かぶき町で牛乳配達をする女の子
牛乳(人生)は噛んで飲め
おなまえをどうぞ
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【am.2:00】
暗闇のなかの天井が目に入った瞬間、「あ、まただ」と思った。起きるにはまだ時間が早いと身体で感じる。布団から起き上がり、枕元の時計を手に取るが、***の目はうつろで、それを読み取ることができない。秋の夜は少し肌寒い。
こうやって夜中にふと目が覚めてしまう夜が、月に一、二度ある。田舎にいたころは一度寝付いたら朝まで起きなかったのに。
「どうしよう……」
つぶやいた小さな声が、真っ暗な部屋に吸い込まれて消えていく。こうして起きてしまった夜はいつも、強い不安と寂しさが襲ってきて、どうしようもなくなってしまう。
掛け布団ごと膝を抱いて、***は小さくなる。目をぎゅっと閉じて、膝に顔を埋めるように丸くなる。
頭の中で、考えちゃだめ、何も考えちゃだめ―――と唱える。しかしそう思えば思うほど、良くない考えばかりが浮かんでくる。
私はもう二度と、家族に会えない。
私はもう二度と、田舎の家には帰れない。
私はこの街で、ずっとひとりぼっちだ。
出稼ぎで出てきた1年前、不安に押しつぶされそうな***の心のなかを、そういう悲しい思いがずっと支配していた。
田舎の生活は今も苦しい。両親や兄弟たちは、必死で農園を営んでいるけれど、それもいつ駄目になってしまうか分からない。
あの酷い時代のように、食べ物も着る物も無いような日々に、いつまた戻ってしまうかと、誰もが不安に思いながら、暮らしている。
自分の些細な稼ぎが、家族を支えていることを***はよく理解していた。どんなに少ないお金でも、あの農園にとっては、生き抜くためにすがりつく藁のようなものだということを。
それに―――、と***はぼんやりとした頭で思う。
―――それに両親は、***が生きていくために、自ら娘を手離すことを決めたのだ。
あの過酷な土地、誰もが貧しくて、奪い合うことが日常の場所から娘を守るために、遠く離れた土地へ出稼ぎに出すことを決めたのだ。
その両親の気持ちを思うと、***は家には帰れない。帰りたいなんて言えない。
家族に会いたいと思うことは、家族の思いを踏みにじることと一緒だと、***は思う。
ぎゅっと閉じたまぶたの裏に、ふと母親の顔が浮かびそうになり、ぱっと目を開けて、頭をぶんぶんと振った。
ダメ、その顔を思い出してはダメ、思い出したら会いたくなってしまうから。目を見開いて暗闇を見つめる。こういう時に何を考えたらいいのか分からない。母親や家族ではない別の何かを、別の誰かを思い浮かべなければ。
うつろな瞳で見つめる真っ暗な空間に、ふと何か白い物が見えた。ぼんやりとしているそれを、目を凝らしてよく見ると、大きな白くまのぬいぐるみだった。縁日で銀時が取ってくれたもの。
その白いふわふわとした毛並みを見ていたら、別のものがぼんやりと頭に浮かんできた。それはとても小さな銀色の光だったが、***の心に「これだ、これをつかめば大丈夫だ」という、小さな安堵感が生まれた。
小さかった光が少しずつ大きくなる。銀色の光はいつか見た、朝陽に輝く髪の色。あちこちに跳ねる毛先が、キラキラと輝いてとても綺麗だった。ぼやけていた光が像を結び、しっかりとその顔が見えた。
そうだこの人は―――
「銀ちゃん……」
唇から零れ落ちるように、その名前を呼ぶ。呼ぶと同時に、身体の力が抜けた。心に温かいものがこみ上げてきた。さっきまで感じていた、鋭利な刃物で切りつけられるような胸の痛みが、少しずつ薄れていく。
「…ぎん、ちゃ…銀ちゃん…銀ちゃん…」
さっきとは逆に、今度は目をぎゅっと閉じて、その名前を何度も呼びながら銀時の顔を思い浮かべる。
あの無気力な死んだ魚のような目の顔。甘い物を食べている時の嬉しそうな顔。神楽や新八に馬鹿にされて怒っている顔。***をからかって楽しそうにニヤニヤする顔。
時々頭に置かれる銀時の大きな手から、「大丈夫だ」と言われているような気がした。
原付に乗った時に頬を寄せる大きな背中に、守られているような気がした。
銀時のことを思い出せば出すほど、身体のこわばりがほどけて、身体中に安心感が広がっていく。
浅く速かった呼吸が、深くゆっくりになり、長いため息をつくと同時に、***はころんと横向きに布団に倒れた。
「銀ちゃん…」ともう一度小さな声でつぶやく。閉じたまぶたの裏で、銀色の光を眺めていた。
