【小話】
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「うわぁ、何これ?」
シロが目にしたのは大量のカボチャ。その中心にはサンジの姿があり、手際よく中身をくり抜き、中身が抜かれたカボチャは、次から次へとウソップへ渡されている。
「知らねェのか?ハロウィンのジャック・オー・ランタン。ハロウィンは仮装してお菓子が貰える楽しいイベントなんだぜ」
「お菓子は俺がこのカボチャを使って作るから楽しみにしてな」
サンジはさっそく何を作ろうかと考え始めて、ウソップは溢れんばかりのカボチャを見てデザインを考えている。
2人とも得意分野で集中力が凄まじい。シロが見ていても気づきもしない。
(邪魔したら悪いな。当日までの楽しみにしとこっと)
シロは静かにキッチンを離れた。
甲板に出るとこちらも何やら賑やかな声が響いている。
「ナミ見てくれよ!これ良いだろ?」
「んー。イマイチね…。こっちの方が良いんじゃない?」
声のする方へと向かえば、そこには白いオバケの格好をしたルフィと、狼の被り物を持ったナミがいた。その様子を少し離れたところで、怖がりながらチョッパーが見ている。
「何してるの?変装?」
「ハロウィンの仮装よ。そうだ!シロも衣装決めちゃいましょう!」
ナミは手に持っていた衣装をルフィに押しつけて、楽しげにシロの方へと振り向いた。
「えっ!ぼくも着替えるの?」
「みんな着替えるから安心しなさい。それよりシロは何がいいかしらね?」
ナミは衣装箱の中を漁り始める。どこから出てきたのかたくさんの衣装が入っており、シロも中を見せてもらった。
「ぼくこれでいいよ!」
シロが手に取ったのは、ルフィと同じ狼の被り物。
「ダメよそんなの。シロは女の子だから可愛いのにしなきゃ。動物がいいならこっちの方がいいわ」
ナミが渡してきたのは、黒猫の衣装。猫耳のカチューシャに黒のシャツと尻尾付きの短パンがセットになっている。
普段の服装よりも露出が多く、シロは着るのに勇気がいるなと思った。
「…ちなみにナミは何を着るの?」
「私はこれよ!可愛いでしょ」
ナミが見せてくれたのは、黒ベースの小悪魔衣装。露出も多く、サンジが見れば間違いなくメロリン状態になるだろう。
「うん、ナミに似合いそうで可愛いね。…ぼくはこれでいいや」
ナミの衣装を見た後では、自分が着るのなんてまだマシな方なんだとシロは思い知った。
「さあ!他の奴らの衣装も決めるわよ!」
ナミは何だか楽しそうに、ここにいない仲間の分の衣装を決めて分けていくのだった。
ハロウィン当日。
メリー号はすっかりハロウィン仕様に飾り付けられている。この飾りはウソップが全て作り、飾り付けはルフィ、チョッパー、シロで担当した。
「何だか怖いような、可愛いような。不思議な飾りだよね」
ジャック・オー・ランタンの他にもコウモリやオバケやお菓子といった、ハロウィン定番の飾りを作ったんだとウソップは得意げに話している。
「おい!こっちも出来たぞ!ハロウィン特製パンプキンスイーツのフルコースだ!」
こちらもまた得意げな顔で、たくさんのスイーツを仲間のいる甲板へと運んでくる。
クッキー、ケーキ、パイ、プリンなどなど。全てカボチャを使って作ったとサンジは説明した。あまりの種類にシロが知らない食べ物もある。
「よーし!サンジ!Trick or Treat !」
ルフィが笑顔で言った言葉に仲間も続く。それを聞いたサンジは嬉しそうに笑った後「もちろんTreatだ」返した。
それを聞いたルフィ達はさっそく各々でスイーツを手に取り食べ始める。仮装した姿で始まったハロウィンパーティーはいつもの食事風景とは違い、それもまた楽しかった。
ガツガツとスイーツを食べる狼ルフィ、チップスを酒のつまみにしているのは包帯だらけでミイラ男ゾロ、小悪魔ナミは魔女ロビンと共にドラキュラサンジのもてなしを受けている。フランケンウソップはオバケチョッパーに、ハロウィンにまつわる本当のような嘘話を吹き込んで怖がらせている。
「シロ?食わねェのか?」
口いっぱいにスイーツを頬張るルフィが器用に話しかけてくる。
「食べるよ!何だか見てるだけでも楽しくなっちゃって、見惚れてたんだ」
「そうか!サンジの料理は見てるだけでも美味いもんな!おれは食う方が良いけど」
ニカッと笑ったルフィはまたも、もぐもぐと凄い勢いで食べ始める。
「早くしねェとなくなっちまうぞ?」
「そう思うなら少しは食べるの抑えてよ!」
ルフィの勢いにシロは慌ててお皿に自分の分を取って食べ始める。どれも美味しく飽きることなく一通り味わったシロは腹休めに少し船を歩き回った。船尾のところまで来たところで、誰か先客がいるのに気づく。
「サンジ!スイーツ美味しかったよ、ありがとう!」
「ふー、シロか。喜んで貰えたなら良かった」
一服していたようでタバコの煙を吐き出しながら、サンジは優しく笑う。
「仮装も初めは恥ずかしかったけど、みんなですると楽しいね」
「まあ、慣れだな。シロもその黒猫の衣装可愛いよ」
サンジに褒められて、シロは恥ずかしげに微笑んだ。
「あ、ありがとう。サンジはドラキュラ姿でもカッコいいね」
