奥が痺れていく。ぼんやりした目が溶けそうなほど熱いのは、泣いたせいかキスのせいか分からなくなった。
「ひぃっ、んぅ、ぁあっ……んふぁッ!?」
震える舌を引きずり出されて、銀時の口の中まで持って行かれる。強く吸われた舌先を銀時の歯で軽く甘噛みされたら、電流が走るように全身がビクビクと震えた。驚きで目を見開く***を至近距離で見つめる赤い瞳は、ニヤニヤと笑っていた。
舐めたり噛んだり、舌同士をきつく絡めたり、じゅううっと吸われたり。散々もてあそばれた唇がやっと解放された時、必死で息を吸う***の口の端から、大量の唾液がぽたぽたと垂れた。
「はぁっ……あっ、はぁ…ぁ、んっ」
「うわ、ちょ、***、なにそのすっげぇエロい顔ぉぉ~!キスだけで感じちゃった?おっぱいも舌も、どこもかしこもオメーはほんっっっと反応いいよな」
「ち、ちが……だ、ってぇ、ぎ、銀ちゃんがっ」
「んー?銀さんが触るから?俺が触るからエロくなっちまうの?えぇ~何ソレ、ヤバイんですけどぉ。んなこと言われっと、もっと触りたくなっちゃうんですけどぉ~」
「っっ……ひゃぁぁっ!」
ご機嫌な声で嫌な予感はしたが、避けるより早く銀時の長い指が胸の先端をつまんだ。小さな身体の一部なのに、こりこりと指先でこねられたら、大きな疼きが全身に走る。くすぐったさとは違う、下腹部の奥の方がじんじんと熱くなる。今まで感じたことのない感覚に***は戸惑うばかりだ。
「なっ、ぁ、なにこれぇ、ゃっ、ぎ、ちゃぁ~~っ!」
「なにって乳首だろうが。***は乳首こうされんの好きだろ?さっきだって、こーやって固くなってる先っぽ転がしたらぁ、ガクガク震えてたもんなぁ~」
「やっぁ、ぁぁんっ…だ、めぇっ」
ダメじゃねぇって、と言いながら銀時は、赤く色づいた蕾をじっと見つめた。そしてその視線がどんどん下りてショーツに辿り着く。ピンと固く勃つ乳首を指先で何度も弾いてから、その手も視線の先へと降りて行った。
「なぁ……ここ、自分で触ったことあんの?」
「へっ!?……ぁああ、あるわけないでしょう!!そんなとこ、ふつう触らないですっ!!」
白いシルクの上に置かれた手が、***の下腹部をさらりと撫でて、とんとんと恥部の奥の方を指し示した。
「いや、けどさぁ……触り慣れてるみてぇに濡れてっけど?」
え、と***は言葉を失う。濡れてるって何が?どういうこと?ぽかんと油断している内に、足の間に手が滑り込んできた。膝を閉じる間もなくショーツの上を、お尻の方から前まで硬い指先がなぞっていく。
クロッチの湿った布地を陰部に押し付けられて、そのひんやりとした感覚で***は「濡れてる」の意味を知った。
「っっ……ぅ、嘘っ!?ゃ、やだっ!なっ…!!」
「嘘じゃねぇって、すっげぇ濡れてる。ちょっとキスして、おっぱい揉んだだけなのになぁ」
「ぁ、やっぁんッ!ま、って銀ちゃん、触っちゃ」
銀時の手首を両手でつかんで引き離そうとしたが、これもまたびくともしなかった。骨ばった指にショーツの濡れている部分をぐにゅぐにゅと押されて腰が震える。閉じようとした膝の間に、割り込んできた銀時のひざ頭でますます脚を開かれたら、恥ずかしい体勢になってしまう。
「あっ、ゃぁッ……さわ、っちゃ、だ、めぇっ」
「いや触るに決まってんだろ。好きな女がこんな濡れてて、触んねぇなんて無理だろ無理!ここで止めた方がお前だってツラいって。な?大丈夫だから***」
全然大丈夫じゃないと言いたかったが、***は声が出せなかった。驚くほどすんなり、銀時の手が下着の中へ入ってきたから。
淡い恥毛をたやすく分けて、長い指がどんどん奥へと伸びていく。自分でも触ったことのない奥まった蜜口に、ごつごつした指先がたどりついた途端、ぴちゃん、という音がして***はあまりの恥ずかしさに眩暈がした。
「ちょっ、おま、っんだよこれぇ……***、お前、後ろまで濡れてんじゃん」
「っっ……!ひっ、ぃゃぁあんッ!!」
くちゅくちゅと濡れそぼったところを触られて、羞恥心と同時にゾクゾクする。そしてそのゾクゾクが、身体のずっと奥まで貫いていく。
「わかる***、こっちまでぐっしょぐしょ。俺の指で感じてんだろ、ホラ」
お尻まで下りた指が、恥ずかしい後ろの穴から膣の入り口までをなぞり上げる。すくいあげた蜜を塗りたくるように、ゆっくりと何度もそこを往復されて、あぁぁん、と喘ぐしか***には出来ない。
「あっ、あぁ——っぎぃ、ちゃぁ……んぁあんっ!」
小さなヒダをぱくっと開かれて、円を描くように指の腹で撫でられたら、つま先がぴくぴくと痙攣した。だんだんと強くなる刺激が恐ろしくて、***は無意識に銀時の首に腕を回して、ぎゅっと抱き着いていた。
「ん、そうそう。そーやってつかまってろよ***~。いい子だから、そのままもうちょい力抜いて……」
楽しそうな声なのに表情はやけに真剣だ。押し上げられたショーツをじっと見て何か考えた後で、下着の中の指をゆっくりと動かした。つぷんっと小さな音を立てて、銀時の人差し指がほんの少し、***の蜜壺の中へ入り込んだ。
「い゙ッ!!……ゃ、やだぁ、銀ちゃん、痛いぃ!」
指は入ってすぐに止まったのに、そこからピリピリとした痛みが走る。恐怖に***の全身に力が入った。目をつむって腰を引こうとしたが、後ろに銀時の足があって逃れられない。
「えっ、マジで?お前……コレでもう痛ぇの?」
「い、痛い、ッたいぃ、ぎ、んちゃんんッ……!」
嘘だろ、とか、ヤベェ、とかぼそぼそっとつぶやく声が聞こえた後で、ひりつく痛みと共に指が出て行った。ホッとした***は銀時の肩に頭をこてんと預ける。「第一関節も入らねぇんですけど」という声が頭上から降ってきたが、ばくばくと破裂しそうなほど鳴る心音がうるさくて、***には聞き取れなかった。
「こ~んなしっかり濡れてんのに、中はキツキツってお前……ヤッベェだろ***~……お前、っんとに処女じゃねぇかぁ!ほんっとに俺が初めてじゃねぇかよぉぉぉ!!!」