しばらくすると***の呼吸は規則的になり、そのまま眠りへと戻っていく。その寝顔は起きる前よりもずっと安心していて、子供のような顔だった。
「…んがっ…あぁ?…***?」
***が再び寝付いたころ、万事屋の寝室で銀時が目を覚ます。ふと誰かに名前を呼ばれた気がした。そしてその誰かが、自分のすぐ近くにいるような気がして、銀時もその名前を呼び返した。
頭をガシガシとかきながら、起き上がって時計を見ると2時30分だった。そんなはずはないと思いながらも、リビングへの戸を開けて***がいないかを確認する。ついでに廊下も見て、そのまま玄関まで行く。玄関の引き戸を開けて、顔だけ外に出してそこに誰もいないことを確認した。
「っんだよ…アホか俺は…」
戸を閉めて、引きずるような足取りで再び布団に戻る。馬鹿馬鹿しいと思いつつも、外まで見に行ったのは、夢うつつに聞こえた自分の名を呼ぶ***の声が、今にも泣きだしそうだったから。眉を八の字に下げた困り顔と、肩をすくめて小さくなっている***の姿が目に浮かぶ。
時々***を見ていると、銀時は例えようのない不安に襲われる。いつもにこにこと笑っている明るい顔のその向こう側に、計り知れない苦しい記憶や、誰にも触れさせまいとしている何かが、ひっそりと隠れているように感じるから。
そうやって何かをひた隠しにすることが、どれだけ苦しいことか、銀時にはよく分かる。分かるからこそ、***の屈託のない笑顔を見ていると、こいつは大丈夫なのかと不安になる。
頭の後ろで両手を組んで、布団にごろっと横になる。暗闇で天井を眺めていると、***の顔が浮かんでくる。
嬉しい時の感情丸出しの馬鹿みたいな笑顔。からかった時に真っ赤になって怒る顔。悲しい時に我慢して笑おうとする痛々しい顔。大粒の涙を流して泣いている顔。
どの顔も子供のように純真で、その汚れなさがまぶしい。銀時は時々、***をまっすぐ見ることすら難しい。特に自分に向けられる笑顔の無邪気さが、時々恐ろしい。
あの笑顔の無邪気さは、無防備さとも無鉄砲さとも言える。もっと悪く言えば自暴自棄とも言えるかもしれない。時々見せる笑顔が、***自身のためじゃなくて、他人を悲しませないために生み出されたもののように、銀時には見えるから。
***は自分が傷つくことよりも、他人が傷つくことを恐れている。そんな気がする。他人が傷つくのを見るくらいなら、喜んで自分を差し出しそうな、そんな危なっかしさがある。
だから銀時は***を守りたいと思う。何かは分からないけれど、***が恐れている何かから、できることなら救ってやりたいと思う。時々見せる、あの貼り付けたような痛々しい笑顔をしなくていいように、***が迷い込んでいる場所を見つけて、そこから連れ出してやりたいと思う。
「……はっ、テメェはおとーさんかよ」
ひとり自嘲気味に言う。馬鹿馬鹿しくて笑って言ったつもりが、出た声が思った以上に真剣で、自分で自分に驚く。
***に対してもどかしさを感じていることに、銀時ははじめて気が付く。
***が自分や周りの人間に対して隠している何かが、一体何なのか分からないことが。あんなに自分や万事屋を好いてくれているのに、頑なに触れさせない何かが、***のなかにあることが。
この街に少しずつ溶け込みはじめて、それを心から喜んでいる一方で、どこかで一線を引いているように見えるところが。
そして何より―――
「別に俺、頼られたりしてねぇっつーの」
何より、銀時がどんなに***を守ってやりたい、救ってやりたいと思っても、それを***が求めていないことが、もどかしい。こんな風に眠れない夜はそのもどかしさが膨らんで、もはや苛立ちのようだ。
「あ゙―――…」
寝起きでかすれた声は、そのまま暗闇の部屋へと吸い込まれて消えていく。いじいじと考え込んで女々しい自分に、テメェは中学生男子かよ、とひとりツッコミを入れながら目を閉じる。
閉じたまぶたの裏で、「銀ちゃん」と自分に呼びかける***の顔が浮かぶ。
んだよ、なんかあんならはっきり言えよ、銀さんがなんとかしてやっから、さっさと頼ればいいじゃねぇかコノヤロー。
実際に本人を前にしたらとても言えない。「私は大丈夫だよ、銀ちゃん、ありがとう」と拒絶されたら、銀時はそれ以上、そこに近づけなくなってしまう。
だけど、こんなふうに眠れない夜は、こんな夜だけは、問いかけてみる。まぶたの裏の***は笑うだけで、何も答えないけれど。
それでも、もしかしたらいつか、その笑顔の向こう側の、銀時が触れたいと思うところに手が届くかもしれない。
期待だけをもどかしく膨らませて、眠れない夜が過ぎていく。
