𝕎𝕒𝕝𝕜𝕖𝕣
鳴瀬 歩(なるせ あゆむ)
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怪異を、退けていた。
退ける力なのだと、信じられてきた。
時が過ぎればいつの間にか。
俺そのものが怪異に成っていた。
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彼が居る世界は
苗字と名前を持つ存在が人間であり
名を失ったり持っていない存在を
怪異と呼んでいる。
彼は人間としての名前を持ちながら
怪異と呼べる能力を持つ
【縁結びと縁切り】
本来は人の縁を結び
寿命を終える際の恐怖や不安
災厄の縁を断ち切る祓いの力だった。
御神体である墨梅に
怪異が取り憑いてからは
本来の力が発揮できず
神樹家の人間の力によって
抑えられているものの
今や人の恐怖や不安
怒りや悲しみを糧にする事で
災厄を払う怪異に成り果てようとしている
御神木の穢れが酷くなった場合、
度々殺戮衝動や不穏な事件を繰り返す。
これは取り憑いた怪異による影響であっても
元々、彼には殺人鬼としての『素質』があり
質が悪い存在に変貌している状態。
彼は善人という訳ではなく
街や日向を嫌う傾向は自分の素質を
感じ取っているせい
穢れが深刻化していない時期は
言動は落ち着いて人間と大差はなく
寧ろ今現在はかなり落ち着いてきた。
それでも
悪さはするので制限を枷られる事はある。
椿が落ちる如く首を斬り
彼岸花のようにいつの時代にも
同じ容姿で現世に体現しては
人を娶る 狐の嫁入り
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