「っっ、……ほ、本当に、初めてって前から言ってるじゃん!は、恥ずかしいことをわざわざ言わないでくださいっ、も、もぉぉぉ~、銀ちゃんの馬鹿ぁぁぁ!!!」
振り上げた腕で銀時の胸をぽかぽかと叩く。うぅっと涙目になった***を、オモチャを見つけて喜ぶ少年のようにキラキラした赤い瞳が見つめていた。下着のなかの指がまた、ゆるゆると動き始めていた。
「お前、自分でここ触ったことねぇんだろ?じゃぁ、こんな風にとろとろにされんのも、俺の指がはじめて?」
「あっ——、んんっぁ……っっっ!!」
素早く動いた指先が、割れ目の後ろから前まで、ずるりと撫でていく。突然走った刺激に腰が浮いて、***は目を見開いた。そのまま下着から引き抜かれた手の、人差し指と中指がいやらしい蜜に濡れて、てらてらと光っている。
「見ろよホラ、***、すっげぇびちゃびちゃ」
そう言って濡れた指を見せつけられて、恥ずかしさに目を逸らす。声もなく笑った銀時が、躊躇なくその指を口に含んだので、***はぎょっとしてその手首をつかんだ。
「やややや、ヤダァッ!そんなの舐めないで!!」
「あ゙ぁ゙~?っんでだよぉ。いいだろちょっとくらい」
「だっ、だって、き、汚いからっ」
「汚くねぇって……お前ちょっと黙れ」
そう言って急に首を引っ張られて口づけられる。銀時の舌から***の口の中に、愛液の味が移ってきた。人生でいちばん淫らなキスに「ひっ」と悲鳴を上げたが、それも唇に飲み込まれて声にならなかった。
キスをしたまま銀時の手がショーツの上へ戻り、びしょ濡れのクロッチ部分を指先で撫ではじめた。濡れて色が濃くなった布には、秘所の形がくっきり浮かび上がる。骨ばった指は秘孔の形をなぞるように動いて、ひくひくする割れ目を行ったり来たりする。
じんじんと強い疼きを与える刺激に、必死に耐える***の頭を、銀時の手がぐいっと倒した。顔が交差して唇が十字に重なる。薄っすらと開いた***の唇の隙間を、銀時は舌先でぺろりと舐めた。熱い舌は唇と歯列をかすめて何度も往復する。
しつこいほど何度も指と舌を動かし続けながら、銀時はうんと低い声でささやいた。
「俺は、こうやって……キスするみてぇに、***の恥ずかしいトコも、上から下まで、ぜぇ~んぶ舐めて、味わいてぇんだけど?」
「ひぁっ!?ゃッ、っっ…———!!」
ささやかれた言葉で指と舌の動きがシンクロした。濡れそぼったところを銀時の舌で舐められるようで、***の頭は羞恥心でパーンと破裂しそうだった。やだやだと首を振って、銀時の肩を強く押す。ははっと笑って離れたが、指はまだ動いたまま。
「ゃ、やだぁっ…、あっんぅ、もっ、ゃめっ」
「わーかったって……んだよ、ちょっとふざけただけじゃねぇか。タコみてぇに真っ赤っかで死にそうな顔すんなって。っとに***ってガキだよねぇ~」
「っ……ちょ、わゎ!パ、パンツ脱がそうとしないで、も、もうおしまいだよ銀ちゃん!これ以上は私、」
「いや、もうちょい触らせろって。もっと良くしてやっからぁ~。本当に***が嫌なら止めるって、さっき言ったろ?え、それともなに、もしかしてお前……俺の指が嫌なの?俺に触られて全然良くねぇの?こんなにココとろけさせといて、全く1ミリも気持ちよくねぇっつーのぉぉぉ?」
こつん、とおでこ同士をくっ付けて、ムッとした顔でそう尋ねられたら、***は「うっ」と口ごもった。
銀時の指が嫌いなわけがない。その指で触れられると、身体が疼いてどうしようもない。全身を襲う馴染みのない感覚の正体が「気持ちいい」とか「快感」というものだと、薄々気付いている。ただ恥ずかしさが勝って、それを認められないだけで。
唇を何度も噛んで悩んでから、***は真っ赤な顔で、泣きそうになりながら言った。
「ぎ、銀ちゃんの指、ヤじゃない……で、でも、死んじゃいそうなくらい、はず、恥ずかしいの……下着、脱いだところも、み、見られたくないっ……」
必死で訴えたら、フッと笑った銀時に頭を撫でられた。こくりと頷いて「分かった、見ねぇよ」と言われたら、ホッとして涙が出そうになった。
「ぁ、あと、あとねっ……ぃ、痛いのも、ヤだよぉ」
「ははっ、ワガママなんだか律儀なんだか……ほんっと***って、銀さん困らせるの得意だよね。んなことわざわざ言われなくたって分かってるっつーの。もう痛くしねぇよ***……優しくすっから、な?」
髪を撫でながら優しい声で諭される。不安でへの字に結んだ唇にキスを落とされたら、安心した***の身体から力が抜けた。キスをしたまま、するすると動く器用な手に、いともたやすくショーツを脱がされてしまった。
「あっ……んんっ……ぅあっ!」
内ももを軽く押されて足を開かれたら、熱い指が濡れた所に戻ってきた。さっきと同じように愛液をまとった指先で、割れ目を撫でられたら、ぴちゃぴちゃという水音が響いた。
「***、俺の指でこうされんの気持ちいい?」
「やっ——…き、聞かな、でっ、んぅぁっ、はっぁ」
約束どおり恥部は見られなかったが、その代わりに銀時は***の顔をじっと見つめていた。破裂しそうなほど赤い顔で、秘所から与えられる快感に耐えていたら、突然、今までと違う場所を銀時の指先が探るようにこすった。その瞬間、***の腰がいちばん大きく跳ねた。
「ひゃぁぁあっ!……っ!?なっ、や、なにっ」
「ぶっ……!やっべぇ、お前、感じすぎだろこれぇ」
愛液が溢れる蜜口の少し上のところを、濡れた指先がツンとつついた。その途端、今までとは比べものにならない位の強い刺激が頭のてっぺんから足の先までを駆け巡った。
「やっ、あっ、ぁ、ひゃ、ぁんっ……っゃぁあ!」
「ここ、いいんだろ***、ちょっと触っただけで、すっげぇ汁、溢れてきたし」
ツンツンとつつかれるうちに、その小さな部分がぷくりと膨らんだ。しつこく触られて、快感がお腹のずっと奥まで届く。敏感すぎる蕾をつついたり、撫でたり、二本の指で挟んだりされて、その度に***はびくんびくんと跳ねた。
