【ドラム王国編】
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凄まじい吹雪の中、垂直の壁を登るルフィとシロ。
登り続けた手足は疲労もあるが、それよりも擦り傷が酷かった。ドラムロッキーは掴むところがほとんどなく、シロは壁に爪を刺すようにして登っているため指先はボロボロになっている。自分よりも大きな、ましてや意識のない相手を落とさないように運ぶにはこうするしかない。
シロもルフィも互いを気遣いたいところだが、声を出すことさえもエネルギー消費になるため勿体ない。時折様子を伺うために視線を交わすことが唯一の会話だった。
(きつい…。あとどのくらい登れば…!)
意識が朦朧としてくる中、少し気が抜けてしまった。脆くなった爪がうまく刺さらずバランスを崩す。
やばいと思った時、体に何かが巻きついた。それは先に登り着いたルフィの腕。
「ルフィ…!うわッ!ありがとう」
巻きついた腕はそのままシロたちを引っ張り上げて頂上へと辿り着く。
満身創痍の状態でたどり着いたそこにはお城があった。
きっとこの城の中に魔女がいる。早く2人を運ばなきゃと立ちあがろうとするも、力が入らない。隣のルフィも同じ状態のようだ。
(こんなところで!…せっかく、のぼって、きた、のに…)
気持ちに体がついてこず、シロたちは意識を失った。
※
暖かく優しい声にシロの意識がゆっくりと戻り、目を覚ますと、そこにはナミの姿があった。
「シロ!良かったわ!びっくりしたわよ、ボロボロで隣に寝てるんだものッ!」
ナミの言葉の途中に、シロは思わずガバッと抱きつく。
「良かったァ!ナミが元気になってる!」
「ずっと心配してくれてたものね。ありがとう」
元気なナミの姿を見て、シロは目から暖かい物が流れていることに気づく。
「もう!泣かないの!男の子でしょ?」
「これ、涙か。久しぶりでびっくりした。…ん?ナミ、ぼく女だよ」
今度はナミが驚いて、でもすぐにニヤリと何かを思いついたように笑った。
「これは、面白いものが見れそうね」
ナミの言葉にシロは「なに?」と首を傾げる。
「もう起きたのかい。若さだね」
扉を開けて入ってきたのは、とても元気なお婆さん。きっとこの人が魔女なんだとシロは思った。
「魔女さん、ナミを助けてくれてありがとう。ぼくのことも手当してもらったみたいで、ありがとう」
「ヒッヒッヒッ。いいチップもらったね。ただ私のことはドクトリーヌと呼びな」
ドクトリーヌはそう言うとナミに熱の原因を話し出した。やはり、リトルガーデンでシロが見た事があった症状と一緒で、放っておけば数日で命を落としていたそうだ。
(良かった、間に合って)
ナミがもう心配いらないと分かってホッとしたところで、サンジがいないことに気づく。
「あっ!ドクトリーヌ!あと2人!サンジとルフィは?!」
「あー、あいつらね。ありゃなんだい。2人とも結構な重症だったのに、もう起きて走り回ってるよ。安静にって言っても聞きやしない」
呆れたように言って、ドクトリーヌは持っていた酒を一口飲んだ。
「良かった、2人とも無事だった」
「そう言うあんたも酷い怪我だよ!特に手が酷い。しばらく使えないよ。爪が全部剥げちまってる。今は痛み止めが効いてるけどね。もうしばらくしたら切れるから覚悟しときな!ヒッヒッヒッ」
ドクトリーヌの言葉に、シロは自分の手を見て、巻かれた包帯から滲む血の量に「うわぁ…」と青ざめてしまった。
登り続けた手足は疲労もあるが、それよりも擦り傷が酷かった。ドラムロッキーは掴むところがほとんどなく、シロは壁に爪を刺すようにして登っているため指先はボロボロになっている。自分よりも大きな、ましてや意識のない相手を落とさないように運ぶにはこうするしかない。
シロもルフィも互いを気遣いたいところだが、声を出すことさえもエネルギー消費になるため勿体ない。時折様子を伺うために視線を交わすことが唯一の会話だった。
(きつい…。あとどのくらい登れば…!)
意識が朦朧としてくる中、少し気が抜けてしまった。脆くなった爪がうまく刺さらずバランスを崩す。
やばいと思った時、体に何かが巻きついた。それは先に登り着いたルフィの腕。
「ルフィ…!うわッ!ありがとう」
巻きついた腕はそのままシロたちを引っ張り上げて頂上へと辿り着く。
満身創痍の状態でたどり着いたそこにはお城があった。
きっとこの城の中に魔女がいる。早く2人を運ばなきゃと立ちあがろうとするも、力が入らない。隣のルフィも同じ状態のようだ。
(こんなところで!…せっかく、のぼって、きた、のに…)
気持ちに体がついてこず、シロたちは意識を失った。
※
暖かく優しい声にシロの意識がゆっくりと戻り、目を覚ますと、そこにはナミの姿があった。
「シロ!良かったわ!びっくりしたわよ、ボロボロで隣に寝てるんだものッ!」
ナミの言葉の途中に、シロは思わずガバッと抱きつく。
「良かったァ!ナミが元気になってる!」
「ずっと心配してくれてたものね。ありがとう」
元気なナミの姿を見て、シロは目から暖かい物が流れていることに気づく。
「もう!泣かないの!男の子でしょ?」
「これ、涙か。久しぶりでびっくりした。…ん?ナミ、ぼく女だよ」
今度はナミが驚いて、でもすぐにニヤリと何かを思いついたように笑った。
「これは、面白いものが見れそうね」
ナミの言葉にシロは「なに?」と首を傾げる。
「もう起きたのかい。若さだね」
扉を開けて入ってきたのは、とても元気なお婆さん。きっとこの人が魔女なんだとシロは思った。
「魔女さん、ナミを助けてくれてありがとう。ぼくのことも手当してもらったみたいで、ありがとう」
「ヒッヒッヒッ。いいチップもらったね。ただ私のことはドクトリーヌと呼びな」
ドクトリーヌはそう言うとナミに熱の原因を話し出した。やはり、リトルガーデンでシロが見た事があった症状と一緒で、放っておけば数日で命を落としていたそうだ。
(良かった、間に合って)
ナミがもう心配いらないと分かってホッとしたところで、サンジがいないことに気づく。
「あっ!ドクトリーヌ!あと2人!サンジとルフィは?!」
「あー、あいつらね。ありゃなんだい。2人とも結構な重症だったのに、もう起きて走り回ってるよ。安静にって言っても聞きやしない」
呆れたように言って、ドクトリーヌは持っていた酒を一口飲んだ。
「良かった、2人とも無事だった」
「そう言うあんたも酷い怪我だよ!特に手が酷い。しばらく使えないよ。爪が全部剥げちまってる。今は痛み止めが効いてるけどね。もうしばらくしたら切れるから覚悟しときな!ヒッヒッヒッ」
ドクトリーヌの言葉に、シロは自分の手を見て、巻かれた包帯から滲む血の量に「うわぁ…」と青ざめてしまった。