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気分転換に少しおもての空気を吸いに出た。

随分と高い位置にある雲は陰影がはっきりしていて芸術作品のひとつにも見える。木の葉のなる音が少し離れた場所から聞こえてきた。
市場では多くの人が行き交う。




「聞こえますか。」
「いや、」

彼の息遣いが、鼓動が、体の緊張感が脳に直接刷り込まれてくみたいで。キャパシティなんて一瞬で超えて、顔に熱が集まりすぎて目眩がする。
両手で体を押し返したがそのままよろけて座り込んでしまった。咄嗟に腕を貸してくれたが
「意地悪しないでよ、」
そう言い放って塞ぎ込んでしまった。
足の隙間から彼が私の眼の前でしゃがむのが確認できた。

「具体的にどこが意地悪だったのか教えてもらえますか?」

まさかこんな状況で追い討ちをかけてくるなんて予想だにしてなくて、ひょっこりと埋めていた顔を上げる。
そこには少し緩んだ口元とギラギラと血走る瞳が私を捉えて離さなかった。勢いよく両肩をホールドされて逃げることも出来なくなっていた。

「私に気がある素振りして、」
「ほう」
「女の子と楽しそうに、」

「いい歳のオジサンをからかって遊ばないでくれ。」
「」

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