「ぎ、銀ちゃっ!……んぁっ、あっ、や、そこ、ダメッ、やめ、も、もぉ、そこ触っちゃ、やっ……~~~っ!!」
未知の強い感覚に恐れをなして、***は涙目で言った。しかし銀時はニヤつくばかりで指を止めない。なんで?嫌だったら止めるって言ってくれたのに!と目で訴えたら、その考えを読み取った銀時が嬉しそうに口を開いた。
「あ゙?いや、だって、お前、全然嫌そうじゃねぇもん。目ぇトロンとして、だらしなく口開けちまって、すっげぇ気持ちいいって顔してんぞ***。俺の指でめっさ良くなってんだろ?オラ、もっと感じて、気持ちよくなれってぇ」
「やぁっ!あっ、なっ、やだやだっ———な、なに、これっ……んっぁぁあん!」
親指の腹で陰核をぐにゅっと押しつぶされたら、目がチカチカした。内ももの柔い肉がぶるりと震えて、銀時の膝に背骨を押し付けるように背中がのけ反る。息も絶え絶えに「あ、あ、」と喘いでいたら、銀時が耳に顔を寄せてきた。熱い息と一緒に男らしい低い声でつぶやかれた言葉が、脳にすべり込んでくる。
「***、びくびくしてんの、すっげぇエロい……なぁ、このままイッちまえよ。俺の指で何もかも忘れて、ぐちゃぐちゃになった***がイくとこ、銀さんに見せて」
「ふ、っぅんぁっ、あっ———っっっ!!」
その言葉と同時に、親指と人差し指の先が、膨らんだ小さな蕾をきゅと軽くつまんだ。身体ごと放り投げられるような、乱暴な快感が襲ってきた。花火のような閃光が視界に弾ける。自分がどんな声で喘いでいるかも分からない。表情を見られたくなくて、***は必死で銀時の腕にすがりついて顔を隠した。
「っは、かわいい……もうイけって***、ほら」
「ひゃあっ、んんん、んぅっ……、~~~~っっ、ぁ、あっ、ぁああぁぁ—————!!!」
小さな粒をつまんだ指で軽くこねられて、そこで生まれた刺激が背中を通って脳天まで、光のように貫いていく。腰が情けないほどガクガクと震えて、涙がぽたぽたと落ちた。腕にすがりついたまま、つま先をきゅんと固くする。息ひとつできないまま、気持ちよさの頂点に昇りつめて、***は果てた。
「はあ、ぁっ、ぎ…ちゃっ……ふぁっ……っはぁ」
凛々しい腕につかまる手から力が抜けて、がくっと折れた身体を銀時の胸にもたれた。瞳は薄く開いているのに、少しづつ視界がぼやけて白んでいく。
頭上から銀時が見下ろしている。ちっとも力の入らない唇に吸い付かれて、ちゅうっと音が聞こえた。うっとりするほどの甘い声で「***」と名前を呼ばれたのに、応える前に視界の果てまで真っ白に霞んで、そこで***の意識はぷつんと途切れた。
次に瞳を開いた時、部屋は朝陽に照らされていた。
寝起きのぼんやりする頭で「あれ、いつの間に布団敷いたんだっけ」と考えながら***は瞳をぱちぱちとさせた。少しずつ鮮明になる視界に、裸の銀時が浮かび上がって、驚きのあまり悲鳴を上げそうになった。
「っっ………!!!」
すんでのところで口を手で抑え、すやすやと眠る銀時を見つめた。昨夜のことを思い出した途端、発火しそうなほど顔が熱くなった。
そっと起き上がってみたら、予想通り一糸まとわぬ姿で、慌てて枕元の白い襦袢を羽織った。横で眠る銀時がイチゴ柄のトランクスだけは履いていて、***はホッと溜息をついた。
下着を探したら、窓辺の洗濯もの掛けに昨夜のショーツが洗って吊るされていた。銀時に洗われたのだと気付いた瞬間、恥ずかしさ以上の情けなさに襲われて、***は頭を抱えて「はぁぁ~…」と溜息をついた。
「……ぉ、おはよう、銀ちゃん……」
起こさないように小声でささやく。ひとり用の狭い布団にふたりで寄り添って眠っていたことに、***の胸はきゅんと締め付けられた。
朝陽のなかでキラキラと光る銀色の髪が綺麗で、見惚れながら顔を近づける。ふと視線を下げたら、腕を投げ出して横たわる上半身の至る所で、陽の光がちかちかと反射していた。それは銀時の身体にたくさんある傷痕のひとつひとつを照らしていた。
「ぁっ……、」
息を止めて見つめたら、その傷痕に触れた指の感触と昨夜の記憶が蘇ってくる。これを***に触らせた時、銀時はわざといつも通りの能天気な声で「傷があるのはお前だけじゃない」と言い聞かせてくれた。誰よりも***に優しい銀時が、あの瞬間にどれだけ真剣だったか、今になってよく理解できた。
———ありがとう、銀ちゃん。
心の中で呟きながら顔を下げて、肩口の古い傷痕に***はそっと唇をつけた。確か定春に噛まれたと言ってたっけ。布団をめくって、胸元を横断する長い傷にも口付ける。一直線の傷痕の端から端まで、柔い唇をふにふにと押し当てた。みぞおちや脇腹、首元や肩の少し下。起きている時なら恥ずかしくて絶対にできない。でも銀時が寝ている今なら……、そう思った***は大小様々な傷痕のひとつひとつに、とても静かにキスを落とし続けた。
———銀ちゃん、あのね……都合のいい話だけど、銀ちゃんが昨日言ってくれたように、もしも私が天使になれるようなことがあったら……私は、銀ちゃんが傷つかないように、銀ちゃんを守るための天使になりたいよ……銀ちゃんが私を守ってくれるように、私も銀ちゃんを守りたい。私が溺れそうになるたび救い上げてくれる銀ちゃんが、他の誰より、どんなものより大切だから……
温かい何かに肌を撫でられる感覚で、銀時は眠りから覚めた。うっすらと開いた目に襦袢姿の***が飛び込んできて、かすかに息を飲む。それに気付かない***は身をかがめて、とても静かに銀時の身体に口付けていた。
———は?なにやってんのコイツ?そんな夢中になって、俺の胸にチューしちゃって、もしかして昨日の続きしたいってアピールなの?オイオイ、***~、お前は発情期ですかぁ?朝っぱらからそーんな可愛いことされたら、銀さん寝起きでもめっさ頑張っちゃうよぉぉ?