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no.15【am.2:00】end
暗闇のなかの天井が目に入った瞬間、「あ、まただ」と思った。起きるにはまだ時間が早いと身体で感じる。布団から起き上がり、枕元の時計を手に取るが、***の目はうつろで、それを読み取ることができない。秋の夜は少し肌寒い。
こうやって夜中にふと目が覚めてしまう夜が、月に一、二度ある。田舎にいたころは一度寝付いたら朝まで起きなかったのに。
「どうしよう……」
つぶやいた小さな声が、真っ暗な部屋に吸い込まれて消えていく。こうして起きてしまった夜はいつも、強い不安と寂しさが襲ってきて、どうしようもなくなってしまう。
掛け布団ごと膝を抱いて、***は小さくなる。目をぎゅっと閉じて、膝に顔を埋めるように丸くなる。
頭の中で、考えちゃだめ、何も考えちゃだめ―――と唱える。しかしそう思えば思うほど、良くない考えばかりが浮かんでくる。
私はもう二度と、家族に会えない。
私はもう二度と、田舎の家には帰れない。
私はこの街で、ずっとひとりぼっちだ。
出稼ぎで出てきた1年前、不安に押しつぶされそうな***の心のなかを、そういう悲しい思いがずっと支配していた。
田舎の生活は今も苦しい。両親や兄弟たちは、必死で農園を営んでいるけれど、それもいつ駄目になってしまうか分からない。
あの酷い時代のように、食べ物も着る物も無いような日々に、いつまた戻ってしまうかと、誰もが不安に思いながら、暮らしている。
自分の些細な稼ぎが、家族を支えていることを***はよく理解していた。どんなに少ないお金でも、あの農園にとっては、生き抜くためにすがりつく藁のようなものだということを。
それに―――、と***はぼんやりとした頭で思う。
―――それに両親は、***が生きていくために、自ら娘を手離すことを決めたのだ。
あの過酷な土地、誰もが貧しくて、奪い合うことが日常の場所から娘を守るために、遠く離れた土地へ出稼ぎに出すことを決めたのだ。
その両親の気持ちを思うと、***は家には帰れない。帰りたいなんて言えない。
家族に会いたいと思うことは、家族の思いを踏みにじることと一緒だと、***は思う。
ぎゅっと閉じたまぶたの裏に、ふと母親の顔が浮かびそうになり、ぱっと目を開けて、頭をぶんぶんと振った。
ダメ、その顔を思い出してはダメ、思い出したら会いたくなってしまうから。目を見開いて暗闇を見つめる。こういう時に何を考えたらいいのか分からない。母親や家族ではない別の何かを、別の誰かを思い浮かべなければ。
うつろな瞳で見つめる真っ暗な空間に、ふと何か白い物が見えた。ぼんやりとしているそれを、目を凝らしてよく見ると、大きな白くまのぬいぐるみだった。縁日で銀時が取ってくれたもの。
その白いふわふわとした毛並みを見ていたら、別のものがぼんやりと頭に浮かんできた。それはとても小さな銀色の光だったが、***の心に「これだ、これをつかめば大丈夫だ」という、小さな安堵感が生まれた。
小さかった光が少しずつ大きくなる。銀色の光はいつか見た、朝陽に輝く髪の色。あちこちに跳ねる毛先が、キラキラと輝いてとても綺麗だった。ぼやけていた光が像を結び、しっかりとその顔が見えた。
そうだこの人は―――
「銀ちゃん……」
唇から零れ落ちるように、その名前を呼ぶ。呼ぶと同時に、身体の力が抜けた。心に温かいものがこみ上げてきた。さっきまで感じていた、鋭利な刃物で切りつけられるような胸の痛みが、少しずつ薄れていく。
「…ぎん、ちゃ…銀ちゃん…銀ちゃん…」
さっきとは逆に、今度は目をぎゅっと閉じて、その名前を何度も呼びながら銀時の顔を思い浮かべる。
あの無気力な死んだ魚のような目の顔。甘い物を食べている時の嬉しそうな顔。神楽や新八に馬鹿にされて怒っている顔。***をからかって楽しそうにニヤニヤする顔。
時々頭に置かれる銀時の大きな手から、「大丈夫だ」と言われているような気がした。
原付に乗った時に頬を寄せる大きな背中に、守られているような気がした。
銀時のことを思い出せば出すほど、身体のこわばりがほどけて、身体中に安心感が広がっていく。
浅く速かった呼吸が、深くゆっくりになり、長いため息をつくと同時に、***はころんと横向きに布団に倒れた。
「銀ちゃん…」ともう一度小さな声でつぶやく。閉じたまぶたの裏で、銀色の光を眺めていた。
しばらくすると***の呼吸は規則的になり、そのまま眠りへと戻っていく。その寝顔は起きる前よりもずっと安心していて、子供のような顔だった。
