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承アン



「スタープラチナ」
DIOの手下に体の原型を留められない程のラッシュを食らわせそのまま再起不能に。


「スタープラチナ!」

両手を広げて承太郎に掲げる。視線は承太郎の後ろへ向けている。抱っこをしろと言わんばかりのポーズである。端から見れば仲の良い兄弟にでも見えるだろう。

スタンド使いに囲まれて何日か、彼女にも影響が出たらしく見れるわけではないが"感じられる"ようになっていたらしい。昨晩はスタンドの事をじじいが話したらしく、すっかりスタープラチナの虜になっている。

「今日も貴方が守ってくれたのね!いつもありがとう!」

あまりにも喜んでいるから少し驚かせてやろうと、少女の両手にそっとスタープラチナの手を重ねた。
静電気に触れたように自分の手を胸の前で握る。だが少女の瞳は大きくなってキラキラと輝きだした。
その場で跳び跳ねながら回転しだす。こいつ、何をやってるんだ。

観察しているとまた恐る恐る両手を掲げる。
今度はスタープラチナでその両手を優しく握る。少女は少し驚いたが先程のように振り払うことなく、逆に、握り返してきたのだ。これには承太郎も予想していなかったらしく少し心臓が跳ねた。

ふにふにと優しく握るその手の感触は承太郎にも伝わる。指先に心臓があるかのように脈打ち出したような感覚がする。

「こんなに大きな手で、守ってくれてるんだ。」

今度は背後の気配にではなく、承太郎の瞳を見つめる。少女の頬が少し赤みを帯びている事に気づいたが、少女の瞳に反射する自分の顔を見て驚く。

「ありがとう、承太郎。」

動揺でスタープラチナを戻してしまった。その場で振り返り少女と逆方向へ歩るくが、ふわりと広がった学ランの裾を少女が握りしめる。

「待って!どこ行こうってのよ!ホテルは逆方向でしょ!!」

ずるずると少女を引きずりながら、自分の顔がいつもの表情になるまで遠回りをしてからホテルへ戻ったのだった。チャンチャン
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