そう思ってすぐに起き上がろうとしたが、傷痕ひとつひとつに唇を落とす***があまりに綺麗で、目が離せない。朝陽に照らされた顔はなぜか切なげな表情で、耳にかけた髪を片手で抑え、薄桃色の唇をほんの少し尖らせている。
白い襦袢を着てひざまずく***の姿が神々しい。それが何かに似ている気がする。少しだけ考え込んだ後で「ああ、そうだ」と答えに辿り着いた銀時は、思わず笑い出しそうになった。
———コイツ、天使だ……天使に似てんだわ。どんなに深ぇ傷でも、どれほど古い傷痕でも、たちどころに治しちまうような、とんでもねぇ強い力を持った天使さまだわ、***は———
いつか神楽が、***の背中の傷を見て言ったことも、昨夜の銀時が、***を救い出すために言ったことも、あながち嘘じゃなかった。そう思うとあまりに愉快で、腹の底から笑いたい。すぐにも起き上がって、その小さな身体をきつく抱きしめたくなった。
でも今はもう少しだけ、何も知らない***の甘い口づけに酔いしれていたい。自分だけの可愛い天使が、愛おしげにキスを降らす姿を、もうしばらく眺めていたい。
———どんな過去に捕らわれていようと、俺はコイツを捕まえてみせる。宇宙の果てほど遠くぶっ飛ばされようと、俺はコイツをぜってぇ離さねぇ。なんてったって***は俺だけの天使だから……———
キスが終わって身体が離れた途端、起き上がって抱き着いた銀時の頬を、***が天使らしからぬ力強さでひっぱたくのは、まだもう少し先のこと。
まるでふたりだけの天国のように、朝陽に白く染まった部屋で、静かにキスをする***と微笑みながら寝たふりをする銀時を、日曜日のゆっくりと過ぎる時間が包み込んでいた。
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【(19)果てる】
"きみは天使(5/end)"
守るべきものと愛すべきエンジェル
☆指定年齢に満たない方はご遠慮ください
☆ぬるめの性的描写を含むため、苦手な方はお戻りください
【(19)果てる】
溢れた涙はなかなか止まらなかった。泣きじゃくる小さな身体を抱きしめてから、もうどれだけ経っただろう。よく泣く女だとは常々思っていたが、その日の***の泣き方は今までと違った。声もない号泣というものを、銀時は初めて見た。
顔を押し付けられた首筋にたくさんの涙が流れていく。ぬるい水滴がぽたぽたと首を落ち、胸へと伝っていった。涙粒の落ちる先を見下ろして、見るんじゃなかったと銀時は後悔した。
「ぅぐっ……!!」
筋肉質な男の胸板に、裸の乳房が押し付けられていて、思わず変な声が出そうになる。やわらかい膨らみは抱き合うことでふにゃりと形を変えていた。一糸まとわない上半身同士がすり合うところに涙が流れ込んで、互いの肌をしっとりと濡らしていた。
———ヤバイヤバイヤバイってコレェェェ!え、なにコイツ、この状況分かってる?おっぱい丸出しだよ?ふにゃんふにゃんのおっぱいだよ?しかもすりすり当たってんだよアレが!アレっつーか乳首が!***ちゃぁ~ん、いい加減もう泣き止もう?目ぇ溶けそうなくらい泣いただろーが!俺もう限界なんですけど!?お預けくらって、泣きてぇのはこっちなんですけどぉぉぉ!?
