【小話】
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その日はよく晴れていた。
波も穏やかで、ポカポカとした日差しが心地よい。
気持ちが良い気分で、シロはいつものように釣りをしていた。
「よしっ!大漁だ。サンジ喜んでくれるかなぁ」
たくさんの魚を見て、思い出すのは料理をしている時のサンジの顔。何をするより、彼が楽しそうなのはやはり料理をしている時だ。
その様子を見るのがシロは好きだった。
「最後に何か大物釣りたいなー」
これまでに釣った魚もなかなかの大きさではあるが、出来ればこの海域でしか釣れないような獲物が欲しいと、シロは最後の大当たりを狙って釣り針を飛ばした。
「シロ、遅ェな。いつもなら釣果 の報告に来てる時間なのに…」
シロが釣りをしている時は、昼飯に間に合うように魚を届けてくれるはずなのに、今日は太陽が登り切っても一向に姿を現さない。
「何も釣れなかったのか?それでも報告には来てたよな…」
釣れなかった時はしょんぼりとした顔でサンジに「ごめん」と謝りにくるシロ。嬉しそうに報告に来る姿も可愛いが、落ち込んでいるその姿も可愛くて、サンジは好きだった。
「ちょっと様子を見に行ってみるか」
シロがいつも釣りをしている船尾の方へと向かえば、船の淵に腰掛け足は外に投げ出しているシロの姿があった。バケツいっぱいに魚を釣って、それでもまだ釣りを続けている。
「なんだ。いっぱい釣ってるじゃねェか」
落ち込んでいた訳じゃなかったのか、と安心するサンジ。だが、声をかけたのに返事がないシロに、彼は何かあったのかと近づく。
その時、少し強めの波が来て船体がぐらりと揺れた。
「おっ、と。シロ、大丈夫だったか?っ…!?」
急に揺れた事でサンジは少し足を取られる。体勢を戻しながら、シロの方へと視線を向ければ、今にも落ちそうになっているではないか。
「あっぶねェ!おい、シロ!」
サンジは咄嗟にシロを抱きとめて船へと引き戻せば、勢いのまま背中から後ろに倒れてしまった。
「んん…。あれ?サンジ、どうしたの…。っ!?」
釣りをしていたはずのシロは、なぜかサンジを下敷きにして抱きしめられている、という状況に混乱している。
「心配させんな。もしかして寝てたのか?」
未だにぎゅっとサンジの腕に閉じ込められたままで、シロはうるさい心臓に気づかれないように答えた。
「多分。気づいたらこの状態だったし…。天気が良くて気持ちよかったから」
恥ずかしくて身じろぎすると、やっとサンジは腕を解いてシロを解放した。
「寝るならちゃんと安全なところにしとけよ。もう少しで海に落ちるとこだったぞ!」
サンジは気分を落ち着かせる為に、新しいタバコに火をつけて、ふーっと煙を吐いた。シロの事を本当に心配したのだろう、彼が吸っていたであろうタバコが落ちている。
「心配してくれてありがとう。サンジは、優しいね」
タバコを落としてしまうほど急いで助けてくれた事に、シロは嬉しくて、照れ笑いを浮かべる。
そんな彼女を見て、サンジはその表情は反則だと思った。
「…ったく。とことん、お前には振り回されるな」
「えっ、ごめん…。ぼく、今度から気をつけるよ」
心配をかけた事を言われていると思い謝るシロに、サンジはそういう意味じゃねェんだけどな、と苦笑いをした。
シロが釣った魚は無事にその日の夕食となり、彼女が望んでいたサンジの姿も見ることが出来たのだった。
波も穏やかで、ポカポカとした日差しが心地よい。
気持ちが良い気分で、シロはいつものように釣りをしていた。
「よしっ!大漁だ。サンジ喜んでくれるかなぁ」
たくさんの魚を見て、思い出すのは料理をしている時のサンジの顔。何をするより、彼が楽しそうなのはやはり料理をしている時だ。
その様子を見るのがシロは好きだった。
「最後に何か大物釣りたいなー」
これまでに釣った魚もなかなかの大きさではあるが、出来ればこの海域でしか釣れないような獲物が欲しいと、シロは最後の大当たりを狙って釣り針を飛ばした。
「シロ、遅ェな。いつもなら
シロが釣りをしている時は、昼飯に間に合うように魚を届けてくれるはずなのに、今日は太陽が登り切っても一向に姿を現さない。
「何も釣れなかったのか?それでも報告には来てたよな…」
釣れなかった時はしょんぼりとした顔でサンジに「ごめん」と謝りにくるシロ。嬉しそうに報告に来る姿も可愛いが、落ち込んでいるその姿も可愛くて、サンジは好きだった。
「ちょっと様子を見に行ってみるか」
シロがいつも釣りをしている船尾の方へと向かえば、船の淵に腰掛け足は外に投げ出しているシロの姿があった。バケツいっぱいに魚を釣って、それでもまだ釣りを続けている。
「なんだ。いっぱい釣ってるじゃねェか」
落ち込んでいた訳じゃなかったのか、と安心するサンジ。だが、声をかけたのに返事がないシロに、彼は何かあったのかと近づく。
その時、少し強めの波が来て船体がぐらりと揺れた。
「おっ、と。シロ、大丈夫だったか?っ…!?」
急に揺れた事でサンジは少し足を取られる。体勢を戻しながら、シロの方へと視線を向ければ、今にも落ちそうになっているではないか。
「あっぶねェ!おい、シロ!」
サンジは咄嗟にシロを抱きとめて船へと引き戻せば、勢いのまま背中から後ろに倒れてしまった。
「んん…。あれ?サンジ、どうしたの…。っ!?」
釣りをしていたはずのシロは、なぜかサンジを下敷きにして抱きしめられている、という状況に混乱している。
「心配させんな。もしかして寝てたのか?」
未だにぎゅっとサンジの腕に閉じ込められたままで、シロはうるさい心臓に気づかれないように答えた。
「多分。気づいたらこの状態だったし…。天気が良くて気持ちよかったから」
恥ずかしくて身じろぎすると、やっとサンジは腕を解いてシロを解放した。
「寝るならちゃんと安全なところにしとけよ。もう少しで海に落ちるとこだったぞ!」
サンジは気分を落ち着かせる為に、新しいタバコに火をつけて、ふーっと煙を吐いた。シロの事を本当に心配したのだろう、彼が吸っていたであろうタバコが落ちている。
「心配してくれてありがとう。サンジは、優しいね」
タバコを落としてしまうほど急いで助けてくれた事に、シロは嬉しくて、照れ笑いを浮かべる。
そんな彼女を見て、サンジはその表情は反則だと思った。
「…ったく。とことん、お前には振り回されるな」
「えっ、ごめん…。ぼく、今度から気をつけるよ」
心配をかけた事を言われていると思い謝るシロに、サンジはそういう意味じゃねェんだけどな、と苦笑いをした。
シロが釣った魚は無事にその日の夕食となり、彼女が望んでいたサンジの姿も見ることが出来たのだった。