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【とある話】


彼岸花
土地に墨梅が植えられる前、
妖怪の苗床になる事を防ぐ為に
植えられた花だと聞く

魔除けにもなるが
墓荒らしを防ぐ意味もあったか。
妖怪により命を落とした者も少なくはない

花の球根には毒がある。
小動物が喰らえば致死量
虫も寄り付かない

守護の役割を持つが
畏怖に近い存在だったな

稲作が盛んになってからは
田んぼの畦道にも植えるようになり
飢饉では毒抜きをして
球根を主食にした時期もあったようだ。

─────望まれる事なく
生まれ落ちた赤子に
毒を与える事も、屡々。

村での間引きや妖怪の数
飢饉が減り始めれば
花が用いられる事も少なくなった


“怪異とは 死んだ赤子に宿ると云う”


この言い伝えが広まったのは おおよそ
鳴子(旧地名)では彼岸花が
原因だったのだろう

縁を結ぶように成った後も
赤子の内から毒殺や川流しは続いたそうだ

古い記憶だが、
赤子にまつわる怪奇譚は
現代でも多く語り継がれている

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「コーヒーでいい。
………味の感想は、苦手なんだ」

「他者の記憶を繋ぎ 情報を共有出来るが自我が有耶無耶になるリスクもある。人格が乗っ取られる訳じゃない。行動そのものは俺の意思になる」

「いつの日からか。或いは最初から。
俺は人を殺める事の抵抗や罪悪感が薄いらしい。目的の為に手段を選ばなかった」

「鳴瀬家が犯したものの大きさは、
俺一人程度が精算を行っただけでは晴れないだろう。それでも、…………今更か。」

「──雨、止まないな」

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【グリマルシェ・持ち物】

花の種(植木鉢)/ズーツさんから
黒い花が咲くものの種類は育てる相手に
影響されるそうだ。昼に歩が水をやり
夜の月光に当てる係は悠がしてる。

丹碧のブレスレット/エルさんから
ストラップのように飴玉と金平糖が樹液で
コーティングされた手作りのもの。
過酷な依頼時にはつけないほうが良い

金平糖の入った竹筒/連四郎さんから
湿気を通さず薬入れにも適している。
竹の匂いが懐かしく
ほんの時折、数粒食べた。かりかりして甘い。