「っ、……***、」
「ふっ、ぅゔ……っ、はぃ?」
思わず名を呼んだら、嗚咽をこらえた***が顔を上げた。紅い目元で潤んだ瞳がとろんとしている。安心しきった身体を銀時に預け、半開きの口で返事をした。呼ぶんじゃなかったと二度目の後悔をしたが、もう遅い。
慈しむように背中を撫でていた手がぴくりと止まる。正直な手は***に触れたがっていた。その白い素肌に、しっとりした乳房とその先端の可愛いピンク色に、ショーツに隠された場所のそのもっと奥に———
やけに切羽詰まった声で名前を呼ばれて、***は我に返った。どれだけ長く泣いていたのだろう。抱きついていた首から離れて見上げたら、銀時が何かを耐えるような苦し気な顔をしていて、***はぽかんとした。
「へ?……ぎ、んちゃん?」
泣き過ぎて力の入らない身体をもたれて、無防備に安心しきった声が出た。
「***、お前……自分がどんな格好で俺にすがりついてるか、分かってんの?」
「ぇ……うわわっ!!?」
肩を抱いていた腕が解かれて、大きな手が胸に降りてくる。その手で乳房をふんわりと包まれて初めて、***は自分のあられもない姿に気づいた。横抱きにする銀時の手が、気付けば腰まで下りていて、ショーツの上からお尻をさわさわと撫でていた。
「やっ、えっ、ちょ……うそ!?ふ、服が!!」
きょろきょろして床に落ちる銀時の黒いシャツに手を伸ばす。その手が届く前に、あぐらを崩した銀時の足がサッと動いて、そのシャツを遠くへ蹴り飛ばした。
「さんざん泣いて、もう気が済んだろ***、そろそろお触り再開といこうや。小さいからガッカリされちゃう~って心配してぴーぴーわめいてたおっぱい、ちゃんと銀さんに見せてみなさいってぇ」
「なっ……!さ、さっき充分見たじゃないですか!今日はもう、無理だよぉ、これ以上は」
恥ずかしくてヤダと言いながら***は、大きな手を乳房から引き剥がそうとした。しかしその手はびくともしない。むしろ指先に力を込めて、ふくらみの触感を味わうようにムニュムニュと揉み始めた。
「んっ、やっぁ、ぎんちゃん……ムリだって、ばぁ!」
「いやいやいや、これ以上ガマンする方がムリだから。俺も限界だしぃ、***が抱き着いてくるのがいけねぇんだしぃ、おっぱいだって触ってほしそうだすぃ~?俺に胸ぐいぐい押し付けてたのはお前だからね?ほんとは***だっておっぱい触ってほしいんだろ?」
「ちっ、ちがぅっんぁ……!やっ、ばかぁっ!!」
さっきまで背中をゆっくりと撫でていた手とは別物みたいに、銀時の手が素早く動いた。形が変わるほど乳房を揉みしだかれる。片膝を立てて***の背中を支えると、空いた手で後頭部をつかまれる。ぐいっと頭を上を向けられると同時に、顔が近づいてきていた。
「あっ、ぎ、んぅっ……ぅんんっ!」
泣き疲れた身体に力が入らない。キスをする前から開いていた唇に急に噛みつかれて、すぐに熱い舌が入ってくる。うねる舌で口の中を愛撫されたら、顔が沸騰しそうなほど熱くなった。
「んぅぅっ……ふぁっ、あ、ぁっ」
「っは、キス、気持ちいい***?」
「ゃッ、ぎんっ——ん、はぁ、ぁんんっ~~~っっ!」
質問するくせに唇は離さないから答えられない。甘苦しい口づけで頭の奥が痺れていく。ぼんやりした目が溶けそうなほど熱いのは、泣いたせいかキスのせいか分からなくなった。
「ひぃっ、んぅ、ぁあっ……んふぁッ!?」
震える舌を引きずり出されて、銀時の口の中まで持って行かれる。強く吸われた舌先を銀時の歯で軽く甘噛みされたら、電流が走るように全身がビクビクと震えた。驚きで目を見開く***を至近距離で見つめる赤い瞳は、ニヤニヤと笑っていた。
舐めたり噛んだり、舌同士をきつく絡めたり、じゅううっと吸われたり。散々もてあそばれた唇がやっと解放された時、必死で息を吸う***の口の端から、大量の唾液がぽたぽたと垂れた。
「はぁっ……あっ、はぁ…ぁ、んっ」
「うわ、ちょ、***、なにそのすっげぇエロい顔ぉぉ~!キスだけで感じちゃった?おっぱいも舌も、どこもかしこもオメーはほんっっっと反応いいよな」
「ち、ちが……だ、ってぇ、ぎ、銀ちゃんがっ」
「んー?銀さんが触るから?俺が触るからエロくなっちまうの?えぇ~何ソレ、ヤバイんですけどぉ。んなこと言われっと、もっと触りたくなっちゃうんですけどぉ~」
「っっ……ひゃぁぁっ!」
ご機嫌な声で嫌な予感はしたが、避けるより早く銀時の長い指が胸の先端をつまんだ。小さな身体の一部なのに、こりこりと指先でこねられたら、大きな疼きが全身に走る。くすぐったさとは違う、下腹部の奥の方がじんじんと熱くなる。今まで感じたことのない感覚に***は戸惑うばかりだ。
「なっ、ぁ、なにこれぇ、ゃっ、ぎ、ちゃぁ~~っ!」
「なにって乳首だろうが。***は乳首こうされんの好きだろ?さっきだって、こーやって固くなってる先っぽ転がしたらぁ、ガクガク震えてたもんなぁ~」
「やっぁ、ぁぁんっ…だ、めぇっ」
ダメじゃねぇって、と言いながら銀時は、赤く色づいた蕾をじっと見つめた。そしてその視線がどんどん下りてショーツに辿り着く。ピンと固く勃つ乳首を指先で何度も弾いてから、その手も視線の先へと降りて行った。
「なぁ……ここ、自分で触ったことあんの?」
「へっ!?……ぁああ、あるわけないでしょう!!そんなとこ、ふつう触らないですっ!!」
白いシルクの上に置かれた手が、***の下腹部をさらりと撫でて、とんとんと恥部の奥の方を指し示した。
「いや、けどさぁ……触り慣れてるみてぇに濡れてっけど?」
え、と***は言葉を失う。濡れてるって何が?どういうこと?ぽかんと油断している内に、足の間に手が滑り込んできた。膝を閉じる間もなくショーツの上を、お尻の方から前まで硬い指先がなぞっていく。
