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守りたいもの <番外編>

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緊急招集だ。そう言って呼び出されてたのは以前鈴取りのサバイバル演習を行なった演習場。

「面白い物貰ったから、二手に分かれて豆まきをする。これはただの豆まきじゃないぞ。お前達の成長を確認する為に、この特殊な豆を使う」

カカシの手には普通の炒り豆に見える豆が乗っている。特別には見えないその豆を地面に向かって投げると、赤い液が飛び散った。

「きゃっ!何なのこの豆!気持ち悪い」

「この豆の中には衝撃で飛び散るインクが入っている。鬼側はこのインクが体につかないように避けること。どちらも忍らしく術は使って良いからな」

カカシによって男女にグループを分けられた。

(術も使えるなら良い勝負が出来そうかな)

身体的な部分だけではナルト達に敵いそうもない。これはしっかりと作戦を立てなきゃとケイはサクラに相談をする。

「サスケ!今だけは協力しろってばよ!」

「奇遇だな。オレもそう思っていた」

普段はいがみ合う2人が珍しく笑い合っている。よほどインクまみれになるのは嫌なようだ。

『私達も頑張ろうね!たまにはあの2人をぎゃふんと言わせたいよ』

「ナルトはいいけど、サスケ君は強敵だわ」

「うんうん。両者とも闘争心があっていいね。それじゃ、まずはナルト達が鬼役だ」

カカシのスタートの合図でまずはナルトとサスケが逃げる。
1人持ち豆の数は50個。あまり無駄に投げるわけにはいかない。

「まずは2人の動きを止めないと。ケイ!あの技お願い!」

『オッケー!いくよ!』

まずは作戦通りに確実に動きを止める為、サクラの陽動で誘い出されたナルトの足に水枷の術を発動させる。

「うわっ!何なんだってばよ!これってばケイの術」

『その通り!ナルトには悪いけど、鬼だから仕方ないよね』

サクラがナルトに向かって豆を投げる。その豆めがけて火が飛んできた。

「このウスラトンカチ!まんまと罠に引っかかりやがって!」

「サスケ君!でも今は敵。ごめんなさい」

ナルトを救出しに出てきたサスケにもサクラは豆を投げる。それと同時にケイはサスケにも術を発動したが外してしまった。

『あー!写輪眼!さすがだね!』

「そうやすやすと捕まってたまるかよ!」

写輪眼で豆を避け切ったサスケは、ナルトの枷を外そうとしたが、チャクラを練り込んだ水で作られた枷はなかなか外れるものではない。

「おい、ナルト!その足早く何とかしろ!」

「それが出来れば苦労しないってばよ!外したいけど外れねーんだ!」

んー!と力いっぱい足を動かしているようだが一向に外れる気配はなく、抵抗虚しくナルトはインク塗れになった。

「はい!そこまでー。ナルトは本当の戦闘だったら死んでるな。サスケは上手くかわしていたが、ナルトを助ける策が見つからなかくて残念だったな」

「くそー!今度こそオレの出番だー!」

ナルトはよほど悔しかったのかケイ達に、覚悟するってばよ!とニヤリと笑った。
サスケもナルト同様に、見てろよと笑っている。

「2人ともお手柔らかに…ね?」

『大丈夫!サクラは私が守るから!』

「準備はいいな?よーい、どん!」

合図と同時にナルトが影分身を発動させる。四方八方を囲まれて、ケイ達は逃げ場を失った。

「これで逃げられねーぜ?覚悟するってばよ!」

せーの!と一斉に投げられる豆。
悲鳴をあげるサクラを庇うようにケイが立ちふさがる。

『守護結界!残念だったねナルト』

豆が到着する前にケイの結界がサクラとケイを守る。結界にはナルトが投げた豆がへばりつき結界を赤く染めた。

「ずるいってばよ!」

「それならあんたの影分身も卑怯でしょ!」

ナルトが気を引いてる間にサスケが動く。
直接結界に向かって千鳥を打ってきた。
流石に一点集中の強力な突きに、ケイの結界はヒビが入り崩れた。

『うっそー!破れちゃった。サクラ!逃げて』

サスケがサクラに向かって豆を投げる。
正確なコントロールで見事サクラに命中した豆が弾けて、赤いインクが飛び散る。

「くそっ!サクラのやつやるな」

「危なかったわ!サスケ君ったら本気で投げるんだから!そんなに私を狙わなくても」

サクラは変わり身の術で豆を避けていた。それに、サスケに狙われた事を喜ぶ余裕まである。

「隙ありってばよー!」

『甘いよ。水遁 水鉄砲!』

ナルトの投げた豆をケイの水鉄砲が押し返す。そしてそのままナルトにぶつかり、今度は水浸しになるナルト。

「うきー!なんでオレばっかり!」

「足を引っ張るな、ウスラトンカチ!」

「お前だってサクラちゃんにもケイにもやられてるってばよ!」

「こらこら!喧嘩するな。どうやら今回は女の子の方が上手うわてだったようだな」

ナルトとサスケが喧嘩を始めた事によりカカシが止めに入る。

『2人とも私達に手加減したんじゃない?』

「ナルトはともかく、サスケ君は優しいからね」

女の子2人にそう言われて、そんな事はと言葉を濁らせるナルトとサスケ。
カカシはその様子を見て、やれやれと苦笑いをした。

「ま、それぞれ成長してるのは分かったよ。ナルト以外な」

「えー!カカシ先生ひどいってばよ!オレも頑張ったのに」

カカシがからかうように笑う横で、落ち込むナルト。だが、それも一瞬ですぐに何か企んでいるように笑い出した。

「そうだ!カカシ先生はまだ鬼役やってないってばよ!豆はまだあるし。みんな行くってばよ!」

「ちょ!待て!4体1は卑怯じゃない?」

「何言ってやがる。あんたならこのくらいのハンデどうって事ないだろ?」

やる気満々のナルトとサスケ。サクラも面白そうと笑ってカカシを追いかける。

『先生!これもチームワークですよ?』

ケイまで!あーもう!いいよ、全員相手してあげようじゃないの」

カカシは諦めたように額当てを上げて左目を開けた。

「写輪眼は大人気ねえんじゃねーの!?」

「そっちにもいるでしょーが!」

そうは言っても、カカシの経験の方が上なことに変わりはなく、サスケの写輪眼を持ってしてもカカシを捕まえることは出来なかった。むしろ反撃を受けて、見事に全員真っ赤に染まるのだった。

「ふぅー。ま、こんなもんだな。これにて豆まき終了!」

満足そうなカカシに対して、ケイ達は悔しげにいつかやり返そうと企むのだった。
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