【小話】
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辺りはすっかり暗闇が広がっている。
次の島まではまだ距離があり、メリー号は海の真ん中で停泊の為に錨を下ろした。
「何だか不気味な場所だね…」
「そ、そんなこと言うなよ!」
シロの言葉にチョッパーがガクガクと震えている。
灯りのない海は何もかも飲み込んでしまいそうな不安を感じさせる。
「今日の不寝番 はシロだけど大丈夫?」
ナミから言われて、シロは自分の役割を思い出した。
「あー、うん。大丈夫だよ。何かあったらみんなを起こしに行くから」
1人じゃないと思うだけで、心細さなんて無くなってしまう。シロは仲間の有り難さを改めて感じていた。
「そうしろよ?そうだ。夜食は何が良い?好きなの作るよ」
「んー。サンジのオススメがいい!」
不寝番の時の特権で、サンジからの夜食を貰うことが出来る。シロはこれが楽しみになっていた。何を食べても美味しくて、毎回リクエストを聞かれるも、オススメ一択のシロ。サンジは「またか」と笑って「楽しみにしてろよ」キッチンへ姿を消した。
みんなが寝静まった頃、見張り台に登る足音が聞こえてくる。
「シロ、寒くねェか?」
「サンジ!ぼくには毛皮があるから大丈夫だよ」
シロはいつも人獣型の姿で見張りをしている。この方が夜目が効くからだ。
「便利なもんだな。頑張るシロに特別メニューだ」
「うわぁ、美味しそう!ありがとう、サンジ」
サンジから渡されたのは、ホットカフェラテとサンドウィッチだった。カフェラテはラテアートでシロの顔が描かれている特別制だ。
「サンジは本当に器用だね!こんな可愛く描いてもらえて嬉しい」
嬉しくてふにゃりとした笑顔を見せるシロに、サンジは満足そうに笑顔を返す。
「そりゃ良かった!…おれはもう寝ちまうけど、何かあったらすぐ呼べよ?」
「分かった。ありがとう!おやすみ、サンジ」
心配してくれるサンジに笑顔で挨拶をして、またシロは1人になった。
暖かいうちに食べてしまおうと、サンジからの夜食を口に運ぶ。落ち着く香りが漂うカフェラテをひと口飲むと、サンジの優しさが流れ込んでくるようだった。
「ふー。美味しい。サンドウィッチもぼくの好きな具だ」
タマゴ、ツナマヨ、フルーツサンドの3種類。
もぐもぐとあっという間に食べてしまったシロは、お皿を下げに一度キッチンへと下りた。
誰もいない甲板は何だかとても広く感じて、違う船に乗っているんじゃないかと勘違いをしそうになる。
「早く戻ろう」
静まり返る船内は何だか落ち着かなくて、急いで見張り台に戻ろうとした時だった。
がたり。奥の方から物音がする。
サンジはもう寝ているし、キッチンには誰もいないはずなのに。知らないうちに敵が忍び込んだのかとシロは物音の方へと足を進めた。
暗がりでシロの目に映ったのは、赤い服に麦わら帽子。
「…何してるの、ルフィ」
普段よりも低い声で急に話しかけられたルフィは驚いて振り返るが、彼の目に映ったのは闇に浮かぶ2つの光。
「んんっ!ぎゃー!お化けだー!」
「誰がお化けだっ!」
ルフィとシロの叫び声に、「どうした!何があった!」と寝ていたサンジが起きて来てキッチンに光が灯る。
「ごめん、うるさくして。ルフィが盗み食いしてたから…」
「あっ!シロ!何だお前だったのか…ぶへっ!」
「またお前か!何度言えば分かるんだ!」
シロからの報告に、サンジの鋭い蹴りがルフィの顔面へと炸裂した。その衝撃でルフィは壁へと吹っ飛び、ものすごい音を立てる。
「もう!何の音?」
「や、やっぱり何か出たのか!?」
騒がしさにナミやウソップまで起きてしまった。
「ああ、すまねェ。またルフィのやつが盗み食いしてたらしくて」
「おい、シロ!びっくりするじゃねェか!」
ルフィは盗み食いで蹴り飛ばされたことよりも、シロに驚かされた事の方が気になったようで彼女へと詰め寄ってくる。
「仕方ないよ勝手に光るんだもの」
「ルフィは何の話をしてるの?」
ナミから疑問の声が飛ぶと、ルフィは「何かが光っててお化けかと思ったんだよ!」と必死に説明している。
「サンジ、1回灯りを消しても良い?」
「?かまわねェけど…」
シロの言う通りにサンジは灯りを消した。
そこに2つの不思議な光が浮かんでいる。
「「ぎゃあー!お化けー!」」
「だから!誰がお化けだっ!」
今度はルフィとウソップの声が響く。
「そういうことね。もう…人騒がせなんだから」
「良いな。これなら盗み食いに来たやつらがよく見える」
騒ぐ3人の横で呆れて苦笑するナミと、感心するようにシロの方を見るサンジ。
「…今度からはキッチンで不寝番しようかな」
盗み食い防止の為に、と呟くシロにルフィは慌てて「おいやめろよ!おれが困るじゃねェか!」と訴える。それを聞いたサンジは「お前は困れ!クソゴム!」と突っ込んでいた。
こうしてお化け騒動はひと段落ついて、それぞれキッチンから離れて行く。