クロッチの湿った布地を陰部に押し付けられて、そのひんやりとした感覚で***は「濡れてる」の意味を知った。
「っっ……ぅ、嘘っ!?ゃ、やだっ!なっ…!!」
「嘘じゃねぇって、すっげぇ濡れてる。ちょっとキスして、おっぱい揉んだだけなのになぁ」
「ぁ、やっぁんッ!ま、って銀ちゃん、触っちゃ」
銀時の手首を両手でつかんで引き離そうとしたが、これもまたびくともしなかった。骨ばった指にショーツの濡れている部分をぐにゅぐにゅと押されて腰が震える。閉じようとした膝の間に、割り込んできた銀時のひざ頭でますます脚を開かれたら、恥ずかしい体勢になってしまう。
「あっ、ゃぁッ……さわ、っちゃ、だ、めぇっ」
「いや触るに決まってんだろ。好きな女がこんな濡れてて、触んねぇなんて無理だろ無理!ここで止めた方がお前だってツラいって。な?大丈夫だから***」
全然大丈夫じゃないと言いたかったが、***は声が出せなかった。驚くほどすんなり、銀時の手が下着の中へ入ってきたから。
淡い恥毛をたやすく分けて、長い指がどんどん奥へと伸びていく。自分でも触ったことのない奥まった蜜口に、ごつごつした指先がたどりついた途端、ぴちゃん、という音がして***はあまりの恥ずかしさに眩暈がした。
「ちょっ、おま、っんだよこれぇ……***、お前、後ろまで濡れてんじゃん」
「っっ……!ひっ、ぃゃぁあんッ!!」
くちゅくちゅと濡れそぼったところを触られて、羞恥心と同時にゾクゾクする。そしてそのゾクゾクが、身体のずっと奥まで貫いていく。
「わかる***、こっちまでぐっしょぐしょ。俺の指で感じてんだろ、ホラ」
お尻まで下りた指が、恥ずかしい後ろの穴から膣の入り口までをなぞり上げる。すくいあげた蜜を塗りたくるように、ゆっくりと何度もそこを往復されて、あぁぁん、と喘ぐしか***には出来ない。
「あっ、あぁ——っぎぃ、ちゃぁ……んぁあんっ!」
小さなヒダをぱくっと開かれて、円を描くように指の腹で撫でられたら、つま先がぴくぴくと痙攣した。だんだんと強くなる刺激が恐ろしくて、***は無意識に銀時の首に腕を回して、ぎゅっと抱き着いていた。
「ん、そうそう。そーやってつかまってろよ***~。いい子だから、そのままもうちょい力抜いて……」
楽しそうな声なのに表情はやけに真剣だ。押し上げられたショーツをじっと見て何か考えた後で、下着の中の指をゆっくりと動かした。つぷんっと小さな音を立てて、銀時の人差し指がほんの少し、***の蜜壺の中へ入り込んだ。
「い゙ッ!!……ゃ、やだぁ、銀ちゃん、痛いぃ!」
指は入ってすぐに止まったのに、そこからピリピリとした痛みが走る。恐怖に***の全身に力が入った。目をつむって腰を引こうとしたが、後ろに銀時の足があって逃れられない。
「えっ、マジで?お前……コレでもう痛ぇの?」
「い、痛い、ッたいぃ、ぎ、んちゃんんッ……!」
嘘だろ、とか、ヤベェ、とかぼそぼそっとつぶやく声が聞こえた後で、ひりつく痛みと共に指が出て行った。ホッとした***は銀時の肩に頭をこてんと預ける。「第一関節も入らねぇんですけど」という声が頭上から降ってきたが、ばくばくと破裂しそうなほど鳴る心音がうるさくて、***には聞き取れなかった。
「こ~んなしっかり濡れてんのに、中はキツキツってお前……ヤッベェだろ***~……お前、っんとに処女じゃねぇかぁ!ほんっとに俺が初めてじゃねぇかよぉぉぉ!!!」
「っっ、……ほ、本当に、初めてって前から言ってるじゃん!は、恥ずかしいことをわざわざ言わないでくださいっ、も、もぉぉぉ~、銀ちゃんの馬鹿ぁぁぁ!!!」
振り上げた腕で銀時の胸をぽかぽかと叩く。うぅっと涙目になった***を、オモチャを見つけて喜ぶ少年のようにキラキラした赤い瞳が見つめていた。下着のなかの指がまた、ゆるゆると動き始めていた。
「お前、自分でここ触ったことねぇんだろ?じゃぁ、こんな風にとろとろにされんのも、俺の指がはじめて?」
「あっ——、んんっぁ……っっっ!!」
素早く動いた指先が、割れ目の後ろから前まで、ずるりと撫でていく。突然走った刺激に腰が浮いて、***は目を見開いた。そのまま下着から引き抜かれた手の、人差し指と中指がいやらしい蜜に濡れて、てらてらと光っている。
「見ろよホラ、***、すっげぇびちゃびちゃ」
そう言って濡れた指を見せつけられて、恥ずかしさに目を逸らす。声もなく笑った銀時が、躊躇なくその指を口に含んだので、***はぎょっとしてその手首をつかんだ。
「やややや、ヤダァッ!そんなの舐めないで!!」
「あ゙ぁ゙~?っんでだよぉ。いいだろちょっとくらい」
「だっ、だって、き、汚いからっ」
「汚くねぇって……お前ちょっと黙れ」
そう言って急に首を引っ張られて口づけられる。銀時の舌から***の口の中に、愛液の味が移ってきた。人生でいちばん淫らなキスに「ひっ」と悲鳴を上げたが、それも唇に飲み込まれて声にならなかった。
キスをしたまま銀時の手がショーツの上へ戻り、びしょ濡れのクロッチ部分を指先で撫ではじめた。濡れて色が濃くなった布には、秘所の形がくっきり浮かび上がる。骨ばった指は秘孔の形をなぞるように動いて、ひくひくする割れ目を行ったり来たりする。
じんじんと強い疼きを与える刺激に、必死に耐える***の頭を、銀時の手がぐいっと倒した。顔が交差して唇が十字に重なる。薄っすらと開いた***の唇の隙間を、銀時は舌先でぺろりと舐めた。熱い舌は唇と歯列をかすめて何度も往復する。
しつこいほど何度も指と舌を動かし続けながら、銀時はうんと低い声でささやいた。
「俺は、こうやって……キスするみてぇに、***の恥ずかしいトコも、上から下まで、ぜぇ~んぶ舐めて、味わいてぇんだけど?」