「…んがっ…あぁ?…***?」
***が再び寝付いたころ、万事屋の寝室で銀時が目を覚ます。ふと誰かに名前を呼ばれた気がした。そしてその誰かが、自分のすぐ近くにいるような気がして、銀時もその名前を呼び返した。
頭をガシガシとかきながら、起き上がって時計を見ると2時30分だった。そんなはずはないと思いながらも、リビングへの戸を開けて***がいないかを確認する。ついでに廊下も見て、そのまま玄関まで行く。玄関の引き戸を開けて、顔だけ外に出してそこに誰もいないことを確認した。
「っんだよ…アホか俺は…」
戸を閉めて、引きずるような足取りで再び布団に戻る。馬鹿馬鹿しいと思いつつも、外まで見に行ったのは、夢うつつに聞こえた自分の名を呼ぶ***の声が、今にも泣きだしそうだったから。眉を八の字に下げた困り顔と、肩をすくめて小さくなっている***の姿が目に浮かぶ。
時々***を見ていると、銀時は例えようのない不安に襲われる。いつもにこにこと笑っている明るい顔のその向こう側に、計り知れない苦しい記憶や、誰にも触れさせまいとしている何かが、ひっそりと隠れているように感じるから。
そうやって何かをひた隠しにすることが、どれだけ苦しいことか、銀時にはよく分かる。分かるからこそ、***の屈託のない笑顔を見ていると、こいつは大丈夫なのかと不安になる。
頭の後ろで両手を組んで、布団にごろっと横になる。暗闇で天井を眺めていると、***の顔が浮かんでくる。
嬉しい時の感情丸出しの馬鹿みたいな笑顔。からかった時に真っ赤になって怒る顔。悲しい時に我慢して笑おうとする痛々しい顔。大粒の涙を流して泣いている顔。
どの顔も子供のように純真で、その汚れなさがまぶしい。銀時は時々、***をまっすぐ見ることすら難しい。特に自分に向けられる笑顔の無邪気さが、時々恐ろしい。
あの笑顔の無邪気さは、無防備さとも無鉄砲さとも言える。もっと悪く言えば自暴自棄とも言えるかもしれない。時々見せる笑顔が、***自身のためじゃなくて、他人を悲しませないために生み出されたもののように、銀時には見えるから。
***は自分が傷つくことよりも、他人が傷つくことを恐れている。そんな気がする。他人が傷つくのを見るくらいなら、喜んで自分を差し出しそうな、そんな危なっかしさがある。
だから銀時は***を守りたいと思う。何かは分からないけれど、***が恐れている何かから、できることなら救ってやりたいと思う。時々見せる、あの貼り付けたような痛々しい笑顔をしなくていいように、***が迷い込んでいる場所を見つけて、そこから連れ出してやりたいと思う。
「……はっ、テメェはおとーさんかよ」
ひとり自嘲気味に言う。馬鹿馬鹿しくて笑って言ったつもりが、出た声が思った以上に真剣で、自分で自分に驚く。
***に対してもどかしさを感じていることに、銀時ははじめて気が付く。
***が自分や周りの人間に対して隠している何かが、一体何なのか分からないことが。あんなに自分や万事屋を好いてくれているのに、頑なに触れさせない何かが、***のなかにあることが。
この街に少しずつ溶け込みはじめて、それを心から喜んでいる一方で、どこかで一線を引いているように見えるところが。
そして何より―――
「別に俺、頼られたりしてねぇっつーの」
何より、銀時がどんなに***を守ってやりたい、救ってやりたいと思っても、それを***が求めていないことが、もどかしい。こんな風に眠れない夜はそのもどかしさが膨らんで、もはや苛立ちのようだ。
「あ゙―――…」
寝起きでかすれた声は、そのまま暗闇の部屋へと吸い込まれて消えていく。いじいじと考え込んで女々しい自分に、テメェは中学生男子かよ、とひとりツッコミを入れながら目を閉じる。
閉じたまぶたの裏で、「銀ちゃん」と自分に呼びかける***の顔が浮かぶ。
んだよ、なんかあんならはっきり言えよ、銀さんがなんとかしてやっから、さっさと頼ればいいじゃねぇかコノヤロー。
実際に本人を前にしたらとても言えない。「私は大丈夫だよ、銀ちゃん、ありがとう」と拒絶されたら、銀時はそれ以上、そこに近づけなくなってしまう。
だけど、こんなふうに眠れない夜は、こんな夜だけは、問いかけてみる。まぶたの裏の***は笑うだけで、何も答えないけれど。
それでも、もしかしたらいつか、その笑顔の向こう側の、銀時が触れたいと思うところに手が届くかもしれない。
期待だけをもどかしく膨らませて、眠れない夜が過ぎていく。
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