普段からスーツ姿のサンジは、ドラキュラのコート姿もばっちりと着こなし様 になっていた。
「そういえば、みんなをもてなしてたから、サンジはお菓子食べれてないんじゃないの?」
「おれは作る専門だ。味見で食べたからもう充分…」
そこまで言ってサンジは何か考えるように言葉を止めた。
不思議に思ってシロはサンジの名前を呼ぶ。
すると、ニヤリと意地悪な笑顔でサンジはシロの方を見た。
「シロ。Trick or Treatって俺が言ったらお前はどうする?」
シロがどんな反応をするか楽しんでいる様なサンジは、揶揄う様に彼女を見ている。
「えっ!ぼく、お菓子持ってない…。そっか。ナミに教えてもらったんだった。Trickで。"ぼくに悪戯していいよ"」
衣装を選んでもらった日に、ナミからお菓子を持ってない時は悪戯されると教えてもらった。その時はさっきの言葉を言ってみなさいとナミはニヤリと笑いながら言っていたのをシロは思い出し実践してみる。
言われた方のサンジは、自分から言い出したのに何故かあたふたとし始めた。
「くそっ…ナミさんも人が悪いぜ。意地悪したおれが悪かったよ。これで勘弁してくれ」
ガシガシと頭をかいたサンジはタバコを消して、シロをひょいっとお姫様抱っこした。
突然の事に驚き、サンジと距離が近づいた事に顔を赤くしたシロは「恥ずかしいから降ろしてよー」と足をパタパタと動かす。
「大人しくしてろ。これがおれからの悪戯だ」
そう言われてしまっては大人しくするしかないシロ。
少しでも顔を見られない様に、シロはぎゅっとサンジのシャツに顔を埋める。そんな彼女の行動にビクッと動揺するサンジだが、そのまま仲間の元へと戻る。
「あらー?どうしたの2人とも」
「何か顔赤いぞ?お前ら」
面白い物を見たと笑うナミに、不思議そうに首を傾げるルフィ。
サンジからようやく解放されたシロは、ナミに抗議の目を向けた。
「悪戯、成功して良かったわ」
「ナミさん、シロに変な事吹き込まないでくれよ…」
…果たして悪戯されたのは、誰だったのだろうか。
シロが目にしたのは大量のカボチャ。その中心にはサンジの姿があり、手際よく中身をくり抜き、中身が抜かれたカボチャは、次から次へとウソップへ渡されている。
「知らねェのか?ハロウィンのジャック・オー・ランタン。ハロウィンは仮装してお菓子が貰える楽しいイベントなんだぜ」
「お菓子は俺がこのカボチャを使って作るから楽しみにしてな」
サンジはさっそく何を作ろうかと考え始めて、ウソップは溢れんばかりのカボチャを見てデザインを考えている。
2人とも得意分野で集中力が凄まじい。シロが見ていても気づきもしない。
(邪魔したら悪いな。当日までの楽しみにしとこっと)
シロは静かにキッチンを離れた。
甲板に出るとこちらも何やら賑やかな声が響いている。
「ナミ見てくれよ!これ良いだろ?」
「んー。イマイチね…。こっちの方が良いんじゃない?」
声のする方へと向かえば、そこには白いオバケの格好をしたルフィと、狼の被り物を持ったナミがいた。その様子を少し離れたところで、怖がりながらチョッパーが見ている。
「何してるの?変装?」
「ハロウィンの仮装よ。そうだ!シロも衣装決めちゃいましょう!」
ナミは手に持っていた衣装をルフィに押しつけて、楽しげにシロの方へと振り向いた。
「えっ!ぼくも着替えるの?」
「みんな着替えるから安心しなさい。それよりシロは何がいいかしらね?」
ナミは衣装箱の中を漁り始める。どこから出てきたのかたくさんの衣装が入っており、シロも中を見せてもらった。
「ぼくこれでいいよ!」
シロが手に取ったのは、ルフィと同じ狼の被り物。
「ダメよそんなの。シロは女の子だから可愛いのにしなきゃ。動物がいいならこっちの方がいいわ」
ナミが渡してきたのは、黒猫の衣装。猫耳のカチューシャに黒のシャツと尻尾付きの短パンがセットになっている。
普段の服装よりも露出が多く、シロは着るのに勇気がいるなと思った。
「…ちなみにナミは何を着るの?」
「私はこれよ!可愛いでしょ」
ナミが見せてくれたのは、黒ベースの小悪魔衣装。露出も多く、サンジが見れば間違いなくメロリン状態になるだろう。
「うん、ナミに似合いそうで可愛いね。…ぼくはこれでいいや」
ナミの衣装を見た後では、自分が着るのなんてまだマシな方なんだとシロは思い知った。
「さあ!他の奴らの衣装も決めるわよ!」
ナミは何だか楽しそうに、ここにいない仲間の分の衣装を決めて分けていくのだった。
ハロウィン当日。
メリー号はすっかりハロウィン仕様に飾り付けられている。この飾りはウソップが全て作り、飾り付けはルフィ、チョッパー、シロで担当した。
「何だか怖いような、可愛いような。不思議な飾りだよね」
ジャック・オー・ランタンの他にもコウモリやオバケやお菓子といった、ハロウィン定番の飾りを作ったんだとウソップは得意げに話している。
「おい!こっちも出来たぞ!ハロウィン特製パンプキンスイーツのフルコースだ!」
こちらもまた得意げな顔で、たくさんのスイーツを仲間のいる甲板へと運んでくる。
クッキー、ケーキ、パイ、プリンなどなど。全てカボチャを使って作ったとサンジは説明した。あまりの種類にシロが知らない食べ物もある。
「よーし!サンジ!