「ひぁっ!?ゃッ、っっ…———!!」
ささやかれた言葉で指と舌の動きがシンクロした。濡れそぼったところを銀時の舌で舐められるようで、***の頭は羞恥心でパーンと破裂しそうだった。やだやだと首を振って、銀時の肩を強く押す。ははっと笑って離れたが、指はまだ動いたまま。
「ゃ、やだぁっ…、あっんぅ、もっ、ゃめっ」
「わーかったって……んだよ、ちょっとふざけただけじゃねぇか。タコみてぇに真っ赤っかで死にそうな顔すんなって。っとに***ってガキだよねぇ~」
「っ……ちょ、わゎ!パ、パンツ脱がそうとしないで、も、もうおしまいだよ銀ちゃん!これ以上は私、」
「いや、もうちょい触らせろって。もっと良くしてやっからぁ~。本当に***が嫌なら止めるって、さっき言ったろ?え、それともなに、もしかしてお前……俺の指が嫌なの?俺に触られて全然良くねぇの?こんなにココとろけさせといて、全く1ミリも気持ちよくねぇっつーのぉぉぉ?」
こつん、とおでこ同士をくっ付けて、ムッとした顔でそう尋ねられたら、***は「うっ」と口ごもった。
銀時の指が嫌いなわけがない。その指で触れられると、身体が疼いてどうしようもない。全身を襲う馴染みのない感覚の正体が「気持ちいい」とか「快感」というものだと、薄々気付いている。ただ恥ずかしさが勝って、それを認められないだけで。
唇を何度も噛んで悩んでから、***は真っ赤な顔で、泣きそうになりながら言った。
「ぎ、銀ちゃんの指、ヤじゃない……で、でも、死んじゃいそうなくらい、はず、恥ずかしいの……下着、脱いだところも、み、見られたくないっ……」
必死で訴えたら、フッと笑った銀時に頭を撫でられた。こくりと頷いて「分かった、見ねぇよ」と言われたら、ホッとして涙が出そうになった。
「ぁ、あと、あとねっ……ぃ、痛いのも、ヤだよぉ」
「ははっ、ワガママなんだか律儀なんだか……ほんっと***って、銀さん困らせるの得意だよね。んなことわざわざ言われなくたって分かってるっつーの。もう痛くしねぇよ***……優しくすっから、な?」
髪を撫でながら優しい声で諭される。不安でへの字に結んだ唇にキスを落とされたら、安心した***の身体から力が抜けた。キスをしたまま、するすると動く器用な手に、いともたやすくショーツを脱がされてしまった。
「あっ……んんっ……ぅあっ!」
内ももを軽く押されて足を開かれたら、熱い指が濡れた所に戻ってきた。さっきと同じように愛液をまとった指先で、割れ目を撫でられたら、ぴちゃぴちゃという水音が響いた。
「***、俺の指でこうされんの気持ちいい?」
「やっ——…き、聞かな、でっ、んぅぁっ、はっぁ」
約束どおり恥部は見られなかったが、その代わりに銀時は***の顔をじっと見つめていた。破裂しそうなほど赤い顔で、秘所から与えられる快感に耐えていたら、突然、今までと違う場所を銀時の指先が探るようにこすった。その瞬間、***の腰がいちばん大きく跳ねた。
「ひゃぁぁあっ!……っ!?なっ、や、なにっ」
「ぶっ……!やっべぇ、お前、感じすぎだろこれぇ」
愛液が溢れる蜜口の少し上のところを、濡れた指先がツンとつついた。その途端、今までとは比べものにならない位の強い刺激が頭のてっぺんから足の先までを駆け巡った。
「やっ、あっ、ぁ、ひゃ、ぁんっ……っゃぁあ!」
「ここ、いいんだろ***、ちょっと触っただけで、すっげぇ汁、溢れてきたし」
ツンツンとつつかれるうちに、その小さな部分がぷくりと膨らんだ。しつこく触られて、快感がお腹のずっと奥まで届く。敏感すぎる蕾をつついたり、撫でたり、二本の指で挟んだりされて、その度に***はびくんびくんと跳ねた。
「ぎ、銀ちゃっ!……んぁっ、あっ、や、そこ、ダメッ、やめ、も、もぉ、そこ触っちゃ、やっ……~~~っ!!」
未知の強い感覚に恐れをなして、***は涙目で言った。しかし銀時はニヤつくばかりで指を止めない。なんで?嫌だったら止めるって言ってくれたのに!と目で訴えたら、その考えを読み取った銀時が嬉しそうに口を開いた。
「あ゙?いや、だって、お前、全然嫌そうじゃねぇもん。目ぇトロンとして、だらしなく口開けちまって、すっげぇ気持ちいいって顔してんぞ***。俺の指でめっさ良くなってんだろ?オラ、もっと感じて、気持ちよくなれってぇ」
「やぁっ!あっ、なっ、やだやだっ———な、なに、これっ……んっぁぁあん!」
親指の腹で陰核をぐにゅっと押しつぶされたら、目がチカチカした。内ももの柔い肉がぶるりと震えて、銀時の膝に背骨を押し付けるように背中がのけ反る。息も絶え絶えに「あ、あ、」と喘いでいたら、銀時が耳に顔を寄せてきた。熱い息と一緒に男らしい低い声でつぶやかれた言葉が、脳にすべり込んでくる。
「***、びくびくしてんの、すっげぇエロい……なぁ、このままイッちまえよ。俺の指で何もかも忘れて、ぐちゃぐちゃになった***がイくとこ、銀さんに見せて」
「ふ、っぅんぁっ、あっ———っっっ!!」
その言葉と同時に、親指と人差し指の先が、膨らんだ小さな蕾をきゅと軽くつまんだ。身体ごと放り投げられるような、乱暴な快感が襲ってきた。花火のような閃光が視界に弾ける。自分がどんな声で喘いでいるかも分からない。表情を見られたくなくて、***は必死で銀時の腕にすがりついて顔を隠した。
「っは、かわいい……もうイけって***、ほら」
「ひゃあっ、んんん、んぅっ……、~~~~っっ、ぁ、あっ、ぁああぁぁ—————!!!」
小さな粒をつまんだ指で軽くこねられて、そこで生まれた刺激が背中を通って脳天まで、光のように貫いていく。腰が情けないほどガクガクと震えて、涙がぽたぽたと落ちた。腕にすがりついたまま、つま先をきゅんと固くする。息ひとつできないまま、気持ちよさの頂点に昇りつめて、***は果てた。