その様子を見つめる別の光がある事に、今はまだ誰も気づくことはなかった…。
次の島まではまだ距離があり、メリー号は海の真ん中で停泊の為に錨を下ろした。
「何だか不気味な場所だね…」
「そ、そんなこと言うなよ!」
シロの言葉にチョッパーがガクガクと震えている。
灯りのない海は何もかも飲み込んでしまいそうな不安を感じさせる。
「今日の
ナミから言われて、シロは自分の役割を思い出した。
「あー、うん。大丈夫だよ。何かあったらみんなを起こしに行くから」
1人じゃないと思うだけで、心細さなんて無くなってしまう。シロは仲間の有り難さを改めて感じていた。
「そうしろよ?そうだ。夜食は何が良い?好きなの作るよ」
「んー。サンジのオススメがいい!」
不寝番の時の特権で、サンジからの夜食を貰うことが出来る。シロはこれが楽しみになっていた。何を食べても美味しくて、毎回リクエストを聞かれるも、オススメ一択のシロ。サンジは「またか」と笑って「楽しみにしてろよ」キッチンへ姿を消した。
みんなが寝静まった頃、見張り台に登る足音が聞こえてくる。
「シロ、寒くねェか?」
「サンジ!ぼくには毛皮があるから大丈夫だよ」
シロはいつも人獣型の姿で見張りをしている。この方が夜目が効くからだ。
「便利なもんだな。頑張るシロに特別メニューだ」
「うわぁ、美味しそう!ありがとう、サンジ」
サンジから渡されたのは、ホットカフェラテとサンドウィッチだった。カフェラテはラテアートでシロの顔が描かれている特別制だ。
「サンジは本当に器用だね!こんな可愛く描いてもらえて嬉しい」
嬉しくてふにゃりとした笑顔を見せるシロに、サンジは満足そうに笑顔を返す。
「そりゃ良かった!…おれはもう寝ちまうけど、何かあったらすぐ呼べよ?」
「分かった。ありがとう!おやすみ、サンジ」
心配してくれるサンジに笑顔で挨拶をして、またシロは1人になった。
暖かいうちに食べてしまおうと、サンジからの夜食を口に運ぶ。落ち着く香りが漂うカフェラテをひと口飲むと、サンジの優しさが流れ込んでくるようだった。
「ふー。美味しい。サンドウィッチもぼくの好きな具だ」
タマゴ、ツナマヨ、フルーツサンドの3種類。
もぐもぐとあっという間に食べてしまったシロは、お皿を下げに一度キッチンへと下りた。
誰もいない甲板は何だかとても広く感じて、違う船に乗っているんじゃないかと勘違いをしそうになる。
「早く戻ろう」
静まり返る船内は何だか落ち着かなくて、急いで見張り台に戻ろうとした時だった。
がたり。奥の方から物音がする。
サンジはもう寝ているし、キッチンには誰もいないはずなのに。知らないうちに敵が忍び込んだのかとシロは物音の方へと足を進めた。
暗がりでシロの目に映ったのは、赤い服に麦わら帽子。
「…何してるの、ルフィ」
普段よりも低い声で急に話しかけられたルフィは驚いて振り返るが、彼の目に映ったのは闇に浮かぶ2つの光。
「んんっ!ぎゃー!お化けだー!」
「誰がお化けだっ!」
ルフィとシロの叫び声に、「どうした!何があった!」と寝ていたサンジが起きて来てキッチンに光が灯る。
「ごめん、うるさくして。ルフィが盗み食いしてたから…」
「あっ!シロ!何だお前だったのか…ぶへっ!」
「またお前か!何度言えば分かるんだ!」
シロからの報告に、サンジの鋭い蹴りがルフィの顔面へと炸裂した。その衝撃でルフィは壁へと吹っ飛び、ものすごい音を立てる。
「もう!何の音?」
「や、やっぱり何か出たのか!?」
騒がしさにナミやウソップまで起きてしまった。
「ああ、すまねェ。またルフィのやつが盗み食いしてたらしくて」
「おい、シロ!びっくりするじゃねェか!」
ルフィは盗み食いで蹴り飛ばされたことよりも、シロに驚かされた事の方が気になったようで彼女へと詰め寄ってくる。
「仕方ないよ勝手に光るんだもの」
「ルフィは何の話をしてるの?」
ナミから疑問の声が飛ぶと、ルフィは「何かが光っててお化けかと思ったんだよ!」と必死に説明している。
「サンジ、1回灯りを消しても良い?」
「?かまわねェけど…」
シロの言う通りにサンジは灯りを消した。
そこに2つの不思議な光が浮かんでいる。
「「ぎゃあー!お化けー!」」
「だから!誰がお化けだっ!」
今度はルフィとウソップの声が響く。
「そういうことね。もう…人騒がせなんだから」
「良いな。これなら盗み食いに来たやつらがよく見える」
騒ぐ3人の横で呆れて苦笑するナミと、感心するようにシロの方を見るサンジ。
「…今度からはキッチンで不寝番しようかな」
盗み食い防止の為に、と呟くシロにルフィは慌てて「おいやめろよ!おれが困るじゃねェか!」と訴える。それを聞いたサンジは「お前は困れ!クソゴム!」と突っ込んでいた。
こうしてお化け騒動はひと段落ついて、それぞれキッチンから離れて行く。
その様子を見つめる別の光がある事に、今はまだ誰も気づくことはなかった…。