ルフィが笑顔で言った言葉に仲間も続く。それを聞いたサンジは嬉しそうに笑った後「もちろんTreatだ」返した。
それを聞いたルフィ達はさっそく各々でスイーツを手に取り食べ始める。仮装した姿で始まったハロウィンパーティーはいつもの食事風景とは違い、それもまた楽しかった。
ガツガツとスイーツを食べる狼ルフィ、チップスを酒のつまみにしているのは包帯だらけでミイラ男ゾロ、小悪魔ナミは魔女ロビンと共にドラキュラサンジのもてなしを受けている。フランケンウソップはオバケチョッパーに、ハロウィンにまつわる本当のような嘘話を吹き込んで怖がらせている。
「シロ?食わねェのか?」
口いっぱいにスイーツを頬張るルフィが器用に話しかけてくる。
「食べるよ!何だか見てるだけでも楽しくなっちゃって、見惚れてたんだ」
「そうか!サンジの料理は見てるだけでも美味いもんな!おれは食う方が良いけど」
ニカッと笑ったルフィはまたも、もぐもぐと凄い勢いで食べ始める。
「早くしねェとなくなっちまうぞ?」
「そう思うなら少しは食べるの抑えてよ!」
ルフィの勢いにシロは慌ててお皿に自分の分を取って食べ始める。どれも美味しく飽きることなく一通り味わったシロは腹休めに少し船を歩き回った。船尾のところまで来たところで、誰か先客がいるのに気づく。
「サンジ!スイーツ美味しかったよ、ありがとう!」
「ふー、シロか。喜んで貰えたなら良かった」
一服していたようでタバコの煙を吐き出しながら、サンジは優しく笑う。
「仮装も初めは恥ずかしかったけど、みんなですると楽しいね」
「まあ、慣れだな。シロもその黒猫の衣装可愛いよ」
サンジに褒められて、シロは恥ずかしげに微笑んだ。
「あ、ありがとう。サンジはドラキュラ姿でもカッコいいね」
普段からスーツ姿のサンジは、ドラキュラのコート姿もばっちりと着こなし
「そういえば、みんなをもてなしてたから、サンジはお菓子食べれてないんじゃないの?」
「おれは作る専門だ。味見で食べたからもう充分…」
そこまで言ってサンジは何か考えるように言葉を止めた。
不思議に思ってシロはサンジの名前を呼ぶ。
すると、ニヤリと意地悪な笑顔でサンジはシロの方を見た。
「シロ。Trick or Treatって俺が言ったらお前はどうする?」
シロがどんな反応をするか楽しんでいる様なサンジは、揶揄う様に彼女を見ている。
「えっ!ぼく、お菓子持ってない…。そっか。ナミに教えてもらったんだった。Trickで。"ぼくに悪戯していいよ"」
衣装を選んでもらった日に、ナミからお菓子を持ってない時は悪戯されると教えてもらった。その時はさっきの言葉を言ってみなさいとナミはニヤリと笑いながら言っていたのをシロは思い出し実践してみる。
言われた方のサンジは、自分から言い出したのに何故かあたふたとし始めた。
「くそっ…ナミさんも人が悪いぜ。意地悪したおれが悪かったよ。これで勘弁してくれ」
ガシガシと頭をかいたサンジはタバコを消して、シロをひょいっとお姫様抱っこした。
突然の事に驚き、サンジと距離が近づいた事に顔を赤くしたシロは「恥ずかしいから降ろしてよー」と足をパタパタと動かす。
「大人しくしてろ。これがおれからの悪戯だ」
そう言われてしまっては大人しくするしかないシロ。
少しでも顔を見られない様に、シロはぎゅっとサンジのシャツに顔を埋める。そんな彼女の行動にビクッと動揺するサンジだが、そのまま仲間の元へと戻る。
「あらー?どうしたの2人とも」
「何か顔赤いぞ?お前ら」
面白い物を見たと笑うナミに、不思議そうに首を傾げるルフィ。
サンジからようやく解放されたシロは、ナミに抗議の目を向けた。
「悪戯、成功して良かったわ」
「ナミさん、シロに変な事吹き込まないでくれよ…」
…果たして悪戯されたのは、誰だったのだろうか。