「はあ、ぁっ、ぎ…ちゃっ……ふぁっ……っはぁ」
凛々しい腕につかまる手から力が抜けて、がくっと折れた身体を銀時の胸にもたれた。瞳は薄く開いているのに、少しづつ視界がぼやけて白んでいく。
頭上から銀時が見下ろしている。ちっとも力の入らない唇に吸い付かれて、ちゅうっと音が聞こえた。うっとりするほどの甘い声で「***」と名前を呼ばれたのに、応える前に視界の果てまで真っ白に霞んで、そこで***の意識はぷつんと途切れた。
次に瞳を開いた時、部屋は朝陽に照らされていた。
寝起きのぼんやりする頭で「あれ、いつの間に布団敷いたんだっけ」と考えながら***は瞳をぱちぱちとさせた。少しずつ鮮明になる視界に、裸の銀時が浮かび上がって、驚きのあまり悲鳴を上げそうになった。
「っっ………!!!」
すんでのところで口を手で抑え、すやすやと眠る銀時を見つめた。昨夜のことを思い出した途端、発火しそうなほど顔が熱くなった。
そっと起き上がってみたら、予想通り一糸まとわぬ姿で、慌てて枕元の白い襦袢を羽織った。横で眠る銀時がイチゴ柄のトランクスだけは履いていて、***はホッと溜息をついた。
下着を探したら、窓辺の洗濯もの掛けに昨夜のショーツが洗って吊るされていた。銀時に洗われたのだと気付いた瞬間、恥ずかしさ以上の情けなさに襲われて、***は頭を抱えて「はぁぁ~…」と溜息をついた。
「……ぉ、おはよう、銀ちゃん……」
起こさないように小声でささやく。ひとり用の狭い布団にふたりで寄り添って眠っていたことに、***の胸はきゅんと締め付けられた。
朝陽のなかでキラキラと光る銀色の髪が綺麗で、見惚れながら顔を近づける。ふと視線を下げたら、腕を投げ出して横たわる上半身の至る所で、陽の光がちかちかと反射していた。それは銀時の身体にたくさんある傷痕のひとつひとつを照らしていた。
「ぁっ……、」
息を止めて見つめたら、その傷痕に触れた指の感触と昨夜の記憶が蘇ってくる。これを***に触らせた時、銀時はわざといつも通りの能天気な声で「傷があるのはお前だけじゃない」と言い聞かせてくれた。誰よりも***に優しい銀時が、あの瞬間にどれだけ真剣だったか、今になってよく理解できた。
———ありがとう、銀ちゃん。
心の中で呟きながら顔を下げて、肩口の古い傷痕に***はそっと唇をつけた。確か定春に噛まれたと言ってたっけ。布団をめくって、胸元を横断する長い傷にも口付ける。一直線の傷痕の端から端まで、柔い唇をふにふにと押し当てた。みぞおちや脇腹、首元や肩の少し下。起きている時なら恥ずかしくて絶対にできない。でも銀時が寝ている今なら……、そう思った***は大小様々な傷痕のひとつひとつに、とても静かにキスを落とし続けた。
———銀ちゃん、あのね……都合のいい話だけど、銀ちゃんが昨日言ってくれたように、もしも私が天使になれるようなことがあったら……私は、銀ちゃんが傷つかないように、銀ちゃんを守るための天使になりたいよ……銀ちゃんが私を守ってくれるように、私も銀ちゃんを守りたい。私が溺れそうになるたび救い上げてくれる銀ちゃんが、他の誰より、どんなものより大切だから……
温かい何かに肌を撫でられる感覚で、銀時は眠りから覚めた。うっすらと開いた目に襦袢姿の***が飛び込んできて、かすかに息を飲む。それに気付かない***は身をかがめて、とても静かに銀時の身体に口付けていた。
———は?なにやってんのコイツ?そんな夢中になって、俺の胸にチューしちゃって、もしかして昨日の続きしたいってアピールなの?オイオイ、***~、お前は発情期ですかぁ?朝っぱらからそーんな可愛いことされたら、銀さん寝起きでもめっさ頑張っちゃうよぉぉ?
そう思ってすぐに起き上がろうとしたが、傷痕ひとつひとつに唇を落とす***があまりに綺麗で、目が離せない。朝陽に照らされた顔はなぜか切なげな表情で、耳にかけた髪を片手で抑え、薄桃色の唇をほんの少し尖らせている。
白い襦袢を着てひざまずく***の姿が神々しい。それが何かに似ている気がする。少しだけ考え込んだ後で「ああ、そうだ」と答えに辿り着いた銀時は、思わず笑い出しそうになった。
———コイツ、天使だ……天使に似てんだわ。どんなに深ぇ傷でも、どれほど古い傷痕でも、たちどころに治しちまうような、とんでもねぇ強い力を持った天使さまだわ、***は———
いつか神楽が、***の背中の傷を見て言ったことも、昨夜の銀時が、***を救い出すために言ったことも、あながち嘘じゃなかった。そう思うとあまりに愉快で、腹の底から笑いたい。すぐにも起き上がって、その小さな身体をきつく抱きしめたくなった。
でも今はもう少しだけ、何も知らない***の甘い口づけに酔いしれていたい。自分だけの可愛い天使が、愛おしげにキスを降らす姿を、もうしばらく眺めていたい。
———どんな過去に捕らわれていようと、俺はコイツを捕まえてみせる。宇宙の果てほど遠くぶっ飛ばされようと、俺はコイツをぜってぇ離さねぇ。なんてったって***は俺だけの天使だから……———
キスが終わって身体が離れた途端、起き上がって抱き着いた銀時の頬を、***が天使らしからぬ力強さでひっぱたくのは、まだもう少し先のこと。
まるでふたりだけの天国のように、朝陽に白く染まった部屋で、静かにキスをする***と微笑みながら寝たふりをする銀時を、日曜日のゆっくりと過ぎる時間が包み込んでいた。
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【(19)果てる】
"きみは天使(5/end)"
守るべきものと愛すべきエンジェル